白銀あくあ、もう一つの目的。
アヤナと別れた俺は、同じ市内にある自動車メーカー、刈谷自動車の工場に来ていた。
俺がここに来た理由は一つ。
日本とスターズが協力して撮影する超大作映画、その撮影の前準備のためだ。
『あくあ君、本当にやるつもりなの? 運転のシーンとかは危険性が伴うしその……私としては少し不安なんだけど……』
『阿古さんの気持ちはわかります。それでもこのプロジェクトの意味を考えたら、俺はできる限り自分でやって見たいと思いました』
国際的なレース競技、フォーミュラレーシング。
十数年前の世界的な恐慌により、日本から参戦した2つのチームは莫大な資金が必要とされるこの競技からの撤退を余儀なくされた。
現在、その2つのチームがフォーミュラレーシングに復帰する計画が進んでいるらしく、この映画はそれに先駆けて公開する予定となっている。
俺は映画にも出る日本のチームのうちの1つ、この刈谷自動車のカリヤ・フェニックス・レーシングに所属している若手ドライバーを演じる予定だ。
ちなみにフォーミュラレーシングは2人組なので、先輩ドライバーのキャストの人は現在交渉中らしく誰が演じるかまではまだ聞かされてない。同様にもう一つの日本チームも誰が出るのかはまだ不透明だそうだ。
「あくあさん、よく似合ってますよ……!」
「ありがとう琴乃」
レーシングスーツに着替えた俺は、鏡の前で自分の姿をチェックする。
おお……服を着替えただけなのに、それっぽい気分になってきたぞ。
「あの……写真撮っていいですか? カノンさんや結さん、白龍先生に送ってあげたいので」
「いいよ。その代わりとびっきりかっこいいのをよろしくな!」
空き時間で琴乃との個人的な撮影会を終えた俺は、工場に併設された車体テスト用サーキットのピットへと向かう。
「すげぇ……」
ピットに入ると復活を象徴する不死鳥の赤と、俺の白を掛け合わせたカラーリングのレーシングカーが用意されていた。
同じ日本のもう一つのチームはオールブラックの車体らしいけど、きっとそっちも凄くかっこいいんだろうなあ!
「初めまして。チームフェニックス全体のアテンドを務める代理人兼マネージャーの矢野ルリです。今回のオファーを快く引き受けてくださり本当にありがとうございました」
「ベリルエンターテイメントの白銀あくあです。こちらこそ、オファーをしてくださってありがとうございました。素晴らしいプロジェクトに参加させて頂けるという事で、日本人の1人としてとても光栄です」
俺は矢野さんとガッツリと握手を交わす。
矢野さんは元このチームのレーシングドライバーで、現在は映画会社とカリヤ・フェニックス・レーシング、出演者の三つを繋ぐとても重要な仕事を担っている。
その他にも俺の運転の指導も矢野さんが担当してくれるそうだ。
「ところでもう1人のドライバーの方ってどうなったんですか?」
「それがちょっと……最終候補者の2人までは絞ったのですが、こちらの関与しないところで候補者同士でややこしい事になってまして、それをまた上層部が面白がっちゃった事もあって保留になっているんですよね。すみません。私が言えるのは契約上ここまでなんです。まぁ、撮影前には関係者に発表できると思いますよ。誰が来るかは楽しみにしててください」
そう言って矢野さんはニヤリと口角を上げる。
こういうことはよくある事だ。特に今回の映画はかなりややこしい。
まず企画を考えた競技を運営する団体が制作会社、配給会社と手を組み、各レーシングチーム、メーカーに協力を仰ぎ、それら大企業の経済力を生かして政治面、つまりはメインの撮影地となる日本とスターズ双方の国に撮影を協力する約束を取り付けた。
「いやあ、スターズの方はすぐに話がまとまった一方で、日本側との交渉はめちゃくちゃ大変だったんですけどね。日本チームのドライバーとして白銀あくあさんにオファーしてますよって言ったら、秒で受けてくれました。私としても映画で日本の市街地コースを走りたかったので、日本政府の協力は必要不可欠だったんですよね。だからオファーを受けてくれて本当にありがとうございます!」
