鞘無インコ、乙女(デス)ゲーム配信開始!
「なんとか間に合ったな」
東京本社に到着した私は、社内を歩きながらマネージャーと打ち合わせをする。
「とりあえずうちの好きにやっていいって事でええんやな?」
「はい。なんかあったらサポートしますから安心してください!」
「OK!」
配信用のスタジオに入った私は、いつもと同じようにPCの前で軽く伸びをする。
すでに予約配信をつけていた事もあって、コメント欄を見ると多くの人がいた。
【インコ、まだ〜?】
【ワクワク! ワクワク!】
【ベリルのゲーム楽しみ!】
【ソムリエール:こっちはもう色々と準備できてます!】
【お前ら油断するなよ。これはベリルのゲームだぞ】
【流石に生身のあくたんじゃないから大丈夫でしょ】
【ヘブンズソードとクリスマスで成長した私達を舐めるなよ!】
【絶対、なんかあるに100ベリル】
よっしゃ、みんな待っとるようやし、もう行くか。
私はマネージャーに確認を取る
「ほな、始めるで! もうええんやろ?」
「はい。OKです!」
よし、マネージャーから許可も出たし、やるか。
私は気合を入れると、ボタンを押して配信を開始する。
「みんな待たせたな。もう前説明はええやろ。今日はベリルのゲームやります!」
私の言葉に、コメント欄が沸く。
「それじゃあ行くで!」
ゲームが起動するとBERYL ENTERTAINMENTという文字が浮かび上がってくる。
【うおおおおおおおおおおおおお!】
【きたあああああああああああ!】
【このロゴだけで白米食べられる!】
【もうワクワクしてる】
【ラーメン捗る:レートZの配信をすると聞いてきました】
誰がレートZや! 私の垢、BANするつもりか! って、このコメントしとるやつ、お前、この前一緒にゲームしたやつやんけ!!
あかんあかん、掲示板の捗るになんか構っとったら無駄に時間をつこうてまう。
私は見なかった事にして、コメント欄からゲーム画面に視線を戻した。
[あなたのお名前を入力してください]
えーと、鞘無……インコと……。あ、読みもね。了解と。
ついで生年月日や出身地、ファンクラブ会員番号を入力していくつかの質問に答えていく。
もちろん生年月日等のデータは、鞘無インコのパーソナルデータで入力している。
その後はキャラクリエイトが待ってるけど、私のようなVtuberは自分のデータを読ませる事でどうにかなるらしい。
これによりあっという間に自分そっくりのキャラクターが完成した。
[最後にこのゲームのレートを選択してください。レートによって難易度が変わります。なお、後から難易度は変更できますので気軽な気持ちで選択してください。プレイ中に難しいと感じた場合は、レートを下げることをお勧めします]
不穏なワードが出た後に選択肢が出た。
えーと、なになに……。
[レートA:全年齢対象、攻略難易度NORMAL]
[レートB:攻略難易度HARD]
[レートC:攻略難易度VERY HARD]
[レートD:攻略難易度ULTIMATE HARD]
[レートZ:攻略難易度AQUA]
あれ……? なんかこれおかしくない?
イージーはどこいったんや? それと最後のなんなん?
【難易度、イージーがないwwwww】
【私のEASYどこ?】
【ベリルのゲームでイージーモードがあると思ってた貴女! 甘いですねぇ!!】
【1番レート下の子供でもノーマルをやらされるのかw】
【子供泣くぞw】
【流石はベリル、最初からベリってきてるな】
【最後のwwwww】
【難易度アクアとかいうパワーワードw】
【難易度AQUA=絶望ですね。わかります】
【気軽な気持ちや下心全開でゲーム開いた奴を、一瞬でわからせてくる難易度AQUA好きwwwww】
【ラーメン捗る:Z! Z! Z!】
【乙女の嗜み:ゲーマーとしては難易度Zやりたいなぁ】
【悪い事はいわんから普通にAにしとけ、調子に乗ってDとかCを選択して絶望するのが見えてる】
Zとか言ってる奴は無視するとして、どのレート帯にするのがええかな。
普通なら迷わずレートDやけど、ある程度はやっぱりサクサク行きたいし、そうなるとレートCか……。
レートBも一瞬だけ考えたけど、これでもゲームやって飯を食ってるというプライドもある。
「よっしゃ! ここは、レートCや。みんな、行くで!」
