LINK10 地味系特待生×女生徒連続失踪事件=魔を超えし狂愛
遂に10話突破しました!!o(^-^)o
今回も危険なエロ描写がありますが、何時もとは違うエロ描写でございます(^_^;)←オイ
―津凪高校・1年B組
「へぇ…海噛さんや奏達とは別の悪魔がいたなんてなぁ…。」
朝のショートホームルーム前…流達魔契者やリンキュバス組のメンバーが何時もの様に流の席の周りに集まり彼と深波の初デートについての話をし、詞音は自分達の知るリンキュバスとは違う…最強の魔神・柳生但馬守宗矩/ヴォルケニックス・グランドバアルの存在を知り感心する。
「ああ。あの人から大昔の次元魔界の話を色々聞かせて貰ったよ。中には、宗矩さん程では無いけど今のリンキュバス以上に凶暴な悪魔もいたんだってさ。」
「今でも凶暴なのがいるけどね。」
嘗ての次元魔界に現在のリンキュバス以上に凶暴な悪魔が存在していた事を聞き、やや嫌みな一言を漏らす七花。深波の方に少し目をやりながら…
「それ、誰の事かしら…!?」
「別に。それで、どんな凶暴な悪魔だったのよ?」
「あ…ああ、そいつはきょ…深波、どうしたんだ?」
当然それにピクリと反応し七花を睨みつける深波と、それを無視して流に話を続ける様促す七花。それに苦笑いをしつつ話を続けようとする流だが、何故か七花に掴み掛からず教室の出入り口の扉を見つめる深波を見て中断し彼女に話し掛ける。
「うん…さっきから誰かに見られてる様な気がしてね…。」
「えっ…!?」
何者かの視線を感じた深波の言葉を聞き、流は教室の扉に向かって走り廊下に出て確認するも…
「居ないか…。」
特に急いで走る者が居ない為、既に立ち去った後の様だ…。
「ホントに見られてたの?」
「本当よ!!それに今だけじゃなく、今朝からずっと…!!」
「…此処じゃねぇけど、最近色んな学校の女の子達がある日突然居行方不明になる事件があるんだ。もしかしたらそれと関係あるんじゃねぇかな?」
七花からは気のせいかと問われるが、視線を感じたのは今さっきの話でなく、家を出て以降ずっとだと訴える深波。それを聞いた竜駕は、この学校以外の様々な学校の女子生徒達が謎の失踪をすると言う事件の話を口にし、それと関連しているのでは?と推測する。
「まぁ…可能性はあるかもな。」
「何か怖い…。」
「次のターゲットを深波ちゃんに定めたと考えれば説明が付くしな…。」
「悪魔の深波を狙う度胸のある奴がいるなんてねぇ…。」
「ちょっと皆待てよ、まだそうとは決まって無いだろ。それに…深波の気持ちを考えてやれよ。」
「謎の視線=女子生徒失踪事件の犯人」説の話を繰り出す詞音達に制止を促す流。情報が不足している段階ではその犯人かどうか定かでは無いし、仮にそうだとしても今の討論は徒に深波を不安にさせるだけだ…。
「ありがと流。でも大丈夫、そんなストーカー程度にビビってちゃ悪魔は務まらないし不安にもならないわ。だって…」
「うおっ…!!///」
「私には流が居るから…。」
しかし、肝心の深波本人は全く動じておらず、自分を心配してくれる流(彼氏)がいる事に安心していると言い、彼に抱き付く…。
「あ…ああ。俺は何があっても、君の味方だ…!!」
白昼堂々こっ恥ずかしい台詞を吐く流を見て、詞音はヒューと口笛を吹いて冷やかし、奏は暖かく見守り、七花は「バカっぽい」と顔を赤くしてそっぽ向く。
「おのれ流ぇぇぇぇっっっっ!!!!」
唯一人、竜駕は血の涙を流しながら何処ぞの預言者の様に絶叫する…。
―3年D組
