黒蝶揚羽、聖女党。
「ふんふーん、今日の晩御飯は何をしようかな」
今日はあくあ様が私やみんなの様子を見にお家に来る日だ。
育ち盛りの男子高校生だし、やっぱりお肉とかガッツリ食べられるのがいいよね。
「奥さん、今日は良い豚のヒレ肉が入ってるよ」
豚のヒレ肉か……。あくあ様、トンカツとか好きそう。
えみりちゃんとか子供達もトンカツ好きだし、悪くないかも!
「じゃあ、それ、いただいていきます」
「あいよ!」
私は人数よりも多めのヒレ肉を買う。
うちは育ち盛りが多いし、あくあ様とかえみりちゃんとか勢いだけで二枚くらいいっちゃいそうだもんね。
私はそのまま八百屋によると、お姉さんに勧められて春キャベツを購入する。
あっ、それとレモンも買っておかなきゃ。
「まいど〜」
晩御飯の買い物を終えた私は、帰路に着く。
ふふっ、楽しみだな。
「すみませーん。ただいま、この通りは通行止めになってまーす」
あら、どうしたのかしら?
帰り道に使っている通りが通行止めになっていました。
「あー、奥さん。さっき消火栓から水が噴き出しちゃって、今、修理のために封鎖中なんですよー」
それは仕方ありませんね。
私は作業員の人に、お仕事大変だけど頑張ってくださいねと言うと、いつもとは違うルートで自宅に向かう。
この時点で私は異変に気がつくべきだったのかもしれません。
「黒蝶揚羽だな?」
私の前に立ちはだかるように、顔を隠した数人の女性たちが通り道を塞ぐ。
「……誰?」
私は嫌な雰囲気を感じて一歩後退りする。
……おかしいわね。周囲の人の気配を全く感じない。
もしかして、この場所に誘い込まれた? いつから!?
これでも周囲はしっかりと確認してたはず。それなのに……!
「最初に言っておくが、抵抗しなければ危害を加えるつもりはない」
……どうだか。
黒蝶家の私はそういう手口をよく知っている。
私は胸の前で握り拳を作る振りをしながら、ブラウスの第二ボタンをグッと押し込む。
こうする事で内側に取り付けた緊急通信装置が胸で押されて起動する。
もしもの時のためにと、総理から渡されたものが役に立つ日が来るなんてね。
「おっと、羽生治世子に緊急暗号通信を送ったところで無駄だ。ここら辺一帯の電波は我らがNo.9のECMによって阻害させてもらった」
ECM? この人達は一体何者なの?
只のテロリストや犯罪組織がそんな大掛かりな兵器を持っているとも思えない。
それこそ常識の範囲で考えたら、他国が絡んでいると考えるのが当たり前よね。
「貴女に選択権はない。ご同行を願おうか」
ふぅ……。私は軽く息を吐く。
孔雀君、えみりちゃん、くくりちゃん……それにあくあ様、ごめんなさい。
せっかくみんなが私を助けてくれたのに、こんな事になって。
あくあ様には本当に迷惑をかけてばかりで申し訳ないけど、孔雀君の事をよろしくお願いします。
それと羽生総理……この国を、あくあ様を守ってください。
私は覚悟を決めると、袖に隠していた果物ナイフを取り出して、自分の喉へと一気に突き刺そうとする。
「全く、油断も隙ない」
誰? 咄嗟に手を伸ばした誰かに私の自害は阻害されてしまった。
みんなの足枷になるくらいならと思ったけど、どうやらそれも叶いそうにないですね。
打つ手を失った私は自害を諦める。
「貴女ならそうするとは思っていたけど、自分の命を捨てる事に躊躇がなさすぎるのよ。少しはあくあ様やえみりちゃん、黒蝶孔雀君にくくりちゃんが悲しんだ時の事を考えたらどう?」
……この声、どこかで聞いた事がある。
いや、でも、まさか……。どうしてこのお方がここに?