私はレートCを選択する。
【もう嫌な予感がするwwwww】
【デスゲームにようこそ!】
【あれ? これってホラーゲームだっけ?】
【いや、バトルロイヤルっしょ。最後に残った1人があー様と結婚できるんだよね?】
【いやいや、マネージャーがベリルのみんなを守るために、迫り来る私達を銃で攻撃するFPSゲームだよ】
【違うって、これ格ゲーだよ。嗜みと裏ボスの姐さんに殴り合いで勝って嫁の座を奪い取るの】
みんな違うで、これは乙女ゲームや。
よく知らんけど、そういうジャンルのゲームだってパッケージにも書いてある。
決してそんな物騒な感じのゲームじゃ……ないよな? あかん、不安になってきてもうた……。
『OK、これで必要な書類は全部ね。はい、それじゃあ今日からよろしくね。鞘無インコさん』
お……天鳥社長が出てきた。ていうか社長リアルやな!! そら実写やし当然か。
【社長きたああああああああ!】
【本物の社長でるのリアル感あって良い】
【まさかの社長本人wwwww】
【ラーメン捗る:まさかの姐さんも実写とか!? ヒェーッ】
【姐さん実写化だったらウケるわw もう下手な芸能人より知名度あるぞwww】
天鳥社長が出ただけでコメント欄は大盛り上がりである。
そういえば出演するって事前に書いてあったけど、まさか本当に出るとはな。
でもそのリアル感のおかげもあって、自分が本当にベリルの社員になったみたいでドキドキするわ。
『それじゃあ。まずは本社の中を案内しましょうか』
お、画面が切り替わるとFPS視点、つまりは一人称の視点に切り替わる。
え? すっご……これもう実写やん。
【ちょw これもう映画でしょwwwww】
【映像のクオリティが異次元すぎて噴いたw】
【早速ベリルがベリってきたな】
【このゲームの開発予算どうなってるんだろ……】
【開発は日本ゲーム会社連合会と日本ゲームクリエイター有志連合会です】
【確か日本のゲーム業界から屈指の人材を集めて開発したんだよな】
【明らかに開発期間がおかしい。ゲームってこう何年もかけて開発するんじゃないの?】
【この早さで開発とかどうなってるんだ……ゲーム業界、本気出しちゃいました?】
【国家予算とは言わないけど、相当なお金はかかってそう】
【もはや開発費用を回収するとか、そういう商売で作ってなくてウケる】
【もう税金じゃぶじゃぶ使っていいから、国民全員に配ろう。国営企業にして続編の制作も検討すべき】
私は阿古さんの後ろに続いてベリルの社内を歩く。
ほえ〜、ベリルの社内ってこんな感じなんや。
セキュリティの関係上、実際の間取りとかは違うのかもしれないけど、なんか本当にベリル本社内を歩いてる気分になる。
ある程度社内を案内したところで、また画面が切り替わった。
『うーんと、鞘無さんは、他にどこか見たいところはある?』
おっ、選択肢きた!
どれにしようかなー。
[A:録音スタジオ]
[B:ダンススタジオ]
[C:ピアノスタジオ]
[D:多目的ルーム]
[E:試写室]
[F:トレーニングルーム]
[G:打ち合わせ室]
[H:配信ルーム]
[I:食堂]
[J:休憩室]
[K:特になし]
ちょっと待てい!!
「最初から、選択肢多すぎやろ!!」
思わず声に出して突っ込んでしまった。
【インコw わかるwwwww】
【最初から飛ばしてきてるな】
【気をつけろよ。ベリルだから最初の選択でバッドエンドあるぞ】
【ソムリエール:多目的ルームってエッ……するところですか?】
【男子トイレが選択肢に無いだと!?】
【とりあえず特になし選択して、自由行動であくあ君のロッカールームを漁りに行こ?】
【よし! 新人だしゴミ掃除からだろ! というわけでみんなのゴミをですね】
【ラーメン捗る:トレーニングルームに行って床舐めろ!! 体液摂取だ、ぐへへ!】
【いやいや、ここは食堂に行って、食べ物にゴニョゴニョ……】
【犯罪者予備軍ばっかで草w】
【コメント欄終わってるw】
【お前ら欲望に忠実すぎwwwww】
コメント欄は無視するとして、うーん、どれがいいかなぁ。
「ここは無難にスタジオのどれかか、ストイックなあくあ君のいそうなトレーニングルームがええやろな。いや……待てよ」
ここはやっぱりマネージャーとして打ち合わせの部屋を確認するのが正解じゃないか?
うん、よっしゃ! これに決めたで!!
