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LINK16 最高最善に始まる1日×橙瞳教師への悪しき反意=最低最悪に終わる1日

今回は割りと早めに更新出来ました!!次以降もこの感じのペースで進めたい物です。


予告通り、闇影がメインです。 


それでは御覧下さい。

「······!!」


ある日の土曜日の深夜···デスクの電灯のみ照らし、それ以外真っ暗な部屋に1人の人物がデスクに置かれたある物を目にし···


「あの日受けた屈辱···!!絶対に···許さないっっ···!!」


片手に持っていた鋭利なナイフの刃を煌めかせ、それをある物···とある人物から何らかの屈辱を受けた過去があり、怨みと殺意を籠めて、その人物が写った写真目掛けて勢い良く力強く振り下ろして貫いた···!!


「絶対に···許さない···煌闇影···!!」


とある人物···煌闇影の写真を···。




ー皇魔ヶ黒市(おうまがこくし)



「やっと来るべき時が来たぞ···年に1回の究極の祭典・プリンフェスがっっ!!」


本日日曜日にて、袖無しの黒いダウンベストを着込みダークブルーのデニムシャツとグレーのズボンと今風の普段着の闇影は、 間導市の隣にある皇魔ヶ黒市で年に1度開催される全日本各地のスイーツ店が集まる祭典「プリンフェス」の会場に辿り着き、「待ってました!!」と言わんばかりに喜びを隠さずテンションを上げる。


「済まないな諸葉。なんか俺の好きな物に無理矢理付き合わせる形になっちゃって。」


「無理矢理だなんてとんでもありません。私は兄さんとデート出来るなら例え三途の川でも憑いていくつもりですから♪」


「そ···そう···。」


折角のデートにこのプリンフェスなる自分の好きな場所に選んだ事を詫びる闇影だが、緑色のリボンをツインテールに巻き、薄いライトオレンジカラーの剣模様が特徴の紫色の長袖ワンピース姿の諸葉は特に気にしておらず、寧ろ彼とのデートならば三途の(しごのせかい)でもウェルカムオッケーと言う、本気に聞こえそうなブラックジョークで返されドン引きする。


「今思えば···この日の為に俺はあの地獄を耐え抜いて来たと言っても過言では無い···!!」


「え···えぇ···そうですね···。」


先程までの喜びから一度真剣な表情になった闇影は、このプリンフェスの為に「地獄」を耐え抜いたと語り出し、その事情を知る諸葉は先程とは逆に引きつった顔で返事をする。


「そう···全ては···一ヶ月前···!!」


どうやらその「地獄」とやらは、プリンフェス開催の一月前から始まっていたらしい。彼の語る「地獄」、それは···




「うっ···くっ···駄目だ···此処で誘惑に負ける様では真のラー油プリン信者として死ぬんだ···!!ぬああああぁぁぁぁっっっっ!!!!」


一ヶ月前···普段毎日足を運んでいるスイーツ店「DE・LIGH(ディ・ライ)」の店内の端っこにある不人気スイーツ・ラー油プリンを何時もの様に全て買い占めようとする闇影だが、プリンフェスで思う存分喰らうべくそれを止め、血の涙を流しながら絶叫、爆走して店を通り過ぎた。


「どした青年。俺に譲ってくれるんじゃないの?」


「うっ···くっ···ああああぁぁぁぁ···ああああぁぁぁぁっっっっ···!!!!」


二周間前···習慣になったのかDE・LIGHに足を運んでしまった闇影は、偶然出会った真輝人に店内のラー油プリン全てを譲るべく、身体を大きく震わせながら片手で「どうぞ」と案内した後、歯を軋ませ血の涙を流しながら力強く、そして震えた手を膝に添えたままゆっくりと地面に崩れ落ちる。


「うっ···うああああぁぁぁぁっっっっ!!!!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさ···俺は···何て···事を···!!許して···許して下さっ···!!」


「大丈夫ですから···。兄さんは何も悪くありませんから···。だから落ち着いて下さい···ね?」


そして一週間前···ラー油プリンを断食し過ぎたせいで何やら「ベレー帽の中年男に冷たく見下ろされる」と言う意味不明な幻覚を見る程精神が病んでしまった闇影は、突然泣き出しながら土下座して呪詛の如く赦しを乞う様に詫び続ける事態となり、諸葉はそんな彼を自分の膝にすがらせて落ち着く様促しながら頭を撫でて優しく慰めた···。




「あの地獄程···死ぬより辛い物は無かった···。だから俺は今日!!思う存分喰らい尽くしてやるっ!!」


「(私は兄さんの望む事ならどんなに淫らな事でも受け入れる所存ですが···あれは別です。)」


要はプリンフェスの為に普段のラー油プリンを断食しただけに過ぎないしょうもない「地獄」の日々を瞼を閉じながら思い返す闇影(バカ)を余所に、諸葉はその一面のみは理解し難い物だと内心冷めた感想を述べるが···


