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黒星  作者: 伊田 朋量
第1章、戦乱
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第九話、しどう

翌朝6時、起床のチャイムに起こされた俺はブリーフィングルームに向かっていた。


これからの活動の説明と改めての自己紹介をする事になっていたからだ。



そしてブリーフィングルーム


「んじゃ全員揃ったな、よし、それじゃ自己紹介だ、昴、お前からな」


ういっすって言いながら辰巳さんが立ち上がった


辰巳昴(たつみすばる)陸曹長です、年齢は21っす、よろしくお願いします!タカさんにスカウトされる前は傭兵してました!」


傭兵....別に最近では珍しくない、地下虫に対抗する為に民間軍事会社が市民権を得て普通に活動している。



「次は大塚」


はーいと元気いっぱいに立ち上がった


大塚愛維(おおつかめい)16歳、でっす!よろしくねー!!因みに私は戦災孤児っていう奴です!おじちゃんに拾って貰いました!救護は任せてね!」


.....16歳!?

年下かよ!

あ、でも戦災孤児って...高嶺さん


高嶺さんの方へ目を向けると、黙って頷いてた


まいっか、別に...


「次は鏑木」


鏑木さんは音もなく立ち上がっていた


「僕は.....鏑木隼斗(かぶらぎはやと)....23歳

.......暗殺者....でした」


ボソボソ喋っててよく聞こえなかったけど、え?暗殺者?


ふ、ふうん....す、凄いな


「はい、蓮華」


あ、レンゲだ


霞蓮華(かすみれんか)准陸尉25歳です、特にありませんが、皆さんよろしくお願いします」


「蓮華だけは元々自衛隊でな、優秀なので俺が引っ張ってきた、最後は、ミスターイレギュラー」


「せめて名前で呼んでくださいよ、はあ...

えっと、民間人です、矢口大です、全部の地下虫を殺しますのでよろしくお願いします。」


部屋が静かになった、だけど


「すげえ目標だな!頼もしいじゃねえか!しかもいきなり初戦闘で幹部級倒したんだろ?すげえじゃん!よろしくな!」


「辰巳さん...」


「昴で良いよ!よろしくな!大!」


「んじゃ、昴...くんよろしく」


「おう!」


なんか流れでがっちし握手してるけど、良いのかこの空気


他の皆もまあ、別に変な顔してな.....レンゲがすっげえ不服そうな顔してるわ





「遊び気分で来られても困るんだけど、隊長、なんでこんなガキを隊に入れたんですか?

た ま た ま、マグレで幹部を倒したからって、そんなにホイホイ組み込んだら後で痛い目を見ますよ」



このクソアマが...


やっぱり謝らねえ、女だからって俺が殴らねえと思うなよ


「お「止めろ」


高嶺さんが冷たい顔で俺らの間に入ってきた


「蓮華、いつまで大くんに当たるつもりだ?

佐藤の件は仕方が無かった、それに他の人員も必要だったし、彼はAWに選ばれたと言っても過言ではない位の適性の高さを見せた、そして彼は茨の道を選んでこの部隊に入ってくれた、これ以上の憎まれ口は見過ごさないぞ、大人になれ、蓮華」


高嶺さん...


「だが、大くんも軽口はなるべく叩かないようにな、これからは本格的に奴らと相見える事になるんだ、何も果たせずに死ぬ事になるぞ」


俺ら2人は何も言えずに俯いたままだった....



「少し空気が悪くなってしまったが、これで自己紹介は終わりだ、皆、これからよろしく頼む

さて、ここからが本題だ、俺達の活動についてだ」



少し空気が変わって、皆真面目な顔つきになった



「これから俺達は、日本侵攻の指揮官であるアルバトロンの大幹部、[シンカラ]を討ち取り、日本を安全圏にする事が第一の目的だ、そしてゆくゆくは地底国に侵攻し制圧する事になる。」


高嶺さんの説明に伴ってレンゲがモニターにシンカラを映し出していた....


俺はその姿を見て心臓がトクンと跳ねるのを感じた


































奴だ....


4年前東京に現れたカブトムシ野郎...


....奴が指揮してるのか


こいつだけは絶対に俺がぶっ殺してやる...





「大くん」



高嶺さんに呼ばれハッとして視界が開けた、皆が俺を見てる



「大丈夫か?」


高嶺さんが怪訝な顔で俺に聞くが俺は大丈夫と合図して説明を続けて貰った



「では続ける、実際の所だが、奴が指揮官だと分かっては居るが奴らは神出鬼没だ、拠点が何処にあるのか分からない、なので情報局に調査は任せて当面俺らは各地に現れたアルバトロンを殲滅していく任務につく、基本的に任務には2人か1人で向かってもらう、それは散発的に現れたアルバトロンに対してしっかりとした防衛力がある事、制圧能力がある事を国民に示さなくてはならないからだ


ここまでで分からない事はあるか?」


「俺も1人で行くんですか?」


俺なんてまだ訓練すらもろくにしてないんだぜ?大丈夫かよ?


「いや、大くんの最初の1ヶ月は訓練に充てる、今のままじゃ戦力として非常に頼りがないのでな」


「了解です」


そりゃそうだろうな、俺も不安だ、またバランスが取れなくなるとか嫌だからな



「よし、以上でブリーフィングを終わりにする、各自解散だが、大くんは俺と訓練だ、しごくから覚悟しとけよ」



「望む所ですよ」



この数日間でいきなり動き出した俺の歯車が、動力を得てさらに動く事になっていく




ちなみに最初の高嶺さんの訓練が終わって体がピクリとも動かず、俺は医務室に運ばれていった。

次の日は何も出来なかった。

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