「みんな、ここは打ち合わせ室が正解や。マネージャーとしてストイックに行く。これがあくあ君にお近づきになる1番のルートやで!!」
私はGの打ち合わせ室をクリックする。
あくあ君は仕事に真面目なので、きっとそっち路線を行けば出会う機会も多くなると思う。
何よりも、姐さんこと、桐花マネは真面目な仕事ぶりから距離を詰めて結婚まで漕ぎ着けた。と思われる。
嗜みことカノンさんは一般人の私達には真似できんくても、桐花マネのように真面目に働くっていうやり方ならできん事はない。
ここは偉大なる先達に倣うべきだろう。
【流石インコ】
【インコはやる時はやるって信じてた】
【ちゃんと真面目にゲームしてて偉いわ】
【これはガチインコ】
【最適の選択肢きた】
【ラーメン捗る:なるほどな。打ち合わせ室で椅子とテーブルの硬さとか具合を確かめるわけですね?】
【ソムリエール:打ち合わせ室ってエッ……するところですか?】
【乙女の嗜み:あくあ攻略ならそっちが正解じゃない気がするなぁ……】
Gの選択肢を押すと画面が切り替わって、自動的に打ち合わせ室の前に連れてこられた。
『ここが打ち合わせ室よ。悪いけど、私は急用が入ったから少し抜けるわね。あとは好きに見てて。分からない事があったら、そこら辺の人に聞いてくれていいから』
そう言って阿古さんはどこかに行ってしまった。
よっしゃ。じゃあ打ち合わせ室の中を見てみるか。もしかしたら、あくあ君もいるかもしれんしな!
私はワクワクした気持ちで扉をノックすると、部屋の中に入る。
「失礼しまーす!」
うおおおおおおおおお! うちの会社の打ち合わせ室も綺麗だけど、ベリルのは無機質で最先端って感じがするわ。
意外にもガラス張りなんやって思ったら、誰も入ってない時は透明で、人が入ってる時は不透明になるんやな。
「ん? 奥の打ち合わせ室、不透明だから誰か使ってるのかな?」
もしかしたら、あくあ君がいるのかもしれない。
ドキドキした気持ちでおったら、奥の打ち合わせ室の扉がガチャリと開いた。
『あら、あんたベリルの新人? 名前、何?』
うげ!? こ、この前一緒にゲームをした小雛ゆかりさんだ。
びっくりした私は口を半開きにして固まってしまう。
【野良の小雛ゆかりが現れたってwwwww】
【嘘だろwwwww】
【野w良wwwww】
【完全にRPGじゃねーか!】
【野良の小雛ゆかりとかいうパワーワード】
【まさかの小雛ゆかりさん(友情出演)】
【これはまずいwww】
【なんかいやな予感がするのは私の気のせいですか?】
【これはある意味で、GAME OVER】
【こいつwwwベリルの社員でもないのに普通に社内を出歩いてやがる】
【ラーメン捗る:逃げるのボタンがあったら逃げた方がいいぞ!】
【ソムリエール:あー、これもうヒロイン乗っ取られます】
【経験者がなんか語ってるwwwww】
【ソムリエールの言葉に重みがあるなwww】
なんでこんなところに小雛ゆかりさんが居るんだろう。
そんな私の疑問をよそに、突然目の前に現れた小雛ゆかりさんは勝手に会話を進める。
え、あ、う、ちょっと待って、私クリックしてないのに、勝手に台詞が進むんだが!?
『ふーん。あんた鞘無インコって言うんだ。ちょうどよかったわ。あくぽんたんが居なくて暇なのよね。ちょっと付き合いなさいよ!』
「え?」
私が小雛ゆかりさんの出現に戸惑っていると、画面の前に選択肢が出た。
あれぇ? 心なしかBGMが切迫した感じになってませんか、これ?
[A:わかりました]
[B:ちょっと用事があるのでと断る]
[C:あくぽんたんならあっちにいましたよと嘘の情報を教える]
[D:天鳥社長が呼んでましたと嘘をついて丸投げする]
[E:全力で逃げる]
え、あ……どうしようかと迷う暇もなく画面の真ん中に数字が出る。
は? 何それ? と固まる私をよそに、勝手にカウントダウンが始まった。
「ちょ、待って、10秒以内? いくらなんでも早すぎやろ!」
私はもう一度じっくりと選択肢を見つめ直す。
ついていくのも危険な気がするし、断ったり逃げても怖そうやし、かといって嘘つくんも後でなんかありそうやし……どうしたらええんやこれ!?
【仕方ない。ここは社長に犠牲になってもらうんだ!】
【あくたんに押し付けよう!】
【嘘の情報教えたら後が怖い気がする】
【これがVERY HARDか……】
【ちょっと待って、なんで小雛ゆかりに会っただけで、こんな緊迫した感じになってるのw】
【ラーメン捗る:全力で逃げる】
【ソムリエール:全力で逃げる】
5、4、3、2……ああああああ、もう時間がない。これや!!
私は素直にBのちょっと用事があるんでと断る選択ボタンを押した。
『用事って何よ?』
「え?」
『あんた……まさか私と付き合うのが嫌で、逃げようとしてるんじゃないわよね?』
これはあかん。
『ほら、いくわよ!!』
野良の小雛ゆかりさんは新人マネージャーの私の首根っこを掴むと、どこかへと引きずっていく。
[会社から強制的に連れ出された貴方は、一日中、小雛ゆかりさんに連れ回されました。理由もなく午後の仕事をお休みした為に、天鳥社長からの信頼度が100下がりました。白銀あくあからの好感度が100下がりました]
は?
