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きみの声がきこえる

作者: みか

わたしは病気をしている。だけど、辛いとか、痛いとか、悲しいとか思っていない。こころの病気をしてからもう数十年。いまだに精神科に通いつめている。恋人も、友達もいない。だけど、例えば辛いからって自分を痛めつけたり、他人を虐めてやろう、なんて考えない。かけがえのない、わたしの毎日。いつかは必ず終わるのに、繰り返されるわたしの毎日。ひとりぼっちのはずがないよ、痛くもないよ、もう苦しくないよ。わたしは、幸せです。きみはどうかな?声をきかせてほしい。病気の頭が、この瞳が、大切なことを映しだしてほしい。わたしの言葉を子供のように残してほしい。ただ眠れぬ夜に布団の中で書く文章が、「こんなに幸せでいいのかな」なんて、「また明日がくるぞ」「デートするの」「」なんていいながら、こころを誰かが今も守ってくれてる。小学校の頃から、失敗ばかり。怒られて仲間外れされて、悪口いわれて。きみは、どうかな?声をきかせてほしい。単純にきみのことが好きだから。きみと同じ世界を見て感じてみたいんだ。わたしは、こんなだけれど、涙なんてながさないよ。だって、痛くも痒くもないんだもの。わたしのこころは藍色、薄い青。わたしの血液は、きっと陽だまりのピンク。髪の毛は金髪ね。「派手な人だね」笑っちゃう。爪は白、先端にはリボン。洋服はタイツがはきたい!ミニスカートでね。ほら、クスッと笑顔になったんじゃない?きみが男だったらどうだろう、きみの気持ちに添えないかなぁ。きみと共有できたら、傷つけないように、もっとひとつになれたら、世界は美しくみえたのかなぁ。どうだろう?「こんなに辛いはずがないよ、だって…」はにかむ私達。震災、病気、大切な人がいなくなることとか、もう二度と戻ってこないのに記憶だけが残る過去。そして、明るくて幸せなわたしの未来。きみと一緒にね。来世もよろしくね。「今日は、声をきかせてくれて、ありがとう。もう夜遅いからおやすみなさい。また明日会えるから、いつでも連絡してよ。」


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