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14,たわむれ


「ところで、アリサ姫はいくつになるのかのう?」

 そう言って玉座のコスタリカ王が身を乗り出す。

「はい、18歳ですが」

「姫は結構な器量をしている。後、5年もすれば美人のいい女になるであろうな」

 王はアリサを上から下まで視線でなめ回す。

「は、はあ……ありがとうございます」

 その目つきが嫌らしかったのでアリサの顔が曇った。

「どうだ、わしの愛人になる気はないか?」


「親父殿!」

 アレクの声が部屋に響く。

「あ、いや……わたくしは、まだやることがたくさんありますので」

 アリサは顔を赤らめて視線をあちらこちらに移した。

「はっはっはっは、冗談じゃよ、冗談。わしは若いころから女とやりすぎてなあ、今では全然、立たんのだよ。どんな美人の裸を見ても叩いても擦ってもピクリともせん。だから、安心しろ」

 そう言って王は「ガハハハッ」と豪快に笑った。


  *


 王との謁見の後、タケルとアリサ、ローレンツは待合室に移った。


 アリサはテーブルの上に用意された紅茶のカップを持ち上げて言う。

「まあまあの出来だったわよね。とりあえず、コスタリカ王国との同盟は保たれたわけだし」

「ああ、そうだよね。しかし、マクドリア王国が同盟に参加するとは思わなかったな……」

 イスに座っているタケルは背をそらして上を見あげる。


「ベアトリス王女はマクドリア王の指示に従うしかないんじゃない? いくら私たちに恨みがあっても、王女として公私混同はしないでしょう」

 そう言ってアリサは紅茶を口に含む。

「そう願いたいね。お尻ペンペン嬢ちゃん……じゃなかった、ベアトリスは将軍として大軍を率いて来るらしい。それなりの責任感を持って戦うだろうということを信じよう……」


 タケルは背を丸めてポットの紅茶をカップに注いだ。

「ガルガント軍の迎撃の総司令官はブルーノ将軍になるのよね……なんか、不安だわ」

「ああ、あの父つぁんか……。ちょっと傲慢が過ぎるよな。アリサ姫に対して失礼だ……少し、からかってみるかな……」

 そう言ってタケルがニヤリと笑ってローレンツを見た。

「ちょっとぉ……開戦前なんだから、変なことはしないでよね」

 アリサが上目づかいで睨む。

 タケルは「ハイハイ」と言って、紅茶をチビチビと飲んだ。


  *


「こんなところに呼び出して、何の用だ」

 ブルーノ将軍は大きな目でぎょろりとローレンツを見る。

 軍服を着た大柄な体格は威圧感を持っていた。

「ええ、ちょっとお話がしたくて……」

 ローレンツは両手を胸の前で組み、少女のようにお願いポーズをした。


 パーティ会場は明かりが灯されていないので暗く、食器などがテーブルに並んでいる。だが、まだ料理は運ばれておらず、準備前の大きな部屋には二人きりだった。


「あのう……僕、将軍のことを一目見て、いいなって感じちゃったんです」

 ローレンツはブルーノ将軍の目を見つめて両手を彼の厚い胸板にあてた。そして、軍服をさわさわとなでる。

「なに! 何だ貴様は、何を考えているのか」

 ブルーノはローレンツの手を払いのけた。

「アアーン」

 ローレンツは、くねくねと床に倒れる。

「もう! ブルーノ将軍のいけずぅ……。僕の気持ちを受け取ってくれてもいいじゃないですかあ」

 しなを作ってローレンツは腰を振った。

「まったく、ちょっと見は、できるやつだと思ったが、ただの変態小僧だったか」

 将軍は口の端をゆがめてバカにした笑いを浮かべる。

「そんなあ……僕はブルーノおじさんのことを好きになっちゃったんですよお」

 両膝をついたままにじり寄って、将軍の腰に手を回す。

「ガキが、気持ち悪いわ!」

 ブルーノはローレンツを蹴飛ばした。

「いや~ん!」

 また、床に倒れる。

「ああん、もう! そのたくましい体で僕ちゃんを受け止めてくださいよおーん」


 シャツのボタンが外れて裸の胸があらわになった。それがブルーノの目に入って変なスイッチが入る。

「ふん、まったく……ホモのガキンチョはしょうがないな」

 タケルの前に仁王立ちになって、ニヤニヤ笑いながらベルトを外しズボンを下げた。

 大きく膨らんでいる、でかいガラパンの股間。

「戦争の最中は女がいないから、宿営地で男とやったこともあるが、城の中でやるのは初めてだな」

 将軍がタケルに近寄る。

「ああーん、僕は初めてなんですぅ。優しくしてくださいねえーん」

 両手を組んでお願いポーズを作る。


「ああ、思い切り突っ込んでやるから覚悟しろ」

 ブルーノはパンツを脱いで股間の太い棒をローレンツの顔面でブンブンと振った。

「ああーん、やっぱり怖いー」

 ローレンツがおびえた表情で座ったまま後ずさりする。

「ここまできて何を言っているか」

 嫌らしい笑いを浮かべてブルーノがローレンツに迫って、彼のズボンをずり下げた。

「ああーん、やめてくださーい」

 ローレンツが身をくねらせると、さらにズボンが下がって白いパンツが見えてくる。

「ほーらほら、今、ケツに突っ込んでやるぞお。それとも口の方にするかな」

 ゲヘヘヘ、と笑い声を漏らしながらノリノリになったブルーノ。

「ああ、いやーん。かんにんしてくだちゃーい」


 タケルたちの色事をアリサとタケル、コスタリカ王、それにアレクと近衛兵たちが壁際に立ちすくんだまま無言で眺めていた。

 タイミングを計り、タケルは皆を連れて部屋の中に入ってきたのだ。


「ほれほれ、思い切り楽しませてやるからな」

 ブルーノは後ろで見ているアリサたちに気が付かない。

「ああーん、ダメでちゅー。ブルーノおじさんのいじわるぅー」

 腰に抱きついているブルーノから、もがいて逃げ出そうとするローレンツ。


「あのう、そろそろ止めたほうがよろしいのでは?」

 アリサが隣の王に言う。

「あ、ああ……」

 王は恍惚とした表情で、よだれを垂らしていた。そして、そのズボンの股間はビンビン、ビビーンと高くテントを張っていた。


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