表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

白内障のアレコレ、手術って?

作者: 紀奈

 『白内障のアレコレ、瞳孔拡大の日々』の続きです。

 白内障と診断された私が、日帰りで白内障手術をして、片目35万の乱視用多焦点(遠近両用)レンズを入れた、そんな私の手術前後の覚書です。


 なお、医療知識もなく患者からの視点として書いております。

 実際にお悩みの場合は個別の症例もあると思われるので、参考程度にとどめおき下さい。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


手術5日前


 再度ひととおり眼の検査をした後、今後の予定について話されました。

「片目づつ一週間おいて手術だけど、どちらの眼からしようか?」と聞かれました。「右眼からお願いします」と答えました。

 とうとう読書時に右眼が霞むようになってました。『左目で読書ができてる内に治したい』のギリギリな気分です。


 今回の視力検査では「視野の端で見て下さい」と言われました。確かにいくら補正しても正面から見ては視力検査表の円の切れ目がわからないやつも、横を向いたり上を向いて視野のはじっこで見るなら判ります。

 白内障によるレンズの"影"を実感しました。 


 そして先生から爆弾発言「本当に多焦点レンズでいいの?読書なら単焦点の方が手元がクリアで見易いよ」今頃何言ってくれちゃってるのでした。

『多焦点は素晴らしいから、生命保険が使えるならぜひ選ぶ手段じゃないんですかい』です。

「単焦点なら百%の光で読書に度を合わせたシャープな映像で手元が視れるけど、多焦点は40%で遠く・40%で近くと二ヶ所に光を分散する分、どうしても暗くなるんだよ。

 多焦点レンズを入れる人はどうしても眼鏡を掛けたくない人だね。眼鏡が曇って困るラーメン屋さんとか、楽譜と指揮者を見なきゃいけないピアニストとかね」

 そうは言っても中々思考の方向転換はできません。


 更には「君の場合は多焦点を入れても遠くと読書のコンボは難しいかもなぁ、遠くとパソコンなら合う度数のがあるんだけど」と、もうぐらぐらです。

 小冊子にもDVDにも云われてない欠点を明確にしてくれるのは嬉しいのですがと悩んでいる私を横に、看護士さんの「・・乱視が・・」の一言が。

 ピラピラと検査資料を見直して先生は「いやぁ昨年2014年から先進医療に乱視用多焦点レンズが使えるようになったばかりでねぇ。うちは最先端の機械で取ったデータから計算式を使ってレンズを選ぶんだけど、君なら遠くとパソコンなら乱視用レンズで大丈夫だと思うよ」

 何が起こったのでしょう?主婦に『限定・個数制限などは禁句です。最先端な先進医療が今なら・・』なんて言ってはいけません。飛びつくに決まってます。

「乱視用多焦点レンズでお願いします」あっけなく決まりました。


 手術の順番も決まりました。3番目です。

 どうやら30分おきのローテーションで、隣のおばあちゃんは13番目とか言われてます。

 今日から手術する右眼を中心に、殺菌のためクラビット点眼液を一日五回・タリビット眼軟膏を三回と渡されました。使い方を聞いて帰宅です。



手術前日


「・・水晶体が固くなってるから振動も強くかけるし、超音波で砕くのに時間もかかる、普通は10分で終わると説明してるけど・・・負担が大きいから翌日すぐは見えるようにならないかも知れない。もう少し早く症状が進む前に来てくれれば・・」そんな会話も聞こえてきます。参考になります。


 私も眼圧とかの検査をして問診「レンズがピッタリ入ってくれればいいけど、まれに度が合わずに再手術という場合もある。色々機器を使って計算式で決めているが万能じゃない。その時は癒着前の一ケ月以内に再手術となるんだが・・」ぜひピッタリしてほしいものです。


 看護士さんから薬の予定表と手術の注意を聞きます。

 飲み薬2種と目薬5種、ややこしい使い方に非常に役立ちそうな予定表でした。

「日帰り手術ですから、《殺菌用クラビット》を両目、手術する方の右眼だけに《瞳孔拡大用ミドリンP》の点眼を、手術の2時間前から30分おきで五回、自分で忘れずしないと、きちんと点眼とかして来ないと予定通り手術出来ませんよ~」

「手術後につける眼帯が、服の脱ぎ着で取れるような首の詰まった服装も禁止」

 時間について色々聞いて見ると「遅れて来る人がいたりするからずれる場合もあるけど、大抵2時間以内。手術用ベッドに寝て20分。メスを入れてるのは10分」とのことでした。帰宅、夜は緊張して眠れそうもないです。



手術当日(右目)


 電車で行く途中、30分置きの点眼を済ませながら来院。

 麻酔の点眼後しばらくすると、青の手術着の先生から問診、白衣でない先生に緊張します。

 手術患者用の小部屋に案内され、耳栓、帽子、手術着を上に着て待たされます。


 その後、手術用ベッドに自分で寝ると「ちょっとチクッとしますよ」と右手に点滴。左手は血圧、左指先に心拍数の計測機器が付けられます。

「頭は動かさないで下さいね。何かあれば口でお話し下さい。見えている光をボーっと見ていて下さいね」と言われます。

 先生が入室、顔の消毒、『厚みのある柔らかいガーゼみたいなもの』でベットリと目の周りをシールで貼られます。手術する方の目だけ部分的にガーゼを剥がしたら手術開始でした。


 手術中は動かないようにおとなしく目を開け、光を見ているだけです。

 痛みは全然ありません。見えている光がボヤけたり焦点が合ったり、液体をバシャッとかけられたり、実質10分も無かったと思います。「吸引・・」とかリロンとかの明るい機械音がしたのを覚えてます。