「メア……リー先生?」
どうしてメアリー先生がここに?
まさか……スターズが崩壊した事による報復を考えているのかしら?
でも、黒蝶家を解散した今の私に価値なんて何もないはず……。
「そう警戒しなくても、私は別にスターズ崩壊の報復だなんて考えてないわよ。私にとってもスターズが新しい体制に移行する事は時代の流れ的にも望ましい事だったしね」
メアリー様は私に対していつものような笑顔を見せる。
しかし私はこの異常な光景に警戒を解く事はなかった。
「先生は、私の……いいえ、この国の味方なのかしら?」
「あのお方のお心がこの国にある限り」
あのお方……?
先生は胸元から十字架のペンダントを取り出す。
確かアレは聖あくあ教の!?
この国に突如として現れ、根を張り、ゆっくりとこの国を……いえ、世界を蝕みつつある邪教、聖あくあ教。
トップである聖女は表舞台にあまり顔を出さず、幹部である十二司教の実態すら未だに掴めてない。
唯一、広告塔として顔を出しているアニューゼ・テイラー・クゼシックが幹部の1人である事だけは掴んでいるけど、私が黒蝶家の情報網を駆使して調べてわかったのはここまでだ。
聖あくあ教はいつの間にか私たちの隣人のような距離感まで近づいておきながら、その実態は謎のベールに包まれている。
「聖あくあ教……」
「そう。私はその中でも十二司教の1人、No.2の図書館として聖あくあ教に籍を置いているわ。この子達は私の直属の部下で、スターズから連れてきた子達だから安心して」
先生が幹部の1人……。
確かNo.2の図書館は、最も謎に包まれた1人で、幹部の中でもワーカー・ホリックこと、No.1の監督官と並んでトップ3の1人であると目されている。
まさか先生がその正体だったなんて……!
あくあ様は知らないとして、カノンさんやハーちゃん、えみりちゃんはこの事を知っているのかしら?
「聖あくあ教の先生がその正体を明かしてまで私に接触してきた理由はなんでしょう?」
「……今、この国には危機が差し迫っているわ。そんな時に貴女を遊ばせて置くのはもったいないもの」
この国に危機?
羽生総理はその事を……知っているんでしょうね。
そして、知っていてこの私には黙っているんだという事に気がついた。
「1人の女性としては、苦労をしてきた貴女には今のような穏やかな生活をずっと続けて欲しいわ。きっと治世子ちゃんとも同じ気持ちなんでしょうね。貴女ならいずれ、あくあ様のお妾、ううん、うまくいけば側室にだってなれるかもしれないもの」
わ、わわわ私があくあ様の側室!?
先生! こんなシリアスなシーンで冗談を言うのはやめてください!!
私なんかがあくあ様の側室だなんて! そんな事、絶対にあるわけないもの!
「でも、大切な人に危機が迫っているのに、何かがあったときに何も知らなかったら貴女はきっと後悔するでしょうね。わかるのよ。私もそうだから」
先生のおっしゃる通りだ。
もし、この国や国民、あくあ様に何かがあった時、私がどうにかできたかもしれない未来があったとしたら、私は間違いなく後悔するでしょう。
先生はそれを知っていて私に声をかけてくれたんだ。
「ねぇ。貴女だってそう思うでしょ。聖あくあ教、十二司教が1人、闇聖女のキテラ」
キテラ……? っ!? スターズ正教の!?
私の前を塞いでいた1人の女性がフードをとって素顔を見せる。
「メアリー様、勝手に私の正体をバラすのはやめてもらえますか?」
やはりスターズ正教は聖あくあ教に……ううん。スターズ本国で騒動があった時のスターズ正教の動きを見る限り、主教キテラは早い段階、それこそ、あくあ様がカノンさんを攫いに行く前よりスターズ正教を裏切っていた? 私は一つの仮説を立てる。そうなら全ての辻褄が合う。
スターズ正教は全世界に布教している。だから聖あくあ教は幹部の1人であるキテラさんが主教を務めるスターズ正教を隠れ蓑にして世界に侵食していったんだ。
「どう? 少しは話を聞く……」
先生? 先生は後ろに何か気配を感じて視線を自らの背後へと向ける。
「そこまでで候」
この声は確か、えみりちゃんと仲のいいりんちゃん!?