「(でも···私に泣き付く兄さんを見てて凄くゾクゾクしちゃいましたぁ···。もし取り上げたら私にどんな事をするのか···試したくて仕方ありません···ふふ♪)」


一方で幻覚に苦しむ程ラー油プリンを食えず、自分に泣きすがった闇影の姿に嗜虐的な感情が芽生え出し、「目の前でラー油プリンを取り上げるか破棄したら自分に如何なる仕打ちを下すのか?」と言う変態的な実験を不気味に嗤いながら考える。


「よし!!早速行くぞぉぉぉぉっっっっ!!!!」


「···って、足速過ぎですよ兄さん!!」


そんなアホな事にトリップしている間にラー油プリン全てを喰らわんと爆走する闇影を見て我に返った諸葉は、その後を急いで追う。




ー九州地方・極熱(ごくねつ)ぷりん



「遂に辿り着き···あ!!」


「よっ、青年。今日の神斬とのデートは此処に選んだのか。」


「魔霧先生···!!」


遂に目的のラー油プリンを喰らうべく、九州地方のスイーツ店、赤と橙色の炎で囲った店名が特徴の「極熱ぷりん」の出店に到着した闇影と諸葉は、真輝人とバッタリ出会う。


「あんたも来てたのか。ま、来るんじゃないかなと思ってたから別段驚きはしないけどな。」


「そりゃ来るさ。俺だってこの日を楽しみにしてたんだし。」


真輝人も此処のラー油プリン目当てでプリンフェスに参加した辺り、闇影程の中毒者では無いが彼もまたラー油プリン愛食者である。因みに普段の闇影は自分より目上の人間には敬語で話すのだが、真輝人の様にそれなりに付き合いが長い者には対等な話し方になる。無論、校外限定である。


「良く来たなぁぁっっ!!お前達が私の店初の客人だなっっ!!歓迎するぞっっ!!」 


「おわっ!!吃驚したなぁ···!!」


そんな他愛の無い世間話をしていると、極熱ぷりんの店主が腹の底から出した様な大声で、それも何故か尊大且つ豪快なな口調で初の客である闇影(と諸葉)と真輝人の来客を歓迎した。あまりに突然だった為驚く闇影だが···


「お久し振りですね店主。」


「ほう···誰かと思えば魔霧じゃないか。」


「御無沙汰してます。」


何故か真輝人は全く動じず、赤と橙色が混じった炎の様に逆立てた髪に灰色の瞳をした鋭い目付きをした、大きな胸が目立つオレンジのタンクトップの上に同じく炎をイメージした模様が入った紅色のジャケットを着込み、それを袖捲った女性店主・紅導蓮火(くどう・れんか)と挨拶を交わす。2人の口振りから旧知の仲の様だ。


「知り合いなのか?」


「ん?覚えてるか青年。お前が3年の時に行った修学旅行を。」


「修学旅行···!!あぁっっ!!九州の···!!」


真輝人と蓮火の接点···それは7年前、即ち闇影が高校3年生の時に訪れた九州の修学旅行の際に現地で極熱ぷりんの存在を知り、当時担任だった真輝人の食べっぷりを気に入った彼女と意気投合し、今でも時たま九州へ足を運んで会う程の仲となったのだ。


「そうだ···あの日からだったんだな。俺がラー油プリンを愛する様になったのは···!!」


それと同時に、闇影がラー油プリンを病的に愛する切欠となったのも極熱ぷりんがその起源となったからである。それを漸く思い返した闇影は、感傷に浸る様に天を仰ぐ。


「さて···長話はそこまでにしてだ···貴様達、私の作るラー油プリン···『マグマプリン』を存分に喰らわせてやろうっっ!!覚悟は良いか!!?」


「「出来てるよ(ます)···!!!!」」


闇影や真輝人のラー油プリンに関するどうでも良い裏事情の話を終えると、蓮火は自身の作るプリンの上から溶岩の如く、彼女自作の食べれるラー油が溢れ出るプリン「マグマプリン」を食する覚悟を問うと、2人は何故か顔の近くで片手を斜めに構えてクールな台詞を語り出す等、無駄に格好つけた言動を取る。


「何なんですこの展開は···!?」


完全に置いてきぼり状態の諸葉は、良い歳こいた25歳児(みかげ)と37歳児(まきと)の理解不能でアホ過ぎる光景を目にし、冷めた目で今の自分の心境をどうにか口に出した。