[前日の疲労によりスタミナゲージ−200。体力の低下により翌日の会社をお休みします]
は? 私はただひたすらに画面に流れる文字を見つめる。
[疲労が抜けきれず風邪をひいてしまいました。3日間のお休みです]
は? ちなみにボタンを押そうにも私からは何もできない。
[最悪だ……風邪が悪化して病院に搬送されました。追加で1週間のお休みです]
は? 配信画面を見ると、自分のキャラが口を開きっぱなしにして固まっていた。
『ごめんね。悪いけど貴女にベリルのマネージャーは早すぎたみたいね。悪いけど今日でお別れよ』
え? 天鳥……社長?
[GAME OVER]
私は画面をじっと見つめる。
その隣のサブモニターでは鬼のようなスピードでコメント欄が流れていた。
【インコの顔www】
【インコがそうなるのもわかるわ】
【嘘だろwwwww】
【どないなっとんや!!】
【野良の小雛ゆかりが出たあたりから嫌な予感がしてました】
【本当にGAME OVERじゃねぇかw】
【ようこそベリルという名のデスゲームへ!】
【乙女ゲーム=デスゲームね。了解!】
【あくあ君に会う前にゲーム終わったって!】
【最初の街から外に出てエンカウントしたのがラスボスだった件について】
【違うだろ。街の中(ベリル本社)をラスボス(小雛ゆかり)が町民Aのふりして歩いてるんだよ】
【えっ……なのを期待してたやつwwwww】
【みんな忘れてるけど、これより上の難易度が2つあるからなw】
【なるほど。どうやら普通にクリアさせるつもりはないと……了解】
【乙女の嗜み:これ、クソゲーじゃない?】
【嗜みwwwww】
【嗜み、しーっ!】
【流石は嗜み。私達の言えない事をちゃんと代弁してくれるぜ!!】
何も操作せずにじっと画面を見てると、最初の難易度選択に戻ってきた。
あ、うん……。
「はい! そういうわけで、今日はベリルさんからクリスマスプレゼントで頂いたゲームをやっていきたいと思います!」
私は気を取り直してゲームを再開する。
【こいつwwwww】
【何事もなかったかのようにリスタートしやがったwww】
【なかったことにしたwwwww】
【草wwwwwwwwww】
【ここに草置いときますね】
コメント欄が何か喚いてるけど、私はそれを無視してさっきと同じ難易度を選択する。
【ちょwww】
【C→B】
【しれっとレートBを選択しやがったw】
【これは英断www】
【こいつwwwww】
【いや、うん、その気持ちわかるわ】
【ちゃんと下方修正できるのえらい!】
だーっ! さっきからこいつら、ほんまうるさいねん!!
「あっ、ごめーん。みんな、間違えて難易度選択しちゃったぁ! どうしよう……。でも、もう前の画面に戻れないし、このまま続けまぁす!」
私は甘えたような声で媚びるような仕草を見せる。
どや? うちのインコちゃんはかわええやろ?
【きっも】
【あの……そういうの止めてもらっていいですか?】
【おえっ】
【朝、なんか悪いもんでも食った?】
【現実逃避か?】
【誰もインコにそんなの求めてないから】
【インコさぁ、供給って需要がないと成り立たないんだよ?】
【おばさんきっつw】
誰がおばさんや! うちはこれでもまだ20や!!
こう見えても黙って端っこにビシッと座っとけば、そこら辺のテレビに出てるアイドルのセンター並みに可愛いって友達に言われてるんやからな!!
私はコメント欄を無視して、問題の箇所まで進める。
[A:録音スタジオ]
[B:ダンススタジオ]
[C:ピアノスタジオ]
[D:多目的ルーム]
[E:試写室]
[F:トレーニングルーム]
[G:打ち合わせ室]
[H:配信ルーム]
[I:食堂]
[J:休憩室]
[K:特になし]
ここや。ここで打ち合わせ室に行ったら確実に死ぬ。
でも、よく考えたら野良の小雛ゆかりが打ち合わせ室にいるなら、他に行けば助かるはずだ。
【やべぇw 最初の選択肢なのにもう緊迫感出てるwww】
【焦るなよ焦るなよ!】
【打ち合わせ室行こうぜ!】
【ここは逆に打ち合わせ室はありだと思う】
【いやいや、流石に違う選択肢行こうぜ!】
【ラーメン捗る:配信部屋に行って、あくあ様のマウスをだな……】
【ソムリエール:休憩室って絶対にエッ……するところだよ!】
コメント欄の馬鹿どもは無視無視。
やっぱりここは王道やろ。
あくあ君のいそうなトレーニングルーム一択や!!
