黒蝶孔雀、クリスマス前の悪あがき。
【誰と過ごす?】クリスマスイブ【独りで過ごす?】
801 名無しの男の子
俺、10年振りに家族とクリスマスを過ごそうと思うんだ。
802 名無しの男の子
>>801
マジかよ。お前、すげーな!
803 名無しの男の子
>>801
俺もクリスマスは家族と過ごすつもり。
804 名無しの男の子
>>801>>803
お前らすげーな。
805 名無しの男の子
あのさ……俺、2ヶ月前に彼女ができたんだ。
だから、今年のクリスマスは彼女と一緒に過ごそうと思うんだよ。
806 名無しの男の子
>>805
お前、マジかよ!! 後、彼女できたのおめ!!
807 通りすがりの紳士◆NYaNKOsuki
吾輩もクリスマスは妻と一緒に過ごすのであーる!
とあ様とミスターあくあがやってたみたいにプレゼント交換をしようと思うんだが、どうだろうか?
808 名無しの男の子
>>807
いいと思うぞ。ただし、湿度が濃そうなあくとあグッズを奥さんに渡すのだけはやめておいて差し上げろ。
809 只野おじさん◆k4k4r1ty0u
私もクリスマスは会社の人たちとクリスマスパーティーをする予定です。
今からクリスマス楽しみで仕方がありません。
はは、年甲斐もなくはしゃいじゃってすみません。
810 名無しの男の子
>>809
すげー! おじさん、マジかよ!!
811 名無しの男の子
あーあ、俺もクリスマスを誰かと一緒に過ごしたいぜ。
家族と過ごそうにも、母親は俺が幼い時に監禁しようとして捕まっちゃったから誰もいないんだよ。
あの時、なんとか窓から逃げ出した俺を助けてくれた女の子、元気にしてっかな?
俺が女の子を全員嫌いにならなかったのも、その子がいたおかげだと思う。
812 名無しの男の子
>>811
そんな辛い過去があっても、誰かと過ごしたいと思えるお前がすげーよ。
813 名無しの男の子
>>811
俺もなんか急にクリスマスを1人で過ごすのが寂しくなってきた。
今までそんな事を考えた事がなかったのに……。
814 名無しの男の子
>>813
激しく同意。
あくあ君達がクリスマスの準備とかをSNSにあげてて、俺もクリスマスを誰かと過ごしたくなった。
815 名無しの男の子
>>814
わかるわ。俺も急に人肌が恋しくなってきたもん。
なぁ、どうやったらクリスマスを一緒に過ごすような恋人ができるんだ?
816 白銀あくあ(偽物)◆aquaaquaaa
そういえば、前にあくあさんが言ってたな……。
彼女が欲しかったら合コンしたらいいって。
817 名無しの男の子
>>816
ほーん、その話kwsk!
818 名無しの男の子
>>816
詳しく……聞かせてもらおうか。
819 白銀あくあ(偽物)◆aquaaquaaa
参加する男の子と同じくらいの女の子を集めて一緒に食事するんだって。
そこでいい雰囲気になったら、後で個別にって形らしい……。
俺も良くは知らないけど、それで彼女ができるってあくあさんが言ってた。
820 名無しの男の子
>>819
THX! いいな。やってみてぇ!!
821 名無しの男の子
>>819
よし! 俺たちもクリスマス前に合コンしようぜ!!
822 名無しの男の子
>>820-821
あのさ、純粋な疑問なんだけど、その一緒に食事をする女の子はどう集めたらいいんだ……?
俺たちはそうやって気軽に声をかけられる女子がいないから困ってるんだが。
823 名無しの男の子
>>822
あっ!
824 白銀あくあ(偽物)◆aquaaquaaa
>>823
しまった!
825 名無しの男の子
あれか。俺が過去に、あくあ君が着てる服と同じ服を買いに行きたかったけど、それを買いに行くための服がなかったの一緒か……。
826 名無しの男の子
>>825
お前は俺か!?
827 バタフライマスク◆B4T4FLYM4N
>>824
マネージャーの甲斐さんとか、アイドルオーディションで一緒になった子達に頼めばいいじゃないか。
年下組に頼むのはどうかと思うが、藤林さんとか津島さんみたいなちゃんとした成人組に頼めばメンバーを集めてくれると思うぞ。あの辺は交友関係も広そうだしな。
828 名無しの男の子
>>827
やっぱり孔雀は俺たちポンコツと格が違うな。
829 白銀あくあ(偽物)◆aquaaquaaa
>>827
おま、ナイス! そういう事なら、俺がどうにかセッティングして見るわ!!