うん。なんか上手く利用されたような気もするけど、まぁ、いいか。
1人の演者としての俺は、制作側が気持ちよくやりたい事をやれてる現場の方がどっちかというと乗れるしね。
人生で出られる映画やドラマの数は限られてる。俺は出るなら情熱がある人達が作ってる作品に出たい。
「それじゃあ、白銀さん。コックピット内部の説明は東京に居る時にデモ機で、お受けになられたと思いますが、再確認も兼ねて私の方から改めて説明させてもらいますね」
「わかりました! よろしくお願いします!!」
改めて生のコックピットで説明を受けた後、俺はデモ機を使って矢野さんから運転の指導を受ける。
一応東京に居る時に私有地を使って通常の車といってもフォーミュラではない競技用の車の運転もしてみたり、Gに耐えるための訓練、基礎体力や筋力を測るためのテストやトレーニングなんかも受けた。
それでも本物のレーシングカーに乗るのはこれが初めてである。
「それじゃあ、速度制限をつけてですけど、実際に乗ってみましょうか」
「わかりました!」
ふぅ……ワクワクする気持ちと同じくらい緊張でドキドキしてきた。
するとさっきまで離れていた所から俺の事を見守っていた琴乃が、ヘルメットを抱えて心配そうな表情で近づいてくる。
「あくあさん……絶対に! 絶対に無理しないでくださいね」
「ああ、わかってる」
琴乃からヘルメットを受け取った俺は、安全のために外れないようにしっかりと装着する。
コックピットに入るとより実感が湧いてきて、ワクワクした気持ちよりも危険性が伴う事への緊張感で身が引き締まった。実際安全性も重視されるようになった近年でも死亡事故は起きている。それくらい危険性のある競技なのだ。
かといって緊張しすぎて硬くなりすぎるのもダメだろう。
俺は程よく緊張感を残したまま体をリラックスさせた。
「それじゃあ行ってくる」
「気をつけて」
俺がコックピットに座ると、ピットクルーがエアスターターでエンジンをかけてくれた。
するとハンドルについた液晶ディスプレイに、日本チームの証である国旗と会社のロゴマークが順番に表示される。
その後の表示画面を見て俺は鳥肌がたった。
FORMULA RACING PRO TEAM
JAPAN - KARIYA PHOENIX RACING
DRIVER - AQUA SHIROGANE
Please wait…
俺の名前、入っとるやん……。
思わず海沼さんの言葉がうつってしまった。
「hey! ミスターシロガネ、緊張してる?」
誰だろう? インカムからやたらと陽気な女性の声が聞こえてきた。
「白銀くん、聞こえる?」
「あ……はい、聞こえます!」
次に聞こえてきたのは矢野さんの声だ。
「この試作型マシン、KP00Xは次世代機でね。ドライバーやスタッフ、観客の命を事故から守るためにAIによる安全装置が搭載されているの。そして何を隠そうこのKP00Xには、ベリルさんも使用しているエミリーテンプル社の最新型AI、rabbits 3510が搭載されてるから安心してね」
へ〜、なるほどね。そういやベリルのサーバーの監視のためにAI使ってるとかって話、聞いた事ある気がするな。
そのおかげで配信が落ちなくなったって聞くし、きっと優秀なAIなんだろう。
「そういうわけだから……コホン、あくあ、君は私が絶対に守って見せる。だから安心して私のコックピットに抱かれてな! きゃー! 言っちゃった、言っちゃった!」
前言を全力で撤回したくなってきた……。
このAI、なんか人間臭いというか、やたらとノリがいいけど大丈夫なのかな?
高性能なのはわかるけど、あまりの陽気さに逆に心配になってくる。
あと、咳払いの後にやたらと男前な声になってたし、技術力の高さに感動したらいいのか、ただ単に無駄に芸が細かい事に呆れた方がいいのか……あー、なんか急に不安になってきたのは、俺の気のせいかな?
