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LINK5 ツンドラな毒舌少女×気弱な根暗な女教師=謎の傀儡事件勃発?

今回は二週間ぶりに更新しました!!


但し、残念ながらバトルはありません!!リンキュバスのバトルは…ね…。( ̄∀ ̄)←ウザい


て言うか、何気にバトル無しの話って初めてだよな…。(遠い目をする)

―うぅっ…い…息が…出来…ないっ…!!?


とある真っ暗な空間で、流は何故か呼吸が出来ずに悶え苦しんでいた。最初の1、2分程は何とか耐えられるが、軈て持たなくなり碌に声も出せない状態になりつつある…。


―い…ぎ…がっ…!!


人間、呼吸困難になると何故か手を伸ばしてしまう事がある様に、流もまた誰かの救いを求めるかの様に右手を伸ばす。しかし、この空間に彼以外誰一人存在せず、遂には息が完全に途絶えてそのまま意識を手離してしまう…。




「(ん〜〜〜〜んん〜〜〜〜!!!!)////」


「はぁ…はぁ…///」


…が、その原因は、上半身裸と年頃の少女が「余程の事」が無い限り絶対やらない様な格好をした深波が、時々当たる「突起部」の刺激により甘く小さい声を出しながら、自身の豊満な胸を流の口元に勢い良く大胆に押し付け、挟んだり擦り付けたりしているからである。


「んぁはぁ…『フカヒレ饅』の次は…あっ…『ソーセージ』と『鮑』を互いに食べ…あぅっっ!!?///」


「はぁ…はぁ…食わねぇし食わせねぇよ!!///」


ジタバタしながらも全身の力を振り絞り、深波のとんでもない「朝食」からどうにか逃れた流は深波の頭に勢い良く拳骨を下し、乱れた息を整えながら大きく咎め立てた。




―1年B組・教室



「君って奴は…何で毎回あんな事をするんだ!?///」


「しょうがないじゃない…ああでもして襲わないと流が起きてエッチしてくれないじゃない!!」


「起こすにしても普通に起こせ」と、学校に着いてからも先程の行為について咎める流に対し、深波は朝っぱらからとんでもない理由を教室全体に響く程大声で訴える。


「ば…馬鹿、声が大きい…!!///」


『(な…な…ぬぁんだとぉぉぉぉっっっっ!!!!?)』


―やっぱりヤってやがったんだなあの二人!!


―高一の内から羨ま…けしからん事を!!


―水始め…殺してやる…殺してやるっ…!!


―海噛さんのおっぱい…ハァ…ハァ…!!


当然非リア充な(モブキャラ)共は、殺意の籠った目で二人(特に流)を睨み付け先程の会話の内容に激しい怒りを募らせる。流への明確な殺意を口にする者や、一部いらん妄想をしてる輩もいる。


「流…お前やっぱり…!!」


「してねぇよ!!やっぱりってどういう意味だ!!///」


事情を知る筈の詞音からも奇異な目をしながら若干引かれ、全力で否定する流。


「はいはい、モブキャ…青年少女達、席に着け〜。」


『今モブキャラって言おうとしたよね!?このおっさん!!』


「今日はまたもウチのクラスに美少女が一人入って来るぞ。」


自分の教え子捕まえて「モブキャラ」と失礼な事を言いそうになる真輝人は、彼等のツッコミを無視して転校生の編入を話す。


『スルーす…ぃよっしゃああああぁぁぁぁっっっっ!!!!』


「なぁ詞音、転校生ってもしかして…。」


「あぁ…。」


当然無視された事に怒るモブキャラもとい、生徒達だが、美少女の編入と言う言葉を聞き男子達は現金にテンションを上げ大喜びする。対して詞音は、それを聞いて何故か憂鬱な表情に変わる。


「んじゃ、入っておいで。」


「こ…小森…かな…」


『うおおおぉぉぉぉっっっっ!!!!可愛ぇぇぇぇっっっっ!!!!』


真輝人に促され教室に入ってきたのは、津凪高校の制服を来た奏だった。人見知りな性格故に辿々しく小さい声で自己紹介しようとするが、それがかえって男子達のテンションを上昇させる。


