表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

365/733

白銀あくあ、バレンタインプレゼント開封配信。

 鷲宮さん達との夢見たいな時間を過ごした翌週、バレンタイン当日の夜、リビングでくつろいでいた俺は時間を見てソファから立ち上がる。


「おっと、そろそろ告知していた配信の時間だな」

「頑張ってね、あくあ」

「あー様、頑張ってください」

「あくあ君、こっち配信ちゃんと見てるからねー」

「あくあさん、今日は平日なのであまり遅くまで配信しないでくださいね」

「おう! カノン、結、アイ、琴乃、ちょっと行ってくるわ!」


 俺は配信のための部屋に入るとすぐにパソコンの電源を入れる。

 さーてと、みんなにチヤホヤしてもらってエネルギーチャージしたし、今日も頑張るぞー。

 配信をつけた俺は暫く待ってからいつもの挨拶をする。


「こんにちは、こんばんは、おはようございます。ハッピーバレンタイン! 白銀あくあです。みんなバレンタインのプレゼントありがとう! さっき帰る前に本社に行って一部だけどもらってきたよ」


 流石に全部は無理だけど、俺は社員の人がピックアップしたものを今日の配信のためにいくつか自宅に持って帰ってきている。


【こんばんは、いつも配信ありがとうございます】

【おはようございます! 今、起きました!!】

【ハッピーバレンタイン! チョコ送ったよー!】

【チョコとプレゼント贈りました!】

【チョコはたくさんもらってるだろうからプレゼントだけにした】

【↑私も】

【↑私も私も】

【血染めのバレンタインですか?:ソムリエール】

【↑おい、やめろ】

【お前ら、あくあ様に変なモノ送ってないだろうな?:ラーメン捗る】

【↑お前がいうな!】

【一番変なモノを送ってそうな奴が何言ってんだかw】

【捗るが変なの送ってても姐さん達スタッフさんがちゃんと間引いてくれてると期待】

【なんか心配だなぁ。市販以外の生物はないと思うけど、あったら避けときなよ?:猫山とあ】

【↑同意です】

【とあちゃんキター!】

【とっ、とあちゃんはあくあ君に何か贈ったりとかしたんですか!?】

【↑ガラガラガラ】

【↑ジャラジャラジャラ】

【どうせこいつと森川アナは何食っても腹なんか壊さないわよ:ゆかりご飯】

【↑森川www】

【森川なら自分で作った飯食って腹壊したことあるぞ】

【↑森川ほんま草www】


 あー、もしもし琴乃、このゆかりご飯さんって人アク禁にしといて。

 それと、とあは配信しなくていいのか?

 って、配信もうつけてるじゃん!

 こっちの配信をミラーして観察なんてしなくていいから!!


「というわけで、今からそれの開封配信を始めたいと思います」


 さてと、どれにしようかな?

