プルプルしたおじいちゃん、実は最強魔法少女だった説
はじめまして、はじめての投稿です。
良かったらご一読くださいませ。
ーーよく晴れた日だったーー
僕、河合拓夢は何となくブラブラと近くの商店街を散歩していた。
「うーん…100均でも行って何か買うか…」
少し前を見ると【いかにも】な老人が大きな荷物を片手に杖をつきながらゆっくりと歩いていた。
足元がおぼつかないというか、プルプル震えながら歩く老人に僕は少なからず不安を覚えた。
声を掛けるべきか…いや、逆に迷惑かも…でも……ええい!余計なことは気にするな!
「あ、あのっ!」
「…なんじゃ?ワシかのう?」
駆け寄って声をかけてしまった…やり慣れない行動に僕はドキドキする。
「良かったら、その荷物…お持ちしますが」
「いやいや、申し訳無いて。お気遣いだけ貰っておくよ。」
シワっとした、それでいて柔らかい笑顔で返された。
「い、いやでも…」
僕が更に言葉を繋げようとすると、僕たちに大きな影が被さった。影?
目の前を見ると大きな…普通の人の倍はありそうなゴリラらしきものが目の前に立っていた…眼は血走っている。
「ジジィ…この前はよくも…!!」
ゴリラが喋った!?その事にも驚いたが、ゴリラらしきものは老人を睨みつけている。
老人は先程と変わらず柔らかい笑顔のまま、ゴリラに向かってこう言った。
「やれやれ…あれだけでは懲りなかったのかのう?やはり仕留めねばならんのかのう…」
「ジジィてめぇ!!」
ゴリラが更に怒気に満ちている。商店街の客などは遠くからこの光景を見守っていた。
『どうしたらいい?どうしたら…おじいちゃんが危ないのに…怖い…』僕は腰が抜けてガタガタ震えるしか無かった。
「やれやれ…仕方がないのう…では。」
「へ〜んし〜ん、じゃ〜…」
老人がプルプルと震えながら自分を支えていた杖を天高く上げ……その瞬間、眩い光が老人を包み込んだ。
「眩しいっ…!!おじいちゃん!!?大丈夫です…か…?」
光が消えた。そして老人がいたはずの場所には、眩いばかりの美少女が凜然と立っていた。
瑠璃色の艶やかなポニーテール、白い肌、杏色の瞳…そしてスカイブルーのフリルの着いた服…ロリータと言うのだろうか?
そんな事を呆然と考えている時に美少女が一言。
「この世の闇を悪即斬!プリティスカイ参上!」
ゴリラがにたぁと笑ってこう言った。
「現れたなプリティスカイ…この前の様には行かないからな!」
…僕は何を見ているんだ。ゴリラvs美少女の戦いなんて…ゴリラが勝つに決まっている!そんなの放っておけない!!
僕はゴリラと少女の間に立った。
「早く逃げるんだ!ここは僕に任せて!」
勝てる訳が無い…でも、この女の子を放っておけない!
ガシッと僕は頭を掴まれ、そのままゴリラに持ち上げられた。
「僕に任せて…なんだって?あぁ?」
「ぐっ…うるさい…!とにかく、早く逃げるんだ!」
「こんなひ弱な男に何が出来る?頭を握り潰してやろうか?」
ミシッと嫌な音がした様な気がした。こいつ、本気で僕を殺す気だ!
「くそっ!こんな所で…!!」
でも女の子を見殺しにするよりマシか…せめて童貞くらい捨ててから死にたかったな…。
など考えていたが、後ろから凛とした声が響いた。
「少年、ありがとう!気を引いてくれたお陰で準備できた!」
は?準備?何で逃げてないんだ…!!
ゴリラの表情を見ると…青ざめていた。
「ヒッ!ま、待ってくれ!こいつは離すから!もう悪さもしないから!な?」
「もうダメだね!必殺!スカイキャノン!!」
ゴリラと僕に光線が当たった。何これ僕死ぬの!?…と思ったが、僕には何の影響も無い…寧ろ、温かくて気持ち良い、晴れた青空を見ているような清々しい気持ちになった。
ゴリラは…腹の中心に見事な大穴が開いていた。
「クソ…こんなところで…」
「…」
プリティスカイと名乗った美少女はゴリラを睨みつけたまま臨戦態勢を取り続けている。
「…オレが死んだら、オレの仲間が黙ってない…プリティスカイ、地獄で待ってるぞ…」
そしてゴリラはボン!と爆発し、灰になった。
「今のは一体…?」
僕が頭を抑えながら呟くとプリティスカイと名乗った少女が答えた。
「魔獣、魔物と呼ばれる生き物よ。あれは人に悪さをする…今のゴリポンも商店街のバナナや食料を食べたりお店を荒らしたり、やりたい放題だったの。」
ゴリポンて名前だったのか。いやそれより。
プリティスカイ、こいつは何者だ?それにおじいちゃんはどこに行ったんだ…?
「ねぇ、プリティスカイ、君は…」
「すまないが時間切れじゃ」
プリティスカイが言うや否や、ポンッと可愛らしい音がして…プルプル震えたおじいちゃんが現れた…。
「あぁ…今日も商店街は平和じゃのう」
先程と変わらず柔らかい笑顔で老人は言った。
え、ちょっと意味がわからん…おじいちゃんと美少女は同一人物なのか!?
僕が混乱している中、商店街が人々がおじいちゃんを取り囲んだ。
「源ちゃん今日も素敵だったわよ!」
「いつもありがとな源ちゃん!これコロッケ!温かいうちに食べて!」
「ほっほっほ、いつもありがとうな」
その光景を呆然と眺めている僕に、おじいちゃんが近づいてきてこう言った。
「若いの、ありがとうよ…君の勇気で商店街が救われたんじゃ」
「え、いや僕は別になにも…」
「何を言うておる、お主がゴリポンの気を引き付けたお陰で仕留める事ができたんじゃ」
「そ、そうなんですか…?それなら、良かった…」
おじいちゃんが手をプルプルと差し出してきた…僕は応えるように握手をした。ワッと商店街の皆から拍手…そして。
「ふむ、ふむ?なんじゃ…ほう。」
おじいちゃんが独り言を言い出した…なんだ?
「そうかそうか、ならば」
カッ!と一瞬だけ、握手している手が光り…おじいちゃんはこう言った。
「契約完了だぞい、これで良かったかのう?」
…は?契約完了?僕は一体何と契約させられたんだ!?
おじいちゃんはまだブツブツと独り言を呟いている…どうしたら良いんだこの状況…。
ーー本当によく晴れた日ーー
ーー僕は魔法少女おじいちゃんに巻き込まれたんだーー
ここをご覧いただけているということは、ご覧いただけたと言う事でしょうか…?
ありがとうございます。
また折を見てつらつらと続きを書きたいと考えておりますので、良かったらまた見てくださいませ。