鷲宮リサ、ヒロイン。
私の名前は鷲宮リサ。
乙女咲高校1年A組に通う演劇部の部員ですわ。
元は普通の一般家庭に生まれた私ですが、2人のお母様が商売で成功した事で、歳を重ねる事に段々と暮らしが良くなっていきました。
それに合わせて言葉遣いも……というわけではなく、私がこの言葉遣いになったきっかけを与えてくれたのは、村井熊乃先生が書いた絵本『ピンクのバラ』に出てくる主人公エリーゼに憧れて、その言葉遣いを真似ていたからですわ。
この毎朝セットが大変な縦ロールも、可憐なエリーゼに少しでも近づきたくて始めた事ががきっかけです。
周りの女の子達と比べて発育の良かった私は、幼稚園でのお遊戯会や小学校での学芸会の頃から演劇では男性役として引っ張りだこでした。
「貴女、演劇部に興味はない?」
中学生に上がった時、すぐに演劇部の先輩にスカウトされた事がきっかけで私は演劇部に入部する事になりました。演じる事自体は昔からすごく楽しかったし、部活の先輩や同級生、後輩達もみんな良い人達ばかりに恵まれて、中学校での演劇部では充実した3年間を送る事ができましたわ。
でも、その3年間の中で一つだけ、どうしても心残りになった出来事があります。
身長の関係から私は演劇部でも基本的に男役を務めていましたが、一度だけ皆さんの配慮でヒロイン役をやらせて貰った事がありました。
初めてのヒロイン、ずっとやってみたかったヒロイン役という事もあって気負いすぎていたのもあるかもしれませんが、それ以上に、私自身が可愛くていじらしいヒロインに向いていなかったのだと思います。
「ヒロインの身長が相手役の男性より高すぎて劇に集中できなかった」
「ヒロインに可愛げがない」
「ヒロインからヒロインらしさを感じない。せめて悪役の女性であればあっていたのでは?」
私の初めてヒロインを演じた演劇は失敗してしまいした。もちろんコンクールの審査員を務められた人達からの寸評も酷評ばかりが並びましたわ。
「鷲宮さん気落ちしないで」
「そうだぞ鷲宮、初めてのヒロインにしてはよくやった方だ」
「ごめんなさい鷲宮先輩、本当なら相手役の私がもっとリードしなきゃいけなかったのに……」
部活のみんなは舞台が終わった後に私を励ましてくれましたわ。
みんなの優しさに触れて、改めてこの部活に入ってよかったとそう思いました。
「リサ、誰にでも失敗はある。だから次にヒロインを演じる時の良い経験になったとでも思えばいいさ」
私の事を部活に誘ってくれた先輩はそう言ってくれました。
でもそのコンクールは先輩の引退を兼ねた中学最後の舞台でもあったのです。
「ごめんなさい。ごめんなさい……!」
もう2度とヒロインはやらない。私はその分、男役を磨くために必死に演劇を勉強しましたわ。
その一方で、エリーゼのような可愛いヒロインを演じてみたいという子供の頃の思いが私の中で燻り続けていたのでしょう。
たまたま私の声を聞いたお母さんの知り合いがVtuberの事務所を経営されていた方で、どうしてもと頼まれてVtuber十二月晦日サヤカの命を吹き込む役を演じる事になりましたの。
気品があり可憐なサヤカは自分がなりたかった自分のようで、ヒロインになれなかった私にとって段々と心の拠り所になっていったのです。
そうして配信を繰り返すうちに人気実況者になっていった私は、中学を卒業して乙女咲学園高校に進学する事になりましたわ。
「白銀くん、やば……」
「あんなかっこいい男の子がこの世に存在してるんだ」
「しかも私たちにも優しいし……」
高校に入っても演劇部に入部した私にとってあくあ様との出会いは衝撃的でしたわ。
私の演じる男性役とは全然違う本物の男性、体の作りもそうだけど匂いも声、何よりもその所作と雰囲気は私たち女子とは決定的な何かが違っていた事をまざまざと見せつけられました。
入学してから暫く経った後、あくあ様が私たち演劇部のドアを叩いて下さった日の事はよく覚えています。