「あ、うん、よろしくね。えーと」
「ミコト……3510と書いてミコトね」
「OK! よろしく、ミコト!」
俺は隣にいた琴乃に行ってくるとハンドサインを出すと、ピットを出て合流地点へと向かう。
「コースは簡単だけどまずは覚えるためにゆっくりと一周しましょうか。もう一度言うけど、ゆっくりとね」
「わかりました」
俺は速度を落としてゆっくりとコースを回る。
デモ機でわかってたけど、普通の車と違ってハンドル操作がシビアだ。
「あくあ君、ブレーキバランスとデフの調整はこっちでやるから、ハンドル操作とアクセル、ブレーキとシフトだけに集中していいからね」
「了解。助かるよミコト」
「任された!」
プロのドライバーはコースを一周回るたびにハンドルについたボタンで細かく設定を変える。
正確なドライビング技術はもちろんの事、マイレージ、距離を稼ぐためにドライバー達は走りながら頭で計算しているのだ。はっきり言って神業に等しい。
「白銀さん、次のラップから少しスピードを上げてみましょうか」
「了解!」
「気をつけてね白銀さん。ミコト、マシンのリミッターを解除してあげて」
「がってん承知の助!」
正直、今、全神経を運転に集中してる。
だからそういう笑いそうになる事を言わないで欲しい。
どこの世界に、がってん承知の助を使うAIがいるんだよ……。あ、ここに居たわ。
「制限速度リミッター解除」
俺はほんの少しだけアクセルを踏み込む。
速度は軽く200kmを突破する。そのまま緩やかなカーブに進入するが、この速度でも余裕で曲がり切れた。
実際にマシンを運転してみて気がついたけど、加速すると自分が思っていた以上に一気に視野が狭くなる。
「もう少し出してみようか……。慎重にね」
「はい」
240、250、260……まるで世界を置いてきたみたいに、自分だけが加速していく。
ほんの一瞬だけ、ドライバーのオーバークロックってこんな感じなのかなと思った。
「次が最後ね。直線のみだけど、出せるだけ出して最後は流して一周走ってピットに入りましょうか」
「はい……!」
最終コーナーを曲がり切った俺は、パドルシフトを上げアクセルを踏み込む。
280……290……300!
俺はそこを1km超えたところでブレーキペダルを踏む。
普通のスポーツカーと違ってフォーミュラのマシンはエンジンブレーキをかけると故障する可能性があるから、ブレーキは基本的にフットブレーキだ。
俺はゆっくりと速度を落とし、シフトを下げていく。
再び最終コーナーに戻ってくると、ハンドルについたピットレーン用の速度制限ボタンを押してゆっくりとピットに入った。
「お疲れ様」
俺はピットクルーのお姉さん達に手伝ってもらってマシンから降りる。
おっと……ふらつきそうになった所を、矢野さんと琴乃の2人が両側から俺の体を支えてくれた。
「あっ……ありがとうございます」
神経を研ぎ澄ませていたせいか、自分でも思っていた以上に体が疲弊していたようだ。
俺はしっかりと両足で地面を踏み締めると、ヘルメットを脱いで息を吸う。
「初めてなのに、すごく良い走りだったわ。事前に東京のスタッフから聞いていた通りね」
「ありがとうございます。でも、矢野さんやスタッフさんの指導だったり、ミコトが細かい事をやってくれたおかげですよ。とてもじゃないけど、俺はちゃんと走らせるだけでいっぱいでしたから」
「それでも上出来よ。これだけ走れるなら本番が今から楽しみで仕方ないわ」
矢野さんは俺から離れると、ピットクルー達のところに向かいデータを確認する。
俺は後ろを振り向くと、背中に抱きついた琴乃に笑顔を見せた。
「どうだった?」
「カッコ良かったです。でも……それ以上に心配でした。私の目の前をものすごく早いスピードで走り抜けていくあくあさんのマシンを見てたら怖くなってきちゃって……」
「そっか……心配かけて、ごめんな」