「頼む。ほんま頼む!!」
私は祈りながらFのトレーニングルームを選択した。
【ゲームってこんなお祈りしながらするもんだっけ?】
【おふざけタイムはここまで、ここからが本番】
【いつからこれがゲームだと、ただの遊びだと錯覚してた?】
【悪いけどこれは遊びじゃないんだよね】
【死地に赴く兵士みたいな顔しててウケるwwwww】
【インコ次は頼むで】
【乙女の嗜み:だから正解はそっちじゃないと思うんだけど……】
一瞬だけカノンさんの不穏な一言が見えた気がしたけど、気のせいだと思う事にする。
トレーニングルームの前に私達が到着すると、天鳥社長は前と同じように何か用があると消えて行ってしまった。
【流れ、変わったな】
【これはwwwww】
【もう嫌な予感がするんですけど……】
【あ、ちょっと、トイレ行ってきます】
【え? これもうトイレタイム?】
【阿古社長の動きで察する民多くてウケるwww】
【これもうパターン入りました】
【また野良の小雛ゆかりかな】
【打ち合わせ室にもトレーニングルームにもいる小雛ゆかりwww】
私はFPSゲームをやるみたいに、クリアリングをしっかりとしながら恐る恐るトレーニングルームの中に入って行く。
【おいwwwww】
【これEPEXちゃうぞwww】
【クリアリングの動きが完全にMGSじゃねぇか!!】
【これってゾンビがハザードしてるのから逃げるゲームだっけ?】
【動きがガチすぎてウケるwwwww】
【なるほどね。ベリルのマネージャーにはこういうスキルも必要なのか】
【いやー。勉強になります!】
【次のベリルの社員試験、このゲームをやり込んでから実践するバカが多そうwww】
よ、よしっ、誰もいないな。
お、お邪魔しまーす。私はゆっくりとトレーニングルームの奥へと向かう。
すると私の目の前を不意に何かがものすごいスピードで横切った。
「きゃあっ!」
あ、思わず素の声が出てしまった。
【は?】
【今、素の声だったぞwww】
【え? ごめん。今のインコ普通に可愛かった】
【お前……ちゃんと可愛かったんだな。声でわかる】
【インコがそうなるのもわかる。さっきの完全にホラーじゃねぇか】
【私も画面見てて同じ声出たわ】
【待って、あのスピード、あくあ様じゃない?】
【剣崎「俺の速さについて来れるかな?」ですね。わかります】
【あのスピードが出せるのは、あー様だけっしょ!】
【やった! 当たりだ!!】
【あれ? なんかもう1人くらい地雷を忘れてるような……】
え? あくあ君? ほんまに!?
私は希望に満ち溢れた顔で、横切った人物の走って行った方向へと視線を向けた。
「あれ? もしかして、貴女……新人さん?」
きっと私のキャラは今、過去にないくらい1番ホゲった顔をしていると思う。
なぜなら私の目の前に居たのは彼女だったからだ。
「初めまして。私の名前は森川楓、もしかして貴女もトレーニング?」
なんでこんなところに森川さんがおるんや!
って、思ったら、あの人、ベリルと契約してたんやった。忘れとったわ……。
【嘘だろお前wwwww】
【野生の森川楓www】
【野生って表記なんやねんwww】
【ラーメン捗る:おお! 野生のホゲーカワじゃないか!!】
【ソムリエール:ごめんみんな。真のヒロインが登場しちゃったわ……】
【野良の小雛ゆかり、野生の森川楓】
【こーれ、嫌な予感がします!】
【トイレタイム了解。次、レートAでよろ】
【風呂行ってきます!】
おい、待て! まだ終わっとらんぞ!!
次の選択肢でなんとか回避してみせるからな!!
そう意気込んだ私だったが、森川さんはそんな思惑を無視するように会話を続ける。
「よかったら一緒にトレーニングしよ! ほら、あそこでちょうどレスリングできるし、相手を探してたんだよね」
あ……。
【はい、解散】
【あれ? この後の流れが見えてるの私だけ?】
【風呂ネキ、まだ帰ってこなくて大丈夫だぞ。ゆっくり浸かっとけ】
【レスリング……森川……うっ】
【大丈夫、まだローションじゃないから! ローションさえなければどうにかなる!!】
【諦めるなインコ! 諦めたらそこで終わりだ!!】
【難易度HARDとは】
もちろん、この後も選択肢など出るわけもなく、なぜか私は森川さんとレスリングする事になった。
「え?」
目の前の画面が見慣れた2Dの格闘ゲームのような仕様になる。
【おいwwwww】
【なんか格ゲーが始まったw】
【なんやねんのこのゲームwww】
【ほら、やっぱり殴り合ってあくあ様のお嫁様の座を奪い合うゲームなんじゃん!!】
【いけ! インコ!】
【フィニッシュファイトで鍛えた腕を見せるんだ】
【インコ、格ゲー強いからワンチャンある】
【ホゲ川をわからせろ!!】
こ、こうなったらやるしかない。やぁってやるぜ!!