「失礼します!! ……あっ」
丁度私が服を着替えようとしていたタイミングでした。あくあ様はノックもせずに更衣室の中に入ってこられたのです。
私を含めた多くの部員達は顔を青ざめさせましたわ。未成年とはいえ普通に罪として問われる行為ですもの。裁判になったら鍵をかけなかった私達の落ち度を全面的に問われた事でしょう。
それなのに心優しいあくあ様は、私達を訴えたり教師を呼んだりする事はしませんでしたわ。
それどころか、あくあ様はちゃんと私の顔から足の爪先までしっかりと視線を動かして確認された後に、私達女性と同じ様に顔を赤らめられたのです。私が先頭に居たせいと言うのもあるかも知れませんが、そうだったとしても男性から女の子扱いされるなんて思ってもいなかった私は、急に羞恥心というものが湧いてきました。
「し……白銀様、そんなにまじまじと見つめられると、わたくしも少し恥ずかしいですわ」
サヤカの生配信で度胸が鍛えられていた事もあって、私は勇気を出して自らのID番号を同梱した紙袋をあくあ様に手渡しました。
あああああ! 一体、私は何をやっているのでしょう! 何をやっているのでしょう?
「えっ?」
ほら! あくあ様も困惑してますわ!
周りの演劇部女子も、ハラハラとした表情で私のことを見つめていました。
とはいえ、このまま引くことなんてできませんわ!
私は紙袋をあくあ様にそのまま押しつけました。
『おめでとうございます! 白銀あくあ様が、貴女のデータを使用しました』
夜、その文字を見た時にはびっくりして、リビングから慌てて自分の部屋に戻りましたわ。
『おめでとうございます! 白銀あくあ様が、貴女のデータを使用しました』
えっ? もしかしたらエラーか何かでしょうか?
2回も通知が来るなんて普通に考えてありえません。
『おめでとうございます! 白銀あくあ様が、貴女のデータを使用しました』
んん? やっぱり故障でしょうか?
私は慌ててインターネットで、通知、エラーで検索しました。
でも詳しいことは何もわかりませんでした。
『おめでとうございます! 白銀あくあ様が、貴女のデータを使用しました』
そうこうしている間に、4度目の通知が私の携帯に届きました。うん……絶対におかしいですわ。
私は24時間対応のサポートセンターに私の携帯が故障しているのか、通知の誤送信がないか、アプリがエラーを吐いてないか問い合わせました。
『おめでとうございます! 白銀あくあ様が、貴女のデータを使用しました』
5度目の通知と同時に、サポートセンターから折り返しの連絡がありました。
サポートセンター側で確認したところ、実際に5回使用されている形跡がある事。こんなこと、過去にも無かったことだからびっくりしたという事、本当におめでとうと祝福のご連絡をいただきましたわ。
実際にアプリの履歴を見ると、白銀あくあ様が貴女を使用した回数、5回と記載されていました。
「あくあ様が私の事を……」
顔が真っ赤になった私はベッドの上でゴロゴロと体を左右に向けて身悶える。
『おめでとうございます! 白銀あくあ様が、貴女のデータを使用しました』
朝起きた時、あくあ様はまた私の事を使ってくれました。
『おめでとうございます! 白銀あくあ様が、貴女のデータを使用しました』
その日の学校が終わってすぐ、それこそ夕食前にもあくあ様は私の事を使ってくださいました。
だから私も勇気を出して、何かあったら携帯に連絡してくださいねと言ったのです。
でもあくあ様は恥ずかしがってるのか、教室でも目が合うと少し申し訳なさそうな顔をして私から目を逸らしました。少し遠回しな言葉だったのかもしれません。男性はシャイなお方が多いっていうし、あくあ様も恥ずかしがってるのかなと思ったら逆に嬉しかったし、時折私の事をそういう対象として見ておられている事に気がついた時は、飛び跳ねるほど嬉しかったですわ。
「はぁ……」
でも、ある日を境にあくあ様は私の事をあまり使ってくれなくなりました。