「次の時間体育かぁ…。」
「マジダルいよね〜。」
流達1年生の教室より一階上の此処3年D組にて、次の体育の授業に備えて女子全員が愚痴を零しながら更衣室へ向かおうとする。が…
「……。」
唯一人、縁無しの丸眼鏡を掛け薄い水色の長い髪の上方部を両側面から後頭部にかけて後ろにまとめて一本に結んだ、所謂お嬢様結びをした物静かなで地味な印象を持つ女生徒・深海琉依のみ、体操服を持たず代わりに筆記用具を持って教室を出ようとしている。
「あら深海さん、今日も保健室で一人お勉強ですか〜?」
「止めてあげなよ。この人身体弱いんだし、特待生のお嬢様なんだからさ♪アタシ等下々の庶民とは格が違うんだよね~キャハハ!!」
女子生徒二人は、琉依に対し明らかに侮蔑した態度でからかいながら教室を後にする。琉依は体力は病弱ではあるが、様々なカテゴリーの学問に携わる有名な科学者の家の生まれであり、幼い頃から徹底した教育の賜物と彼女自身IQ200の高知能の持ち主である為、この学校の特待生に優遇された。
しかし、それ故に他の生徒達からの風当たりは強く、彼女自身大人し過ぎる性格のせいで友人と呼べる存在は皆無に等しく、一部を除いた教師全員からも特待生として特別な扱いしか受けない為、この学校に心からの味方は存在しない…。
「何て酷い事を言うんだ…!!」
「アア言ウ人達ヲ、ニッポンポンデハ『吐キ気ヲ催ス邪悪』ト言ウデスカ。」
「ほんっとムカつくわね!!クミちゃん、あいつら学校クビに出来ないかしら!?」
「ちょっと違うわよレオ君。鶴見さんも落ち着いて。深海さん、気にしちゃ駄目よ。」
先程の女子生徒達の悪辣な態度に、眉をハの字に歪ませ難色を示す整った茶髪のボブヘアの男子・相馬優慈と、その女生徒をやや間違った表現で起用する白いウェーブがかった短髪に青い瞳をした中性的な顔立ちをした帰国子女の男子・レオ・ガイザードと、怒りを露わにしクミちゃんこと、黒深子に生徒会長の権限で退学にする様促す両側の髪を三つ編みにした眼鏡を掛けた女子・鶴見由伽とレオの間違った表現を指摘し由伽を宥めつつ、励ましの言葉を掛ける黒深子の四人が琉依に近付く。
「ありがとう白石さん、相馬君、レオ君、鶴見さん。私なら大丈夫だから…。」
琉依は、自分を心配してくれた四人に小さな笑みを浮かべて感謝しつつ保健室に向かうべく教室を後にした。
「はぁ…あれ絶対無理してるよ。」
「OhMy…無理ハ禁物、手ニ一物…荷物デシタッケ?」
「合ってるけど…ってそんな場合じゃないでしょ!?」
「こんな時…先生が居て来れれば…。」
黒深子達は、先程の琉依の笑顔は無理に取り繕った物だと感付いており益々彼女を心配になり、とある教師の存在を口にする。このクラスの担任は現在他の学校へ出張中であり、琉依を特待生では無く一生徒として見てくれる一部の人間である為、一層その教師が帰って来る事を願っている…。
―保健室
「…はぁ…。」
客人用の机の上で黙々とテキストの問題を解く琉依は、一時筆を止めて先程の事を思い返し陰鬱な表情で溜め息をつく。黒深子達の想像通り、やはり内心ショックを受けていたのだった…。
「深海さん。貴女何時も一人で居るみたいだけど、学校は楽しい?」
「え、ええ…まぁ…。」
その様子を見ていた巡に、学校生活を楽しめているのかを尋ねられ生返事で肯定する琉依。しかし、その様子からしてとてもそうは思えないとしか捉えられない。
「そう思っているならそれで良いわ。ただ…一人で居た方が楽だなんて事は無いからね。また何か悩み事があったら私に言って。」