 俺は後ろを向くと箱の中をゴソゴソと漁る。


【私のプレゼントないかなー?】

【ぐへへ……:ラーメン捗る】

【↑こいつ絶対にしょーもないもの送ってそう】

【あくあくあくあ君、右の端っこにあるの私の!!】

【あくあ君が私のを引いてくれますように!】


 うん、最初はこれにしよう。

 筒状のものが入った袋を手に取った俺は自分の席へと戻る。


【なんだなんだ!?】

【ワクワクワクワク】

【普通に楽しみ】

【ガーン! 私のじゃなかった】

【プレゼント贈った人おめでとう!】

【まだだ! まだ諦めない!!:ラーメン捗る】

【↑ラーメン捗るさんのなら嫌な予感がして私が撤去しました:桐花琴乃/管理人】

【↑草www】

【姐さんGJ!】

【チッチッチッ、省かれる可能性を考えていくつか贈ってるんだなあ!:ラーメン捗る】

【↑お前、ほんま悪知恵だけは働くよな】

【捗るってそういう事してるからお金ないんだろ。普通にまともなの贈ればそんな事ないのにw】

【↑正論パンチ草www】


 袋を開けると中からは筒状の箱が出てきた。

 卒業証書が入ってる筒とかと比べるとかなり大きいけど、一体中に何が入っているんだろう。

 俺は筒の蓋を外すと、中に入っていた物を取り出してカメラの前に広げる。


【何これ!?】

【シロくんとたまちゃんキター!】

【うおおおおおおおおおお!】

【マウスパッド?】

【このイラストの感じどこかで見たぞ!】

【もしかしてイラストレーターの寧々ねねねさんじゃない?:乙女の嗜み】

【↑こういうイベントがあると、お前がちゃんと検証班なのだと再確認ができていいな】

【↑草www】

【前にイラスト募集でシロくんの二頭身ぬいぐるみ当てた人か!!】

【↑なんならたまちゃんのも当選してる。両方採用されたのは今のところねねちょだけ】

【ねねちょはシロくんたまちゃんで一気に有名になったよなー】

【ちょwねねちょのマウスパッド普通に私が欲しいんだがwww】

【↑それな!!】

【ねねちょのイラスト好き】

【やったー!:寧々ねねね】

【↑本人いたー!】

【ねねちょおめ】


 おー、超大判のマウスパッドか。いいな!!

 しかもこのイラスト、寧々さんからのプレゼントかな? 前にイラスト書いてくれてたから覚えてる。


「おっ!」


 俺は袋の中を見ると一枚のお手紙が入っている事に気がついた。

 手紙を取り出した俺は、個人情報とかが入ってたらいけないからみんなから見えないように内容を読む。


「えっと、この人は前にシロくんのイラストに採用された寧々ねねねさんですね。チョコはたくさんもらうだろうと予測して、前に配信で大判のマウスパッド買おうか悩んでたのでこれを贈ってくれたそうです。え? しかもこれ、カノンにも贈ってくれてるの? ありがとう! 俺は早速今から使わせてもらいます!!」


 寧々さん絵も可愛いけど、字もめちゃくちゃ可愛いな……。

 俺は手紙に軽くキスをすると、早速マウスパッドを取り替える。


【うぎゃあああああああああああああ!】

【手紙にキッスぅ!?:白龍アイコ】

【そんなサービスがあるんですか!?:ラーメン捗る】

【あわあわあわ:寧々ねねね】

【↑ねねちょ死にかけて草w】

【手紙にキスとか私達に確殺入れにきてるじゃん】

【白龍先生動揺しててワロタw現実に負けないでwww】

【やはり血染めのバレンタインか……:ソムリエール】

【↑やめろwww】

【ねねちょ良かったね】

【あくあ君、ちゃんとイラコンで応募してくれた人の事を認知してくれてるの嬉しい】

【やったー、ねねちょさん好き! ありがとうございます!!:白銀カノン】

【↑お前もよかったなw】

【ねね先生わかってらっしゃる。カノン様なら欲しがるだろうなと私も思ったwww】

【なんとなくだけどカノン様なら使わずに額縁に入れて飾ってそう】

【↑解釈一緒で草w】


 よしっ、設置完了と。

 おー、いいね。なんか視界が新鮮で楽しい気持ちになる。

 来てくれるかどうかわからないけど、寧々先生にはお返しにライブのチケットでも贈っとこうかな。


「それじゃあ次の持ってくるからちょっと待っててね!」


 俺は再び席を立つと後ろの箱のところへと向かう。

 さてと、どれにしようかなー。


【今のいい!】

【↑わかる】

【次の持ってくるからちょっと待っててねはなんかくる】

【↑わかる】

【ふぃー、一瞬同棲してるのか勘違いしそうになったぜ:ラーメン捗る】

【↑わかる:ソムリエール】

【配信のヤバいところはここだよな。一瞬錯覚しそうになる】

【↑まわりキョロキョロして自分しかいないのを再確認するまでがセットな】


 おっ、これとか小さいのに結構重いな。

 気になるからこれにしよーっと。

 俺は持ってきたプレゼントを袋から取り出すと、中身を取り出してカメラに見せる。


【入浴剤?】

【お風呂に入れるタブレットだね】

【全国炭酸温泉のタブレットって書いてある】

【今、特に重炭酸系の入浴剤は人気だからなー】

【あくあ君、忙しそうだし結構いいと思う!!】

【おー、こういうプレゼントもありかー! 勉強になります】

【うぇっ!?:お風呂大好き】

【↑風呂ネキどうした?】

【もしかしてこれ風呂ネキのじゃ?】


 何々? 全国名湯25選炭酸温泉のバス用タブレット?