「あぁ、お前がそんな表情をしてたのはそんな訳か。」


流は奏の編入を知り、詞音が憂鬱な表情をしていた理由を理解した。そして、奏がふと詞音の顔を目撃すると…


「詞音〜♪」


なんと自己紹介そっちのけで、詞音のいる席に向かって走り出した。


「これでお家でも学校でも気持ち良くしてあげれるね♪」


「なっ…馬鹿!!サウンドが大きい!!///」


直ぐ様その豊満な胸を押し付ける様詞音に抱き着き、とんでもない台詞をぶっぱなした。


『このリア充二号がぁぁぁぁっっっっ!!!!』


当然丸聞こえな非リア充達からの恨みの咆哮を喰らうばかりか、「リア充二号」なる碌でもない称号をプレゼントされる羽目になる詞音であった。更に…


「何だ、もうそこまで逝ってたのか。んじゃ弾麻の隣の席に座らせるから、水始は海噛の隣に移動な。くれぐれも見えない所で頑張れ、青年二人よ!!」


「「字が違うし、いらん事してんじゃねぇよこのクソ野郎!!///」」


真輝人の余計な配慮により、詞音の隣に奏を座らせ、それに伴い流は深波の隣へと強制送還されてしまう。ウインクしながらサムズアップして励ます真輝人に、二人はブチ切れる始末である…。




「詞音、あれから奏はお前の家で暮らす事になってたみたいだけどお袋さんにはどう説明したんだ?」


二時間目の授業後の休み時間に、詞音の席の周りに流・深波・奏が集まっている。流は、奏がどのような過程で詞音の家に住む事になったのかを彼に尋ねた。


「奏が説明したんだ…。」


「えぇっ!?」


「あら…どう言ったの?」


詞音は、首を横に振りながら奏の方を向いて呟く様に話した。驚く流に対して、「やっぱりね…」と納得する深波。どう説明したのかを尋ねられると、詞音の顔色は更に難色を進める。そして、溜め息混じりな重い口が開くと…


「『両親に棄てられ、引き取られた施設で陰湿ないじめを受けて自殺しようとした所を息子さんに救われたんです。お手伝いでも構いませんのでここに置いて貰えませんか?』と言いやがったんだ!!そしたら『詞音、奏ちゃんを泣かせちゃ駄目よ』とあっさり信じた挙句、俺を御守り役に任命させやがったんだ!!普通信じないだろ!?こんな如何にもドラマ的な嘘臭い事情!!」


「そ…そうか…。なんかすまん…。」


マシンガントークの如く、奏の嘘八百ならぬ「嘘八千人の部下が居る!!」的な事情で親を丸め込まれた事を涙目になりながら吼える詞音。これを聞いた流は、少し引きながらも何故か謝る。


「好きな人と住むならそれくらい当然よね〜♪」


「ね〜♪」


「ね〜♪じゃねぇよ!!」


「(俺、この先どうなるんだろ…!!)」


深波はあろうことか、それが愛し合う人間同士の当然の行為だと、奏と共に間違いまくった認識をしてしまっている。流は深波の言葉を聞き「何れ彼女もこんな嘘で人間を丸め込むのだろうか」と内心恐怖を感じていた。


「ぃえっへへへ…美味しそうな果実が四つ…はぁ…はぁ…!!」


「……っ!!」


四人の下へ全1年いや、全生徒きっての変態・竜駕が現れた。深波と奏の胸を「果実」と最低な表現を口にしながらおもくそガン見している。あまりの気持ち悪さと怖さに、奏は詞音の後ろに隠れる。


「また気持ち悪い奴が来たわね…。」


「何の用だよ鏡神。」


「お前等リア充には興味ねぇよ。ただなぁ…こうも素晴らしい『果実』を目にしたら、いっぺんくらいは…と思って、いや別に二人のおっぱいに触りたいとかじゃなくて、俺フルーツとかが大好物でな、いやホント。」


