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「それでは、実技に入る。この成績は、来年度のクラスランクに関わることだ。全力を尽くすように。以上、各々のコートに移動。解散」
体育科教官の指示が入り、七人も移動することにした。
「久しぶりだな~実技の試合なんて」
「そうですね。ほとんど日和様との手合わせ位ですものね」
「そうだね。まぁ僕からしてみれば六人がどれだけ強くなったか、見る機会だね」
「そう言われるとやる気が出てくるよね」
「皆、コートが別々か。順番的に僕が最後かな」
「日和様が最後なのですか。」
「まぁ学校としては、ONEWEEKのリーダーの実力が見たいんでしょ」
日和は、確かに学校の水準記録をはるかに超えているが、ONEWEEKのメンバーでさえ限界を知らない。
だからこそ六人も興味があった。
「じゃぁトップは薫か」
薫は無言のままコートに入った。
実技のルールは、相手が戦闘不能または降参した時だけだ。
ルールが簡単なので薫は、得意の居合で二秒で倒した。
勿論、峰打ちで。
「おぉ薫。また早くなったね。まだ肉眼で見えたけど」
「一秒を切れるようにする」
「うん。そのいきそのいき」
「では私が行ってきます、日和様」
「うん期待してるよ、美月」
「はい!」
美月は入ってつかの間。
入学式でかました、乱れ星で瞬殺をした。
「まぁよかったと思うよ。ただワンパターンかな」
「はい」
あからさまに落ち込む美月。
特に励ますわけではなく、賢悟・斗馬・兎・花凛と四人の試合を見ていた。
「じゃぁ行ってくるね」
六人にそう言うとコートに入った。
今回の相手は土魔法を使うらしい。
「君が土魔法使いの林君?」
「いかにも僕は貴族出でね。低民の君にはハンデを上げよう」
「本当に?」
「あぁ何でも構わないよ。所詮君も凡民だ」
「そっか~なら・・・肉弾戦にしようか」
「・・・フフフ。ハハハ!面白い!いいだろう。これなら君にも勝気がみえてきただろう」
「違うよ。君の勝気がみえてきたんだよ」
「口だけは達者なやつだ。まぁいい。かかってきな」
「じゃぁお言葉に甘えて。」
そう日和が言った瞬間には、林の顔面を蹴っていた。
「まずは一発。まだ終わらないよね?」
「・・・プッ。貴族である僕の顔を蹴ったね。ならハンデは無用だ。死ぬがいい!」
「・・・はぁ~貴族も名前負けか」
「うるさい!ロックキャノン!」
「・・・サイクロン」
林が発動した岩の爆弾は日和に到達する前に風で押し返された。
「僕のロックキャノンが敗れただと。もう本気だ。ジ・アース!」
そう叫ぶと地面に亀裂が入り、隆起し始めた。
「あぁあ。グランドがぐちゃぐちゃだ。面倒だし終わらせるか」
そう言うと日和は腕を真上にあげた。
「大気圧」
そう言うと日和は腕を下げた。
その途端、林の周りは凹み、林自身も大気圧に耐えられず倒れた。
「これだから貴族は・・・身分を盾に貧弱さを隠しただけの底辺に頂点は負けないから」