白銀あくあ、Vtuberになります!
今日は3回更新します。
マスク・ド・ドライバーにとあちゃんと黛と天我先輩が出演する事になった。
既にとあちゃんと黛とは、作詞作曲の関係でベリルエンターテイメントと契約を結んでいたが、今回はエキストラとはいえ俳優として出演することから、さらにそこから一歩踏み込んだ契約になるらしい。
そして今回は、二人以外にも新たに天我先輩がベリルエンターテイメントに加わる事になった。
ちなみに俺はベリルエンターテイメントのアイドル部門に所属しているが、とあちゃんと黛はマルチクリエイター部門からマルチタレント部門に、天我先輩はミュージシャン部門での所属になるらしい。また、とあちゃんは、大海たまとして既にベリルエンターテイメントのVtuber部門と契約を結んでいるそうだ。
ちなみに阿古さん曰く、俺のVtuber計画も進行しているらしい。本格スタートするのはドラマの放送がスタートする9月10月あたりからを予定しているが、それに先駆けて8月初旬のイベントでお披露目する予定だそうだ。
8月初旬に行われるイベント、コミックバザール、通称コミバと呼ばれるイベントは、夏期開催時は夏コミと呼ばれている。イベントには毎年すごい人数が参加しているそうで、夏にはその過酷さから救急車が呼ばれることもあるそうだ。
ベリルエンターテイメントは夏コミへの公式参加が既に決まっており、大海たまのグッズを販売するのと同時に、たまちゃんと俺の演じるキャラクターのイベントも考えているらしい。
ちなみに俺のグッズ販売とファンクラブの正式稼働はもう少し先で9月からだ。阿古さん曰く、サーバーがどうとかグッズの大量生産がどうとかでだいぶ遅れているらしい。俺はまぁよくわからないので、そこら辺は全部、阿古さんにまかせている。
「はい、そういうわけで、これがあくあ君の演じるキャラクターになります」
水色の髪の色をした活発そうな少年が目の前の画面に映し出される。
俺はそのキャラクターの魅力的な星の海のような瞳に一瞬で惹きつけられた。
「名前は星水シロです。あくあ君には、アイドル白銀あくあとは別のイメージのキャラクター、どうせなら少し子供っぽい感じのキャラクターがいいかなと思いました。配信を見た時に、同級生の二人といる時のあくあ君は、いつもよりはしゃいでる感じがして、そういうちょっと幼い感じを見せられたら面白いんじゃないのかと思いました」
俺は阿古さんから手渡された資料を読む。
設定の身長は165cm、服装は短パンにパーカー、スニーカーというカジュアルな装いだ。
阿古さん曰く、短パンから生足を出しているところがかなり攻めているらしい。よくわからないけど、阿古さんがいうのならそうなのだろう。ちなみにその説明だけで10分くらい語られた。最後の踏まれたくなる足についてはよくわからなかったが、女性には女性にしかわからない感性があるのかもしれない。
「そういうわけで、早速動かしてみましょう。手を上げてみてください」
俺が手を上げると目の前の星水シロが手を上げる。
「うわ、すごい!!」
自分が体を動かすと、同じように目の前の星水シロの体も動く。
なんというか……一言で言うと感動した。それ以外に、この感情を形容する言葉が何も見つからない。
俺は調子に乗ってダンスを踊ったりしたが、しっかりと目の前の星水シロも一歩遅れてついてくる。
それがなんだか可愛くて、俺は星水シロにすぐに愛着が湧いてきた。
「じゃあ、これはどうかな?」
俺は思い切って、その場で逆立ちして見せたが、星水シロもちゃんとその動きをトレースする。
おぉーっ、これはすごい!!
「あくあ君、表情にも注視してください、目の動きとか顔の動きとか」
星水シロの顔をよく見ると、俺の目の動きに合わせて目が動いていることに気がつく。
瞬きすればちゃんと目を閉じて開けるし、眉毛や口なんかもちゃんと連動して動いている。
試しに頬を引っ張ったら、ほっぺたもちゃんと伸びた! あまりの芸の細かさにびっくりする。
「ちなみにキャラクターデザインと2Dアニメーションの製作は猫山さんです」
まじか……とあちゃんは大海たまも自分で制作したらしいし、本当にすごいな。
設定資料に目を通すと、本当に細かい詳細の部分までイラスト化してあって、さらにはこれから先の新衣装などもイラストで書かれている。
「問題なさそうですね。どうでしょう? よければ本番を前に一度配信してみませんか? どうせ告知もしないといけませんし……」
「そうですね。わかりました」
阿古さんは直ぐに、ベリルエンターテイメントの公式SNSで告知を出す。
俺はワクワクとした気持ちで、色々と試しながら放送に向けての準備を始めた。
ながぶろさんレビューありがとうございます。嬉しかったです!