明らかに胸を触りたいだけの変態発言を、見え見えの言い訳をして誤魔化しながら深波と奏の方へジリジリ近付く竜駕。奏は更に怖がり、深波が拳を握って竜駕(へんたい)に制裁を下そうとした時…


「ふんっ…!!」


「あげっ!!?」


茶髪のショートヘアに虹色の薔薇の髪飾りを付けた翡翠色の瞳をした鋭い目付きの少女が、竜駕の股間に強力な蹴りを叩き込んで地に伏せさせた。


「朝っぱらから不快な真似すんなこの蛆虫!!」


「ぅおあぁ…使い物になんなくなったらどうすんだよ…ツルペタ井原…ぁぐっ!!?」


「な・ん・か・言っ・たぁ!?」


流達と同じクラスの少女・井原七花(いはら・ななか)は、倒れた竜駕の背中を右足で踏み付けたまま罵声を浴びせる。それに対し、竜駕が「ツルペタ」と彼女にとっての禁句を吐いた為、踏み付けた足をグリグリさせる。


「ふん!大体あんたのモンなんて使い物にならない方が世の為人の為になんのよ。」


「お、おい井原。確かに鏡神(こいつ)はどうしようも無い変態だが、そこまで言うこと無いだろ?」


「それ、俺を慰めてんの?馬鹿にしてんの?」


背中から足を離して漸く竜駕を解放しても尚、彼を罵倒する七花に流は「言い過ぎ」だと彼女を宥める。しかし、変態である事は否定しない。


「最初に女子達に変な事しようとしたこいつが悪いんでしょ?あたしはそれを阻止しただけ、文句言われる筋合いは無いわよこのむっつりスケベ男!!」


「なっ…!!」


しかし七花は自分の行動は間違ってはいないと反論し、深波と同棲している事から流に「むっつりスケベ男」の称号を与えた。そして奏の方を向き…


「あんたもよ転校生!男子に嫌な事されそうになったら『嫌だ』って意志をはっきり示しなさい!!それくらい言えないあんたの口はただの飾り?」


詞音の背中に隠れて怖がっている彼女に対しても超辛口な言葉をぶつける。あまりの怒号に奏が半ベソをかき出しそうになった為、詞音は慌てて彼女を抱き寄せて頭を撫でる。


「もう!そうやってあんたが甘やかすからその子は弱いままなのよ似非ミュージシャン!!良い?その子があんたに頼らず面と向かって人と話さない限り、絶対認めないからね!!」


果ては奏を慰める詞音をも罵倒し、奏が自分の課した事を教育する様話し終えると教室を出ていく七花。


「何なんだあいつ…誰が似非だよ!!奏、大丈夫か?」


「うん。詞音が頭撫でてくれたら平気♪」


「けど、井原の言い方は相変わらずきついな…。」


「しゃあねぇよ。あいつは別名『茨姫(いばらひめ)』って呼ばれてるからな。」


「茨姫?」


「男女関係無しにさっきの様に薔薇の棘…茨みたくツンツンとした態度を取るからそう呼ばれたんだと。」


起き上がりながら服の汚れをはらう竜駕の言葉に深波が反応する。竜駕からその由来を聞き「成る程ね」と納得する。


「確かに言い方はきついしムカつくけど、何気に正論を突いているのよね…。」


しかし、それらは何処と無く的を射ている為、七花の言葉を完全には否定出来ないと半分理解する深波。すると、休憩時間終了と三時間目の授業開始を知らせるチャイムが鳴り出し、流達は各々自分の席へと戻る。




「そ…それではみ、皆さん…きょきょきょ…教科書の…44ページを…ひ、ひ…開いて…下…さい…。」


現国の担当である、くすんだ長い黒髪を後ろに束ね縁の太い眼鏡に紺色のスーツと、暗いイメージを醸し出している女性・蔵石閑香(くらいし・しずか)は、オドオドとしながら蚊の鳴き声に等しい小さな声で話す。が…