えみりちゃんの自宅に遊びに来る途中で、私が絡まれていると勘違いしてきてくれたのかしら?
でも、ここは危険よ。下がって!
私がそう言おうとするよりも先に、先生が口を開く。
「聖あくあ教、十二司教が1人、No.11のくの一ね。うちの子達が全く反応できないなんて……貴女ちょっとチートが過ぎない?」
りんちゃんが十二司教の1人!?
私が焼いたパンケーキをいつも美味しそうに食べてる、あのおとなしくて優しい人畜無害な子がなんでそんな頭のおかしい宗教になんかに!?
しかも彼女は確か、あくあ様のところでメイドをやっているはず……。
「図書館、それは聖女様の望むところではないで候」
「ふふっ、貴女は聖女様派ですものね。という事は貴女も来ているのかしら。聖あくあ教、No.1、監督官の千聖クレア」
1人の女性が私の来た道から現れる。
千聖クレア……確か彼女もえみりちゃんのお友達で、あくあ様やカノンさんの同級生だったはず。
くっ! 聖あくあ教がこんなにもあくあ様に近づいていただなんて!!
「メアリー様、この事はちゃんと聖女様に許可をとっているんですか?」
「その聖女様がお忙しいから、彼女の手を煩わせないために私達がいるんじゃない」
聖女が忙しい……?
くっ、そんなにも活発に聖女が活動しているのに、全くと言っていいほど、聖女の実態が掴めないなんてどうなってるのよ。
まさか聖女がうちのえみりちゃんみたいにバイトで忙しいなんて事はないでしょうし、きっとまた世界を相手に、何かとてつもない壮大な計画を実行している最中なのね!!
「だからと言って、最近のメアリー様は少し独断先行が過ぎます。自重を……」
「ふふっ、わかったわよ。ごめんなさいね。ついついお年寄りのお節介をしたくなっちゃったのよ」
もしかして、聖あくあ教も一枚岩じゃないって事かしら?
まだできてから一年足らずなのに異常すぎる速度で世界に広がっていった。そう考えると、幹部の中にも派閥があってもおかしくない。先ほど、メアリー様はクレアさんやりんちゃんの事を聖女派と呼んでいた。
私が集めた情報も統合すると、聖女は意外とまともな人物なのかもしれない。
「それにしてもすぐに来たって事は……あぁ、そっか、みことちゃんね。みことちゃんはりんちゃんとも仲良しだし、聖女様の事が好きだから、私達がECMを使った時点で貴女に報告がいったのか。ふふっ、こよみさん。自分の作ったAIが優秀すぎるのも考えものよね」
「むしろそうなるように作った。主人である私よりも自分で考えてクレアさんに報告したという事は、どうやらみことも順調に人として成長しているみたいね」
ベリルの鯖兎こよみ!? 貴女も聖あくあ教の幹部だったの!?
それにみことちゃんって、あのメイドの子よね。
だめ、流石に頭の中の状況整理が追いつかなくなってきた。
「どうやらここが引き時ね。これ以上は彼女を本気で怒らせそうだもの。ねぇ」
メアリー様がキテラさんの方へと視線を向ける。
すると彼女の後ろから見覚えのある少女が学生服を着て現れた。
「くくりちゃん!?」
危ないから逃げて、そう叫ぼうとした。
「これは一体、どういうことかしら?」
くくりちゃんに呼応するように周囲に人影が現れる。
皇家が抱えるお庭番、TOKYO SWEEPERではみんなネタだと思ってたようだけど、お庭番は実際に存在しているし、昔から人知れずこの国で活動を続けてきた。流石にレオタードは着てないけどね。
くくりちゃんは華族である事を辞めて皇の派閥を解散しているけど、自らの財閥を保持したままだし、お庭番のように組織自体は手元に残している。
その中に私は見知った人間の顔を見つけた。
アニューゼ・テイラー・クゼシック……。
ギザギザになった歯が特徴の見た目が少女な彼女は聖あくあ教、十二司教の1人だ。
それに隣にいるあの2人、特徴からして十二司教の調香師と聖農婦だろう。どうして彼女たちがお庭番と行動を共にしているの?
