月街アヤナ、ゆうおに最終回。
「ふぅ……」
お風呂から上がった私は、髪をドライヤーで乾かしてからリビングのソファに腰掛けた。
年末の歌合戦に向けて体を整えるためにマッサージしたり、乾燥肌だから乳液を塗って保湿したりする。
「ん……」
ゆっくりと伸ばすようにクリームを塗り込んでいく。
こんな商品、一体、誰が買うのよ。
ほんの数ヶ月前まで、とある部分を大きくするためのクリームなんて誰もが見向きもしなかった。
それがあの女性解放宣言以降、生産が追いつかないほどの勢いで飛ぶように売れている。
ほんと、みんなどうかしてるわよ……。ま、まぁ、私も使っちゃってるからそんな事を言えた立場じゃないんだけどね。
私が使っている聖女堂のクリームは、クレアさんからおすすめされた商品で、カノンさんも同じのを使ってる。うーん、カノンさんは最近大きくなったって言ってたけど、私のサイズは……変わってない気が、いや、心なしか……うん、やっぱり、変わってないわね。
鏡の前でそうこうしているうちに私が出演しているドラマ、優等生な私のお兄様の放送時間が迫ってきた。
「そろそろ……かな」
私はテレビのリモコンを操作して、チャンネルを合わせる。
全12話、およそ3ヶ月にわたって放送されたこの作品も今日が最終回だ。
内容は知ってるけど、一応見ておこうかな。
自分が出てる作品は恥ずかしくて、どっちかというと私はあんまり見たくない。
でも、小雛先輩からは、自分の演技に100%満足できてないなら、戒めのためにも見ておいた方がいいわよと言われたのよね。
「あ……始まった」
真っ暗な部屋、見覚えのある人形が映る。
私が演じる笠道莉奈が家庭科の授業で作った佐田沙雪のぬいぐるみだ。
『ふんふーん』
小雛先輩が演じる佐田沙雪の鼻歌が聞こえる。
自分とお兄様、あくあの演じる佐田一也と血が繋がっていない事を知った沙雪の行動は早かった。
佐田家の当主である自らの母親を罠にかけ、陥れ、当主という立場を簒奪した沙雪は、自らの願望を叶えるために行動を開始する。
『さぁ、おうちに帰りましょうね』
沙雪は人形に頬擦りすると、自らのクローゼットの奥に大事そうに置いた。
その両隣には、自らが家庭科の授業で作った莉奈と一也の人形が置いてある。
『本当に大事なものはちゃんと奥にしまっておかないと……ね』
クローゼットの内側から撮影しているカメラワークのせいか、笑顔の沙雪が扉を閉じる様子に恐怖を感じる。
沙雪の愛、その執着の強さは歪だ。
大事な兄様や大事な親友を守りたい。それ自体は別におかしくない事だと思う。
百歩譲って、だからこそ、1番安全な場所で2人を監禁したいというのも……うん、わからない。わからないけど、母親が息子を監禁したり、お姉さんが弟を監禁したり、妹が兄を監禁したりする話は現実でもたまにあるからおかしくはないんだよ。でもね……そのために一也と莉奈の2人が孤立するように追い込むっていうのは、どう考えても理解ができない。
『ああ……ぁ……』
雨の中、一也は崩れ落ちるようにして倒れた。
沙雪が実の妹じゃない。
その事を聞かされた一也は、真実を突き止めようと何話にも渡って愛する妹に内緒で佐田家の事を調べた。
一也はそうして独自に佐田家を調べるうちに、本当の母が沙雪の母、つまりは現当主の姉だった事を知る。
全ての真相を突き止めようとした一也は、偶然、事情を知ってしまった莉奈と一緒に色々な情報を集めて、沙雪の母を問い詰めようとしたが、後一歩のところで沙雪に出し抜かれてしまった。
『一也!!』
一晩中、一也の事を探していた莉奈が、偶然にも倒れた一也を見つけて駆け寄る。