「ぃよっし!!あと1ステージでゲームクリアだ!!」


「で昨日さ、そのハードボイルド気取りのウザイ軟派男をぶっ飛ばしてさ…。」


「これで決まりだ!!フルハウス!!」


「ぐわああぁぁっっ!!」


「こっちの美少女の身体には、この美少女の顔を貼り付けて…と…。」


生徒達は授業中にも関わらず談笑したり、ゲームしたり、際どいグラビア雑誌でコラ画像を作ったりして、彼女の話を全く聞いていなかった。


「あ…あの…静かに…して下さい…。」


閑香は授業に集中する様生徒達に注意をするが、先程と同じ声で話している為彼等の耳に届かないでいる。


「で…では…授業を…始めます…。」


たった一回で注意を諦めた閑香は、已む無くこの状態のままで授業を開始した。彼女が教科書のテキストをボソボソと朗読し、黒板に文字を書いても、それをノートに取るのは流達を含めた一部の生徒のみで、後は遊んでばかりだった。


「現国の蔵石先生、相変わらずだな…。」


「大人しくて暗い上にサウンドが小さいから、皆ああしてられるんだよな。」


「おまけに注意も小さい…これじゃ舐められても仕方ないわね。」


流達は、閑香の授業崩壊ぶりを見てそう呟く。彼等の発言から、彼女の授業は何時も騒がしい様だ。確かにあの性格では中々注意は出来ず、出来たとしてもきつくは言えない。それが全1年の現国授業が崩壊する理由である。すると…


「あんた達ねぇっ!!いい加減にしなさいよ!!」


突然七花が机を「バンッ!!」と叩きながら立ち上がり、授業を聞かない生徒達に大声で怒鳴った。あまりの迫力に教室は静まりかえる…。


「毎回毎回現国で騒いで…煩くて他の人が授業に集中出来ないじゃないの!!聞く気が無い奴は出てって頂戴!!」


今までの現国の授業態度の有り様に怒りが頂点に達し、授業を妨害する生徒達に退室する様注意する七花。そして閑香の方に目をやり…


「ひっ…!?」


「あんたもあんたよ。そんな根暗で何時もウジウジしてるから生徒に舐められるのよ!!仮にも教師なんだったもっと気迫を持って注意しなさいよ!!」


何と、彼女に対しても毒舌に怒鳴り散らし出したのだ。七花の「茨姫」な態度は、男女構わずどころか自分より歳上である筈の教師にすら例外ではない。


「ご、ご、ご…ごめんなさい…井原さん…ごめん…な…!!きょ、きょ…今日の授業は…終わり…です…!!」


七花の正論が「棘」の様に突き刺さった閑香はその目に涙を浮かべ、授業終了の予鈴が鳴ったのを聞くと手で目の部分を覆い隠し、彼女に謝りながら教師を後にした。


「おい井原、何も先生にまできつく言わなくても…!!」


「うっさいわね。ああいうの見てるとイライラすんのよ!!退いて!!」


七花の席に近付き、またも言い過ぎだと諌める流。しかし、閑香の態度が気に入らないと言って教室を後にする七花。




「う…うぅっ…!!きゃっ!!?ご、ご、ご、ごめんなさい!!」


「いえ…大丈夫ですよ蔵石先生。」


授業の道具を抱えて下を向きながら廊下を走り歩く閑香は、黒深子とぶつかり道具を落としてしまう。それを拾いながら黒深子に謝る閑香。そしてそのまま職員室へ向かおうとするが…


