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黒星  作者: 伊田 朋量
序章
4/20

第四話変身!

「それで現場は?」


おいおいおいおいおいおい


「カフェラウンジ付近の中庭です」


ちょっとまてよおい


「何?」


若干表情を変えた高嶺さんが俺の方を一瞥(いちべつ)したが直ぐに隊員に向き直り


「この部屋の護衛を任せる」


「かしこまりました!」


え、カフェラウンジって...

そうこう考えているうちにもう高嶺さんは出ていってしまった、その左手に光るやけに特徴的な時計だけが目に入った


「あの、中庭って」


俺はまだ整理しきらない思考を一旦おいて隊員の人に聞いた


「ここから近いが、何、心配要らないさ!

なにせ高嶺隊長が行ったんだからね、安心していいよ」


違うそうじゃない、俺が聞きたいのはそういう事じゃない


「...カフェラウンジに両親が居るんです」


「え」


「中庭とカフェラウンジの距離ってどれ程有るんですか?」


「...大丈夫です」


「離れてるんですね?そうなんですよね?」


「.....」


「おい、何とかいえよ!」


俺は気付いたら隊員の人に掴みかかってた、そして乱暴に体を揺らしている


「落ち着いて下さい!大丈夫ですから」


「信用できるか!...俺も行く案内して下さい」


「何を言ってるんですか!ダメです危険ですから!」


隊員が俺を引き離そうとしているが俺は一向に離れる気は無い、だが隊員の左手にさっき高嶺さんが着けてた時計のような物を確認して俺の動きが止まった


「分かってくれましたか...」


「....あの、左手のそれは何ですか?」


隊員は怪訝な顔をしながら俺の質問に答えた


「...これかい?これは時計だよ、少し大きいけどね」


「時計には見えないんですけど、それに高嶺さんも着けていました、俺にはそれがどうしても普通の時計には見えないんです」


「.....ハァ....この事態だから教えるが、これはAWを装着する為に必要なデバイスなんだ、これでいいかい?」


「あなたも装着するんですね、現場に行かなくても良いんですか?それとも、そのAWって奴は戦闘員全員が所持している兵器なんですか?」


「流石にこれ以上の質問は受け付けられないよ、でも私はこのシェルターの護衛を命令されてそれに従っただけです、それ以上でもそれ以下でも無いです」


まあ、それだけ教えてくれたらいいか...

今は親父たちが心配だ、俺が行ったところでどうにもならないけど、でも、それでも....


その時だった、部屋の扉部分が急に揺れた


「扉から離れて」


隊員が左手のデバイスに手をかけて、緊張の面持ちで俺を制した


扉の揺れが大きくなったと思ったら、直ぐに止んでしまった


「なんだ?」


隊員が怪訝な顔をしたが、緊張は解かずにまだ警戒している

だが次の瞬間、扉の中央から白い槍のようなものが扉を突き抜けて扉の近くに居た隊員の右胸に深々と入っていった


「カハッ...」


槍が刺さりながらも、それでも意識を保ちながら隊員は俺と扉を見ながら何かを考えている


「...仕方ない..か..」


隊員は足をつきながら、左手のデバイスに手を掛けてデバイス外した、その時に[佐藤陸尉の装着解除確認]と[コードのリセットを確認]という音声が流れた


「...これを..着けて...そしてAWを....そ..装着して..この場から...戦闘が終わる..まで...逃げ続けるんだ.....いいかい?...逃げる事だけを考えるんだ......」


そう言いながらデバイスを俺に差し出す、右胸から流れている血がさっきより更に多くなっている、隊員の足元はもう血溜まりになっていた....マジかよ、ヤバイだろ


「...」


何が何だか分からなかったが、手だけはデバイスを受け取っていた


「腕に...つけて....液晶部分..を強く...押し込めば後は.....」


隊員が言い尽くす前に扉が土煙を上げて外側に倒された


「早くするんだ!」


隊員の人に一喝されて、気を取り直した

こいつを腕に着ければ良いんだな、着けてやるよ!


そうしてデバイスを腕に着けると[装着確認、ニューコード確認]という音声が流れた


「え、何これ」


そうこうしていると、土煙が晴れていて、扉を壊したであろう人物が立っていた


「みーつけたー」


最悪だよ....よりにもよって...蜘蛛野郎かよ


「お前を殺し損ねたからね、ちゃんと殺しに来てあげたよ」


「早く起動させてAW装着をブッ!」


言いかけた隊員の頭に蜘蛛野郎が槍を刺し込んで蹴り飛ばした


「邪魔だよゴミ」


もう後は体が勝手に動いた


「さて、君は僕から逃げきれたと思ったみたいだけど残念でした」


デバイスの液晶を強く押した

[Standby]という音声が流れると共に俺の腰にベルトが装着された、そのベルトの中央部にデバイスを差し込み、ストッパーを下ろした


[VoicePlease]


「何してんのさ?」


ボイス?声?こういう時は....あれか?


「蜘蛛野郎、散々俺の前で知り合い殺しやがって」


逃げろって言われたけど、ごめん佐藤さん


「何?まさか僕と戦うつもり?」


戦う。


俺の憎しみが恐怖心を少しだけ上回った瞬間だった


「変身!」


[Complete]


俺の体が光に包まれた。

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