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白銀あくあ、17歳になりました。

 12月7日は俺の誕生日だ。

 俺は白銀キングダムから、去年と同じように配信をつける。

 するとすぐにファンのみんなが集まってきてくれた。


【誕生日おめでと〜!】

【あくあ様がついに17歳に!!】

【誕生日おめでとう、あくあ君】

【うわー、前回の誕生日配信からもう1年経ったのか〜】

【あくあ様の誕生日が来たって事は、後少しでクリスマスか】

【時間が過ぎるのがはえぇ】

【年の瀬が来たって感じがする】

【今日はあくあ様がこの世に降臨された日です。あーくあ!】

【あくたん、誕生日おめ!】


 そうか、もうあれから一年も経ったんだな。

 俺は高速で流れていくコメント欄を見ながら、感慨深い気持ちになる。


「えっと、みんなも言ってくれているように、今日は俺の誕生日です。せっかくなんで、これを機会に色々と所信表明できたらなと思って配信させてもらいました」


 俺は近くにいるカノン達を手招きする。


「というわけで妻のカノンと、息子のかのあと、娘のあのんです!」

「どうも」


 俺は子供2人を抱き抱えると、その隣にカノンが座る。


【た……カノン様きたー!】

【た……カノン様、今日もお綺麗です!!】

【た……カノン様、可愛い服着てる!!】

【ラーメン捗る:乙女な装いが素敵ですね!!】

【↑おい!!】

【お前らさぁ。悪い癖が出てるぞ!】

【あくあ君が少し首を傾けてるの草www】

【あくあ様、横見て! カノン様がすごい顔してる!!】

【あっ、こいつ秒で淑女モードに入りやがって!!】


 ん? カノンがどうかしたのか?

 俺は隣に居るかのんを見つめる。


「あくあ、どうしたの?」


 カノンはキョトンとした可愛い顔で俺を見つめる。

 くっ! もしかしたら俺は天使と結婚しちゃったのかもしれない!

 俺はカノンの可愛さに耐えきれずに、カノンのほっぺたにチュッとキスをする。


【うおおおおおおおおおおおお!】

【ラーメン捗る:もしかして/このコメントは管理者によって削除されました】

【↑捗る、お前さぁw】

【あくあ様の手の速さと、捗るがコメント削除されるまでのスピード、ほぼ一緒説】

【↑草www】

【さすがはあくあ様! 流れるようにいちゃつく!!】

【さーてと、2人の弟ちゃんか妹ちゃんはいつ産まれるのかな〜?】

【あのんちゃん、ちゃんと見てるな。さすがは、た……カノン様の娘だ!!】

【お前ら少しは自重しろ!!】


 せっかくだから、もう一回くらいしちゃお!

 俺はカノンのおでこにチュッとする。


「もう! あくあのばか……」


 カノンは顔を赤くしながら、潤んだ瞳で俺を可愛く睨みつける。

 今日、配信しててよかった。配信してなかったら、どうなっていたかわからない。

 カノンが可愛すぎてもう一回しそうになったが、俺はグッと堪える。


「というわけで、皆さんのおかげで俺はカノンと今も幸せに過ごす事ができてます。それと、今年は嬉しい事に、カノンとの間に2人の子供を授かる事ができました。幸いにも、2人とも元気にすくすくと育っています」


 俺はカノンを抱き寄せると真剣な表情になる。


「今後も白銀家の長として、妻であるカノンを支えつつ子供達の育児にも携わっていきたい。それがカノンの夫であり、かのあとあのんの父親としての俺、白銀あくあの所信表明です」