「ふぅ···食った食った♪諸葉はどっか食べてみたいプリンはあるか?あったら遠慮無く良いなよ。」


「え···えぇ···。」


別の出店に向かった真輝人と共にマグマプリンを山程喰らい、果ては持ち帰りまでして大満足の闇影は、先程の光景に引いている諸葉に別の出店で気になるプリンが無いかを尋ねていると···


「ん?イチゴジャムが入ったマンゴープリン『黄昏プリン』だって?中々興味深いな···でもかなり並んでて時間掛かりそうだけど此処にする?」


「構いませんよ。」


栃木のスイーツ店「ジーオ」が出品する未知なるプリン···「黄昏プリン」に興味が引かれた闇影は、諸葉と共に黄昏プリンを求める客達が並ぶ長蛇の列に並ぶ。因みに極熱ぷりんは他の店とは違い、あまりの人気の無さで客が少なく、目立った客は闇影と真輝人のみとだったと言う。


そんなこんなで列で待つ事30分···。


「やっと順番が回ったか···すいません、黄昏プリンを二つお願いします!!」


「黄昏プリン二つですね!少々お待ちください!店長!黄昏2お願いしまーす!!」


「黄昏2···了解だ!!」


「ん?今の声···どっかで聞いた様な···!!?」


漸く番が回り黄昏プリンを注文する闇影だが、応対したジーオの店員のオーダーの声に返事した店長の声に聞き覚えがあり首を傾げる。


「ん~···あっ!!伊田店長!!」


「ん?確かに伊田だが···何処かでお会いしましたか?」


角刈り頭に髭を生やし、赤い時計の針を模した模様が入ったライトオレンジカラーのポロシャツを着た体格の良い30代男性店長がステーキハウス「DAY・BIRTH・DAY」の店長・伊田と全く同じ顔である事に気付いた闇影だが、当の本人はまるで初対面の様な口調で返す。


「そんなボケは要らないって。何、あんた何時の間に栃木にも店を出してたのか···全然知らなかったぞ。」


しかし、普段から自分に対して余計な小ボケを放つ事から、闇影は「初対面のフリをしている」のだと思い伊田にツッコみ、「栃木に新店舗を開店した」事は初耳だと続ける。


「いや、だから本当に知ら···!!そうか、君が『煌ちゃん』なのか。『兄貴』が良く話していたな。」


「えっ···兄貴って···まさか貴方···!!?」


「ああ、私は伊田鶯嘛。君の知る信明の弟だ。」


「エェェェェッッッッ!!!?弟さんんんんんっっっっ!!!?」


話の口振りから兄である信明と勘違いしていると悟った伊田···もとい、その弟である鶯嘛(おうま)はその素性を明かし、それを聞いた闇影は目玉と脳味噌がすっ飛ぶと言う、漫画みたいなリアクションで驚く。良く見ると信明は顎に髭があるのに対し、鶯嘛は口許にハの字の形で生やしている。


「す、すいません!!余りにも似てましたのでつい···!!」


「いや、良いんだ。身内以外が見たらそうなるのは自然だからね。」


信明だと勘違いしていた事を詫びる闇影に対して、特に気にする所か僅かに違える部分を除けば他人なら勘違いしても不思議では無いと、きちんとフォローしながら手際良く調理し、完成させた黄昏プリンを箱に詰める鶯嘛だが···


「ん?あの···二個しか頼んでないんですけど。」


「ああ、良いんだ。兄貴との知り合いならばサービスしとかないと。それに、さっき勘違いさせちゃったからそのお詫びも含めて、ね。」


「(良い人過ぎるにも程がある(ります)···!!!!)」


注文したのは2個なのに倍の4個を箱詰めしだしたので直ぐに訂正する闇影。しかし、信明(あに)の店の常連且つ知人であり、その兄と勘違いさせた事による詫びも籠めてのサービスだとしれっと語る鶯嘛(おとうと)の生真面目過ぎる態度に、2人は心中ツッコむ。




「いや~ホント吃驚だな。まさかあの店長にあんな真面目な弟さんが居たなんてね。」


「意外な場所で意外な方に会うなんて確かに驚きですね。」


「この調子だとまた誰か知り合いと会ったりして。」


ジーオの出店を後にした闇影と諸葉は、このプリンフェスにて自分達の知人やそれに繋がる人物と立て続けに出会う確率の高さについて話し出し、次も誰か知り合いと出会うのか、そう冗談めかして口にすると···


「あっ!煌先生!!それに神斬さんも!!」


「げっ···!!」


瓢箪から駒とは正にこの事···普段から休日にデートするのが日課となっている流と深波ともばったり出会う。しかし、深波は折角の休み(デート)に悪事を働くリンキュバス以上に会いたくない闇影と出会ってしまった事に顔を顰めて露骨なまでに嫌な表情をする。