 おー、いいなー。俺、こういうの好きよ。

 カノンとかうちは女の子多いからよく入浴剤使ってるしね。

 同梱のお手紙を読むと、これで日々の疲れを癒してくださいと書いてあった。

 その優しさにじんとくる。


「お風呂大好きさん、ありがとね! 今日はもうお風呂入っちゃったけど、明日から使わせてもらいます!」


 俺はまた手紙に軽くキスをすると入浴剤のセットと一緒に横のテーブルに置く。


【お風呂上がりだってぇ!?:ソムリエール】

【クンクン、クンクン!:ラーメン捗る】

【↑PC越しに無駄な努力してる馬鹿がいて笑ったw】

【↑とか言いつつお前もやってるだろ!】

【↑なんでバレた!?】

【SYUKUJYOの皆さん、ここにクンカ・クンカーが大量にいまぁす!】

【みんな一回は深呼吸した説】

【そこに反応する時点で、どこの層が多く見にきているのかがわかる】

【↑それな!】

【なんでこいつの配信ってチャット欄もバカしかいないの?:ゆかりご飯】

【↑深呼吸した民だけど、同意しかないw】

【風呂ネキおめ】

【風呂ネキよかったな】


 また席を離れた俺は、後ろの箱から新たなプレゼントを探す。

 そろそろチョコレートが欲しいな。チョコレートが入ってそうな袋を狙っていくか。

 おっ、これなんかいいんじゃないか? うん、これにしよっと!

 俺は袋を持って席に戻ると、ゆっくりと中身を取り出す。


【チョコきたー!】

【おおー!】

【くっ! 袋が似てたから思わず立ち上がったけど、全然私のじゃなかった】

【誰のチョコかなー? ワクワク!】

【なんか見た事もないチョコでてきた】

【公式以外か。なんだろう?】

【私、結構チョコ好きだけど、本当に見た事がない】

【こーれ、嫌な予感がします:ラーメン捗る】

【↑奇遇ですね。私も同じ気持ちです:ソムリエール】


 おー、なんかすごく高そうなチョコ出てきたな。

 えっ? しかもこれ中を開けたら一個?

 あー、たくさんあると消費しづらいからって気を遣ってくれたのかな?


「気を遣ってくれてありがとね。それじゃあ、せっかくだし食べます!」


 おおおおおおおおおお!

 口の中に入れた瞬間、アロマのような華やかな香りと鼻に抜けるような爽やかな酸味を感じる濃厚なカカオの味がガツンときた。すごいな。こんな味のチョコがあるのか。

 この酸味はなんだろう? オレンジで香り付けしてるのかな? 香りも何か花の蜜で味付けしてる気がする。スパイシーなのはきっと何らかの香辛料だな。

 とにかく今までに食べた事がないほど芳醇で、食べ終わった後も一口で味わえる満足感がとてもすごかった。

 俺はそれらを言語化してみんなに伝える。


【おい……調べたらこれ1粒10万とか書いてあるんだけど……】

【↑嘘だろwww】

【あくあ君、今、普通にいったぞw】

【1粒10万とかぼったくってない? 大丈夫?】

【味のレビュー助かる】

【あくあ君、自分でも作ってたしわかるんだろうね】

【料理番組だけじゃなくてグルメ番組にも出て】

【スターズのチョコブランドかー】

【こーれ、誰が贈ったかわかったわ:ラーメン捗る】

【↑奇遇ですね。私もわかりました:ソムリエール】


 えっ!? 1粒10万!?

 嘘だろ……。え? これ贈ってくれたの誰だろう?

 なんか前にもこんな事があったような……いや、俺の気のせいか?