830 名無しの男の子
>>829
うおおおおおおお! 言い出しっぺだけど、ありがとう!!
俺も俄然、クリスマスが楽しみになってきたわ!!
831 名無しの男の子
俺も参加するぞ!!
832 名無しの男の子
山田も孔雀君もありがとう。
これでクリスマス・ボッチ・ザ・ワールドさんを回避できそうだ。
833 名無しの男の子
>>832
おいおい、ここは初めてか?
その人は名前も出しちゃいけないあの人だぞ……。
なんたってこの世界で唯一、あくあ君を粗雑に扱える世界一恐ろしい女だからな。
834 名無しの男の子
>>833
顔は童顔で体型も小さくていいのに、胸の大きさと性格で損してる名前を出しちゃいけない人……。
835 名無しの男の子
>>833-834
でも、あくあ君は嬉しそうにしてるよ?
836 名無しの男の子
>>835
ばっか、お前、それはあくあ君だからだよ……。
837 名無しの男の子
>>836
説明になってないけど一瞬で理解した。
838 白銀あくあ(偽物)◆aquaaquaaa
さっきみんなに連絡したら、クリスマスイブの前に合コンしてくれる女の子達を紹介してくれるってよ!!
それとクリスマスに予定の入ってない孔雀も参加決定な! 理由は俺1人だとみんなが不安だから!!
839 名無しの男の子
>>838
山田、俺は最初からお前が出来るやつだってわかってたからな。
840 バタフライマスク◆B4T4FLYM4N
>>838
ちょっと待て! 勝手に俺を巻き込むな!!
————————————————————————————————————
「はぁ……」
男性陣の待ち合わせ場所に到着した俺は、当時のスレを見て頭を抱える。
「どうしてこうなった」
あいつに関わるといつもこうだ。
穏やかに過ごしていたいつもの日々が嘘みたいに、次から次へと俺の予定が何かで埋まっていく。
だが、それを悪くないと思っている自分が1番腹立たしい。
「全く、あいつといると退屈しないというかなんというか……ん?」
丸男と孔雀のチャットグループに通知が入る。
いつもは真っ先に待ち合わせ場所に来る丸男が来てない事を不思議に思っていたが、もしかして、何か事件や事故に巻き込まれたわけじゃないだろうな。
今朝、俺は寝ていた丸男を残して少し早くに家を出ると、揚羽に約束したクリスマスプレゼントを渡した。その後に、家に帰らずに直接ここに来たが、やはり一度家に帰るべきだったか。
俺は慌ててチャットグループのメッセージを確認する。
山田丸男
わりぃ、孔雀……。
なんか目の前がぐるぐるするなと思ったら、熱があったわ。
みんなに感染すわけにはいかないし、今日は行けそうにない。みんなに謝っておいてくれないか?
くっ! だから俺は口酸っぱく何度も言ったんだ!!
ちゃんと髪を洗った後は、疲れててもしっかりとドライヤーをしてから寝ろと!!
後、暖房が効いてるからって、冬にタンクトップと短パンで寝るな! お前は小学生か!!
俺はすぐにメッセージを返す。
黒蝶孔雀
気にするな。
こっちは気にしなくていいから、お前はクリスマスに向けてしっかりと休め。
俺がメッセージを打つと、間髪入れずにメッセージが入った。
甲斐愛華
山田君、大丈夫すっか!?
黒蝶君、申し訳ないけど、あーしはお医者さんと一緒に山田君の様子を見に行くので、黒蝶君は合コンの方をお願いします!!
ちょっと待て!!
合コンの男性側と女性側の幹事が2人とも抜けるとか聞いてないぞ!?
俺が頭を抱えていると、再度、丸男からメッセージが送られてきた。
山田丸男
孔雀も1人じゃ心細いだろうから、一応、助っ人を呼んでおいたわ。
後は、頼んだ……ぞ。
丸男ーっ!! お前、本当に大丈夫なんだろうな!?