 デッカイ眼帯?みたいなものを最後に貼られて終了です。

 

 身仕度を整えてから「痛くなったら飲んで下さいね」の薬の注意や、明日の来院について念を押されて終わりでした。

 そこで、さぁ大変。眼帯が邪魔でメガネが掛けられません。

 手術した右目に痛みは無いですが異物感は若干あってゴロゴロするし、ド近眼の左目片方では裸眼で歩くのには不安です。《手鏡持って行けば良かったです。取り敢えずスマホで自分の写真を撮り、無いわぁと思いました。目立ちすぎる》

 なので、見た目的にもバツ、電車は無理と諦めてタクシーで帰宅しました。


 この日は遅めの昼食におにぎりを食べ、薬を済ませ、目を開けているのも異物感で辛いので潔く昼寝としました。

 夕食ごろには異物感は薄れ、家族のひんしゅくを買いながら『なろうサイト』の今日の更新分を片目で読了、満足して就寝しました。



手術一日後


 タクシーを呼んで病院へ。休診日なので昨日の手術仲間だけが大勢来ています。

 やはり私より年配の方が圧倒的に多いです。

「痛みは有りましたか?」と聞かれて殆どの人が「いいえ」と答えてました。

「痛みは有ったけど薬を飲んだら治っちゃったよ」の人も2~3人です。

 皆さん眼帯を外されてから「洗顔洗髪は駄目だけどお風呂は良いわよぉ」の声を背に元気に帰宅です。

 私はいきなり見えるようになった視力にビックリしながら電車で帰宅です。

 いきなりのクリアな視界にメガネを使う気にはなれず(近眼は完璧に治ってます)今だかつてないガチャ目で恐る恐る歩きます。

 遠近感がわからず足元を見るとクラクラ、階段は怖かったです。

 お風呂も入りました。つい顔を洗ってしまいそうなのでマスクをして入浴です。



手術二日後


 電車で川の上を渡る時、晴れて遠くまで見える視界に感動しました。そういえば何年も前はこんな風に見えていたんだ。最近は遠方を見ること自体をあきらめていたんだなぁ・・。先生に感謝を伝えなければ、そんな思いがうかびました。


 今日は一般の患者さんと手術後の患者さんで大混雑です。


「おばあちゃん、テレビはよく見えると思うけど、手元のこの字とかはよく見えないでしょ」と紙を見せながら説明する大きな声が聞こえてきます。

「視力が落ち着く一月後にきちんと視力を測って新しいメガネを作るから、それまでこのメガネ付けて・・ほぉら、良く見えるでしょ」と、手際よく仮メガネのレンタルをする様子が見られます。

 両目とも手術を終えられた方だと思われますが、単焦点で遠距離に視点を会わせた方が多そうです。


「薬を飲んでも痛みが取れなくて」と訴え「眼圧が高いからだね。薬を出しておくから」と言う会話も聞こえてきました。

「でも先生、あれを飲んだらトイレが近くって前回チビりそうになったんだけど」「眼圧を下げる薬ってのは利尿剤として使われてるやつで・・・」何かお気の毒な人もいました。


「先生、遠くまで景色が見えて感動しました」私は感謝を伝えます。

「近くも一週間ぐらいで視力が落ち着いて良く見えてくるよ。1ヶ月かかる人もいるいるけど、まぁ大丈夫そうだそうだね」心強い一言を頂いて終わりました。


 今日の会計では治療費の他、レンズの35万も支払いです。クレジットカードが使えて楽チンです。


 午後は美容院に行きました。仰向けでする介助洗髪なら顔に水がかからないのでオーケーだそうです。頭も爽快スッキリいい気分です。懐もスッキリですが‼



手術3日後


 ガチャ目の今こそ左右を比較と車窓から外を視てみます。今日もいい天気です。

 右目で見るとクリアで明るい景色、暗いとか見づらいとかはありません。

 左目で見るとぼやける視界に眩しい日射し、ダメダメです。


 ではスマホはどうでしょう。

 いつものように顔近20㎝では右目は霞んで焦点が合いません。

 しかし、30㎝なら焦点が合います。良く見えます。

 左目(手術前)で見た20㎝視点はコントラストが強く黒くシャープに見えるます。

 右目(手術後)で見た30㎝視点の文字は薄く、確かに暗く見えます。

 現時点では許容範囲の欠点に思えますが、要検証です。


 病院の視力検査の結果は右目1.0です。左目はいくらメガネで補正してもあやしい0.5です。

 本を持って小さな文字を読む検査も右目の圧勝です。

 メガネで老眼補正した左目で読める字より、右目の方が良く見えます。

 「こんな小さな文字が読めるなんてビックリです」感動を伝えました。

 「上手くいったようだねぇ」先生からも心強い一言を伝えられ「左目の手術を終わらせて両目で見るのが楽しみです」と返しました。



両目手術後3日


 遠くは良く見えます。両目で1.2です。メガネ越しのボケた視界とは比べるまでもありません。大満足です。

 それに比べて近くは日によって、または時間帯によってで安定しません。

 近距離は0.8ぐらいらしいです。

 はっきり見えて問題なしの時と、スマホの文字が見えない時とがあります。


 両目揃って最初に困ったのは《物が大きく見える、認識される》事です。

 近眼で普段メガネで生活している人が、たまにコンタクトに替えたら大きく見えるのアレです。文庫が新書サイズに見え、寿司ネタもやたら大きく見えます。近眼のメガネ生活者は要注意です。


 今は手術して多焦点レンズにして満足です。


 しかし、運転したら?映画を見たら?イルミネーションを見に行ったら?

 色々保険請求を含めて、後日談も挙げたいです。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