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思いがけず会う

ーーえ…?


川の水と楽しそうに触れ合っている少女がいる。水をすくっては近くの黄色い小さな花にかけていた。


ーーか…違う。絶対。


照りつく太陽は少し傾いていて、僕の後ろには、真っ黒で短い自分の影がある。しかし、太陽は少女を見つけていないかのように、少女の影を作り出していなかった。少女の影が無い。しばらく見ていたら、少女が僕の気配に気づいたのか、こちらを、向く。その時に少女の首元に、赤い宝石の埋め込まれたハート型の小さなネックレスがチラリと見えた。そのネックレスと少女の容姿に驚愕し、瞬間、周りの音が一切耳に入って来なくなった。


ーーえ…?でも、そんなはずないんだ………ありえないんだよ…。

居ないはず。会えないはず。…死んだ……はず…なのに…?…


なのに目の前に居るなんて。少女は既に亡き人。中学二年生の時に自殺をした人間のはず。だから


ー違う…違うッ違うッ…‼


少女は驚いたように若葉色の瞳を僕に向け、見つめる。現実を確認するように、状況把握をしようとしているようだった。ぁっと小さく声を吐き、少女の表情が泣きそうに歪む。少女の小さな口が、ゆっくりと開いて僕の名前を涙ぐんだ声で、言う。


ーーえっ…でも、あいつは…もう……


さっきまで、笑いながら黄色い花に水をあげていた少女の顔は今、さっきまでぱっちりと開いていた若葉色の瞳から大量の涙を溢れださしていて、耳先、頬、鼻、目元が赤くなっている。


ザッと風が吹く。少女の茶色の長い髪は川風に踊り、鋭い日差しが通り抜け金色に染まる部分もあった。そんな少女の姿は本当に僕が知っている人と似ていて


「……ひびき!」


少女は自分の胸の辺に手を結、押さえつける。そしてめいいっぱいの声で僕の名前を呼んだ。涙を押さえつけ心を押さえつけ。少女の透き通った愛おしい涙ぐんだ声が、僕の心を乱し、考えを遮断する。


ーーあぁ…そんな……またっ、そんな風に、…呼ぶなんて…。


心がキツく縛られ、心臓が髪を動かすほど動く。長い間の懇願が体を解き放ち、涙が、止まらない。会いたい。話したい。見たい。言いたい。今までの願望が、目の前の状況によってぶわっと溢れ出して。


ーーずるいよ…


長く重い、多くの思いのこもった熱い涙が溢れ出す。そうだ、あいつなんだ。僕は可笑しくなってしまったのかな、と同時に思う。でも、それでも良いから


ーーッかぇで…


愛おしい少女。愛して止まなかった少女。また、会えて良かったのか。疑心、疑惑もある。だけど、チャンスはもう、無駄には出来ないから。


風を感じて地面を噛み締めて川沿いを歩いていた。ただ、歩くだけのつもりで、別にここに来たのは……来てしまったのは心残りがあったからであって…。だけど、上っ面な言葉の裏にある、本当の思いが叶った。叶ってしまった。叶ってはいけない事のはずなのに。眩しい太陽がいつもより熱を発している今日、僕の念願は叶った。


ここから始まる少年少女の夏の物語。

小説を書き、誰かに見てもらう事。インターネットに投稿する事。全てが私にとって始めての経験であり、まだまだわからない事が沢山あります。実は、そんな初めてがとても怖いです(笑)これから小説を沢山書いていきます。不束者ですが、どうぞ宜しくお願い致します!!

アドバイスや、感想など教えて頂けたら幸いです。

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