俺は若干不安な気持ちを抱えたまま、集まっているみんなに事情を説明する。
「おい、マジかよ……あいつが俺たちの頼みの綱だったのに」
「山田にお見舞いメッセージ送っとこ」
「山田……無茶しやがって!」
「なぁ、孔雀。本当に俺たちだけで大丈夫なのか!?」
「山田がいなくなった今、お前だけが頼みだからな!!」
うっ……。男性陣の視線が全て俺1人に注がれる。
おい、やめろ。そんな目で俺を見るな。
俺がみんなから視線を逸らすと、派手な自転車がこっちに向かってきていた。
なんだあれは? クリスマスイルミネーションみたいな装飾をしている。
「おーい!!」
嘘……だろ? 俺は手を振って近づいてくる人物を見て固まった。
その人物は派手な自転車を停めると、俺達の方へと近づいてくる。
「丸男から孔雀が困ってるから助けてくれって聞いたんだけど、どうしたんだ?」
「白銀……あくあ、お前、その自転車……」
いや、自転車はどうでもいいだろ! と、自分に突っ込みたくなったが、俺が聞かなきゃ誰も聞けそうにないからな……。
白銀あくあは自転車のサドルをポンポンと叩く。
「ほら、人間でもセカンドオピニオンってあるだろ? 普段からバイクのメンテはちゃんとしてるんだけど、年末だし、今はプロの人にバイクを預けてしっかり全部見てもらってるんだ。それで代わりの足をどうしようかなって思ってたら、のえるさん、あ、えみりのお母さんが、バイクをメンテに出してる時に使ってる自転車があるからって貸してくれたんだよ。ほら、このデコトラチャリ、走るクリスマスツリーみたいでいいだろ?」
あ……うん。俺ごときが白銀あくあを理解しようと思ったのがバカだったよ。
丸男、それに、黛慎太郎、やっぱりお前達はすごい男だ。
俺はとてもじゃないが、今後もこの男に勝ちたいなんて思わないだろう。
「あ、あくあ君だ!!」
「あくあ君、その自転車、すごく派手だね」
「もしかして、山田から事情を聞いて助けに来てくれたのか?」
「あくあ君が居るなら100人力だ!」
すぐにみんなが白銀あくあの周りを取り囲む。
はは、どこに行っても白銀あくあの周りはすぐに人だかりができるな。
「うぉっ!? みんな、こんなに集まってどうした!?」
白銀あくあは珍しく戸惑うような素振りを見せる。
ん……? もしかして、丸男のやつ、白銀あくあに対して「助けてくれ」と言っただけで、何をどう助けて欲しいのか言ってないんじゃないか? いや、流石にそれはないか。
すごく不安な気持ちになった俺は、確認のために白銀あくあに再度話しかける。
「丸男からはなんて言われて来たんだ?」
「ただ一言、助けに来てくれと……男同士の会話は、それだけで十分だろ」
白銀あくあはキリッとしたかっこいい顔をする。
もし、ここに小雛ゆかりが居たら「あんた、やっぱバカでしょ!! 少しは考えてから行動しなさい!!」って突っ込んだに違いない。
なるほど、これがイマジナリー小雛ゆかりってやつか。俺も少しは白銀あくあを理解できたかもしれない。
俺はこめかみを指先で押さえると、白銀あくあに対して合コンの事について説明する。
「合コン……だと?」
俺たちの姿を見た白銀あくあの顔が急に険しくなる。
お、おい! 急に戦場に行くような顔をして、どうした?
「お前ら、まさかそのままで戦場に行くつもりじゃないだろうな?」
さっきのキリッとしたいかにもなかっこいい顔じゃない。
白銀あくあの表情が、男が惚れるような男らしい顔つきになる。
「孔雀、待ち合わせ時間は?」
「あと2時間くらいだ」
俺たちがそんなにも早くから集合してるのは、途中で家を出るのが怖くなった男子達を説得するための時間を取ってるからだ。だが、幸いにも今回はそういう奴はいなかった。
「それだけあれば十分だな。よしっ! 全員、俺についてこい!!」
白銀あくあが手を挙げると、周辺に居たタクシー達が一斉に集まってくる。
さすがは大スター、白銀あくあだ。あんなに遠くに居るタクシーまでこっちに来てる。
「全員、タクシーに乗れ。行くぞ!!」
一体、どこに行くというのだろうか?
俺たちは大名行列のように並ぶタクシーに次々と乗せられる。
白銀あくあはデコトラチャリに跨ると、タクシーを先導してどこかへと向かう。
ん? この方向は近くにある藤百貨店新宿店か?
俺が予想した通りの場所にタクシーが停車すると、デコトラチャリを駐輪所に停めた白銀あくあがやってくる。
「お前ら、まさかとは思うが、そんな装備で戦場に向かうつもりじゃないだろうな?」
俺は視線を下に下げると、自分の格好を確認する。
さっき、揚羽といいところのレストランでお昼に食事をしたばかりだから、一応ちゃんとした正装をしてきているが、これではダメなのだろうか?