「はい…ありがとうございます…。」
巡の気遣いの言葉を聞き、コクリと頭を下げて聞く人には元気が無い様に聞こえる抑えた声で礼を言う琉依。それと同時に授業終了のチャイムが鳴り、琉依は再び一礼をして保健室を後にする。
「ふぅ…『あの子』だったらこう言ってたかもしれないわね…。」
琉依が立ち去った後、先程彼女に話した台詞は自分の物では無く、「ある人物」の受け売りだと一人呟く巡…。
―放課後
「それじゃ深波、何時も通りだけど暫くは俺と一緒に動こう。」
「ええ♪」
帰宅時、本日竜駕が切り出した女子生徒失踪事件の話もあり、念の為今後は二人、若しくは複数人で行動する事に決めた流と深波。と言っても、この二人が別々になる事や学内で一人になる事は、そうざらにも無い話である。兎にも角にも、二人一緒に帰宅しようとしたその時、流の携帯から着信音が鳴り出した為応答する。
「ん?電話…店長からだ。はい、もしもし…えっ!?あぁ…うん…分かっ…た…。」
「どうかしたの?」
友人からの用事の内容を聞き一時は驚き、その理由に相槌を打ち沈んだ様子で納得して電話を切る流。深波にその内容を聞かれ、尚も沈んだ表情のままこう答える…。
「今日バイトのシフトに入ってた人から連絡が来ないからシフトの無い俺に大至急来てくれだって…。」
なんと、本日トライスコープスのバイトが何時になっても出勤せず連絡も取れない為、本日シフトでは無い流に急遽出勤して欲しいと、何ともタイミングの悪過ぎる緊急事態である…。
「嘘…!?」
「どうすりゃ良いんだよ…!!」
本日、深波を危険から守ろうと決めた矢先に舞い降りた緊急出勤。かと言って、生活の為バイトに行かない訳にはいかない…。どうするべきか悩む流に深波は…
「良いよ、バイト行っても。」
「でも…それじゃ深波が…!!」
「私なら大丈夫。第一、あの茨女の言う通りそいつに悪魔の私が捕まえられると思う?」
なんと自分に構わずバイトに行く様に勧めた。当然それに難色を示す流だが、七花が言ってた様に所詮普通の人間に過ぎない犯人が、リンキュバスである自分を拐える筈が無いと返す。それを聞いた流は暫く考え込みそして…
「…分かった。だがどうしても不安だと思ったら誰かと…出来れば他の女子と一緒に帰るんだ。良いな。」
「心配し過ぎよ流。それよりほら、早く行かないとマズいんじゃない?」
「うわっ、ホントだ!!じゃあ深波、悪いけど先に!!」
不安ながらも渋々納得し、彼女に急ぐ様促されトライスコープスへ向かうべく猛ダッシュで学校を後にする。
「さてと…さっさと帰るか…ん?」
一人で帰ろうと足を進めようとする深波だが、丁度近くにあった校内や近所のイベントや、ここ最近起きた事件の概要が書かれた紙が貼られた掲示板に目が行く。その中には案の定、例の失踪事件の事も掲載してあった。
「ふ〜ん、これがそうなのね。」
と、他人事の様な一言を口にしながら今度こそ帰宅しようと足を進めようとするが…
「きゃっ!!?」
「あ、深海さんゴメンなさ〜い♪」
「もうお帰りになられたのかと思ってたらぶつかっちゃいましたー♪キャハハ!!」
またもあの女子生徒達が琉依に態とぶつかり、誠意の籠もってない謝罪をしながらそのまま校門へと向かう。ぶつかった弾みに落とした鞄を拾ってそのまま帰ろうとする。
「チッ…なんかムカつくわね…。ん?何だろあれ?」
今の光景を目にし舌打ちをして苛立つ深波は、琉依がぶつかった場所に何かが落ちているのを見かけそれを拾った。
