第五話低脳はどっちだよ
「な!?」
俺の体が光に包まれた直後、俺の体に何かが装着されていくのが感覚で分かった、不思議と重量感は感じなく自然と体にフィットしていく
両腕、手の甲側の手首にブースターのような物が装備され
両脚の足首にも同じ様な機械が装備されている。
各部にアーマーが装着されていて、どれも黒光りしている
ゴツゴツしているわけでも無く、やたらスッキリした感じだ。
「お前、兵士だったのかよ」
蜘蛛野郎が驚いたように俺に聞いた
「違う、俺は自衛隊に所属なんてしてない一般市民だよ」
今は、今なら....地下虫と
........戦える!
「俺はお前らが憎い、だから今目の前に立っている」
やつ目掛けて俺は飛び出したが、その時俺の足に付いているブースターが起動して急に加速して俺はバランスが取れなくなって、ぐちゃぐちゃな体制になって蜘蛛野郎に突っ込んだ
「な?!」
運良く蜘蛛野郎に当たり、奴は扉があった方から外に飛んで行った。
ただの体当たりでここまで通じるのか...
俺は佐藤さんの亡骸に一瞥し蜘蛛野郎を追って外に出た
「調子に...乗るなあぁっ!!!」
俺が外に出ると奴は槍を手にして俺目掛けて投擲してきた
恐ろしい速度で飛んできたが、目で追えないスピードじゃない...
俺は槍をいなして、奴に突っ込んだ
「そう何度も同じ攻撃に当たるかよ!」
奴は口から糸を放射状に吐き出し俺の動きを止めようとした
「黙って当たってろよクソ虫があああぁぁ!!!」
俺は右の拳を前に出して網になった糸を突き破ろうと意識した、その時足のブースターが火を噴きさっきよりも速く加速し、右のブースターからも火を噴きその加速を更に後押しする
すると網を押し返しながら奴に近付き、網に動きを止められること無く蜘蛛野郎の胸にパンチが当たる
「グフッ!」
蜘蛛野郎は血を吐いて後ろに吹き飛び、施設の壁に激突した
俺は体に付いた糸を取り除き、奴に近付く
「楽しかったか?散々人を殺して、人の大切な物を奪っていって...」
「ハッ...低脳どもがいくら死のうが関係無いな、我がアルバトロンがこの地球の覇者なのだからな、貴様らがいくら新しい兵器を作り出したとしても我らには勝てないんだよ!!」
蜘蛛野郎が口から糸を出しそれを槍状に変形させていく、そして槍を構えて俺に飛び掛ってくる
「低脳はどっちだよ」
奴が突き出した槍を受け流し、奴の右腕を持ち、その勢いを乗せたまま奴を頭から叩き落とした
地面が割れて奴の頭が四散する、グシャッと聞きたくない音が聞こえたが、それは同時に奴との戦闘が終わった合図でもあった
「仇、取ったよ...」
親父、お袋!
感慨に耽っている時間はない、早くラウンジに行かなくちゃ...
頼むから無事で居てくれ...