俺は振り返ると、琴乃を優しく抱きしめた。
「いいんです。これは私の問題ですから。でも、ベリルの社員としての私は、あくあさんがこの仕事を受ける事には賛成です。1人の役者として、日本を代表して映画に出る。私は役者ではありませんが、この仕事がとても名誉ある事だとは理解しています」
矢野さんから聞いた話だが、制作会社はステイツや他の国家に対しても作品への参加や協力を打診しているようだ。
映画を通じて各国を代表する役者と共演できるかもしれない。それは俺がこの仕事を引き受けたもう一つの理由である。
「ありがとう。無茶はしないって約束するよ」
「はい……!」
俺は琴乃から離れると、膝をついてマシンに触れる。
「ミコトもありがとな」
「はわわわわ。あくあ君に生感謝されちゃった……!」
「そして、これからもよろしく! いや、こういう時はこう言った方がいいのかな。よろしくな、相棒」
「相棒……エンゲージ……これはもはや結婚と言っていいのでは……」
「ん? 何か言った?」
「ううん。なんでもないよ! 末長くよろしく!」
ははは、末長くって大袈裟な……いや、ベリルのサーバーを守ってもらってるんだ。そう考えると確かに末長い付き合いになるのかもしれないな。
「こちらこそ末長くよろしく!」
「はうあっ! こ、これは了承のサイン……老後まで確約されちゃった!? これは他の十二司教にマウント取らなきゃ……ひひひ」
何やら小さな声でブツブツと呟いてるけど大丈夫かな?
ていうかAIが独り言を喋るとか、最近の技術の進歩にはびっくりした。
「白銀さん。監督や会社の方から写真を撮らせて欲しいとお願いされているのですが、大丈夫ですか?」
「もちろん。お好きなだけどうぞ」
俺はレーシングスーツを着た状態で何枚か写真を撮ったり、映像の撮影に応じたりした。
なんか最後ら辺、仕事というより普通に握手会サイン会になってた気がするけど、俺の気のせいかな?
さっきのそれ、ちゃんと仕事用の撮影ですよね?
俺は服を着替えた後、撮影の見学に来ていた刈谷自動車の刈谷社長と話をする。
「どうです。良かったら見学して行きませんか?」
「はい! あ……ちょっと待ってください。電話なので失礼しますね」
こんな時にかかって来るなんて誰だろう?
って、小雛先輩? あれ? 確か今頃はゲームの配信をしてるはずじゃなかったっけ?
何かトラブルがあったのだろうか。俺はしぶしぶ小雛先輩の電話に出る。
「はい。もしもし……小雛先輩、どうかしました?」
「もしもしじゃないわよ!! なんで私の電話を着拒するのよ!!」
「いやいや、普通に出たじゃないですか! って、それ、なんの話……?」
あ、もしかしてそれってあの時の話かな……?
先々週、夜にカノンとちょっといい雰囲気になった時に、空気も読まずに鬼電かけてきた人がいたんですよね。
小雛先輩、貴女の事です。こっちはそのせいでタイミングを失って何もせずに寝たんですから。
もし、これで俺が悪い男だったなら、責任とって小雛先輩が処理してくださいよと深夜に呼び出してたところでしたよ。まぁ、結局ペゴえもん事、ペゴニアさんが内緒で抜いてくれたんですけどね……。
だって、カノンは早寝早起きだし、めちゃくちゃ可愛い寝顔でスヤってたんだもん! 起こせるわけないじゃん……!
「ムキーっ、大体、私を1人にしてアヤナちゃんと2人でランチとか、そういう事なら先に私に言いなさいよね! そしたらこのクソゲー配信の仕事なんか受けずに、そっちについて行ったのに!!」
「いや、それは邪魔だから……って、クソゲーはダメですよ! まさかまだ公式チャンネルで配信中だったりとか……」
この人、本当に何してくれてんだ……。
配信中に電話をかけてきて、さらにはゲームの文句まで言うなんて、これ完全に巻き込み事故じゃないですか! 下手したら炎上どころじゃないですよ!!