「まさか此処でもお前達と会うとは···。二人でデートか?」


「え、えぇ···まぁ。煌先生も神斬とデートですか?」


「へっ?いやいやいやいや、今日は俺の行きたい場所に一緒に来てもらっただけ···「見たら解る事でしょう?」···って、ゑ!?」


流から自分同様に諸葉とデートをしている事を尋ねられる闇影は、如何に幼馴染みとは言え教師と生徒が密接な関係である事を露見するのは体面的に良くないと感じ、「付き添ってもらってるだけ」だと下手に誤魔化すが、当の彼女はそれを挑発的にあっさりとバラしてしまった事に虚を取られ、間抜けな声をあげて驚く。


「へぇ、これは面白いネタを掴んだわ。『男性高校教師、女生徒との禁断の恋愛』ってね♪」


「おい、深波···!!」


「それで夜は『保健体育』の特別授業ですかぁ?クククク···!!」


それを聞き元より闇影を疎ましく思っていた深波は、彼等の密接な関係を「弱み」として握りここぞとばかりに嫌味ったらしい笑みを浮かべてからかい、流から制止されながらも「夜は保健体育の特別授業をしている」と好き勝手な邪推をぶつける。


「······それがどうかしましたか?」


「いや、邪推(それ)否定して頂戴よ!!俺何も手ぇ付けてないからね!!?」


「夜は保健体育の特別授業を受けている」と自分だけでなく闇影をも侮辱する深波の邪推に対し激怒するどころか、逆にドヤ顔でまたしても挑発的に肯定する諸葉に、「俺は誰もヤってねぇ!!」と言わんばかりに否定の意を全力で叫ぶ闇影。


「私達は幼い頃から身も心も一つとなる程、互いに愛し愛されている間柄なんですよ。お二方みたく盛りのついた獣みたいな愛とは天と地···いいえ、比べるだけ無駄なくらいの差があるんですよ。お解りですか?」


そんな闇影の必死な言葉をガン無視し、身も心も「BE THE ONE」した恋仲だと根も葉も茎も種すら無い(うそ)をベラベラ話す諸葉は、愛しき(みかげ)を多少は侮辱された意趣返しとして、流と深波との恋仲を盛りのついた獣···ぶっちゃけると「ヤりたいだけの仲」で自分達のそれとは比べるだけ無駄だとこれでもかと思うくらい扱き下ろした。


「おい諸葉···幾らなんでもそれは言い過ぎ···!!?」


「···あんた···いっぺん痛い目みたいと解らないみたいねぇ···!!」


「わぁぁぁぁ~ちょ、ちょ、ちょと待て深波!!」


事情を知らぬ事とは言え、人間とリンキュバスの仲を扱き下ろす···自分達との絆を侮辱する諸葉を諌めようとする闇影だが、時既に遅し···。これにブチ切れた深波は慌てて止めようとする流に手を掴まれながらも静かに怒りながら据わらせた目で睨む等、普通のそれとはヤバすぎる表情をし、本気で彼女を殺そうと近付こうとするが···


「あ、諸葉!山梨の『玄龍(げんりゅう)』の出店で『蒲萄のババロア風プリン』ってのがあるぞ!!ほらお前、蒲萄系のデザートが好きだろ!?ささ、早く行こ行こ!!」


一触即発な雰囲気から血を血で洗う争いへの発展を防がんとする闇影は、その回避策として咄嗟に諸葉の好物の蒲萄のババロアに似たプリンが売ってる出店に向かわんと彼女の手を引いてその場から立ち去って行く。


「あっ···待てやゴラァァッッ!!!!明日見かけたら絶対締め上げるからなっ!!おい!!シカトしてんじゃねぇぞっ!!」


「落ち着けって深波!向こうも言い過ぎだけど、元はと言えば最初に2人を悪く言った君が悪いんだからさ。」


「それは···あぁぁぁぁ···やっぱムカつく!!」


「解った解った。今日は君の好きなヤツでやってあげるから機嫌直して···な?」


「···チッ···わかったわよ···!!」


直前で無理矢理争いを止められながらも立ち去る闇影と諸葉に向かってヤンキーの如く荒い口調で彼等を恫喝する深波だが、流から最初にちょっかいを出した自分の方に非があると諭され一旦は理解しかけるも怒りは収まらないが、彼から「夜のガッタイム」は自分の好きな方法(プレイ)で構わないと持ち出されると、渋々とした表情で舌打ちしながら漸く怒りを鎮める。


「ふぅ···。煌先生が神斬さんを引き離さなかったらどうなってた事やら···!!」


「···ねぇ流、こないだの事何だけどね。」


「こないだの···?ああ、鏡神や井原が巻き込まれた事件だろ。どうしたんだいきなり?」


あの場で諸葉を連れて離れた闇影の機転もあってどうにか争いが回避された事に安堵する流に、深波は突然こないだの事···ペギーア・アイスキャムと魔契者の鳥海が竜駕と七花を巻き込んだ事件の話題を出す。