格ゲー歴10年の腕がなる。
「ベリルのゲームやから、なんかあるかもしれん。慎重に行く」
私は極力相手の攻撃を受けないように、足技攻撃や遠距離攻撃を中心に距離をとって応戦する。
配信者としてはやっちゃいけない地味な戦いかもしれないけど、今はそんなプライドも捨てて本気で戦う。
【行けるぞ!】
【いいぞ。インコ!】
【インコ、頑張れ!!】
【ラーメン捗る:ホゲ川なんかに負けるな!!】
【ソムリエール:みんな見て、森川さんって足綺麗でしょ!】
【ソムリエール黙れ。みんな本気なんだぞ】
【ソムリエールさあ。空気読もっか?】
【みんなソムリエールに当たりがきつくて笑ったw】
や、やっと半分まで削った。
ていうかこれ、相手のゲージおかしくない? なんか減りが遅いような……って、こいつ、自然回復も付いとるやんけ!! 反則か!!
ほんの一瞬、ツッコミで気が緩んだタイミングで、森川さんが一歩私に踏み込んだ。
あかん! これは回避できん。1フレームの戦い。その刹那で咄嗟に判断した私は攻撃をガードする。
それなのに、私のキャラは後ろへと大きく吹っ飛ばされた。
「は?」
思わず声が出る。
なぜなら私のキャラは、ゴリ……森川さんの強烈な一撃によって一瞬で体力ゲージを0にまで持っていかれたからだ。
【理不尽がすぎるwww】
【なるほど、これが野生のゴリ川か】
【おい、チーターだろこれwww】
【30分以上戦ってこれかよw】
【一体、私たちは何を見させられているのかw】
【風呂から帰ってきたけど、もうあくあ様に会えました?】
骨折した私のキャラは、そのまま病院に送られて入院する。
その後の流れはさっきと全くと言っていいほど同じだった。
気がついた時には見慣れた難易度選択の画面に戻っていたのである。
【もうこの時点で軽くホラーなんだわ】
【ホラーゲームの歴史変えたな】
【とりあえず小雛ゆかりとホゲにエンカウントしたら強制ゲームオーバーね。今、ゲームのシステムを了解した】
【あの……あくあ君って、まだ出て来ないんですか?】
【悲報、まだあくあ様どころか男の子1人ともエンカウントしない】
【なるほどな。これがリアルだよ。このゲームは私達に現実の厳しさを教えてくれているんだ!!】
【もうあくあ君に出会えたらEDでいいよ】
【ここまで2時間かかってます。2時間やって、まだあくあ様の声どころか顔すら拝んでません】
はっきり言って心が折れそうだったが、私はこれでもゲームで飯を食ってる人間だ。
だから残りの力を振り絞ってレートA、ノーマルを選択する。
ハードじゃないからきっと大丈夫。私はそう何度も自分に言い聞かせた。
【そうそう。最初からレートAでええんよ】
【ここからが本当のゲームスタート】
【今までのは前振りだよ前振り、本番はここからですよ!】
【意地を見せろインコ!!】
【大丈夫、お前ならきっとやれる!!】
【私達をあくあ様に出会わせてくれ!!】
【※まだ最初の選択肢までしか進んでません】
みんなの期待? を背負いつつ、私はまたあの選択肢のある場面へと戻ってきた。
[A:録音スタジオ]
[B:ダンススタジオ]
[C:ピアノスタジオ]
[D:多目的ルーム]
[E:試写室]
[F:トレーニングルーム]
[G:打ち合わせ室]
[H:配信ルーム]
[I:食堂]
[J:休憩室]
[K:特になし]
まずは深呼吸だ。一旦落ち着こう。
【見慣れた画面きたwwwww】
【もうこの画面見ただけでドキドキするようになってきた】
【おかしいやろw】
【※何度も言うけどゲームが始まって最初の選択肢です】
【最初の選択肢でこんな緊張する事ある?】
【もう全てのシミュレーションゲームを過去にしてる】
【一度、特になし選択してみてよ】
【だめだ。どれ選択してもラスボスかホゲしかエンカウトしない気がする】
私はダンススタジオと録音スタジオに答えを絞ると、みんなに対して問いかける。
「これ、ダンススタジオと録音スタジオ、どっちやと思う? アイドルとしてのあくあ君なら、歌かダンス、そのどっちかやと思うんやけど……」
シンプルに行く。特になし、食堂も考えたけど、あくあ君に会いたいという私の一心が、逃げる事を許さなかった。
【やっぱり録音スタジオじゃない? ボイトレしてそうなイメージ】
【あれだけ歌上手いしやっぱ普段から練習してそうだよね】
【とあちゃんや天我先輩、黛君やモジャPの可能性もあるし、録音スタジオは手堅いと思う】
【いやいや、ライブを生で見てるやつならわかるけど、ここはダンススタジオでしょ】
【トレーニングルームにホゲが居たって事は、ダンススタジオの方にあくあ君が居るっていう前振りじゃない?】
【私もダンススタジオのような気がするな】
【乙女の嗜み:私はどっちも違うと思う】
うーん、やっぱり半々くらい。いや、録音スタジオの方が多いか?
