第二話
まさかの情報機器を使用しているモンスターがいることを知り、野営(所持金減ったしね…)をしながら一人で作戦会議を開くことにする。
まずどうやって敵を倒すか。
スマホ持ってると連絡取られちゃうしなぁ
そもそもスマホなんて一台10万G以上するのにどうやって奴らは持ってるんだ?
一部の勇者や貴族のみが持てるスーパーレアアイテムのスマホは高すぎてこの町では全くもって普及していないのである。
………
……
…
パチパチと燃え上がる焚き火を見ながら行き着いた考えをまとめてみる。
①モンスターに連絡をとらせない
②連絡をとられても増援が来る前に倒せる実力を手に入れる
うーん…どちらも現実的じゃないなぁ
とりあえずバレないように気をつけてモンスターを尾行してみよう。
そこで通信機器の入手ルートや使い方など何か手がかりがあるかもしれないし。
夜が明けて、俺は早速ダンジョンに潜った。
いたいた!
昨日スライムがいた場所にはゴブリンがいた。
…時間で交代しているのか?
ゴブリンは一人で周りをキョロキョロしているも、かなり時間を持て余し暇そうにしている。
30分位ゴブリンを見張っていると、ゴブリンの汚いズボンのポケットが若干明るく光った。
まさか…
ゴブリン「もしもし、マネージャーですか、今日は敵の入りが悪いようですね。早上がりしてもよろしいですか?」
「はい。はい、申し訳ありません。引き続き警戒を怠らないよう務めます。」
何だ何だ?早上がり!?バイトか?
ゴブリン「チッ、マネージャーも頭かてーな」
どうやらマネージャー?らしきモンスターの対応に不満のようだ。
その後ゴブリンの様子を見続けていると地面に横になり、スマホをいじっているようだった。
ゴブリン「やばっ、バッテリーが切れそうじゃねーか。あぶねー」
バッテリーが切れそう!?
そうか、バッテリー切れたら機器は使用できないし、チャンス!
そう思った矢先ゴブリンはダンジョンの奥に歩いて行ってしまった。
うそだろ…せっかくのチャンスなのに、帰ったのか?
そう思った矢先、ゴブリンは戻ってきた。
ゴブリン「ふースッキリしたぜ。」
なんだトイレか…焦ったぜ。
その後さらに監視を続けていると、あまりにも暇をもてあましたゴブリンは動画サイトを見ているようだった。
電池が無いと言っていたのに、流石に知能が低いモンスターだけのことはある。
ゴブリン「あっ……」
ゴブリンがそうつぶやいた瞬間、スマホの画面が暗転した。
ゴブリン「やばっ、マネージャーにばれたら殺される…」
愚かなやつめ、マネージャーの前に俺が葬ってやるぜ!
ゴブリンを狩る事を決めた俺は、ゴブリンに気付かれないようにソロソロ移動しゴブリンの背後を狙う。
いつもの木の棒と、拾った大きめな石をゴブリンの後頭部に振り下ろす。
「ゴスッ」
鈍い音を立ててゴブリンはそのまま前かがみにうずくまる
「うぐぅ…」
さらに追い討ちをかけるように、ガンガン攻撃をかけ続ける。
2、3分攻撃を続けた所で、まばゆい光が広がりGの入った袋が現れる。
「よっしゃー!!スマホもGもゲットだぜ!!」
レアアイテムを手に入れた喜びを隠せず、ニヤニヤしながら早速袋の中を物色するも、
「あれっ!?あれっ??」
スマホが無い…
一体どういうことだ?
モンスターを倒す前にスマホを奪うべきだったのか??
モンスターの生命とリンクでもしているのか??
現代の技術で考えてもそんなはずはない…
色々考えながら、とりあえず本日も帰路につく。
今日も大したGをゲットできなかったので、もちろん野営。。
スマホを手に入れることができれば、しばらくはリッチな生活を送ることができたのに…
そう思いながら、次のゴブリンのシフト?にあわせてもう一度同じ作戦をとることを決意し眠りについた。