 俺は息子のかのあと娘のあのんに優しい目線を向ける。

 飛行機が墜落した時、子供達のためにも絶対に死ぬ訳にはいかないと思った。

 俺は孤児だったから、子供達にはそうであって欲しくない。

 だからこそ、もっと鍛えて長生きしなきゃなと、俺は決意を固める。


【私もあくあパッパの子供になりたひ……】

【年下の男の子にバブみを求めるのはアリですか!?】

【あのあくあ君がもうパパかぁ〜】

【あくあ君、お姉さんのパパになってください!】

【ラーメン捗る:あくあ君にパパになってもらいたい活動、略してパパ活!!】

【↑うおおおおおおおおお!】

【私もあくあ君とパパ活したい!!】

【来島ふらん:あくあパパとパパ活したいです! お金ならたくさんあります! ふらん、男の子を養えるくらいは稼いでるもん!!】

【↑ふらんちゃんwww】

【JSなのに、男の子を養えるくらい稼いでるふらんちゃん強すぎ……】

【さすがは全国小学生最強グランプリの初代女児王に輝いただけの事はある!!】

【ママになってほしい小学生ランキング1位のふらんちゃんがパパ活だって!?】


 ん? ふらんちゃん? えっ? ふらんちゃんが俺とパパ活ぅ!?

 いやいやいやいや! 俺の脳裏に、ランドセルを背負った俺とふらんちゃんが新宿のネオン街に消えていく姿が思い浮かぶ。どっからどう見てもアウトじゃねぇか!!


「じーっ……」


 おっとぉ! 俺は隣に座っているカノンの視線に気がついて、即座に顔を整える。

 ど、どうしたのかな? 俺は別にやましい事なんてこれっぽっちも考えてないですよ。


「私もあくあとパパ活……」

「カノン、いつでもいいんだぞ」


 即答だった。カノンとパパ活できるなら、俺は全財産を渡したっていい。


【ラーメン捗る:こーれ、この後、2人でパパ活します!!】

【↑な、なんだってぇ〜!?】

【捗る……報告は頼んだぞ!!】

【くっそ、捗るのせいでパパ活って言葉すごくイケナイ事のように聞こえる!!】

【ソムリエ:ははーん。これはアレか。あのんちゃんやかのあちゃんと触れ合うあくあ君を見て、自分も構ってほしくなっちゃったんだな。だから自分も甘えたくて、その口実にパパ活をしたいという訳ですね!!】

【↑名探偵ソムリエきたー!!】

【さすがは検証班だ!!】

【ソムリエ……お前、ただのお笑い要員じゃなくて、本物の検証班だったんだな!!】

【謎のソムリエ再評価路線きたー!!】

【ソムリエ、お前すげえよ!! 点と点が線で繋がったわ!!】


 ん? カノンにデレデレしていた俺は、こちらを見ている待機列からの視線に気がつく。

 おっと、みんな、待たせてごめんよ。

 俺は席から離れるカノンにあのんとかのあを預けると、アイに来てもらう。


「えー、みんな、もう知ってると思うけど、改めてこのめでたい場を借りて報告させてくれ。嬉しい事に、俺とアイの間に子供ができました!!」


 俺はアイの手の甲に自分の掌を重ねると、優しく包み込むように指を絡めて握りしめる。


「ありがとう、アイ」

「こ、こちらこそ、ありがとう。その、色々と頑張ってくれて……」


 アイはそこに至るまでの事を思い出してしまったのか、顔を赤くする。


【えっ!?】

【せんせー?】

【先生ちゃん、その辺の事は小説で詳細に頼むわ】

【メアリー:官能小説家の白濁液先生が出演してる配信はここですか?】

【↑メアリー様www】

【さすがは私達の白龍先生だ!!】

【白龍先生、次の巻は期待してもいいですか!?】


 コメント欄を見たアイが両手で耳まで赤くなった顔を覆い隠す。

 はは、アイの自爆だから仕方ないけど、可哀想だから助けてあげようかな。


「コホン! ともかく、初めての妊娠でアイも不安に思う事も多いだろうけど、俺も一緒になって支えていきたいと思います。だから、どうか皆さんも温かい目で見守ってあげてください」