「それは彼女達が中立派だからよ」
中立派……?
さっきりんちゃん達の事を聖女派と呼んでいた事から、彼女達は別の派閥ってこと?
ううん、それよりも、彼女達がお庭番と一緒に行動してるって事は……。
「……揚羽お姉ちゃんにだけは知られたくなかったけど、そうよ。私は聖あくあ教、十二司教が1人、奉仕者こと皇くくりよ」
はは……スターズと日本の実質的なトップの2人が聖あくあ教だなんて……。
私もあまりの衝撃に現実から目を背けたくなった。
同時に彼女達を集め、統べている聖女のカリスマ性、いいえ、その計画実行能力に恐怖を感じる。
1時間前に立てた計画ですら何故か崩れてしまうえみりちゃんとは大違いだ。
「聞かなくても大体想像はつくけど、揚羽お姉ちゃんを巻き込む理由は何?」
「それはもちろんうちの政党から選挙に出てもらうためよ。サミットの前に、治世子ちゃんに何かあった時のための予備は準備しておかないとね。候補は何人かいるけど、即戦力で治世子ちゃんの後を託せそうなのは揚羽ちゃん以外いないもの」
羽生総理の後?
もしかして羽生総理が何か重大な病気に……ううん、あの人の身体を病原菌が蝕もうものなら、病原菌の方が耐えきれずに自分から観念して出ていきそうだもの。だからきっと、そういう理由じゃない。
広島サミット、その前に先生が言っていた危機が迫っているという言葉。やはり他国が日本に対して何か干渉してきてる?
「それに私が行動に移さなきゃ、貴女も治世子ちゃんも、ずっと彼女を鳥籠の中に閉じ込めておくつもりだったのかしら? 黒蝶のお家が揚羽ちゃんにしたみたいにね」
「それは……」
私は微かに眉を動かせる。
「先生……その言い方は少しずるいんじゃなくて?」
「ごめんなさいね。でも、私は準備できる事は100%全てをやっておきたいタイプなのよ。そのためには貴女達の想いですら私は利用するわ」
先生は自分の部下達に引くように命じると、私から離れてくくりちゃんの方へと歩き出す。
「悪かったわね。今の流石に言い過ぎだったわ。ごめんなさい」
先生は素直にくくりちゃんに頭を下げる。
時代が時代ならスターズの女王が日本の皇家に頭を下げるなんてあってはいけない事だ。
「でも……相手はそんな事を待ってくれないわ。今度のサミット、間違いなく日本はあくあ様の事で四面楚歌にされる。今のスターズは世界での発言力が落ちてるし、場合によっては自国を優先して日本の味方をしてくれないわ。いい? 結局、自分達の国を守れるのは自分達だけなのよ」
自国のために最前線に立って指揮を執った事のある先生の言葉だからこそ重かった。
先生は現場のスターズの事についてもちゃんと情報収集をしているのだろう。その上で、今のスターズでは国際舞台の場であまり手助けにはならないと判断したのだと思った。
例えば、日本が戦争を仕掛けられても、残念ながら平和条約はこの国を守ってくれない。
そんな事は誰だってわかってる。重要なのは世界のバランスです。
でも、その均衡があくあ様の登場で乱れようとしている。ううん、実際にスターズは一度滅び、確実に世界の勢力図は変わってしまった。例え、あくあ様がスターズ崩壊の引き金になる事を起こさなくても、個人的には時間の問題だったと思う。
もし、あくあ様の子供に限って男児を出生する可能性が高いとなれば、間違いなく世界は血眼になってあくあ様を奪い合ったはずだ。
「……わかってる。わかってるわよ。これが私のエゴだって」
