14 試験 2
俺の相手はロングソードに小盾を持った赤髪の男だ。
「君の相手をするハリス・マークソンだ、よろしくね」
挨拶をしてくるが彼の視線はこちらの得物に向けられていた。
俺の武器はロングソードとショートソードであり、二刀流の手数型なら普通だがショートソードが2本あるというのが異様なのだろう。
「シルフィリア様の従者、アルト・ラグースです」
中央で握手を交わし、開始位置に立つ。
「用意はいいな?」
ハリスが剣を抜き、盾を構える。対する俺は左側に下げているロングソードを抜き、構える。
「3、2、1、始め!!」
開始の合図と共に床を蹴り、相手との距離を詰めに行く。接近する間に牽制としてアイスアローを放つが、ハリスは盾と剣にエンチャントをして矢を溶かして防ぐ。
「近接が得意で魔術をこの精度で放つのか…なら手加減は無しで行くぞ!!」
ハリスもこちらに向かって動き出す。自分も剣に氷属性の魔力を込め、エンチャントを施す。
ハリスの剣は炎の尾を引き、俺の剣は空気中の水分を凍らせて氷片を散らす。
双方の剣がぶつかり、せり合うと大量の水蒸気が発生し、爆風が吹き抜けた。
せり合いは体格が良い方、つまりハリスが優勢だ。このままでは分が悪く、押し込まれるので左手でショートソードを抜き、素早く真っ直ぐ上に向かって振り抜く。
ハリスの剣を跳ね上げて一歩踏み込み、自由になったロングソードを振るう。
だが、そう簡単に決着とはいかない。ロングソードは盾によって阻まれ、跳ね上げたハリスの剣が迫る。それをショートソードで受け止めるのを何度も繰り返すが、筋力と武器の重量の差で押し負ける。
そしてついにいなし切れずに衝撃で後ろに飛ばされた。
「っ…… 」
「もう終わりか?」
期待外れだという表情をされるが、ここではいつも使っているAMTを使うわけにもいかず、更に得意とする魔法は全て殺傷力が高く、人に向かって放てるようなものではない。なので使えるのはAMTで放てる基本魔術の威力を調整し、魔法で再現したものしかない。
考えを巡らせたのち、ほんの少し遊ぶだけだと思っていたはずなのにな、と自嘲する。
残る方法は一つ、手数を増やし、相手の一手に数手で対抗するしかない。
「『氷結鎧装・刃』……」
つぶやくように鍵言を唱えると腕部と脚部を透明な氷が覆い、脚部に膝上まで伸びる鋭い氷の刃が展開される。
「さあ、第2ラウンドだ」
まだ4日だからセーフ