 俺は既視感を味わいつつ、同梱されたパンパンに膨らんだ手紙を開封する。


【おいw】

【手紙の厚みじゃねーぞw】

【こーれ、もう確定です:ラーメン捗る】

【↑お前が止めて差し上げろ】

【これ送ったやつ病院連れてった方が良くない?:ゆかりご飯】

【↑私もそう思います】

【よく見たら用紙が何枚とかじゃなくて巻物になってるじゃんw】

【手紙じゃなくて巻物wwwww】

【今ちらっと縦書きなのが見えたぞw】

【あいつは武士か忍者かw?】

【ちらっと見えた日本語が達筆すぎて笑ったw】

【もうこいつ本当は元から日本人だろwww】


 えーと、乙女の嗜みさん?

 あーーーーー! そういえば前にこんな事あったなー。

 こんなにお手紙を書いてくれるのは嬉しいけど、手書きだと腱鞘炎になっちゃうよ。大丈夫?


「えーと、いつも頑張ってるあくあ様へという事らしいです。乙女の嗜みさーん、ありがとねー!」


 正直、紹介しきれないので大まかに省いた。


【みじかw】

【絶対、もっと色々書いてるだろw】

【いや、これでいい:ラーメン捗る】

【全部聞いたらお腹いっぱいになりそうだからこれが正解:ソムリエール】

【なんかもうこれ一つで全部色々とわからせてくるの嗜みだなぁって感じがする】

【ごめんなさいごめんなさい:桐花琴乃】

【姐さん謝ってて草w】

【検証班が嗜み見限ってて草w】

【やったー! 嗜みちゃん大勝利ー!:乙女の嗜み】

【↑お前さあwwwww】

【どうやら母親になるのにいまだに中学生みたいな事を言っている奴がいるらしい】

【↑そーれ、私の知り合いです……:ラーメン捗る】


 それにしてもこの手紙、字が綺麗だな。

 俺の嫁、カノンも字が綺麗だけど、それに負けてない。

 嫁贔屓というかカノン贔屓の俺からしてもそう思うくらいだからよっぽどだ。

 よく見たら筆跡もめちゃくちゃ似てるような気がするし、きっと乙女の嗜みさんも俺のカノンに似て美人なんだろうな。そんな気がする。


【見て、このアホそうな顔。絶対にポンコツ発揮してそう:ゆかりご飯】

【↑あくあ様の事をアホそうな顔とか言えるのお前くらいだよ】

【ぼんやりしたあー様もかわいい!!:みゆきち】

【↑ほら、こういうバカ女がこいつを甘やかすのよ!:ゆかりご飯】

【ゆかりご飯さん落ち着いてw】

【荒ぶるゆかりご飯さんは鎮まってどうぞw】

【そういえば、あくあ様はカノン様から何か貰った?】

【↑いい質問きた】

【逆にカノン様が何贈ったのか気になるわ】

【あくたん、カノンさんからのバレンタインプレゼントも見せて〜】


 コメントが流れるのが早く何も見えない。

 でも、今ちらっとだけカノンって書いてる人がいた気がする。


「もしかしてカノンから貰ったものが気になる? OK! ちょっと待っててね。取ってくる」


 俺は一旦部屋から出ると、寝室から色々と取って戻ってくる。


「ジャーン! これ、どう? カノン、普段はほとんど料理とかしたりしないけど上手にできてるでしょ」


 俺はカノンが作ってくれたハート型のチョコレートをみんなに見せる。

 市販の商品とは違って形は整ってないのかもしれない。

 でも、そういうところが手作り感があって1人の男としてはくるものがある。


【うおおおおおおおおおお!】

【手作りだー!】

【あくあ君嬉しそう。カノン様から貰えてよかったね!】

【何個か食べてる形跡があるの個人的に尊い】

【↑わかる。ちゃんと奥さんの事を愛してるんだってわかって嬉しい】

【ぐわあああああ。関係ないけど乙女の嗜み○ねー!】

【ぐぬぬぬ、ミリも関係ないけど乙女の嗜み○ね!】

【とりあえず流れに乗って乙女の嗜み○ね!:ラーメン捗る】

【↑お前らさあw】

【どさくさに紛れて1人身内混ざってて草w】

【大丈夫それ? なんか変なお汁とか入ってない?】

【↑入ってないもん!:白銀カノン】


 俺はカノンから貰ったチョコを一口パクッと食べる。

 うん、味も美味しいけど、頑張ってカノンが作ってくれた姿が想像できて嬉しくなった。

 一緒に作ってくれた琴乃、楓、えみりさん、ペゴニアさんには感謝しないとな。


「実はついでにもう一個持ってきてるんだよね」


 俺はカメラに向かってニヤリと笑う。


【うおおおおおおお!】

【誰のだろう】

【見せて見せて!】

【もしかして私の!?:森川楓】

【↑お前まさかバナナとか渡してないよな?】

【もー、仕方ないわね。特別よ?:ゆかりご飯】

【↑これでゆかりご飯さんじゃなかったら笑うw】

【森川アナとゆかりご飯さんフラグ立て乙w】

【森川とゆかりご飯さんじゃないのは確定w】


 俺はさっき取ってきたチョコレートのダックワーズをカメラに映す。

 みんな、誰の手作りかわかるかなー?