その理由は直接何かを聞いたわけではございませんので明らかではありませんが、私の事に飽きたのだと思います。
だってクラスには私以上に可愛らしい方がいっぱいいますし、タレント活動を始めたあくあ様の周りにはきっともっと可愛い子がいるはずでしょう。普通に考えて、そちらに目移りしてしまったと感じるのが当然の事ですわ。
私の予想は遠からず当たっていたのか、秋にはカノンさんとあくあさんが結ばれる事となりました。
カノンさんのためにスターズにまで乗り込んで結婚式を阻止したお姿は、女子の間でもいまだによく話題になります。
「あ〜! 私もあんな人と結婚したいいいい〜!」
「はいはい、みんなそう思ってるそう思ってる」
「あくあ君みたいな男の子に攫われたい」
「ねぇねぇ、カノンさんってもうしたのかな?」
「そ、そんなの聞けるわけないじゃん。めちゃくちゃ興味あるけど」
「誰か聞いてみてくれないかなあ」
「それみんな思ってるって」
「だって掲示板でも、みんなあえて聞かない事にしてるよね」
「あの捗るとかいう空気読めない人じゃないとそんなの聞けるわけないでしょ」
「もしくは森川さんとかが間違って聞いてくれないかな。カットできない生放送とかで」
「「「「「「「「「「わかるー!」」」」」」」」」」
コ、コホン! 多少後半はお下品な会話になりましたが、クラスの中でも概ねこんな感じの会話が繰り広げられました。
「ココナはなんでもいいけどな。重要なのはそこじゃないし!」
「ふふ、ココナちゃんは大人なのね」
「うるはちゃんだってそういうの気にしないよね?」
「ええそうね。だって重要なのはサイズよりも硬さですもの」
「か、かた……」
「茄子のお話ですわ」
ココナさんはうるはさんの話を聞いて顔を真っ赤にしました。
た、確かに……柔らかいのより硬い方がちょっと嬉しいかも……って、私とした事がお下品な事を妄想してしまいましたわ。
「リサちゃんって結構むっつりだよね」
「ねー」
ちょ、ちょっと、2人ともそんな意地悪な顔で見つめないでくださいまし!
お二人だって、さっきちょっと想像して頬がピンク色になっていたではないですか、もう!
高校でできたかけがえのない友達、2人とは一緒にランウェイを見に行ったり、夏休みに花火大会に行ったりと、多くの思い出を作りました。これからもきっと3人で楽しく学校に通うんだろう。そう思っていた矢先にココナさんが移植手術のために入院する事になったのです。
「次の文化祭、私たち演劇部が題材にするのは村井熊乃先生のピンクのバラになりました。それではヒロイン役のエリーゼを演じたい人は挙手をお願いします」
結論から言うと私は挙手しませんでした。
だって、あの時、先輩の引退公演を初めてのヒロイン役で汚してしまった私に、ヒロインを演じる資格なんてないからです。そもそも一年の私がヒロイン役なんて演じられるわけがありませんもの。
「それじゃあ鷲宮さんはアステル役をお願いね」
アステルは主人公エリーゼの相手役、つまりは男性の役です。
とても重要な役ですし、一年にしてエリーゼの次に重要なアステル役を演じられるなんてとても名誉な事だと、そうわかってるのに、あの時、なぜ私は手を上げなかったのかと言う後悔だけが頭をよぎる。
私はそれを振り払うように練習に没頭しました。
「鷲宮さんってすごく上手なんだね」
「あっ、は、はい……」
なんと、なんと! あのあくあ様だけじゃなくって、とあ様までもが私たちの演劇部の出し物に参加してくれる事になりました。
しかしその時には既に役職が決まっていたので、2人はプロの役者として私たちの指導役に入ってくれたのです。しかもそれだけじゃなくって、2人は見にきてくれた皆様へのサービス、サプライズゲストとして、ほんの少しだけですが舞台に立ってくれると約束してくれました。
「あと、ここはもうちょっと大きく動いた方が迫力あるかも」
「確かにそうですわね。それじゃあここは……?」
