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04 消失

悪役の描写って難しいですね



 レナードの死の知らせから一週間後、葬式は静かに進んだ。墓に埋められる棺桶には折れた剣の柄と腕輪しか入っていない。レナードは魔物の自爆に巻き込まれ遺体は残らず、トレンチコートと剣の柄、腕輪だけしか残らなかったらしい。同じく、同行した騎士も遺品もほとんど残らず消し飛んだ。

 黒いトレンチコートだけは少し煤けただけで帰ってきた。防護魔法などがかなり頑丈にかけてあるらしく、トレンチコートの下は防げたようだが、隙間からは防げず超高温で焼かれたらしい。





 あの日から一ヶ月が過ぎていった。ノーマン公爵とフィーナが訪ねてきたり、父と仲が良かった貴族が支援をしてくれ、ユリアがレナードのやっていた領地経営を引き継ぎ、なんとかやりくりしていた。ユリアは時々思い出してか、一人で泣いていたりするが、なんとかレナードの死を乗り越えられたようだ。今日も思い出してか、目に涙を浮かべながら酒を飲んでいた。


 夜が更けた午前2時頃、背中がゾワッとするようなのを感じ、目を覚ます。


 生暖かい空気に紛れてほんの少し、鉄の錆びたような匂いがした気がする。更に耳を澄ませると、か細い悲鳴と知らない人間の声が聞こえた。


 まさかと思い、とりあえずかけてある父の塹壕外套トレンチコートを着て下の階を見に行く。廊下に出るとエマも聞こえたらしく怯えながらついてきた。途中で護身用のために自分の剣を回収する。


 階段に近づくと鉄の錆びたような匂いが濃くなってくる。階段に着いてやっとその匂いの正体が血なのだとわかった。広範囲に血が飛び散り、過剰なほどの切り傷を負った遺体や、首から上がない遺体もある。血でできた足跡があり、一度執務室へ行き、反対の主に使用人の部屋があるほうへ襲撃者は行ったようだ。


 血の足跡は執務室へ伸びている。ユリアのことが心配になり、急いで執務室のドアを開ける。


 「母上っ!」


 目に入ったのは荒れた部屋に母のユリアがうつ伏せになり、腹を剣で突き刺されて辺りを赤黒く血で染めている光景であった。


 「あぁぁっ……」


 突然の母の死にグランは呆然と母の骸を眺めていることしか出来なかった。


 この時、襲撃者は屋敷にまだいるはずなので逃げなければならないのだが、父親に続き母親の死が起こった少年には酷な話で、できるわけもなかった。


少し投稿を休みます

始めたばかりですがリアルが忙しいので……

すみません


PVが3桁いっている!?

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