 俺の言葉にコメント欄が落ち着きを取り戻す。

 自分で言うのもなんだが、俺のファンの良い所はノリは良いが、ちゃんと節度を守ってくれるところだ。


「せっかくだから、最後にキスしとく?」

「えぇっ!?」


 俺はびっくりするアイのほっぺたにチュッとする。

 やっぱりこういうのは不意打ちに限るな。


【ほっほー!】

【白龍先生、お前がヒロインになるんだよ!!】

【↑それだ!!】

【白龍先生が愛されてるようで何よりです!!】

【先生……お幸せに!!】


 アイと入れ替わるようにして琴乃がやってくる。


【姐さんキター!】

【姐さん、だいぶ大きくなってる!!】

【そろそろか!?】

【そういえばもう仕事は休職してるんだっけ?】

【姐さん出産くる!?】


 なんでかよくわからないけど、琴乃はコメント欄ですごく人気なんだよな。

 俺は琴乃と一瞬だけ見つめ合うと、カメラの向こうにいるみんなに視線を向ける。


「えー、結論から言うと、出産予定日は12月14日です。つまり、今から1週間後ですね。また、産まれたら報告すると思いますが、こちらに関しても見守っていただければ幸いです」


 出産予定日はズレたりするものだって玉藻先生が言ってたけど、なんとなくだけど琴乃との間にできた子供は予定日にちゃんと産まれそうな気がする。


【うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!】

【ついに姐さん出産きたあああああああああ!】

【やったね。姐さん!!】

【姐さんがついに出産と聞いて、涙で前が見えない!!】

【ラーメン捗る:姐さん、お勤めご苦労様です!! ソッチのお勤めが終わったら、次はアッチのお勤めが待ってますよ。ぐへへ!】

【ソムリエ:姐さん、もしもの時は自分もメスで腹裂きますんで、お互いに覚悟決めときやしょう!!←正直言って怖い!!】

【↑お前らは怒られろw】

【朗報、捗るとソムリエ、すぐに調子に乗る】

【乙女の嗜み:捗るは本気で怒られた方がいいよ。ソムリエが怖い気持ちはわかる。私も普通に怖かった】

【正直、妊娠した事ないから自然分娩ですら痛いって聞いてて怖いわ。そりゃ冗談でも言って気を紛らわしたくなるよ。どこの誰とは言わないけど、誰かさんも出産が近いわけだしね】

【ソムリエ:ところで、もしもの時に私の腹ってメスで裂けるかな? そこが1番心配なんだけど……】

【↑あっ】

【メスさん「あっ!」】

【ソムリエの腹にメス刺したら、メスが折れそう】

【そっちの心配かよwww】

【さすがはソムリエ、悩みの次元が違ったwwwww】


 俺は隣に居る琴乃の目をじっと見つめる。


「琴乃、怖いかもしれないけど、もしもの時は俺が側にいるから」

「あくあさん……はい!」


 俺は琴乃の身体をぎゅっと抱きしめる。

 ちょっと! そこの小雛先輩!! あんた、前回、カノンが出産した時に裏で野球やってただけじゃないのとか言わない!!