「ああ、ここは、えっとね……」
アステル役の私にマンツーマンで指導してくれたあくあ様との時間はまるで夢みたいな時間でした。
それに加えて手本を見せてくれる時のあくあ様は、自らがアステル役を務めてくれるので、私はヒロインのエリーゼ役を務める事ができたのです。それはあくあ様にとっては、ただの練習だったかもしれませんけど、私にとってはかけがえのない思い出の1ページになりました。
「リサちゃん無理してない?」
「え?」
病室の中、ココナさんと2人きりになった時、彼女は私の手を握ってそう言ったのです。
「あのさ……私思うんだけど、人生てさ長くても100年あるかないかじゃん」
「確かに、そうですわね」
「だったらさ、自分のやりたい事、本当にしたい事をするべきだって思う。例えダメだったとしても、やらずに自分の心に嘘ついて生きるより、やって失敗してものすごく後悔した方が、ぜーったいに、生きるか死ぬかの瀬戸際になった時にやってよかったなって思えるって思ったんだよね。ま、これは私の話だから、参考くらいに聞いておいて欲しいんだけど、私はリサちゃんに後悔して欲しくないな」
「ココナさん……」
「だから、チャンスがあったらその時は勇気を出して一歩を踏み出してほしいの。大丈夫、背中を押すのだけは任しといて! こう見えて私、森川さんに負けないくらいパワーあるんだから!」
その日、私は帰ってから泣きました。なんであの時、私は手を上げなかったんだろう。
本当はエリーゼの役をやりたかった。でも、でも、私にそんな資格なんてあるんだろうか……。
真っ暗な部屋の中で、メッセージを告げるランプが点灯する。
『リサ、今度の乙女咲の文化祭にお邪魔するよ。演目のピンクのバラ、確かリサが好きな脚本だったろ? 人伝に聞いたが、どうして主演のエリーゼ役を志望しなかったんだ? もし、あの時の事を気遣って男性役しかやらないんだったら本当に申し訳なく思う。本当にすまなかった』
私は一体何をしているのでしょうか?
ココナさんだけじゃなくって、先輩にも気を遣わせてしまいました。
私は私の事がものすごく情けなく思ったし、こんな事では他の演劇部の部員の方にも顔向けができません。
そんな私にできるのは、与えられたアステルの役をしっかりとこなすだけだとそう言い聞かせました。
「ごめんなさい!!」
公演前日、トラブルが起きました。
ヒロイン役を務める先輩が、前日に怪我をしてしまったのです。
「どうしよう……」
「誰か代役を立てるしかないわよね」
「少し台詞を削ればなんとか……」
「それか原作にもっと近づけるとか」
みんなが不安そうな顔をしていました。
そんな最中、とあ様が一歩を踏み出そうとしたら、あくあ様がそれを手で制止したのです。
そしてあくあ様は、私の方を見て小く頷きました。
『だから、チャンスがあったらその時は勇気を出して一歩を踏み出してほしいの』
ココナさんのあの言葉が私の中で反芻する。
気がついた時、私は一歩前に出て手を上げていました。
「あ、あの……私、エリーゼのセリフならちゃんと全部覚えて……ます」
ああ、自分でも何を言っているのでしょうか。
例え私がエリーゼの役をできたとして、それでどうなるのでしょう。だって私がエリーゼの役にスライドしたとしても、今度はアステルの役をどうするかが問題になるだけではありませんか……。
「鷲宮さん本当?」
「は、はい!」
「そっか……うーん、でもそうするとアステル役がなぁ」
「いや、アステル役なら極限までセリフ削ればできるかも」
「鷲宮さんに追加で少しセリフ覚えてもらったら、最悪立ってるだけでも……」
私がエリーゼ役を申し出た事で、先輩たちが真剣な表情で話し合いを進める。
そんな中、声を上げたのはやはりあの人でした。
「鷲宮さんがエリーゼ役をやるなら、アステル役は俺がやるよ」
「へ?」
「え?」
みんながびっくりとした顔で、あくあ様の事を見つめる。