「これ確かスマホって奴ね。あいつのかな…?」
深波が拾ったのは、水色のスマートフォンだった。恐らく、先程琉依がぶつけられた弾みで落としたのに気付かなかったのだろう…。面倒だけど届けてやるか、深波はそう思いながら琉依の後を追った。
「そこの水色の髪したあんた!!これ、あんたのスマホ?」
「え…!?あ…!!」
「ったく…気をつけなさいよ。」
突然声を掛けられ驚く琉依は、深波の言葉を聞きポケットを探ると、スマートフォンが無い事に漸く気付き、それを手渡された。
「ありがとうございます…!!何とお礼を言っていいか…!!」
「別に良いわよ。じゃ、私帰るから。」
深々と頭を下げて礼を言う琉依だが、たかが落とし物を届けた程度でそこまで感謝される謂われは無いと、別段無関心な態度で帰宅しようとする深波だが…
「お待ちになって!!このスマートフォン…私にとってとても大事な物なんです。それを拾って下さったお礼をさせて下さい!!」
「は?別に良いし。」
「そう仰らずに!!せめてお茶ぐらいご馳走させて下さいな!!」
何と琉依は、スマートフォンを拾った礼として深波を自宅に招いて茶を振る舞うと言い出し、彼女の手を取った。しかし、流以外の人間に無関心な深波はそれを断るが、全く聞く耳を持たずしつこく恩返しをしたいと言う琉依。
「でしたら10分…いえ、5分だけでもお願いします…!!」
「……飲み食いしたら直ぐ帰るからね…!!」
「ありがとうございます…!!」
結局、少し茶を飲むまでの間だけだと言う条件で琉依の恩返しを受ける事にした深波。それに大喜びする琉依は、直ぐ様深波の手を引いて校門前まで急ぐと、そこにはお迎えの黒い高級車が停車しており、それに搭乗して深海家へと発進する…。
―深海家・玄関前
「着きましたわ。」
「ふ〜ん…。」
深波と琉依が着いた場所…周りには綺麗に整えられた芝生、一切の穢れ無き透き通った池、そして、長々とした白いアスファルトの道の先にある海の様に美しく青々とした巨大な屋敷と、如何にも上級階級の人間が住むに相応しい世界である。
「お嬢様に海噛様、御鞄をお持ちします。」
「ありがとう。彼女は執事の月詠…私をサポートしてくれる頼れる人よ。」
車の運転をしていた、浅葱色のポニーテールに目を閉じた様な糸目の内の右目に単眼鏡を掛け、水色のタイを首に着用した漆黒の燕尾服を着た男寄りの低声と、端から見れば美男子にして見えない長身の女執事・月詠海那は、深波と琉依の鞄を預かり屋敷の扉を開け二人を屋内に招く。
「「「お帰りなさいませ、お嬢様。」」」
屋敷に入ると、十数人のメイド達が赤いカーペットが敷かれた床の両サイドに整列して、帰宅した琉依に御辞儀して挨拶をする。
「ただいま。月詠、早速だけどお茶とお菓子の用意をお願い。」
「畏まりました。」
「さ、海噛さん。どうぞ此方へ。」
琉依は海那に茶の用意を頼むと、それが出来るまでの間深波と談話する為彼女を大食堂へと招く。
「あの…海噛…様…!!ハンカチが落ちましたよ…。」
突然、一人のメイドが深波に声を掛け、近くに落ちていた青いハンカチを持ち、彼女に届ける為近付く。が…
「これ私のじゃないけ…ど…?」
どうやらそれは深波の所有物では無かったらしいが、それと同時に深波はハンカチを手渡したメイドの手を見て言葉を失った。そこへ…
「どうかしたのかしら?」
「い…いえ…!!な、何でもあり…ませんお嬢様…申し訳ありませんでし…た…!!」
琉依に何が起きたのかを尋ねられると、そのメイドはまるで怯えたかの様な表情で返事をし、深く頭を下げて彼女に詫びた。