【手作りかな?】

【森川じゃないのが確定した】

【森川にこれは作れない】

【森川なら道具破壊してるから森川じゃないな】

【小雛ゆかりでもないだろ。あいつこんな可愛いの絶対に作らないよ】

【小雛ゆかり草、森川も草w】

【誰だろう? らぴすちゃんかな?】

【まさか、姐さん!?】

【↑姐さん、マ!?】

【ワンチャン天鳥社長?】

【白龍先生!?】

【もっ、もしかしてとっ、とあちゃんですか!?】

【↑僕じゃないよ〜:猫山とあ】

【あ:月とスッポン】

【↑】

【はい、答えわかりました】

【あー、答え知った途端納得した】

【アヤナちゃんきたー!】

【ゆうおにファンへのご褒美きたー!!】

【月とスッポンさんの恥ずか死を確認!!:ラーメン捗る】

【↑可哀想だから言ってやるなよw】

【アヤナちゃん悶絶してそうw】

【アヤナちゃんかわいい!】


 おっ、どうやら何人か答えに気がついた人がいるようだ。

 俺は瞬時に切り替えて役に入り込む。


「莉奈、ありがとな」


 俺はチョコに軽くキスをするともぐもぐと食べた。

 うん、アヤナの愛情がたくさんこもってる味がする。


【お兄様きたー!】

【久しぶりのお兄様きたー!】

【ドラマ終わった後でもそういう事してくれるのが好き!!】

【ありがとうございますありがとうございます】

【うわー、あくあ君、ありがとう:司圭】

【↑司てんてー!?】

【司先生いる!】

【もー! 何やってんのよ。バカ!:月街アヤナ】

【↑ありがとうございます。ありがとうございます】

【アヤナちゃん本垢草w】

【怒ってるアヤナちゃんかわいい】


 そういえばさっき小雛先輩いたな。

 俺はもう1度、一也に成り切る。


「ちなみに紗雪のチョコには殺されかけた。みんなも病んでる妹には気をつけろよ」


 ちなみに俺は病んでる女の子も妹も好きだけどな。小雛先輩の紗雪はNGだけど。


【殺されかけたぁ!?】

【小雛ゆかり草w】

【あくあ君大丈夫?】

【お姉さん言ったよね? 怪しい女の人から貰った食べ物を食べちゃダメって】

【↑怪しい女の人は草www】

【ゆかり何やってんの……:天鳥阿古/管理人】

【↑社長困惑してて草】

【もう小雛ゆかりさんの出入り禁止にした方がいいで!:鞘無インコ】

【↑お前は早く乙女ゲーしろ!】

【野良の小雛ゆかりは本社ビルが一番遭遇率高いもんなw】

【ちょっと塩入れすぎちゃっただけじゃない! あんたは大袈裟なのよ!:ゆかりご飯】

【↑おい、こいつ全然反省してないぞ!!】

【いい加減罪を認めろ!】


 あっ、もしもし琴乃、ゆかりご飯さんは反省してないみたいなので、やっぱりアク禁にしておいて。

 俺は再び席を立つと後ろのボックスから一際目につく袋の次のプレゼントを持ってくる。


【森長の羊じゃん!!】

【袋可愛い!!】

【ちゃんとスポンサーにも配慮してる!】

【#PR!】

【この袋、毛糸で手縫いしてない?】

【これはすごい!】

【あくあ君、メリーさん好きだからね】

【冬コミで売ってたねねちょのメリーさんとあくたんの餅つきアクスタとサンタアクスタ買えた人うらやま】

【↑サンタだけゲットできた。餅つきはマジで即完売だった。なお、嗜みは両方持ってる模様】

【↑死にそうになりながら私が嗜みの関係者と2人で両方買いに行った話聞くか?:ラーメン捗る】

【↑お前、ほんま友達想いのいいやつだよな。終わってるけど】

【↑捗るはいいやつだよ。終わってるけど】

【↑終わってるのを除けば捗るはいいやつ。終わってるけど】

【終わってる連呼するなお前らw】

【捗る自分のにしたらいいのに、嗜みがねねちょのファンだからって優しすぎだろ……終わってるけど】


 袋すごいなー。俺も子供のために手編みの靴下編んでるから参考になる。

 俺は巾着になった袋の紐を引っ張ると中に入っていたものを取り出す。


【メリーさんのぬいぐるみだ!!】

【うおおおおおお! すげー上手い事できてる!】

【ポーチになってる袋は毛糸で、こっちはフェルトかな?】

【私、こういうの絶対にできないから尊敬するわ:ソムリエール】

【上手だなー!】

【あくたんこういうの好きだよな】

【↑そういうところが可愛いんです!】

【BERYLはぬいぐるみ好き男子しかいないから。大阪行った時も千葉に行った時も着ぐるみに絡みまくってたしw】

【↑マユシン君が、隠れてこっそりハグしてたのは萌えた】

【↑天我先輩が手でポンポンしたりちょっかいかけるのも好き】

【黛君の配信、親フラしてて笑ったw】

【↑後で見る!!】

【あれは事故。お母さん知らなかったぽいし】

【黛君のお母さん綺麗だったなー】


 おっ、一緒にお手紙が入ってる。よかった。今度はちゃんと普通だ。

 俺は手紙を広げると送り主の名前を見てニコリと笑う。


「茶々さんいる? ありがとね。子供のためにメリーさんのぬいぐるみ作ってくれて。それとポーチは普段使いさせてもらうね。お弁当のランチボックスと多分サイズがぴったりなんで、明日からこれにします!!」