「あの…涙声になってるんですが、どうかしましたか?」


「な…なんでもあり…ませんよ…。」


自身の様子に異変を感じた黒深子に呼び止められる。しかし、仮にも教師として生徒に泣き顔を見せられず、異常は無いと言ってその場から離れようとする。が…


「あっ…!!きゃああぁぁっっ!!?」


突然不良風の男子生徒に足を引っ掛けられ、転倒してしまった。


「あぁいたんスか蔵石先生。影が薄くて分かりませんでした〜。」


その男子生徒は、わざと足を引っ掛けておいて転んだ閑香に嘲笑いながら悪びれも無い態度を取る。


「ちょっと貴方!!今わざと蔵石先生の足を引っ掛けたでしょ!!先生に謝りなさい!!」


その態度に黒深子は怒り、男子生徒に指を差しながら閑香への謝罪を求める。


「うわ〜出た出た生徒会長さんの説教。すいませんっした〜。これで良いッスよね?んじゃ。」


「まっ…待ちなさい!!そんな謝り方で良い訳無いでしょ!!」


明らかに誠意が籠っていない謝罪をした男子生徒はそのまま立ち去って行く。当然そんな態度を許せない黒深子は誠意ある謝罪を求める様呼び止めようとするが、閑香は彼女の肩を掴みながら宥める。


「白石さん!!も、もう良いんですよ…。」


「でも先生!!」


「…先生がこんな目に遭うのは、皆自分が駄目でどんくさくて暗いせい…。でも、こんな私の味方になってくれる優しい生徒が居るだけで十分よ。ありがとう、白石さん。」


「…先生は駄目な先生じゃありませんよ。だって、前に具合が悪くして倒れてた生徒を保健室に運んであげてるのを何度か見かけたんですよ。そこまで生徒の事を考えてる優しい先生が他にも居て嬉しいです。」


「白石さん…。」


自分を駄目な人間だと卑下する閑香に対し黒深子は首を横に振り、生徒の為に動ける素晴らしい教師だと笑顔で言う。


「そんなの教師…人間として当然の事じゃないの?」


そこへ、閑香の背後から七花が腕を組みながら鋭い目付きをしたまま近付いてきた。


「いっ…井原さん…。」


「さっきあんたの情けない悲鳴が聞こえてたから様子を見てたけど、やっぱ心底情けなかったわね。」


「……!!」


「足引っ掛けられてそれをやった生徒を叱れず、その事で生徒に慰められる。あんたには教師としてのプライドは無いの?」


と、またしても閑香の醜態をずけずけと半分怒り、半分呆れ口調で罵る七花。それらが全て閑香の心に突き刺さり、彼女はまたも涙目となる…。


「いい加減にしなさい!!そんなきつく言う必要は無いじゃない!!先生皆が皆、完璧な人間じゃないのよ!!」


七花の閑香を見下すかの様な発言に黒深子は怒りを募らせ、彼女に注意し出した。


「はっ、そうやって生徒に守られる様な軟弱教師から物を学びたく無いわ!!塾で習ってた方がマシよ。」


「……っっ!!」


挙句、教師失格とも取れる暴言を吐く七花に対し、彼女の頬を強く叩く黒深子。その光景を目の当たりにした廊下にいる他の生徒達は凍り付いた表情でそれを目撃する。


「……何すんのよ!!」


「先生に謝って…謝れ!!」


当然七花は叩かれた頬を押さえながら黒深子を睨み付けて怒りを露にする。黒深子も閑香に謝罪する様彼女に大声で怒鳴る。互いが睨み合い、一触即発の状態になっている時…


「ご…ごめんなさい…!!私のせいで…ホントごめ…ごめんなさ…!!」


「……!!」


「あっ、蔵石先生!!」


「ふん…!!」


自分の性格のせいで七花と黒深子が喧嘩になってしまった事に、人目を憚らず涙を流しながらその場から颯爽と去る閑香。黒深子が呼び止めようとする中、七花はやや複雑な表情をしながらツンとその場を去って行く…。