「俺だって演劇部員だし、鷲宮さんの練習の時に2人で合わせたりしたから問題ないと思う」
あくあ様のこの言葉で、先輩たちの議論が一気に進んでいく。
「あくあ君がアステル役をやってくれるなら問題ないかも」
「確かに台本を覚えてくれているなら、これが現状のベストだと思う」
「あくあ様がやるって言ってる時は絶対にやるから大丈夫だよ」
「問題は衣装だよね」
「そっちは任せておいて、今から宿泊届け出して明日の午後までに絶対にサイズ調整する!!」
「私も残って手伝う!!」
「身長に合わせてスポットライトも少し調整しないと」
「行こう、もうそれしかないって!」
ざわめく部室の中で、あくあ様がゆっくりと私に近づく。
それに気がついたみんなの視線が自然と私たちの方へと向けられた。
「鷲宮さん。黒上さんに聞いたよ。前にヒロイン役で失敗したことがあるって……」
「あ……」
「だから手を挙げるのは勇気のいる事だったと思う。でも舞台は1人じゃないから、みんなで作るものだから」
あくあ様は皆さんの方へと視線を向ける。それに合わせて私が視線を向けると、皆さんが任せておいて、引き受けてくれてありがとうと声をかけてくれた。
「それに舞台の上には俺がいる。エリーゼにアステルが居たように、鷲宮さんだって1人じゃない」
あくあ様は私の両手を取ると跪いて自らのおでこに私の手の甲を当てる。
あっ……あっ……このシーンは、ヒロインのエリーゼに誓いを立てるアステルのシーンのひとつだ。
「だから俺のヒロインになってくれ……リサ」
声にならない悲鳴が教室の中を埋め尽くす。
そこに居た誰しもが顔を赤くして口元を両手で押さえて体を小刻みに震わせていた。
ふふっ、アステルがエリーゼに言った言葉、きっとあくあ様はちゃんと台詞は覚えてるって事をアピールしただけで他意なんてないのでしょう。でも、そうだったとしても、あぁ、たった一回、舞台の上だけでもいいから、この人のヒロインになってみたいと思ってしまいました。
勝てないなあ……。あの日、病室に帰った後、ココナさんがそう呟いた意味がようやく理解できた気がします。
「はい……!」
文化祭当日、演劇部の皆さんが必死に衣装のサイズを直したり、スポットライトの位置を調整したりと手を回してくれた事でなんとか間に合う事が出来ました。
「鷲宮さん、もしかして緊張してる?」
「は、はい……」
今まで何度も男性役として舞台に立ってきましたが、今回はヒロイン役。しかも相手はあのあくあ様……緊張するなという方が難しいと思いますわ。
あくあ様はそんな事も知らずに、そっと私の手を取って顔を覗き込む。
「大丈夫、今この瞬間、この時、このお話の主人公は君だ」
「わ、私が……主人公?」
あくあ様は大きく頷く。
「そうだよ、エリーゼ。これは君の物語なんだから、だからもっと自信を持ってよ。世界で1番可憐でいじらしい俺のヒロインをみんなに見せに行こう」
暗い舞台袖、ゆらめいたカーテンの隙間から差した光が私とあくあ様だけを照らす。
その瞬間、舞台の幕が上がる音が聞こえる。
果たしてその音は会場に響いた音だったのだろうか、それとも……。
サヤカの苗字を変更しました。よろしくお願いします。
fantia、fanboxにてこのお話の裏側を那月会長の視点で掲載しています。
よろしければこちらもどうぞ。
本編ではやらなかったようなお話をこちらのサイトにて無料で公開しています。
・らぴす視点の、あくあが引っ越した後の日常
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・森川視点の日常回
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・あくあ、とあ、黛、天我のバーベキュー回(ヘブンズソード撮影中)
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