「流は茨女から聞いたあの変態の動きから、黒凰の正体は彼奴だって思ったんでしょ?」


「ん?まぁ···正直一瞬そう思いかけたけど、直ぐにその考えは捨てたよ。」


付き合いがそれなりに長く流の考えを察知した深波は、七花からの又聞きとは言え、様々な要素から竜駕が自分達の敵である黒凰の正体だと疑った事を指摘する。それに対して一時はそう考えたと認める流だが、態々人間の身のままで戦う必要は無い事から直ぐ様否定した。


「その正体なんだけど···心当たりがあるの。」


「え···!!?」


流の推測とは別のそれを考えていた深波は、黒凰の正体の人物について思い当たる事があると衝撃的な事を話し出す。その心当たりについて打ち明けようと彼女が口を開こうとするが···


「何だとコンニャロメェェェェッッッッ!!!?」


「な、何よ今の間抜けなキレ方!?」


「あっちの方から聞こえたな···行ってみよう!」


自分達の居る場所から離れた所で誰かと誰かが言い争っているのか、大声で間の抜けた台詞で叫んでいるのが聞こえた為、何事かと思った流と深波は、一旦話を中断して大声のする方向へと向かう。




謎の騒ぎが起こる数分前···



「ふぅ···。諸葉、何で海噛にあんな事言ったんだ?」


「私は間違った事を言ってません。先に突っ掛かって兄さんの悪口を言った向こうが悪いんです···!!」


流同様に争いを回避出来た事に安堵する闇影は、諸葉の手を引きながら深波に喧嘩を売る様な口の利き方をした事を咎めるが、反省するどころか自分だけでなく彼をも侮辱した彼女に非があると返される。


「それはそうだけ···ど!!って···すいま···あ!!」


「いや···別に良···って···?」


歩きながら話す事に夢中で思わず二人組の内の一人とぶつかってしまった闇影は直ぐ様その相手に詫び、ぶつけられた先方も大して気にしていないと互いに顔を見合わせると···


「勇騎君じゃないか!!久しぶり!!」


「お前···煌か?」


ぶつかってしまった相手がグレーカラーのベストにダークレッドカラーのネクタイと黒のスラックス姿に、白銀色のショートヘアに水色の眼鏡をかけた黄色い瞳の鋭い目付きと、中性的な顔立ちをした青年・勇騎陽色(ゆうき・ひいろ)だと知った闇影は、驚きながら喜び出す。彼もまた津凪高校のOBであり、闇影の嘗てのクラスメイトである。


「いや~こんな所で会うなんて驚いたよ!」


「お前が来るのは想定内だったが、お前の変わらない馬鹿面を見る事になったのは想定外だったよ。」


「兄さん、どなたですか···!!?」


「はい、怖い顔しない!彼は勇騎陽色、高校の時の同級生だよ。」


「同級生の方でしたか。」


「そ、つまり彼もお前の先輩。んで、家が有名なお医者さんで今はそこの院長なんだって。凄いだろ?」


高校以来の再会時の会話の中で闇影を「馬鹿面」呼びする陽色に眉を顰めて敵視する諸葉を宥める馬鹿面(みかげ)は、彼が高校時代の同期であり、今や実家でもある間導市の有名な病院「魔真(ましん)大学附属病院」の院長を務める立派な立場だと説明する。


「陽色さん、此方の方達は?」


「院長と呼べ。高校の時のクラスメイトで今はそこの教師をやっていて女生徒と同棲している。」


共にいた緑色の髪をしたサイドテールに、真っ白なブラウスと赤いロングスカートと黒いブーツが特徴の女性・仮蟷裂希(かとう・さき)は闇影(と諸葉)の関係を陽色に問うが、名を呼ばれる事に眉を顰め、「院長」と呼ぶように訂正しながら何故か先程以上に素っ気ない態度で彼等を簡潔に説明する。


「ちょっと待て!?誤解を招く様な発言は慎んでくれない!?預かってるだけだからね!?」


「そうですよ!同棲じゃなくて婚約予定の関け···んんっ!!?」


「お前は黙ってろ···!!いや、ただの幼馴染みだよ!!あっ···はははは!!」


しかし「諸葉と同棲している」と、陽色の恣意的な説明(事実だが)に対して闇影は預かってるだけだと全力で否定し、それに追い討ちを掛ける様に更なる誤解を招く発言をしかける諸葉の口を塞ぎながら彼女とは幼馴染みの関係だと苦笑いをして釈明する。そうした行動が逆に怪しまれるのだが。


