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017_昭和レトロで蒸気のパンクが発条。

シーン:広めの布製テント内、探索者小町と淫魔イチローが何やら人の頭程度の大きさの機械を前にしている。これから迷宮事務局へ定期連絡をするところ。


 小町はテントの床、居住性を良くするために敷いている携帯マット、その上さらに敷いている肌触りを重視つつ軽くて丈夫な布、その上に置いてある、人の頭ほどの四角い箱型、材質的には木材のようなもの、の側部に、付属の取手をはめ込んで、ぐるぐると回し始める。


 その様子を覗き込みながら淫魔のイチロー

「えらく古いタイプの通信機ですね」

「祖父の時代から使ってある型だね、”タイプ:メンタコ” 明治一桁制作だっけか?まあ中身は結構大正部品に入れ替えてあるけれども、こういう命綱に直結する機器は信頼性が大事だからなぁ」

 ぐるぐるとレバーを回して、発動魔力と初期電力を同時に蓄魔電池に溜め込んでいく、探索者の小町。

「あーやっぱり、探索者としての歴史がある家なんだ」

「父方の斧野家もそうだけれども、母方の坂田家も結構由緒正しい武門兼迷宮探索稼業一家だからねぇ。中堅どころだから日本ではそれほど珍しいものでもないけれども」ぐるぐる、パチパチ。


「火花散ってない?」

「迷宮内の散逸魔力に反応しているんだよ、静電気みたいなもの、いやこっちは普通に静電気か?」

「ハイブリット型なんだ」

「なんやかんや言っても、魔力から電力に変換するよりは、魔力は魔力、電力は電力で、それそのまま使ったほうが、安定するし、構造が単純になるので壊れにくく、壊れても直しやすいからねぇ」ぐるぐる。


「昔と比べて、迷宮内も通信が繋がるようになって便利になりましたねぇ」迷宮怪異淫魔のイチローが昔を懐かしがるように。

「まあ、鎖国前でも、結構術式を工夫して、迷宮内外との連絡を取り合えるようにはなっていたけれども、くしゃみ結界が消えて、外つ国の技術が入るようになったおかげて、一息に技術が進歩した感じはするね」

「蓄電池とか、蓄魔池とかは使わないの?」

「迷宮内だと結構な頻度で抜けていくからなぁ、使う都度、作っていったほうが安定するんだよ。特に、二十層を超えるくらいの階層だと尚更だねぇ」ぐるぐる。


「よし、電魔はこんなもんでいいだろう、ええと、あれはどこにしまったかな?」ごそごそとテントの隅においた背嚢まで移動し、中を弄り、大きめな背嚢の内ポケットに入っていた、薄めの長方形、まな板くらいのサイズ、を取り出す小町。

「そこは結構最新なんだ」

「いやこれも型落ち、メールクライアントが動けばいいのと、あと、やっぱり枯れた技術で完成されているほうが安定感があるからね」と言いつつ、取り出した、ノートパソコンを開きつつ、ケーブルで木製四角通信機に繋いでいく。

「日本電気の大正95年モデル?微妙に微妙なところをついてきますね」

「世界通信網に繋がなければこれで十分、悪さをする悪魔は、迷宮事務局専用回線にはいないからね、」

「そういうことになってますね」

「やめろよ怖いだろ、そんな冗談。冗談だよな?

 すごく怖いから、冗談ということにしよう。

 ええと基幹構築もそのまんま、ドアーズ95で最低限動くから」ノートパソコンの電源を入れると、妙に気の抜ける電子の起動音が、やや広めのテントに響く。

「この起動音なぜか懐かしい響きなんですよねえ」遠い目をするイチロー。

「そうか?むしろ一周回って未来を感じさせる音の気がするよ」と小町。


 ちゃっちゃかちゃと、メールクライアントを立ち上げて、生存確認用の定型分を迷宮事務局へ送る探索者小町。


「岩国迷宮四十一層波穏やかにして大過なし。当方平穏無事にて心配御無用、あけましておめでとうございます、予定通り三が日いっぱい探索行、以後帰還予定、っと」小さな手で綺麗にブラインドタッチでメール本文を打ち込む小町さん。

「いや結構な出来事あったのでは?」メール本文を指差し曰くイチロー。

「死にかけて孕まされたと書けるか!これ家人も見れるんだぞ!」ちょっとキレ気味に言い返す小町。


「よし、これで急ぎの仕事は終わったぞ」きらりんと目を輝かせる、見た目は幼女武力は大人武芸者の小町さん。

「あ、なんか物騒な気配がする」

「さあ、ヤルぞ」

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