「うぅっ…何で私はこんなに駄目な性格なの!!?何で「悪い事は悪い」って生徒にはっきりと叱る事が出来ないの!!?」


校舎の裏側でしゃがみ込みながら涙を流して、己の弱い性格を嘆く閑香。こうして生徒の見えない所で自分の欠点を指摘された事でよく泣いていたのだ。軈て泣くのを止め…


「変わりたい…こんな弱い自分を変えたい…!!変わりたい…変わりたい!!」


大声で今の自分との決別を宣言する。するとその瞬間、彼女の目の前に黒い「傷」の様な物が出現し、そのから一羽の全身が真っ黒い首と胴体の部分に白い横線の様ラインが特徴の鋭い目付きをした鳥が飛んで来た…。


『カワリタイ…コンナヨワイジブンヲカエタイ!!カワリタイ!!カワリタイ!!』


「な…何この鳥…もしかして…鸚鵡…!?」


その黒い鳥は、先程の閑香の叫びを甲高い声で不気味に何度も叫んでおり、その特徴から閑香は鸚鵡だと判断する。しかし、「傷」からはまだ何者かがやって来る…。


「おやおや?女性に涙は似合わない…。お困りの様でしたら…私めに御相談をして下さいませ…。」


上から灰色のシルクハットに赤い蝶ネクタイに黒いスーツを着た、閑香から見て左から灰、赤、黒色と不思議な色をしたオールバックに鳥の如く鋭い目付きをした紳士風の男性が現れ、彼女の心の叫びについて尋ねる…。




―深夜



「なっ…何だよこれは…!!?何でなんだ…!!?」


とある工事現場近くの歩道を、あの閑香に足を引っ掛けて転倒させた男子生徒が只ならない表情で歩いている。端から見れば何の問題も無い様に見えるが、何故か現場の方へバリケードがあるにも関わらずそれを倒しながら向かって行き、作業途中である周りにゴツゴツした大きめの石や螺が飛び出している大きな「穴」の方へと進んでいく。しかし、少年はそれを足を止めようとはしない。何故なら…


「足が…身体が勝手に動く…よせ、止めろ…そのまま行ったらヤバイだろ!!?止まれよ…止まれよ!!俺の足!!」


「止めらない」のではなく「止まれない」のであった。どんどん穴へと近付きつつあり焦り出す生徒は腕で足を殴るが、それでも足が止まる事は無い。遂に穴まで一歩手前に近付くと…


「やっ止めろ!!誰か…誰かああああぁぁぁぁっっっっ!!!!うわああああぁぁぁぁっっっっ!!!!」


助けを求める彼の意思とは関係無くそのまま力が抜けたかの落ちていく…。


『フフフ…先ず先ずな「出来」でしたよ…。』


上空からその様子を、全身が真っ黒い額が灰色、右目が赤、左目が黒の三つ目の鸚鵡を模したリンキュバス「パロペット・スカイミテイト」が翼を広げた状態で冷笑しながら見ていた…。

はい。てな訳で今回は私の苦手属性、ツンドラorツンデレな女子を登場させました!!ツンデレ好きの読者様には申し訳ないんですが、私はっきり言ってツンデレは苦手なんですよね。好意があるくせに反対の行動を取るのを見てると、かーなーり歯痒い気持ちになるンスよ。(^_^;)


…話がズレてすいません。それを敢えて入れたのは、「自分好みの属性(ヤンデレ)だけでなく他の読者様の好みの属性をも取り入れよう」と言う考えの元でございます。まぁ、ただの自己満足ですけどね(T_T)


今回登場したツンデレ少女・井原七花(いはら・ななか)の毒舌ぶり…私なら泣く自信があります。(何の自慢だ)外見は「テイルズオブヴェスペリア」のリタ・モルディオのゴーグル無しをイメージしたもので、イメージキャストは同じく森永理科さんです。


そして、そんな彼女に泣かされまくった暗い女教師・蔵石閑香(くらいし・しずか)。「名は体を現す」の諺通りの見た目や性格です。何かこんな感じの先生もいるんじゃないか、と思って作成しました。(^_^;)


次回はちゃんとバトルがありますので、今回バトルを楽しみにしていた皆さん、もう暫くお待ちくださいませ!!m(_ _)m

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