「そ···それより勇騎君、君もこんな美人と一緒で···もしかして恋人か?」


「あら、解りました?今日は陽色さんがどうしてもこのフェスタに行きたいって仰ってたので♪」


「馬鹿も休み休み言え。折角の非番に僕を無理矢理引っ張っただけだろ。」


闇影から恋仲だと尋ねられ笑顔で肯定する裂希の言葉を否定する様に、陽色は非番の日に無理矢理プリンフェスに連れてこられたのだとまたしても素っ気無く語る。


「あら?『納豆プリンがある』って聞いたら直ぐに態度をお変えになったのは何方でしたっけ、『Dr.HERO』?」


「その渾名は止めろ。大体僕は君とそんなに親しい訳じゃ無い!」


あくまで無理矢理来ただけだと言い張る陽色だが、裂希曰く好物の納豆プリンなる下手物プリンがある事を聞かされ「渋々」と言う形でプリンフェスに来たのが真相らしい。因み「Dr.HERO(ドクターヒーロー)」なるドラマに出そうな渾名は、陽色の名にちなんだだけでなく「あらゆる病魔から文字通り『英雄』の如く患者を救う」事から生まれた物だが、本人はそう呼ばれる事が嫌いらしい。


「おい···今何て言ったんだ···!!?」


「兄さん···?」


今の会話を聞き終えた闇影がまるで豹変したかの様に、突然眉を顰ませ目を鋭くさせる等怒りの表情で陽色を睨み付ける。


「え···?Dr.HEROの事です···か?」


「違いますよ···!!」


唐突に豹変した闇影に動揺しながらも、陽色をDr.HERO呼ばわりした事が気に喰わなかったのだろうと思う裂希だが答えは違った。闇影が怒りを覚えた真の理由、それは···






「まだ納豆プリンなんて下らない物を食そうしてたのかっ!!一体何を考えてるんだぁぁぁぁっっっっ!!!!」




「「······は?」」


陽色が未だに納豆プリンを食していたと言う何ともしょうもない理由だった。それに人差し指で差しながら陽色に対して怒りを爆発させる闇影を余所に、諸葉と裂希は目を点にして呆気に取られた声を出す。


「ホンっと何一つ変わってないんだね!!納豆はご飯とかと一緒に食べる物だろ!?デザート、それもプリンにかけて食べる?はっ!!正気を疑うよ!!」


「(食べられるラー油をかけるのは正気なんだ···。)」


納豆プリン···それはプリンに納豆を、それもたれや辛子をも混ぜた状態でぶっかけると言う小学生以下の悪ふざけレベルの手法で生まれた下手物デザートであり、白米やらトーストにかけて食らうのが基本なのだが、それをプリンにかけて食らう陽色の感性に対して「正気じゃない」と、諸葉から「あんたはどうなんだよ」的な疑問を抱かれている事に気付いていない闇影は、両手を「ひ」の字に広げた大袈裟な態度でここぞとばかりに捲し立てる。


「···この際だからはっきり言わせて貰う。お前や魔霧先生もそうだが、あんな身体に悪い物を『美味い』とかほざいて食らい続けている馬鹿に付ける薬はナッシングだ。」


売り言葉に買い言葉···納豆プリンを貶された事にカチンと来た陽色は、食べられるラー油をプリンにかける食べ方は不健康だと断じ、それを続けている闇影と真輝人に付ける薬は皆無(ナッシング)だと、冷静に医者らしい言葉でラー油プリン及び彼を罵倒する。




「何だとコンニャロメェェェェッッッッ!!!?」


騒ぎの原因···ラー油プリンと納豆プリン、双方の下手物(こうぶつ)を侮辱された事による闇影と陽色の下らなすぎる理由の口喧嘩だった。自分だけならまだしも、ラー油プリンだけでなく真輝人(おんし)をも侮辱した事でヒートアップした闇影は先程の間抜けな言葉を叫びながら怒りのままに陽色に殴り掛かろうとするが···


「ふん···!!」


「えっ···うわっ···ぶっ!!?」


「兄さん!!」


「ド阿呆が···。」


余りに真正面から向かって来た為あっさり避わされ足をかけられてバランスを崩し、地面とキスする形で顔面ごと派手に転倒してしまった挙げ句、冷たく罵倒の言葉を吐き捨てられる結果となってしまう。


「ペッ···ペッ···!!コンニャロメがぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」


諸葉から抱き起こされながらも立ち上がって口に入った土を吐き出すと、再び間抜けな言葉を叫びながら陽色に突っ掛かろうとする闇影だが、周囲の他の客達に羽交い締めされる形で止められ、更に警備員に駆け付けられる事態にまで発展しても尚、彼の暴走は止まらなかった。