「そう…それじゃ行きますわよ、海噛さん。」
「……。」
深波は、今もずっと頭を下げ続けているメイドに目をやり何らかの不審感を覚えつつ、琉依に招かれるまま大食堂へと向かった…。
―大食堂
「海噛さん、改めてありがとうございます。」
「はいはい。」
清潔な白いテーブルクロスが敷かれた、20人分の席があるであろう細長いテーブルに置かれた椅子に座った琉依は、今一度スマートフォンを拾ってくれた事にペコリと頭を下げて向かい側に座る深波に礼を言う。しかし、肝心の本人はテーブルに肘をついて素っ気ない返事をする。
「父はあらゆる学問の研究に携わる科学者でして、その関係で学界や財界の方達ともお知り合いで…やだ、ごめんなさい。こうして同じ学校の方を招いたのは初めてでついつい緊張して何とか話そうとして自慢話をしちゃいまして…!!」
琉依は、自分の家や偉大な職業を持った父親についてと…自慢めいた話をしてしまい深波に謝った。先程も述べたが、これまで彼女は友人と呼べた存在が居ない…故に深波以前のをそれを招いた事は一度も無く、何かを話さなければ…と思った為に起きた結果である。
「あっそ。」
先程と同じく、そんな家の事情なぞどうでも良いと言わんばかりの態度でやはり素っ気なく返事をする深波。
「お待たせしました。ブルーベリーティーとブルーベリーパイでございます。」
するとそこへ、果実の様に甘い香りのするブルーベリーティーが入った2つのカップと、網状の生地の中に熟したブルーベリーが特徴のお茶菓子・ブルーベリーパイ2つを盛り付けた皿を乗せたプレートを持った海那が現れ、深波と琉依の前にカップと皿を置いた。
「どうぞお召し上がりになって。」
「やっと来たのね。じゃ、さっさと食べるわ。」
茶と菓子が出て来た事で漸く帰れる…と肩を竦めた深波は、ブルーベリーティーを一気に飲み、ブルーベリーパイも美味いか不味いか関係無しに黙々と急いで食した。
「如何ですか?このブルーベリーパイは月詠特製のお菓子ですのよ。」
「あ―美味しい美味しい、お茶も悪く無いわよ。」
琉依に味の感想を尋ねられた深波は、適当な返事をする。本当に味を理解したのかどうか疑わしいが、元々此処に来る事自体乗り気では無かった彼女にとってはどうでも良かったのだ。
「んじゃ、お茶もお菓子も食べた事だし、約束通り帰らせて貰うわ。」
「え…もうお帰りになるのですか?もし宜しければお夕飯も御一緒に…!!」
紅茶も菓子も食べきった深波は席を立ち帰宅しようとするが、琉依にまだ早いと呼び止められ夕食も此処で食べていく様勧められる。
「良いって言ってるでしょ…!!てかさ、今日会ったばかりの奴をいきなりご飯に誘うとかあんたマジでおかしいわよ?じゃあね。」
しかし深波は断固として拒否し、琉依の行動を異常だと吐き捨てて芥磨荘へ帰るべく大食堂のドアに近付きノブに触れようとするが…
「あ…あれ…なん…か…身体が…動か…しにく…い…!!?」
突然全身に力が入らなくなり、意識も睡魔が襲い掛かるかの様に朦朧とし初め地に膝を付いてしまう…。
「まさ…か…!!?あの紅茶…と…パイに…あんたが…何…かを…仕込…ん…で…!!?」
深波は、この異変の原因が先程摂取したブルーベリーティーとブルーベリーパイだと断定し琉依の方を睨み付け様とするも…
「ふふふ…!!」
溝の様に濁った色をした瞳で見つめる琉依の姿を最後に目をした瞬間、彼女は意識を目の前が闇の様に真っ黒とした空間へと手離してしまう…。
―???