あーーーーー、やっぱりだめかも。この時点でもう今すぐにでも撮り直したい気持ちになっちゃう。
だから小雛先輩は見ろって言ったんだろうけど、当時はどんなに上手くやったつもりでも、自分の性格上、ああできれば、こうしたらって考えちゃうんだよね。
「はぁ……」
私が大きくため息を吐くと、タイミング良く番組もCMに入った。
「立ってるだけで雰囲気あるのは反則すぎでしょ」
私はいじけたように、さっきのあくあのシーンを思い出す。
華があるっていうのかな。あくあやカノンさん、ミシュ様やえみりさんなんかはもう立ってるだけで絵になっちゃうんだよね。単純に容姿が良いとかって話じゃなくて、なんだろう……うまく説明できないんだけど、あくあ達からはそういう人の目を惹きつけるだけの魅力をすごく強く感じる。
私もアイドル、それなりに魅力はあるのかもしれないけど、さっき名前を出した4人ははっきり言って別次元だ。
そんな人達の隣に立って演じるのは難しいけど、やりがいは感じてるし、役者として生きていくにはそこを乗り越えないといけない。だからこそ小雛先輩を参考にしようと思った。
小雛先輩も確かに女優をやってるだけあって容姿はいいし、華がないわけじゃないんだけど、あくあたちと比べたら月とスッポンくらいの差はある。それでも小雛先輩があくあを上回る事ができてるのは、それ以外の部分で全部、あくあに勝ってるからだ。
『一也お兄ちゃん、目が覚めた?』
CM明け、一也は莉奈の部屋で目を覚ます。
『莉奈……か。すまない。ここまで色々と協力してくれたのに、俺は真実に辿り着く事ができなかった』
『知ってる。ニュース……見たよ』
沙雪の母親は、華族としてそれまで行ってきた罪を娘である沙雪に告発されて逮捕されてしまった。
もちろん私が演じる莉奈や一也は、裏で沙雪がそう手配していた事を知らない。
『これでもうあの人を問い詰める事はできなくなった。少なくとも彼女が罪を償って、外の世界に出てきてくれるまでは……』
既に拘束され軟禁状態にある沙雪の母に接触する事はできなくなった。
おそらくは刑が確定した後も、面会する事はできないだろう。
『くそっ! 俺はただ、ただ、本当の事が知りたいだけなのに……!』
一也はベッドのシーツを強く握りしめる。
莉奈はそんな一也の手の甲にそっと自らの手を重ねた。
『もう……止めよ?』
『莉奈……?』
莉奈は少しだけ目を潤ませると、一也を説得するために声を荒げた。
『真相なんて! 真実なんて! 全部、全部、もうどうだっていいじゃない!!』
『……莉奈』
莉奈はもうこれ以上、傷ついていく一也の姿を見たくなかった。
いっそ真実なんて知らなければいい。
一緒に佐田家を調べていくうちに、一也と血の繋がった兄妹だって事を知ったあの日から、莉奈は莉奈で苦しんでいた。一也の事を好きになったこの感情はなんなのだろう。純粋に異性として好きになったのだろうか、それともこれは無意識のうちに家族に向ける親愛が根底にあったものだったのだろうか? どっちが正解なんてもうわからない。
ただ、一つわかるのは、これ以上苦しむ一也を見るのは嫌だった。
『お兄ちゃん、莉奈と一緒に学校を辞めよ。笠道の別荘が静岡にあるから、そこで一緒に暮らそ。誰も知らないところで、私とお兄ちゃんの新しい人生を始めるの』
『莉奈……ありがとな』
一也は胸に飛び込んできた莉奈の頭を優しく撫でる。
『それがいいのかもしれないな……。佐田家も次の後継者を決めなければいけないし、俺が居ない方が沙雪への引き継ぎがスムーズに行くだろう。俺が佐田家に居ない方がきっと、沙雪にとってもいいはずだ』