 そういうの、全部、マイクが拾っちゃうんだから。


【草wwwww】

【次も草野球しよう!!】

【いや、今度はサッカーだ!!】

【そういう小雛ゆかりも草野球してたけどな!!】

【今日のおまいう案件】

【確か経産婦のママーズとか、医療スタッフ以外は全員戦力外なんだっけかw】

【普通にお前も病室からつまみ出された側だろ!! 聖白新聞の捗る記者が当時の戦力外名簿を公開してるからバレてるんだぞ!!】


 俺は気を取り直すと、琴乃の頭を撫でておでこにキスをする。


「琴乃、ごめんな。あんまり力になれなくて」

「ううん。その気持ちだけで、私は十分に嬉しいです。だから、あくあさんは沖縄ライブの事を考えていてください」


 そうだったな。丁度、誕生日と出産の間に、BERYLの全国ツアーの沖縄ライブがある。

 最初は日程をずらす事を考えたが、琴乃の強い希望もあってその日にライブを決行する事をみんなで決めた。

 もし、予定日からズレたら俺が出産に立ち会えない可能性がある。

 だから俺は絶対に琴乃の出産に間に合うように、羽生総理にとあるお願いをした。


「大丈夫。もしもの時はチャーターした最新型の超音速戦闘機で戻ってくるから」

「ふふっ、ありがとうございます」


 非武装の状態ならマッハ3.2の速度で帰って来れるから、実質30分もあれば沖縄のライブ会場から東京の病院まで行ける計算だそうだ。

 すでに病院に対してパラシュートで降下する許可を取ってあるし、空港に降りなくてもいいから渋滞に巻き込まれる事もない。

 羽生総理曰く、普通の人間なら気絶するけど、俺と羽生総理だけなら問題ないと言っていた。


【超音速戦闘機wwwww】

【もしかして羽生総理の新しい謝罪案件ですか? 私的な軍事流用とかで】

【↑ほら、この前の飛行機墜落事件に巻き込んでしまったあくあ君へのお礼もかねてじゃない?】

【↑そうか、そういうちゃんとした理由があったか】

【あくあ様やBERYLは国の仕事もやってるし、特にあくあ様は諸外国との外交上の取引で精子の提供とかもガッツリやってもらってるから】

【↑なるほど】

【あくたんは、これまでも返しきれないほどの国益をもたらしてもらってる事から国が動くのは当然の事】

【↑確かに!!】


 琴乃が俺の側から離れると、次は楓を呼んだ。


「というわけでね。楓もそろそろだと思うんですよ。でも、どういうわけか、楓がエコーとか使うと何故か機械にエラーが起きたりするんだよね。ベテランの助産婦さん曰く、妊娠してるのはほぼ間違いないだろうって事なんだけど、実は出産予定日はおろか性別もまだわかってなくて、とりあえず来月くらいに出産するんじゃないかって話です」


 俺と楓の2人はカメラに向けて困った顔を見せる。

 本当に、なんでなんだろうね。世の中には不思議な事が起こるもんだ。


【ホゲラー波でてるぅ】

【そりゃ出産するの不安だわ!!】

【姐さんはなんだかんだ言って大丈夫だと思う。姐さんってだけで謎の安心感あるし。でも、お前だけは本当に心配だよ】

【鬼塚響子:いいか森川。何が起きても、とにかく落ち着け!! 有事の際は慌てず、走らず、周りの人達に全てを委ねるんだ!! 大丈夫、森川の周りに居る人達は、みんな森川よりしっかりしてるから!!】

【↑そのとーり!!】

【もう鬼塚パイセンの立ち位置が上司を超えて森川のお姉ちゃんかママなんよw】

【↑それなw】

【遠回しに年下のカノン様とかあくあ君とかの方しっかりしてるとか言われてる件について】

【ラーメン捗る:↑なんならふらんちゃんとか、ハーちゃんの方がしっかりしてるよ】

【↑それなw】


 俺は不安そうな顔をした楓の体を優しく抱き寄せる。


「大丈夫。きっと俺と楓の子供だから、元気一杯に産まれてくるよ。そうじゃなくても、俺たちのパワーで元気にさせたらいいんだよ」

「うん! そうだよね!! なんか私も普通にスポーンって産まれてくるような気がしてきた!!」


 いや、流石にスポーンはまずいでしょ。

 その表現は出産じゃなくて、完全にう○こだ。

 俺は楓に対して、元気が良い事は良い事だけど、ほどほどにしようねと言った。


【相変わらず不安しかないけど、まぁ、大丈夫だろ】

【森川だから大丈夫】

【なんとなくだけど森川の子供は頑丈そう】

【↑わかる】

【きっと、ちょっとやそっとの事じゃびくとしもしないよ】

【なんか森川のお腹のサイズ、姐さんと変わらないように見えるな】

【↑超健康児が産まれてきそう】


 さてと、こんなもんかな?