俺が視線を白銀あくあへと戻すと、こっちを見ていたあくあと目が合った。
「まずは孔雀。お前が今日着ている服装はTPO的にどこにでも行けるし、孔雀の容姿にもよく合ってる。とてもいいコーディネートだ」
「あ、ありがとう」
素直に褒められた事に俺は少しだけ戸惑う。
「だが、しかし!! それでは防御力が高すぎる!! お前はただでさえ、女の子から話しかけづらいタイプなんだ。慎太郎みたいに、もっと抜いていけ! あっ、抜くと言っても、そっちの意味じゃないぞ! そういうのは合コンでお持ち帰りした女の子にしてもらいなさい!! いいか、これは白銀あくあ教官との約束だからな」
「「「「「イエッサー!」」」」」
誰が教官だ! お前らもイエッサーとか言うな! ノリが良すぎるにも程があるだろ。
これだから掲示板民は! そういう事をするからますます白銀あくあが止まらなくなるんだ。
俺はこめかみを指先で押さえて頭を抱える。
「というわけで、これを着ろ!」
俺は白銀あくあに手渡された服に試着室で着替える。
随分とモコモコしたニットだな。しかも切れっぱなしのロング丈か。普段、俺が着ないタイプの服だ。
俺はそれに合わせたMA-1のジャケットを羽織って試着室のカーテンを開けると、外に置いてあった白い厚底のスニーカーを履いた。
「どうだ? シルエットが丸みを帯びてるのと、暖かくて柔らかな素材のおかげで、いつもの孔雀と比べて柔らかい感じの印象になっただろ? これなら、女の子だって話しかけやすい」
「本当だ!」
「さすがだよ。あくあ君!!」
「孔雀、よく似合ってるぞ!!」
へぇ、確かに柔らかい印象になったが、そういうものなのか?
俺は自撮り写真を撮ると、揚羽に送ってみる。するとすぐに返信が来た。
黒蝶孔雀
白銀あくあのコーディネートだが、どう思う?
黒蝶揚羽
わっ、わっ、すごく似合ってる!
そういう服装の孔雀君もいいと思う!!
揚羽がいうのなら、間違いないんだろう。
というか、この服、意外と高いな。今月のお小遣いで足りるか?
「金なら心配するな。全部、俺が払う。これが俺からお前達へのクリスマスプレゼントだ!!」
「うおーっ! あくあ君、かっこいい!」
「あくあ君、一生、ついていきます!!」
「きゃーっ! あくあ君、抱いてー!」
「あくあ君になら抱かれたっていい!!」
「あくあ君、俺の服も選んでくれ!!」
おい! 今、若干まずいのが紛れ込んでただろ!!
白銀あくあは例の如く何も聴こえていないが、俺はしっかりと聞いていたからな!!
「よーし、みんなじゃんじゃん行くぞ!!」
白銀あくあのコーディネートで次々とみんなの服装が変わっていく。
気がついたら、メンズフロアに居る全ての店員達が集まって、白銀あくあの話に耳を傾けてメモを取っていた。
ほう、女性店員達が無言で何度も頷く反応を見る限り、白銀あくあの指摘は結構当たっているみたいだな。
「俺は女性から見て、話しかけづらいタイプなんだな……」
俺の呟きに対して、周りに居た男達が反応する。
「いや、孔雀は男から見ても話しかけづらいぞ」
「そうだそうだ」
「お前、話しかけてくるなオーラがすごいもん」
「俺も、初めて孔雀に会った時に普通に怖くてちびりそうになったぞ」
「仲良くなってからはそんなことないけどな」
「うんうん」
そう……なのか……。
男性からも同じように思われていた事に、俺は少しだけショックを受ける。
どうりで、丸男と一緒に居ても、丸男の方ばかりに声をかけられるわけだ。
「よし! みんな、準備はできたな!!」
「「「「「おーっ!」」」」」
白銀あくあの掛け声に、全員が拳を突き上げる。
全く、さっきまで不安そうな顔をしてた奴らが、白銀あくあ1人が来ただけでこうだ。
俺はふっと笑みを浮かべる。
黛慎太郎が、いつも俺の親友はすごいんだと言ってくるが、そんな事は目の前で揚羽を救ってもらった俺も知っている事だ。
全員が白銀あくあという引力に引っ張られて、どこにでも行ける。そんな感じがするんだよ。
「いいか。合コンで好みの子がいたら、何も考えずにまず突っ込め。男が守りのことなんか考えるな。むしろ守りは紙でいい。女の子に攻め込まれるくらいの隙を自分から作っていけ!!」
いや、むしろお前の場合は隙が多すぎだと、小雛ゆかりや猫山とあから怒られてないか?
