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この回から日和視点で話が進みます
キーンコーンカーンコーン
授業の開始の鐘が鳴り響く。
俺はここでこの音を聞くのが好きだ。
ここにいれば風との一体感が味わえる。
そして澄んだ空と明るい太陽、幻想的な雲を見ていると自分の心は、浄化されていく感じがした。
そうしてぼんやりしていると時折吹く風の音がよく聞こえる。
(俺は後三人の眷属を見つけないといけないのか。)
自分の顔の前に手をかざしながらそんな事を考えていた。
そして首にかけられたネックレスを手に持ちかざした。
太陽の陽があたり、様々な色に輝いていた。
「これがアイツ等に渡ったらどうなるのかな・・・」
(もしアイツ等に渡すようなことがあったとしたら、適合しなかったら死ぬんだよな。)
俺は、膨らんでいく不安を打ち払い、空を眺めた。
「やっぱりここにいた。」
そうしてドアを開けながら言い放ったのは、花凛だった。
「おぉ~さすがにわかったか、俺が居る所。」
「すぐにここだと分かりましたよ。」
「何年一緒にいると思ってるのよ。」
「そうですよ。私に日和様の知らないものなどないのですから。」
「何か怖いな・・・」
「それよりさぁ~日和も授業にでなよ。二時間目だけでも。」
「実技だ。」
「へぇ~それは、面白そうだ。」
「じゃぁ行こうよ!」
「わかった。単位がたんないと留年だしね。」
「じゃぁ早速移動しないと。」
(まぁこいつ等には迷惑かけなきゃいいだけか。)
俺はいつかの話より今を楽しむことにしたのだった。