 後は俺から報告できる事はなかったはずだ。

 えみりはまだ3ヶ月以上先だし、結やヴィクトリア様、まろんさんや揚羽さんからの妊娠報告も聞いてない。

 そんな事を考えていると、俺の隣に誰かが座った。


【とっ、とあちゃん!?】

【とあちゃん妊娠!?】

【ほわーっ!?】

【ジャラジャラジャラ!!】

【おい、国営放送、フライングでニュース速報出すな!!】

【お薬製造工場が爆発するぞ!!】


 とあは、配信のコメント欄を見て噴き出す。


「みんな、なんか勘違いしてるようだけど、今日はあくあの誕生日だよ? はい、これ。あくあのために誕生日ケーキ作ってきたんだ」


 えっ? マジ!?

 とあが指差した方に視線を向けると、サンタさんの格好をした天我先輩と慎太郎が2人でどでかいケーキを運んできた。


「ちょ、2人とも、今日はクリスマスじゃないって!! まだ7日だし、今日はクリスマスじゃなくて、俺の誕生日だから!!」


 あっ、天我先輩は本気でそうだったみたいな顔はやめてくださいよ。もう!!

 慎太郎、お前、笑ってるけど、知っててわざと天我先輩に黙ってたな!!

 くっ、お前のそういうちょっと悪戯好きなところ、俺は好きだぜ!!


【ウェディングケーキきたー!!】

【結婚、おめでとうございます!!】

【このデカさ、クリスマスケーキとか誕生日ケーキとかそんなちゃちなもんじゃねぇ。どう見てもウェディングケーキだ!!】

【えみり様、普通にケーキ用のナイフを持って来てて草w】

【↑さすがはえみり様、どこかの捗る並に気が利いていらっしゃる!!】


 それにしてもでかいケーキだな。

 え? みんなで食べるために、全員で協力して作ってくれた!?

 マジかよ。めちゃくちゃ嬉しいな。

 俺はソファから立ち上がると、大きな誕生日ケーキの前に行く。


「一度でいいから、大勢の人に祝われながら、誕生日にどでかいケーキを食ってみたかったんだ!!」


 その夢が今まさに叶おうとしている。

 俺がケーキの前で感無量になっていると、ケーキの製作総指揮をしたとあが嬉しそうに笑った。


「ほんと? よかったぁ。完成した後に、流石に大きすぎるかもって思っちゃったんだよね」

「いやいや、大きすぎて悪い事なんて一個もないからな」


 俺が感動していると、慎太郎と天我先輩がケーキに蝋燭を挿して火を灯して行く。

 って、このデカさのケーキに17本の蝋燭、少な!!


【バランス悪くて普通に草w】

【この蝋燭のなんとも言えない感】

【これくらいのデカさのケーキなら300本くらい蝋燭ないとバランス取れないよw】

【普通にすごい。普通にすごいからこそ、蝋燭の少なさが際立つw】

【あくあ君、大きなケーキ食べられてよかったね】


 部屋の中が暗くなると、俺の誕生日を祝うみんなの歌が聞こえてきた。

 よーし、俺のパワー息吹で一気に蝋燭の火を消しちゃうぞー!!


「あんた、パワー息吹とかバカみたいな事を考えてないでしょうね? ケーキが倒れたら大惨事なんだから、ゆっくりと、ふーって息を吐くのよ」


 なんで小雛先輩は、俺の考えてる事を読んでるんですか……。

 えっ? 前に楓がやって大変な事になった? あ、なるほど、経験済みだったんですね。

 みんながそれを聞いて笑う。さすがは楓だ。みんなを一瞬で笑顔にしてくれる。

 だから俺は楓の事がすごく好きになったんだ。

 俺は改めて呼吸を整えると、手を挙げる。


「それじゃあ、消します!」


 俺が蝋燭の火を消すと、みんなの誕生日おめでとうの声と共に部屋の中が明るくなる。


「みんな、今日は本当にありがとう!!」


 俺は家族や友人、配信を見に来てくれたファンの人たちに感謝する。

 ああ、本当に転生したのがこの世界でよかったなと思う。

 こうして俺も、今日を超え少し大人になったのであった。

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