俺の気のせいだと良いんだが……。
白銀あくあは自らも服を着替えると、みんなでタクシーに乗って合コンをするファミレスへと向かう。
最初は居酒屋も考えたが、幹事の丸男が未成年だし、他にも未成年の参加者もいるからファミレスになった。
俺がタクシーに乗り込むと、同じタクシーに乗っている白銀あくあが話しかけてくる。
「孔雀、お前は好みの女の子がいるか? ちなみに俺は大きい女の子が好きだ!!」
そんなのは言わなくても日本国民全員どころか世界の大半の人間が知っている事だ。
空気に酸素がある。地球は丸い。くらいのレベルで、この世界では常識だと思うぞ。
「あくあ君、多分、それみんな知ってるよ」
「うん、あくあ君って大きい子が好きだよね」
マジか!? みたいな顔してるけど、白銀あくあは女性解放宣言の時に自分で言ってただろ。
お前と雪白えみりは、自分が言った事を忘れて驚くな!!
あと、俺の代わりに突っ込んでくれたみんな、ありがとな。
「でも、孔雀君の好みは知りたいなー」
「俺も俺も! どういうタイプが好きなのか想像つかないもん」
タクシーに乗っていた全員の視線が俺に注がれる。
おい、運転手! バックミラーをチラチラ見るな! 目の前の運転に集中しろ!!
俺は小さくため息を吐くと、タクシーの窓へと視線を向ける。
「……揚羽みたいな女性がいいな」
「何!? お前も俺と同じか!!」
違う!! お前は揚羽の大きいのが好きなんだろ!!
いや、白銀あくあは揚羽のそれ以外も好きなんだろうけど、俺が言いたいのはそうじゃない。
「慎みのある古風な女性が好きだという事だ」
「ほう……やはり、俺と一緒だな」
そもそも、お前の好みじゃない女の子なんてこの世にいないだろ!!
現に白銀あくあと結婚した森川楓は良い女性だと思うが、慎みのある古風な女性像からは最もかけ離れてるぞ!!
「あくあ君、それ、さっき俺にも言ってたじゃん」
「仕方ないよ。あくあ君のストライクゾーンは宇宙より広いから」
全くもう! 白銀あくあと居ると、ツッコミが追いつかない。
揚羽に頼んで小雛ゆかりを呼んでもらうか、ベリルの連絡網で猫山とあを呼ぼうかな。
黛慎太郎と天我アキラは白銀あくあを助長させるだけだから頼りにならない。
俺がそんな事を考えていると、立て続けに知らないアドレスからチャットアプリに招待のメッセージが届く。
ん? 白銀あくあ緊急連絡網? どんなグループだ。俺は招待してくれた人の名前を見てからグループに参加する。
白銀カノン
黒蝶君、事情は2人のマネージャーである甲斐さんから聞きました。
何かあったら私があくあを止めに行くので連絡ください。
小雛ゆかり
黒蝶君、なんか困ったらすぐに言ってね。
私がしがみついてでもあくぽんたんを連れて帰るから。
猫山とあ
ねー、僕も暇だから今から準備して行こうか?
多分、孔雀君だけだとあくあの相手は疲れるよね。ごめんね。
黛慎太郎
ごめん、孔雀。僕は仕事があっていけない。
でも、何かあったら親友を頼っておけばいいから。
天我アキラ
すまない。我の足が万全なら!!
後輩に止まるんじゃないぞと伝えておいてくれ!!
雪白えみり
男と女、クリスマス前に合コン、何も起こらないはずもなく……。
ぐへへ! カップル成立しなかった子達は、二次会でラーメン竹子に来てください!!
私が慰めのラーメンを奢ります!!
みんな、本当にありがとう。
あと、やっぱり白銀あくあが止まらないのは慎太郎と天我アキラのせいだろ!! 確実に!!
「おっ、目的のファミレスに着いたぞ!!」
「うおー、テンション上がってきた!」
「俺もやるぞー!」
はぁ、やる気があるのはいいが、本当に大丈夫だろうか。
俺は不安な思いを抱えつつタクシーを降りると、白銀あくあ達と共に合コンのあるファミレスの中へと入っていった。
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