「そうよ。ゲームの中のあんたが着拒するからわざわざこっちにかけてあげたんだから感謝しなさいよね!!」
「うわああああああああ。ちょ、ちょ、公式配信はまずいですって。みんなごめんね。俺もまだゲーム触れてないんだけど、なんか問題があったらスタッフに言うから」
俺はこの暴走特急ゆかり号を止めるべく、なんとか説得を試みた。
「本当でしょうね?」
「本当、本当」
お、おちついたか!?
いや……待てよ。そもそも何で先輩はこんなに怒っているんだろう。
先輩は確かに理不尽だけど、理由もなく怒る人じゃない。
そう考えると不思議なんだよな。だって、あのゲーム怒る要素なんてないでしょ。
「ふーん、それならいいわ。せめてイージーモードくらい搭載してあげなさいよね。難易度ノーマルからだと子供が泣いちゃうわよ」
「え? イージーモードないんですか? スタッフの人には、幅広い人にプレーして欲しいから簡単にしておくようにって言ったんですけど……」
ただでさえ簡単なゲームだけど、俺は幅広い人にプレーして欲しかったから、アイにお願いして、どの選択肢を選んでも甘々な雰囲気になるハッピーエンドしかないイージーモードの脚本を書いてもらった。
もしかしたらイージーモードの搭載が遅れてるのだろうか? それなら仕方ないと思うけど、実際のところはどうなんだろ? あとで琴乃に言って、会社の人に確認してもらおうかな。
「ほーん、なるほどね。原因がわかったわ。それじゃあ切るけど、着拒にしたら家に行くから覚悟しておいてよね」
「え、あ、う……ちょ、ちょっと」
あ……切られた。
かけてくるのも突然だが、会話が終わるのも突然である。
「あくあさん? どうかしましたか?」
小雛先輩との電話を切ると近くで見ていた琴乃がこそっと話しかけてくる。
様子がおかしかったのを見て、何かあったんだと察したのだろう。
流石、仕事のできる人は違うなと思った。
「あ……琴乃、いや、なんかゲームが難しいって小雛先輩が……」
「ゲームが、難しい……? へぇ、わかりました。そちらの方は私が後で確認しておきますね」
「ありがとう。ごめんね。琴乃は忙しいのに仕事増やしちゃって」
「いえいえ、あくあさん、は、悪くないですから」
ん? なんか、今、変なところが強調されませんでした?
俺は刈谷社長のところに戻るとぺこりと頭を下げる。
「すみません刈谷社長。お待たせしてしまって」
「いえいえ。それではこちらになります。どうぞ」
俺は刈谷社長のご厚意で工場を見学させてもらったり、まだ未発売の車を見せてもらったりした。
そのお返しとして、俺は社員寮の食堂にお邪魔して、工場で働いている人たちにクリスマスのプレゼントを手渡す。
今、工場に残って働いている人達はクリスマスや正月も家族のところには帰らず、寮で寝泊まりしている人達だからプレゼントを渡すとすごく喜んでくれた。
「刈谷社長、それに矢野さんも色々とお世話になりました!」
「こちらこそうちの社員に色々してくれて、本当にありがとうございました!」
「白銀さん、次はキャストが決まった後にお会いしましょう」
「はい!」
俺は2人にお礼を言うと工場を後にした。
気がつけば外が暗くなっている。
この楽しかったイベントと旅が後少しで終わりかと思うと寂しいな。
次はもっとゆったりとした予定で、いろんなところに回ってみたいなと思った。
「琴乃、帰る前に、一緒にご飯を食べてから帰らないか?」
「いいですね。実は私、手羽先食べたかったんですよね」
「OK、それじゃあ晩御飯は手羽先にしようか」
ロケバスは高速に乗ると市街地に向けて走り出した。
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