「…ん…こ…こ…は…!!?何これ…!!?」
漸く意識を取り戻し目を覚ました深波だが、瞬時に自分の身に起きた状況を知り動揺する。何故なら、先程の明るい屋敷内とは打って変わった、赤く薄暗い一室の周囲には三角木馬や鉄の処女が設置され、壁には様々な形をした剣や茨の鞭、不気味な骨が掛けられ、近くには手術に使う数本のメスと様々な薬品の瓶が乗った白い台、極めつけは自分の四肢を鎖で拘束した鉄のベッドと、如何にも悪夢の拷問部屋と言った場所に監禁されたのだ…。
「あら、漸くお目覚めかしら?」
そして、深波を拘束した張本人である琉依が彼女の顔の横で「あの瞳」をしたまま頬杖を付いて恍惚な表情で見つめていた…。
「あんた…どういうつもりよ!!?」
「『深波ちゃん』がいけないのですよ?友達の私を置いて帰ろうとするんですから…。」
怒りに満ちた表情で声を荒げる深波に対し、琉依は落ち着いた声で返事をし彼女の足元から額まで手を一直線になぞり、それを指先で優しくなぞり回す。おまけに深波への呼び方まで馴れ馴れしい物に変わっている…。
「触んなよこの変態女!!私に触って良いのは流だけよ!!友達?誰があんたなんかと友達にならなきゃいけないのよ!!笑わせんなこの異常者!!」
それを首で振り払い、流以外の、しかも同性に触られる事に嫌悪感を訴え、琉依に対し罵詈雑言で叫び彼女の顔に唾を吐き付けた。しかし、それがいけなかった…。琉依は顔に付いた唾を指につけてそれを舌で舐めると言う異常行為をし、そして…
「……っっ!!」
「きゃあぁうっっ!!?」
「私の前でっ!!男の名前をっ!!私以外の存在をっ!!口にするんじゃっ!!無いわよっっ!!貴女はねっ!!!私だけっ!!見てれば良いのよっ!!この雌犬っっ!!」
それまで物静かだった琉依は、般若の様な表情で怒号の声を飛ばしながら深波の頬を叩いた。それは一回だけでは無く何度も、何度も、何度も頬から血が出る程叩き続けその度に顔を怒りに滲ませると言う、まるで別人の様な豹変ぶりを見せ付けた…。どうやら彼女がここまで感情を露わにした原因は流の…いや、自分以外の存在を口にした事である…。
「あ…ううっ…!!」
「はぁ…はぁ…はぁ…!!次同じ事をしたら…これで『教育』してあげますからね…!!」
荒れた息を整え少し理性を取り戻した琉依は、次に自分以外の名を口にした際には手に持った「物」で躾ると忠告した。刃先を光らせたメスを片手に…。
「やっぱり…あれもあんたが…!!」
それを見た深波は、先程のメイドの異変の原因を理解した。あのメイドの手首にはまるで何かに深く抉られたかの様な傷が付いており、それをしたのが琉依だと言う事に…。
「彼女は何度か此処から逃げ出そうとしたから躾てあげましたの。最初は貴女みたく強気でしたけど、何度かやる内に漸く素直になってくれましたわ…。まぁ、その戒めとして傷が残る様に治療して差し上げましたけどね。」
「何度か逃げ出した…!?まさか…失踪事件の犯人は…!!?」
逃げ出しそうとしたメイドにした仕打ちの理由を聞いた深波は、琉依こそがあの女生徒連続失踪事件の犯人であると確信した。この事から深海家のメイドは皆、失踪…いや自分の様に監禁された女生徒が琉依の「教育」を受けた結果である事が容易に解る…。
「そうと解れば話は簡単…あんたをとっ捕まえれば済む話ね!!」
真相を知った深波は、予定通り琉依を捕獲するべくリンキュバス態に変化しようと魔力を集中する。が…
「な…何で…何で変身出来ないの!?」
幾ら力を籠めてもシャクリアに変化出来ない事に徐々に不安になり焦り始める深波。
「フフフ…アッハハハハ!!!!貴女がリンキュバスである事は最初から知ってましたわよ!!想像の通り、あの紅茶とお菓子には薬を入れましたわ。」
その様子を見ていた琉依は狂ったかの様に高笑いをし、あのブルーベリーティーとブルーベリーパイには何らかの薬を仕込んでいた。しかし、通常のリンキュバスには人間の作った薬や毒等一切効かない。にも関わらず深波に効く理由は…