『うん……うん!』
一也は沙雪の事を想って、彼女の近くから離れる事を決めた。
でも、ダメなんだよね。その選択肢じゃダメなの。
『莉奈』
背筋がゾクリとした。
場面が切り替わり、莉奈が振り返る。するとそこには、笑顔の沙雪が立っていた。
『莉奈は私の事が嫌い?』
『沙雪? 何を言っているの……?』
画面に映った莉奈、つまりは私が、びくんって小刻みに震えるシーン、あれは私の演技じゃない。
小雛先輩の演技で強制的に体を反応させられたのだ。
演者である私は脚本でわかってるのに、しかもこれがテイク2で、それでも反応しちゃうんだから、どれだけ怖かったか……。今、初めてこのシーンを視聴している皆さんはもっと怖いんだろうなぁって思う。
だって、このシーンが来るって身構えてた私ですら怖かったんだから。
『それよりも沙雪、話があるの。聞いてくれる?』
莉奈は沙雪に全てを打ち明けた。
一也が誰か知らない人から、自分は佐田家の子供じゃないって聞かされた事、愛してた沙雪と血が繋がってなくて苦悩してた事、ずっと佐田家と本当の母親について調べていた事、そして自分と一也の血が半分だけ繋がってるって事、このままじゃ一也が壊れちゃうからしばらくの間、静岡にある別荘に行くって事……。
沙雪はただ黙って莉奈の話に耳を傾ける。怖い怖い怖い……。何かを喋ってるわけでも、大きく動いてるわけでもないのに恐怖を感じるのはどうしてだろう。
改めてじっくりと小雛先輩を観察していると、ほんの少しの手の動作や微かな頬や喉の動き、そして生きた唇の動きだけで怖さを表現しているように見えた。やっぱり小雛先輩はすごいな。
実際、私はミシュ様やレイラさんの演技より、小雛先輩の演技の方が上だと思ってる。
誰しもが生まれながらのスターである雪白美洲や、日本人離れした玖珂レイラに憧れるだろうけど、凡人が成れるわけじゃない。でも、小雛ゆかりは違う。凡人が成りうる事のできる限界点が小雛ゆかりだ。だから多くの役者達は小雛ゆかりを目指すべきだって言ってた人が居たけど、凡人の私だからこそ言える。
小雛先輩の演技は真似たって普通の凡人ができる演技じゃない。
目指したって、真似たって、全ての能力、リソースを役者である事に全振りしてる小雛先輩の領域に追いつける人は、この国に果たして何人いるのだろうか? もし、そんな小雛先輩に勝てるとしたら……雪白美洲のスター性を余すところなく受け継ぎ、日本人離れした玖珂レイラ以上の身体的な魅力があって、小雛先輩と同じ領域の役者バカであるあくあくらいだろう。
「そんな化け物2人に肩を並べようだなんて、私ってほんとバカよね」
思わずテレビを見ながら私はそう呟いた。
でも、ゆうおにで一緒に共演してみて、もっとこの2人と共演してみたいって思っちゃったのよね。
ゆうおにで共演した他の先輩キャストさんからも、超越した人達と一緒にやる現場はついていくのが大変だけど、刺激的で楽しいでしょって言われたのを良く覚えてる。
私もそこに立ち続けたいと思った。
『ふぅん、それで莉奈はお兄様と一緒に、2人だけで行くんだ』
前髪の隙間から、さっきまで隠れていた沙雪のハイライトが消えた目があらわになる。
『うん……でもね。私は、沙雪にも一緒に来て欲しいの……!』
『えっ?』
莉奈は沙雪の心に訴えかけるように、その手を両手で優しく包み込んだ。
『現役の当主が逮捕された佐田家には、きっと何らかの罰が課せられるわ。1人残らなきゃいけない沙雪はきっと苦労する。私はね、沙雪が心配なの。なんでまだ学生の沙雪が全部背負わなきゃいけないのよ。沙雪だって……逃げていいじゃない!』
ああああああああ!