 俺は両手に袋とぬいぐるみを持ってカメラの前で手を振る。


【茶々さんってメリーさんの中の人じゃん!】

【↑あれって森長の社長さんじゃなかったっけ?】

【↑2人いる。社内で掃除してる人と公式アカウントは社長、CMで共演してたりイベントに出るのは茶々さん】

【へー、子供のためのプレゼントかー。みんな良く思いつくね】

【参考になります】

【茶々さんまじかw】

【茶々さんよかったねー】

【メー!!:茶々まる】

【↑メーだとはい、メェーだといいえです:桐花琴乃/管理人】

【↑姐さん解説助かるw】

【あれ? 嗜みは? って思ったけど、あいつ自分のが晒されて死んだかw】

【↑嗜みの死亡を確認しました!!:ラーメン捗る】

【悲報、私達の嗜み、すぐに死ぬ】


 席を立った俺は、後ろのボックスをゴソゴソと漁る。


【あー! その上にある奴、私のです!!】

【ちょ、左の緑のやつ。あー、それですそれ、私のそれですー!】

【その横にあるの私の私!:羽生総理】

【↑誰かと思ったら総理じゃねぇか!】

【総理自重しろ!】

【こーれ、明日も謝罪です】

【それやそれ! 私が送ったのもあるやんけ!!:鞘無インコ】

【↑お前、絶対に関西のしょうもないお笑いグッズ送ってそう】

【↑何でわかったんや!?:鞘無インコ】

【うーん、残念。私のはなさそう:加藤イリア】

【↑どんまい!】

【あ、僕が送ったの入ってる:石蕗宏昌】

【↑石蕗さーん!】

【石蕗さんマジ!?】

【あくたん、石蕗さんのプレゼントあるよー! 気がついてー!!】

【お前ら落ち着けw】

【カオスになってきたw】


 どれも良さそうで悩むな。

 うーん……よしっ! この紙袋にするか。

 俺は紙袋を持って席に戻ると、中に入っているものを取り出そうとする。

 しかし、その寸前で俺の中にある謎のあくあレーダーが珍しく何かを察知して押し止まった。


「ん?」


 俺はみんなに見えないように袋の中を開くと、入っているプレゼントを確認する。

 何これ? って、制服?

 俺は袋から制服を取り出すと、みんなに見せる。


【制服!?】

【これメアリーの?】

【メアリーの中等部じゃない?】

【ぐへへ……!:ラーメン捗る】

【↑あっ】

【あっ】

【あっ】

【犯人キタコレw】

【お前さあ!】

【ベリルの皆さーん、警備すり抜けてますよー!】

【お前まさか自分のを……】

【捗るお前ってやつはw】

【そのうち出禁になるぞwww】

【見せられないものって一体何を送ったんだw】


 え? これ送ってきたの誰?


「ちなみに制服、全部で3つ入ってます」


 俺は3枚の制服の意図を確かめるために中に入っていたお手紙を確認する。