「リンキュバスの血液や体液を解析して、リンキュバスにのみ効く一時的に魔力停止、体力の弱体化を起こす薬品『魔停薬』を作る事なんて、私にとっては簡単な事…。」
リンキュバスの力全てを一時的停止させる薬「魔停薬」を混ぜた為である。人間より力が大きく上回るリンキュバス…悪魔を無力化させる程の薬の製作等、リンキュバスの肉体構造に詳しく、且つ薬品の開発を熟知した高度な知識や技術がなければ到底不可能だが、琉依にとっては朝飯前である様だ。
「ならあんたも…魔契者って事…!?」
「さ、お話は是にてお終い…後は…」
これまでの事実から、琉依もまた魔契者である事が判明した。全ての真相を話し終えた琉依は、眼鏡を外し、着ている服を全て脱ぎ捨て豊満な左胸の下部分に黒い海月の紋章が刻まれた一糸纏わぬ姿を晒し…
「な…何する気…ひっ!!?///」
「唯の人間同然となった貴女は弱い…でも…それに怯える姿はとても可愛いわぁ…。一緒に楽しみましょう…?私以外の存在なんて忘れるくらい…いっぱいいっぱいいーっぱいねぇ…!!フフ…フフフ…アッハハハハ…アハハハハハハ!!!!」
「嫌…来んな…来るな…来ないで…来ないでぇぇぇぇっっっっ!!!!嫌ああああぁぁぁぁっっっっ!!!!」
深波の衣服を勢い良く破き、人間同然にまで弱体化し怯える彼女にじりじり近付き、またも狂ったかの様に大きく笑い、「禁断の行為」を起こすべく襲い掛かる琉依…。
「はぁ…はぁ…御馳走様でした…♪///」
「はぁ…はぁ…!!///」
数時間の事後…お互い身体を紅く火照らせ、肩で息をする琉依と深波。しかし、恍惚とした琉依とは違い、深波は瞳には光が無く、涙を枯らし力を使い果たしたかの様に横たわっていた…。
「本当ならこのまま一生此処に居て貰おうかと思ったけど…うふ♪」
何時もならば、自分が「教育」しようと決めた女生徒を監禁するつもりらしいが、別の考えがある琉依はスマートフォンで深波の裸体を撮影した…。
「えっ…な…何撮ってんのよ…!!///」
「貴女の場合、捕まえてたらその気になれば簡単に逃げられちゃうし魔停薬にも警戒され易い…だから、取り敢えず帰してあげますわ。はい、新しい制服。」
琉依は、このまま深波を監禁しても直ぐ様リンキュバスと化し容易に脱走され、魔停薬も食事を警戒されて投与も不可能に近い…。だからこそ、今の情事の証拠を抑えるのみにし、敢えて彼女を解放するべく新しい制服を手渡す。
「下着は記念に頂きますわ♪月詠、彼女を家までお送りして。」
琉依は深波を芥磨荘まで送る様海那に声を掛ける。だが、彼女は出入り口からは現れず変わりに琉依の隣の何もない空間に波の様な歪みを発生し…
「なっ…!?」
「畏まりました。」
何と海那は、その空間から現れ一礼をして返事をした。良く見ると、琉依の首には浅葱色の海月の紋章が刻まれた黒い宝玉が埋め込まれたペンダントがぶら下がっており、そこから紋章と同じ光が発している事から、今の現象は魔術型の闇絆の証の能力だと判明した…。
「ふざけないで…誰があんたの言いなりなんかなると思って…!!」
「別に構いませんのよ?この画像が世に晒されてしまいましても。まぁ、貴女にとって他の人間からの評価はどうでも良くても…水始君はどうお思いでしょうね?」
「……!!」
深波は琉依からの一方的なやり方に食って掛かろうとするが、今の画像が写ったスマートフォンの画面を見せ付けられて動きを止める。それが公表されれば、間違い無く世の晒し者と化してしまい、何より流が自分から離れてしまう可能性も大きい。そう思い知った深波は、有無も言わず琉依の言う通り車で送って貰う事を決め、案内入り口に向かい拷問部屋を後にする…。
―芥磨荘・103号室
「深波、今まで何処ほっつき歩いてたんだ!?何時になっても帰って来ないから心配したじゃないか!!」
「ごめんなさい…。」
「ん?どうしたんだ深波、顔色が悪いぞ?」