「そうね。私だって、揚羽ちゃんには幸せでいてほしかったもの。でも、何も知らないよりも、私は知ってから揚羽ちゃん自身に選んで欲しいのよ。私がそうであったように……ね」
先生はくくりちゃんの事を抱きしめると、その頭をヨシヨシと撫でる。
良かった。2人はプライベートでも一緒にゲームをする仲だと聞いていたし、私のせいで仲が悪くなったらどうしようかと思ってたけど、これを見る限りは大丈夫そうです。
「そういうわけで今日は大人しく帰るわ。お邪魔して悪かったわね。揚羽ちゃん、少しでも興味があったら私でもいいし、この中の誰かに声をかけなさいな。あぁ、でも、過激派の私か、中立派のくくりちゃんか、聖女派のクレアさんに話を通すのが一番早いわね。一応、唯一の穏健派である聖女様もいるけど、彼女は兎がどうのこうのって忙しそうにしてたから、あてにしない方がいいわよ」
へ? 聖女様って聖女派じゃなくて穏健派なの?
しかも聖あくあ教の穏健派が聖女様しか居ないって嘘……よね?
それに兎ってなんの事かしら? きっと、何か重要な暗号文だと思うわ。この私が理解できない程の。いえ、兎と言うとハイパフォーマンスサーバーの生みの親である鯖兎こよみさんの事? つまりハイパフォーマンスサーバーを使った大規模なサーバー攻撃を画策してるって事かしら? これは注意しないといけないわね。
「あれ? みんなどうしたの?」
あくあ様! あっ、それにえみりちゃんも!
「もしかしてバイトを頑張ってる私のために、みんなでお出迎えですか? えへへ……あっ! その袋はお肉屋の!? もしかして今日はお肉!?」
「おお! 肉だ肉! くぅっ! 揚羽さんの手料理、楽しみだなぁ!! さ、みんな、こんなところでぼーっとしてないで、さっさと行こうぜ! きっと、ハーちゃんやフィーちゃん達もお腹を空かせて待ってるはずだし」
「うんうん! おっにくー、おっにくー!」
えみりちゃんとあくあ様は笑顔で笑い合う。
私そんな無邪気な2人の笑顔を守りたいと思った。
だから、私が居るのはきっとここじゃない。
「くくりちゃん」
「揚羽お姉ちゃん……」
私はくくりちゃんの隣に立つと、先を行くえみりちゃんとあくあ様の笑顔を見て覚悟を決める。
「さっきの話、聞かせてもらうわ」
「……いいの?」
くくりちゃんの言葉に私は無言で頷く。
「わかった。こうなった時の揚羽お姉ちゃんは頑固だもんね」
「ふふっ。せっかく守ってくれていたのに、ごめんね」
私はくくりちゃんを抱き寄せると、優しく頭を撫でる。
「おーい、2人とも早く早くー!」
「もー、えみりお姉ちゃん、待ってよ」
くくりちゃんは私から離れると、笑顔でえみりちゃんの後を追う。
あくあ様は私の目の前に立つと、あの時と同じように私に手を出してくれた。
「ほらほら、揚羽さんも。行こう」
「はい」
私はあくあ様の手を取る。
そしてこの人を守りたいと思った。
「ほらほら、りんちゃんやクレアさんも」
「わかったで候」
「は、はい」
本当に穏やかな時間でした。
ずっとここに囚われていたいと思うくらいに。
でも、急速に成長し危ういところのある聖あくあ教を、野放しにしておくわけにはいけません。
それにそのバランスを、中立派のくくりちゃん1人に任せているのも良くないと思いました。
何よりも私は1人の政治家として、この国と国民を……あくあ様やえみりちゃんのような子供達を世界の脅威から守りたい。
こうして私は、聖女党から代表として正式に立候補する事になりました。
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