「あ~あ、先生が騒ぎ起こしてどうすんだよ。なぁ、深波···?」


周囲の人混みをかき分けながらも現場を目撃した流は、先程深波と諸葉の血を流すであろう喧嘩を直前で止めた身でありながら今度は自身が下らなすぎる原因で喧嘩沙汰を起こそうとする闇影に呆れ、深波に同意を求めようとするが··· 


「······。」


普段なら「騒ぎの中心で馬鹿を叫びたがるアホ先公」だと冷ややかな毒を吐く筈なのだが、警備員に連行される闇影の方に何故か無言で視線を向けていた。


「どうしたんだよ深波···深波!!」


「はっ!!あぁ、ゴメンね流。(アイツ)のあまりのアホぶりに思わず呆けちゃったわ。」


何らかの理由で闇影の方へ視線を向ける事に集中し過ぎて流から声を掛けられている事に気付かず、大声で再度呼ばれて漸く我に返った深波は、あまりの下らなすぎる喧嘩原因に呆然としたと返事が遅れた事を詫びる。


「?それなら良いけど···。」


「ホント···ゴメンね。」


自分からの声に必ず直ぐ反応する筈の彼女らしかぬ態度に首を傾げながらも納得する流を余所に、深波は闇影の姿が見えなくなっても尚、彼の連行された方向へ目をやり続けていた。


「敵」を睨み付けるかの様な視線を···。





「はぁ···また同じ事で警察に連れていかれるなんて、我ながら良い歳して大人気無い。」


「また···って、前も同じ騒ぎを起こしたんですか···!?」


その夜、あの後皇魔ヶ黒署に連行され厳重注意を受け、今しがた開放され帰宅中の闇影は、()()()()の世話になってしまった事を猛省する中で、以前のプリンフェスでも同じ騒ぎを起こしていたと言うトンデモ過去をさらっと明かし、諸葉に突っ込まれる。


「どうも俺は昔から頭に血が昇ると後先考えなくなるんだよな···。」


闇影は基本的に穏和な性格で怒鳴る事は殆ど無いのだが、自分の中でどうにも許容不可な物事を目にした際、今回の様に頭に血が昇り感情的になり易くなるきらいがある。昔からそうした悪癖を持つが故に起こさなくてもいいトラブルを起こしている闇影は、そんな自分を情けなく思い暗い顔で落ち込む。


「でも···そうした真っ直ぐな所があるから、色んな場所で色んな方と友好を結んだり、他の生徒達に慕われているんじゃありませんか。少なくとも、それが出来ない私はとても羨ましく思います。」


「諸葉···ありがと。」


しかし、裏を返せば非常に素直で自分が思った所を包み隠さず話し、他人と対話するコミュニケーション能力が優れているからこそ、様々な人間と絆を結ぶ事が出来るのだと励ます諸葉の言葉に、闇影は少し顔を明るくして小さな笑みを浮かべて感謝する。


「なので今夜はそれが乏しい私のコミュニケーション能力上昇の為に深夜の『特別授業』を···!!」


「するかっ!!···ふふっ···。」


「うふふっ···。」


此処で終われば最高なのに、引っ込み事案な自分のコミュニケーション能力アップを建前に夜の「保健体育の特別授業」を受けさせようといらん事を画策する諸葉に即効でツッコむ闇影だが最早何時ものやり取りなのか不意に笑いが溢れ、彼女も釣られる形で笑い出す。こうして本日は最高最善の1日を終える事が出来る。誰もがそう信じていた···。




那烙(ならく)公園



「はぁ···はぁ···み、深波···もう···良いだ···あぅぅっっ···!!?///」


「だ~め。今日は日付が変わるまで外でたっぷり搾ってアゲル♪」


芥磨荘付近の公園にある、ベージュカラーの数ヵ所に穴が開いたドーム状の遊具の空洞内にて、深波はその豊満な胸を放り出した状態でしゃがみこみ、流の放り出された下半身の「バベルタワー」を挟み、その先端を丹念に舐めると言う平常運転(みだらなこうい)をヤらかしている。日付が変更するまでこの行為を続ける(無論帰宅後もガッタイムあり)と妖艶な笑みを浮かべながら告げ、「意見は求めん」と言わんばかりに再び流の「バベルタワー」に食い付こうとした時···


「ギィアアアアァァァァッッッッ!!!!!!!!」


「うわああああぁぁぁぁっっっっ!!!!!!!?」


「きゃああああぁぁぁぁっっっっ!!!!!!!?」


「!!な···何だ今の悲鳴はっ!!?」


「ちっ···誰よこんな夜中に大声出す非常識な奴は···!!」


突如此処より遠く離れた場所から三人の悲鳴が聞こえた為、流は急いで脱がされた下着やズボンを履き、深波は自分の事を棚に上げた愚痴を舌打ち混じりに溢しながらと、それぞれ身なりを整えてその悲鳴が聞こえた方向へと向かう。