「えーっと、ラーメン大好き女子さん!? あ、ありがとうございます。なになに? えーと、この制服は中学時代のカノン様、森川アナ、桐花マネの制服ですぅ!?」


 とんでもねぇお宝じゃねぇか!!

 えっ、まじ? 俺は表に出していた制服を確認すると、タグのところにアルファベットでカノンと書かれていた。

 おぉ……ほのかにだがカノンの香りと汗の匂いが染み込んだ匂いがする。


【ちょっとぉ!?:白銀カノン】

【えっ!?:森川楓】

【私のも!? え? いつの間に……:桐花琴乃】

【嘘だろwww】

【捗るお前wwwww】

【これは有能】

【あくあ様めっちゃ嬉しそうw】

【高校じゃなくて中学の制服っていうのがやべぇな】

【姐さん着れたとしてもパッツパツになりそう】

【捗る。こいつはほんまwww】

【姐さんのなら引っ越しの手伝いの時に捨てようとしてたので預かっときました!:ラーメン捗る】

【↑お前wwwww】


 俺は再び手紙を手に取る。


【私にできるのはこれくらいしかありません。

 この制服を使って夫婦生活をお楽しみください。

 いつもあくあ様が私達を楽しませてくれているお礼です。

 今晩はいっぱいこれを使って楽しんでくださいね!

 高校もあるので次の機会にはそれも送りましょうか?

 迷惑でした? それなら配信で言ってくれたら次回からは普通のを送ります】


 くっそー、俺の心が邪なせいか、私のもいる? って聞いてるようにしか見えない!!


「いりまぁす! じゃなくて、迷惑じゃないですよ。ラーメン大好き女子さん、ありがとう!!」


 俺はカノンの制服を握りしめ笑顔で手を振る。


【ぐへへ……:ラーメン捗る】

【↑電話:桐花琴乃/管理人】

【姐さんこわw】

【私達のあくあ様が嬉しそうなのでヨシッ!】

【まーた、デレデレした顔してる:小雛ゆかり】

【捗る、これはナイスプレイ】

[ラーメン捗る banned from chat:桐花琴乃/管理人]

【捗るBANされたwww】

【捗るBANwwwww】

【ブチ切れ姐さんキタコレw】

【ブチ切れ姐さんナイスw】

【姐さん落ち着いて、あくあくんは喜んでるよ?】

【私達のあくあ様が喜んでるなら全てよしっ!】

【↑結局それな!】


 俺は気を取りなおすと、プレゼント配信を再開した。

 よーし、今度、3人にこれ着せてグヘグヘするぞー。

Twitterアカウントです。作品に関すること呟いたり投票したりしてます。


https://mobile.twitter.com/yuuritohoney

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 流石のポンなみさんでもJC時代のは無理じゃねぇかなあ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