多数決で行くなら録音スタジオだが、それ以前に私には気になった事があった。
「みんな一旦ストップ。ちょっと気になった事があるからええかな?」
私がそう言うと、コメント欄の流れがゆったりとする。
「恥を忍んで聞くわ。乙女の嗜みさんはどれやと思いますか?」
最初の打ち合わせ室といい、さっきのトレーニングルームといい、乙女の嗜みさんことカノンさんはどっちも違う気がすると言ってた。その人が、今度の二択も違うと言っている。
彼女がゲーマーなのはこの前のラストサバイバーの配信でもわかってるし、何より彼女はあくあ君の嫁だ。
私はそこに全てを賭ける。
【乙女の嗜み:Eの試写室。まず右上の日付と時間を見てほしいです。この時間帯ならもうトレーニング終わってるし、ご飯も家で食べてるから食堂とかトレーニングルームはないんじゃないかな? それに9月11日の日曜って事は、10日のmusic stageに生で出てるから、11日に会社に行ったらすぐにその映像のチェックしてると思う。生で仕事した翌日は、会社で必ずチェックしてるって言ってたから】
ふぁ〜。想像以上の回答が返ってきて一瞬で顔がホゲった。
【大丈夫インコ、みんな同じ顔してる】
【今、この配信を見ている全員の顔がホゲ川になってる】
【嗜み……お前、すげぇわ】
【嗜みってちゃんと検証班だったな】
【今まで嗜みのこと舐めてたわ。ごめん】
【検証班最弱の嗜みが検証班最強でした?】
【みなさん、これが白銀あくあ超ガチ勢です】
【悪いけどこれが掲示板の誇る最強の白銀あくあヲタなんだよね】
【流石、結婚まで行ったヲタは格がちげーわw】
私は嗜みさんの指示に従い、そのままEの試写室を選択する。
すると、天鳥社長は今ままでのパターンとは会話の台詞が少し違っていた。
『試写室ね……。もしかしたら、彼に会えるかもしれないわよ。ふふ、私はちょっと用事あるからここで失礼するけど、もし、彼にあったら後で社長室に来るように言っておいて』
ついに、ついに……あくあ君に会えるかもしれない。
そう思ったら、今までとは違う、本当に味わいたかったドキドキ感が私の胸の鼓動を高鳴らせる。
私はこの感情を噛み締めるように試写室の中へと入っていく。
すると画面が切り替わり、music stageの時のあのライブ映像が流れた。
【うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!】
【きたあああああああああああああああああ!】
【嗜みマジかお前wwwww】
【嗜み最強! 嗜み最強! 嗜み最強!】
【今日だけは許す。掲示板史上最もクソムカつくあのセリフを言っていいぞ】
【嗜みは本物、ちゃんとわかるんだね】
【ライブ映像のこのカット、本放送と違う!!】
【これ新しい視点のカットとか入ってるじゃん】
【ここまで2時間……本当によく頑張った!!】
【あの地獄のような選択肢を超えたやつだけが見れる景色がこれ】
【ありがとう嗜み、ほんま心の底から感謝してる】
【結婚式の時と同じくらい今日のお前に感謝する。サンキュー嗜み!】
ライブ映像。それもきっちり一曲分やってくれた。
え? これ配信してもいいのか? って思ってたけど、向こう側でマネが両手で大きな丸を作っていたから大丈夫なんだろう。ベリル、太っ腹すぎんか?
[ムービーライブラリーに、music stage前日祭が追加されました。以降はお好きな時に映像を楽しむ事ができます]
うおおおおおおおおおおおお!
[ミュージックライブラリーに、next round(music stage特別バージョン)が追加されました。ミュージックライブラリーにある楽曲は、作中に使用された通常バージョンの再生の他に、カラオケバージョン、ベリルのメンバーとのデュエットバージョンがお楽しみになれます]
しゃああああああああああああああ!
思わず立ち上がった私は、配信用の自分のキャラが画面から見切れてしまう。
【インコwwwww】
【わかるわwwwwww】
【これはわかるwww】
【もうこれだけでこのゲームは買い】
【ご褒美が大きすぎる】
【ライブの別カットもやべーけど、デュエットやばない?】
【デュエットモードはもう彼氏彼女でしょ。気持ちとしては同棲まで行ってる】
はぁはぁ……はぁはぁ……。
一旦落ち着け私、近くにあったペットボトルのお茶を飲んだ私は、再び画面へと視線を戻してゲームを進める。
『ん? 誰……?』
ああ……ああ!!