「またどっかのバカがリンキュバスを利用して何かやらかしたのかしら···!?だとしたらそいつは絶対に殺す···!!」 


「まだリンキュバスの仕業だって決まった訳じゃ無いだろ!!」


悲鳴の方角へと走る最中、またもリンキュバスやその力を悪用した魔契者が悪事を働いているのだと予想する深波は、もしもそれが本当ならば自分の「お楽しみ」を邪魔した落とし前を付けるつもりだと憤るが、流はそうとは決め付けず一般的に起きるトラブルが原因の可能性があると考える。


「あっ誰か居る!!そこの人、一体どうしたんです···か···!!?」


「ちょっと、どうしたのよなが···れ···!!?」


現場に辿り着きその場に居る人物に何が起きたのかを尋ねようとする流だが、何故か表情を固くし、深波もその原因である状況を目にすると同じく表情を固くする。二人が目撃したとある状況···背中に横一文字の大きな斬り傷を負い、大量の血溜まりに沈んで絶命し横たわった男性の死体、そして···




「あっ···ぁぁっっ···!!」


「······!!」


「き···煌···先生···!!」


口許を押さえながら涙目で震える諸葉と、男の血で右腕が真っ赤に染まり、返り血をも大きく浴びて無言で佇んでいる煌闇影の姿がそこにあった···。






如何いたしましたか?


今回も前回同様にバトル無し(前回のはバトルと呼んでいいか微妙な所)の日常回であり、今回のメインである闇影の人となり···と言う名の異常なまでのラー油プリン中毒ぶりとその切欠となったエピソードについての全貌が明らかとなりました(^_^;)←死ぬ程どうでもいい

 

闇影と真輝人···もしも某未来人に歴史改変されて(出来るかは不明)戦いに縁の無い世界で出会えれば、きっとあんな下らない事で全力で楽しみ、今の良好な関係を築けているだろうと我ながら確信してします。


闇影がメインと言う事で、様々な初登場キャラが奴と繋がりがある面々がほぼほぼ。その中で穏やかで素直な性格だが感情的になり易く、ことラー油プリンを侮辱する物なら激怒すると言う非情にめんどくさい部分を晒け出しました(^_^;)



紅導蓮火(くどう・れんか)···ICV:皆川純子

闇影と真輝人がラー油プリンに魅入られた始まりの地である九州にある「極熱(ごくねつ)ぷりん」の女店主。名前からして光導者の「影を監視する者」ですが、尊大な態度は変わらずともオッサン二人の食べっぷりを気に入る豪快で気持ちの良い性格となり、本家とは違って彼とは比較的良い関係となりました。



伊田鶯嘛(いだ・おうま)···ICV:小山力也

栃木にある「ジーオ」の店主であり、「DAY・BIRTH・DAY」店主・信明の弟でございます。但し、兄貴とは違いあまり人をいじるタイプではなく真面目過ぎるくらい良い人です。名前や店名からお察しの通り、元ネタは最低最悪の魔王です。黄昏プリンの色合いもそこから出しました(^_^;)←おい馬鹿止めろ



勇騎陽色(ゆうき・ひいろ)···ICV:緑川光

魔真(ましん)大学附属病院」の若き院長であり津凪高校のOBでもあり、納豆プリン愛食者でもあり、闇影のクラスメイトでもあるDr.HEROです。本来ならある理由から「もう一人の目覚める魂」の方を出す予定でしたが、変更して脳内で考案していた「影の世界」版の天才外科医を登場させました。イメージキャストを別格な黒鬼でもある緑川さんにしたのは名前ネタでもありますが、クール系イケメンでプリンが好きな某RPGの人気キャラならこれだ!と言う感じで決めました。



仮蟷裂希(かとう・さき)···荒木香恵

書き忘れてましたが(←おい)魔真大病院の看護士で、陽色の恋人···なのですが、当の本人からはあしらわれる不憫な人···ですが、今回のプリンフェスティバルを餌に陽色を無理矢理引っ張る強かな一面も···?名前のネタ元は陽色の原典と同じ理由です。八人目の選ばれし子供だったり美少女戦士のピンク髪の少女と言えば何とく解ると思います(^_^;)(←丸投げ)


好きなデザートたらふく食って幼馴染みの美少女とデートしたり、恩師や知人の縁者と会ったり、高校時代のクラスメイトと下らない喧嘩したりとリア充で最高最善の休日を満喫した闇影に待っていたのは、最低最悪の事態の始まり···かもしれません。


果たしてこの事件はリンキュバス絡みなのか、それとも···?


次回はきちんとバトルがあり(←凡骨死す!並のネタバレ)、復活キャラも登場予定です!!m(_ _)m

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