12 トール
投稿するの忘れてた☆ミ
道中に少々トラブルはあったが無事予定通りに王都の別邸に到着した。
「シルフィリア様、到着いたしました。」
「ええ、ご苦労さまでした、アルト。」
ロータス伯爵の王都にある別邸には現在、シルフィリアの兄であるトールが学園に通うために住んでいる。
馬車を別邸付きの御者に託していると玄関のドアが開き、トールがシルフィリアを出迎えに来た。
「やあ、久しぶりだね、シルフィー。」
「お兄様、お久しぶりです、やっとお兄様と一緒に学園に通えるようになりました!」
トールはシルフィリアの言葉に苦笑しつつ、「2年で背が伸びたし、可愛らしくなったね、シルフィリア。」といい頭を撫でてから、こちらに向く。
「アルトも久しぶりだけど、・・・・・・変わらないね。」
「お久しぶりです、トール様。流石に背も結構伸びましたし、声変わりもしましたよ?」
「えっ?・・・・・・」
「『えっ?』じゃないです。」
シルフィリアの兄、トールはいわゆるシスコンだ。そのためシルフィリアのことには細かく注意するのに、妹以外には大雑把、というかテキトーである。
「まあそれはさておき、アルトも学園にシルフィリアの護衛として通うんだろ?」
「はい、そうですが・・・・・・。」
「それなら屋敷に住んでくれていいよ、手紙で父上も屋敷に住んでもらって構わないって言ってたし。」
「では、お言葉に甘えて。」
外で話し続けるのも旅に疲れたシルフィリアが大変なので屋敷の応接室に移る。
「部屋は2つ空いているんだけど、書斎の隣か、シルフィリアの部屋の隣、どっちがいいかな?」
シルフィリアの部屋の隣と聞いてシルフィリア本人は驚いた様子でトールを見る。
「書斎の隣でお願いします。」
このサラリと爆弾発言をするのを聞いて親子だなぁと思いつつ、これからこれが平常なのかとげんなりした。
夕食の時間まで荷解きをして明日の準備をしたほうがいいのではないか、とトールに言われて屋敷の使用人に案内してもらい、あてがわれた部屋に行く。
部屋はパーズで借りていたものよりもかなり大きく、居間と寝室で分かれてい、居間には中央にソファーとローテーブル、端に作業机があり、寝室のベッドは柔らかく寝心地の良さそうなベッドがあった。
使用人が下がっていることを確認し、魔術を発動させる。
『detection・range:50meters・target:magic tool・magic formula』
部屋に仕掛けられた盗聴器が無いことを確認し一息つく。
この世界の盗聴器は地球のような電子機器ではなく魔道具や魔術を使っている。なので一つの盗聴器で屋敷すべての会話を盗み聞くことができてしまう。
盗聴などを防ぐための魔術や魔道具はあるが、それらは音などを遮断するだけなので内側に盗聴器があれば意味がない。盗聴されないようにするには盗聴器を排除するしかないのは地球|《向こう》異世界《こちら》も変わらないのだ。
明日の入学試験の準備は特にする必要がないのだが、荷解きや、部屋に防犯対策をしておく必要がある。
手際よく自分の作り上げた魔術を展開し、部屋を要塞化してからクローゼットにパーズから持ってきた私物たちの片付けに取り掛かった。