ずっと聞きたかった声が聞こえる。
そして、ずっと見たかった顔が、今、私の目の前に現れた。
『もしかして……今日入ってくる新人マネージャーさんかな? 初めまして、ベリルでアイドルをやらせてもらってる白銀あくあです』
あかん、かっこよすぎやろ。
2時間の苦行があったせいか、もうこの時点で腰が砕けそうになっていた。
【これもう生じゃん……】
【あっ、あっ、あっ……】
【イヤフォンやば。耳が幸せすぎしにゅ】
【こーれ、声だけで堕とそうとしてます】
【ゲームの中でもかっこよすぎて直視できないんだが?】
【ふぁーっ、あくあ様がこっち見てるううううううううう】
【ラーメン捗る:エッ……ごめん、ちょっと捗ってきてもいいですか?】
【ソムリエール:なんかいつもより色気ある声してる。ゲーム用の演出かな?】
【乙女の嗜み:なんかちょっと甘い感じがするのは絶対に脚本の白龍先生の味付けだと思います】
【嗜みありがとう。もう一度感謝させて欲しい】
【嗜みすげぇえ。白龍先生の味付けで完全に納得した】
【正直、出会うだけでゲームクリアしたみたいになってるの草wwwww】
【え? もうこれクリアだよね? クリアでいいよね?】
カウントダウンもなければ、勝手にページが捲られたりもしない。
私は十分にご褒美を噛み締めてからページを捲る。
『えっと……鞘無、インコさん?』
は?
思わず私は固まってしまった。
【え?】
【ちょっと待って、これ主人公の名前も声出して呼んでくれるの?】
【うわあああああああああああああああああああああああああああ】
【嘘でしょ?】
【え? これ、インコだけとかじゃないよね……?】
【自分の名前を、あくあ様が呼んでくれる。こんな事ありますか?】
【このゲーム、考えた奴は天才だろ。小雛ゆかりと森川の要素をぶちこんだ奴はクソだけど】
【もう絶対に買います】
【ゲーム壊れた時のために予備で5本くらい欲しい】
【私もうこのゲームあれば独身でも一生やっていける自信あるわ】
フリーズをしていると、目の前にカウントダウンが現れた。
え、あ、う……どうしたらいいんだろう。私は固まってしまって、何もできなかった。
カウントが0になると、私のキャラが立ちくらみを起こしたかのように画面がぐにゃりと歪む。
『危ない!』
次の瞬間、あくあ君の顔がアップになる。
どうやら倒れかかった私の体を引っ張って抱きしめてくれたみたいだ。
それだけでもう見ている私の心臓が止まりそうになる。
『大丈夫?』
大丈夫じゃないですと言いたい。
『初めて……だから、緊張しちゃったのかな?』
は、初めてぇ!?
【初めて!?】
【ちょっと待って!!】
【待って、これ無理。私ももう捗ってきていいですか?】
【捗るが静かになってて草wwwww】
【いつの間にかソムリエールも静かになってて草www】
【悲報、無垢な私達、白銀あくあ+白龍先生のコンボの恐ろしさを分からせられる】
【若い人達へ。ようこそ、これが白龍アイコの世界です】
【白龍先生の犠牲者がまた増えるのかwww】
【これが白龍先生の真の実力か……】
【ま、まって。これで1番レート低いのやばない?】
【レートZは確実に死人でるぞwwwww】
私がもう完全にフリーズしていると、目の前のあくあ君がとんでもない事を口にする。
『大丈夫。インコさん、初めてでも俺がリードするから安心して……なんちゃってね』
あくあ君は悪戯っぽく舌を小さく出した。
え? 初めてでも俺がリード? な、なななにゃにをリードするんですか!?
容量を完全にオーバーした私は、そこでプツンと意識が切れてしまった。
【インコーーーーーーーーー! カムバーーーーーーーーーーーック】
【これはしゃーない】
【白龍アイコ、あいつは私たちからとんでも無いものを奪っていきました。青春です】
【ホゲ川とか小雛ゆかりとか所詮は前座。これが本物のラスボスですw】
【※難易度ノーマルです】
【難易度AQUAに震えてる】
【おめでとう!!】
【インコやったな!!】
【もうこれはクリアしたと言っても過言ではないでしょ】
【ゲームをクリアしてくれてありがとう】
【感動した!!】
【ほんと嗜みとインコには感謝してる】
【2人にありがとう!!】
【ありがとう!!】
【サンキュー嗜み、サンキューインコ】
【乙女の嗜み:えっと……嗜みちゃん大勝利っていいの……かな? まだ全然終わってない気がするんだけど……】
【開発者です。あの……もうゲームクリアしてるみたいに盛り上がってますが、ここでまだストーリーの0.001%くらいですよ】
薄れゆく意識の中で、入ってきたマネージャーが私の代わりに配信画面を止めてくれる。
これが私と乙女ゲームの初めての出会いだった。
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