私は大きいサイズのあくあのぬいぐるみに顔を突っ伏して、ソファの上で足をジタバタさせる。
やっぱり自分で自分の演技を客観的に見るのだけは恥ずかしい。
うー、やっぱり、もっともっと練習して上手くなろ。上手くなったら今以上に恥ずかしくないはずだ。
『ねぇ、沙雪も一緒に逃げよ。笠道の家だって一応華族だし、2人を養うくらいのお金はあるから……ね? そこで3人、ひっそりと暮らそう?』
莉奈の言葉に沙雪は目を見開く。
自分だけ捨てられると思っていた沙雪にとって、この言葉は意外だったんだと思う。
『莉奈、ありがとう……。やっぱり、莉奈は私が思ってた通りの莉奈だった。ごめんね。莉奈の事を疑ったりして……。私は莉奈と友達になれて幸せ』
笑顔の沙雪、もちろん目のハイライトは消えたままだ。
『ふふっ、やっぱり私は間違ってなかったんだ』
『えっ?』
画面が暗転して翌日、莉奈は学校に来なかった。
その次の日も、さらにその次の日も……。学校に来なくなったのは莉奈だけじゃない。
一也は学校に来なくなった莉奈と沙雪を探すために再び行動を開始する。
今まで登場してきた人たちとの邂逅、物語を辿っていく過程で一也は一つの事に気がついた。
『ここに居たのか……沙雪』
『お兄様……ああ、お兄様。やはりお兄様は私を見つけてくれたのですね』
海の見える真っ白な教会、純白のドレスを着た沙雪が一也の事を待っていた。
『沙雪、もうこんな事は止めよう……』
『何を言っているのお兄様? 私と莉奈とお兄様の3人だけの生活をここから始めるの』
一也は一歩、また一歩とゆっくりと沙雪に近づいていく。
大きな窓から入ってくる朝焼けの光が、一也の服を白く染める。
『沙雪……俺は沙雪が望むなら、ずっと沙雪の側にいる。だから莉奈を解放してあげてくれ。莉奈はお前にとっても、掛けがえのない友だったんじゃないのか? もうこれ以上……俺は沙雪が誰かを陥れる姿を見たくないんだ……!』
『ふふ、お兄様は私の汚いところも、この感情も全てを知った上で、それでも私の事を想ってくれるのですね……。嬉しい。やはり沙雪は、お兄様の事をお慕い申し上げます』
沙雪はあくあの胸に手を置いて体をしなだれる。
一也は沙雪の背中に手を回すと、ギュッと力強く抱きしめた。
『大丈夫。俺が側にいる。だから莉奈を解放してくれ。お願いだ沙雪』
『兄様……ありがとう。でもね、ごめんなさい』
背伸びをした沙雪はごく自然と、一也の顔に自らの顔を近づける。
後ろの大きな窓から見える海から昇ってくる太陽の光と重なって、小雛先輩とあくあのシーンはすごく幻想的だった。
このシーンを見るのは2回目だけど、初めて見た時と同じくらいドキドキする。
『沙雪、お前……何を……』
沙雪から体を離した一也は、おぼつかない足元で後退りして地面に膝をついた。
口移しで薬を飲まされた一也はこめかみを手で押さえ、意識が飛ばないように必死に抵抗する。
コツン……コツン……コツン……。
後ろから聞こえてくるヒールの音、沙雪と同じ真っ白なウェディングドレスだけが画面に映し出される。
『沙雪、お手本を見せてあげる。こうやってするのよ』
『っ!?』
一也が後ろに振り返ったタイミングで、ウェディングドレスを着た莉奈が一也に顔を近づける。
うぎゃああああああああああああ! 自分で自分のそういうシーンを見るなんて恥ずかしすぎる。
あの時はもう本当に必死だった……。やるしかないって思って、それで……。
忘れるはずなんてない。まだあの時の感覚も、あの夜の事も覚えてる。
あくあの事を考えたら胸の奥が切なくなった。
『莉……奈……どう……して……』
『お兄ちゃん、これからは3人で一緒だね』
恍惚とした莉奈の表情がアップになって画面は暗転する。
そう、全ての黒幕は、莉奈だった……。
第1話で一也に真実を探るように告げたのも、沙雪を動かしたのも、そして今こうしているのも全ては莉奈の手の内の中である。
沙雪の母にオモチャにされて殺された自分と一也の母の敵を討つために、莉奈は佐田家を、沙雪の母をめちゃくちゃにしようと思った。
ただ唯一、莉奈が予測できなかったのは、沙雪の事が気に入ってしまった事だろう。
