情報活用能力が高いモンスター攻略
スライム「こちらスライム、地下ダンジョンB1フロアにてフリーターを発見いたしました。」
ダンジョンマネージャー「よろしい、そちらに増援を送ろう。」
スライム「よろしくお願いいたします。」
………
俺は守。
16歳になったその日、突然母親に連れられ、自国の王に謁見させられた。
王に突っ込みをいれる隙もなく、わが国を滅ぼそうとする、魔王を倒して来いと命令された。
その日は、まるで自分が勇者になった気分だった。
でも、そもそも準備金が100Gって!!どうやって魔王を倒せっていうのだ…!?
一応この国のシステムにはカーストがあり、俺は20歳になったいまだに昇格できず、フリーターという役職であった。経験値を貯めることで、フリーターから次のランクにアップできるのだが、適正というか、何になれるかはそのときの自分のステータス次第らしい。
ちなみにフリーターのまま戦闘することをあきらめるとNEETという役職になるらしい。
NEETのまま2年が経過すると一族もろもろ処刑されるという噂が町には流れているので、みな必死にフリーターを維持している。
この国の経済はモンスターを討伐することで得られるGで回っているらしい。
そもそも敵を倒したら、ぐちゃぐちゃになった死体とかがそこら中に放置されるはずなのに、敵を倒した瞬間にまばゆい光を放ち、その場にGが入った袋が落ちるシステムになっている事も非常に謎だ。
と言うわけで、今生活費を稼ぐために、ダンジョンに雑魚モンスターを刈りに行っている。
守「おっスライムか…」
スライムはこのダンジョンの中でも一番討伐がしやすい。とはいえ、役職フリーターの俺には結構な重労働である。
遠くから石を投げたり、木の棒で叩いては逃げ、叩いては逃げの繰り返しで何とか倒せる。
まぁいい、さっさと片付けて今日の分の生活費を稼ぐか…
バシッ!
スライム「いたっ」
バシッ!!
スライム「いたっ」
バシッ!!!
スライム「いたっ」
守「なかなか重労働だな… しかし攻撃が当たらなければどうということも無い」
「ブーッ ブーッ」
守「!??」
なんだこの音は。スライムの体から、何かの振動音のような音だが…
その瞬間ダンジョンの奥からすさまじい数の敵が現れた。
スライム「あいつです!!よろしくお願いします。」
振動音の正体は小型の通信機器だった。
守「えっ!?スライムが体に通信機器をあてて、誰かに連絡を取ってる?」
守「嘘だろ!?何でモンスターがスマホ持ってんだよ!」
スライム「はっはっはっ!あまりモンスターをなめるなよ!!こちらの世界でも情報機器の普及が進んでいるのだ!!」
その後は袋叩きにあう。。。
気づくと教会にいた。何故か持ち金が半分に減っている。
モンスターに情報機器…これはやばいぞ。
何とか倒す算段を考えねば…