だから復讐のために佐田家を滅亡させる事だけはそのままに、ほんの少しだけ計画を軌道修正した。
『沙雪、これからは、お兄ちゃんと3人……ずっと一緒だね』
『うん、莉奈……私、嬉しい。私と莉奈の血は繋がってないけど、莉奈が私とお揃いで』
『私も、沙雪が私と同じで嬉しいよ』
『お兄様と同じくらい莉奈の事が好き』
『私も一也お兄ちゃんと同じくらい沙雪の事が好き』
あくあ演じる一也を2人の胸に挟むようにして、私が演じると莉奈と小雛先輩が演じる沙雪が見つめ合う。
私はその時の事を思い出してまた恥ずかしくなる。
そういえばこのシーンを撮る時、監督がめちゃくちゃあくあに気を遣っていたけど、あくあの方は監督の心配をよそにすごくやる気だったな。もっとこう莉奈と沙雪を密着させるために、俺を押し潰すくらい体を寄せた方がいいですよって監督に真剣な顔で提案してたっけ……。今になって思えば、にわかには信じられない話だけどただ単にあくあが挟まれたかっただけという。
あの時にこの人は本気なんだって少しでも感動した純粋な私の気持ちを返してほしい。
「終わっちゃった……」
撮影はだいぶ前に終わってるけど、それでも少し感傷的になる。
またこの2人と共演したい。もっと、今よりも遥かにパワーアップして。
私はセンチメンタルな感情を誤魔化すように、世間がどういう反応をしているのかを確認するために掲示板を覗く。
835 ななし
オンナ、コワイ……。
837 検証班◆07218KADO6
モウ、ナニモ、シンジラレナイ。
840 検証班◆THiMPOsuki
ウソダ! リナダケハ、イイコダト、オモッテタノニ……。
843 ななし
チジョーが大量発生しててワロタw
846 ななし
>>837>>840
さっきまでギャーギャー言ってた捗るとティムポスキーが人間不信になりかけててウケるwww
850 ななし
莉奈だけはまともだと思ってたのに、こっちも地雷だったんか……。
854 ななし
ある意味ハッピーエンドって事にしておく。
ヤンデレ2人に目をつけられた時点で一也は終わってた。
857 ななし
メンヘラ製造機でヤンデレ製造機、それが白銀あくあです。
859 検証班◆9n2SARETAi
心なしか、あくあさんが女性間に挟まれた時に、とても嬉しそうなお顔をしていたような……。私の気のせいでしょうか。
861 ななし
みんな最後の莉奈が黒幕だったって事に持っていかれてるけど、その前のシーンを事を思い出せ!!
865 ななし
まんまと司先生の罠に引っかかって、直前のシーンを忘れてる馬鹿どもが多くてワロス。
アヤナちゃんはいいけど、小雛ゆかりはアウトだろ!!
869 検証班◆07218KADO6
>>865
つまりはだ……私も女優になったらあくあ様とそういうシーンができるって事ですか!?
はいはいはい! 捗るちゃん、本気で大女優目指します!!
872 ななし
>>869
下心全開で草www
875 ななし
>>869
馬鹿、お前そんな簡単に女優に成れるかよw
878 ななし
>>872>>875
ものすごく嫌な予感がするんだが、なんとなく捗るならやってしまいそうな気がする。私の気のせいかな?
881 検証班◆THiMPOsuki
ダイジョユウ ティムポスキー コレダ!
884 ななし
>>881
馬鹿、お前は止めとけ!
888 ななし
>>881
アホなことはやめろ。いろんな人に迷惑かかるぞ!
うん……。掲示板はいつものようにギャーギャー騒いでるだけで、あんまり重要な事は書いてなかった。
この時間が無駄だと悟った私は、軽く流し見だけしてすぐに掲示板を閉じる。
「んんっ、さてと……遅くならないうちに今日はもう寝ようかな」
役者としても頑張らなきゃいけないのはもちろんだけど、今の私は役者月街アヤナだけじゃなくて、eau de Cologneのセンター、月街アヤナとしても頑張らなきゃいけない。
明日は歌合戦のリハがあるし、本番であくあに負けないようにこっちも頑張らなきゃね。
私はリビングの電気を消すと、大きなあくあ君人形を抱き抱えて、自分の寝室へと向かった。
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