現在21時半…こんな遅い時間帯に連絡もせず帰宅して来た深波を叱る流。しかし、普段とは違う生気も無く沈んだ表情で素直に謝るをしている彼女を見て、流は具合が悪いのかと心配をし額に触れようとするが…
「い…嫌っっ!!!!」
「なっ…ど、どうしたんだよ!!?」
「ごめん…今日はもうシャワー浴びて寝るから…!!」
「あっ、おい…深波!!本当に…何があったんだ…!?」
勢い良くその手を払い拒絶の意を示し、夕食も食べずにそのまま脱衣場へと向かう深波を見て困惑する流…。
―風呂場
「くっ…くっ…くぅっっ…!!!!」
水量を最大にしたシャワーを浴び続け、怒りと悔しさと悲しみが混じった表情をし、身体中が紅くなる程タオルで強く擦る深波。琉依から受けた陵辱の記憶を拭い去りたい一心で…。しかし、彼女の悪夢はまだ終わらない…。
「やっぱり綺麗な身体をしてますわね。」
「ひゃいっっ…!!///何で…何であんたが此処に…!!?」
なんと、此処に居る筈の無い琉依がまたも一糸纏わぬ姿で深波の背後に現れ、彼女の首筋を舌で舐め両手で胸や尻を鷲掴みにして激しく揉み出す。恐らく、あの闇絆の証の能力による物だろう…。
「私は何時も貴女の近くに居る事をお忘れなく…。少しでも妙な素振りを見せたらどうなるか…人間より賢い貴女ならお分かりですわよね?」
琉依の言葉の意味…それは、闇絆の証の能力により絶えず自分は監視しており、事実を公にすれば秘密を公表する…。そう耳元で囁かれ、無言で頷く深波…。
「んふ…良い娘ね…。それじゃあ、お休みなさいませ♪」
それを確認した琉依は、満面の笑みを浮かべながら深波の頬にキスをし、首に掛けた闇絆の証を発動し、水面の様に歪んだ空間の中に入り姿を消した…。
「くぅっ…うっ…うぅっっ…!!!!」
深波はシャワーを浴びたまましゃがみ込み、流以外の…それも同性の人間に汚された悔しさと、逃れ様の無い地獄の始まりの恐怖により流に悟られぬ様、静かに嗚咽する…。
10話でヒロイン・深波がまさかのレズ陵辱…(ρ_;)…と言う衝撃のラストは如何でしょうか?
今まではヤンデレなリンキュバスの美少女達が男子を責めまくる(性的な意味で)と言うパターンがありましたが、今回はまさかまさかの逆で、その上百合ヤンデレ属性…!!こういう異色タイプのヤンデレも二次元には存在するだろうと思い、またもやっちまいました!!だが後悔はしない…!!(キリッ←黙れ
そして、今回少しだけですが登場した黒深子のクラス・3年D組の生徒3人の内、2人は某地の帝王組から、もう1人はその後日談に登場した…と言う裏設定のキャラクターです。このクラスの担任は…もう登場キャラでバレバレですよね(^_^;)
深海琉依…ICV:久川綾
見た目は大人しく地味系のお嬢様な特待生ですが、その本性はリンキュバスである深波を無力化させる程の危険な百合ヤンデレ…!!失踪…監禁した女生徒をメイドに調教させるとかマジヤバです。(^_^;)
声のイメージはやや艶めかしいお姉さん役が似合いそうな久川さんにしちゃいました(^_^;)
月詠海那…ICV:緒方恵美
お嬢様には執事キャラが付き物です。本当なら某詐欺師な亀役の遊佐浩二さんなイケメン執事にしようかと思いましたが、琉依が百合ヤンデレならいっそ女にしようと考え、男っぽい女性のイメージが合う緒方さんに変え、それに伴い女執事にしよう!!と決めました。究極の闇?そんなの忘れろ。←オイ
相馬優慈…ICV:下野絃
鶴見由伽…ICV:田村ゆかり
レオ・ガイザード…ICV:日高のり子
劇中では語りませんでしたが、この3人実は生徒会のメンバーであり、優慈は副会長、由伽は書記、そしてレオは会計と言う役目なんです。無論黒深子とも仲が良いですよ。
因みにレオは、某地の帝王の話の後に編入し、優慈達と出会い、新しい天の帝王となる…と言う裏設定のキャラクターです。
次回は、弱みを握られた深波が徹底的に琉依に身も心も犯されていく地獄の始まりデス(^_^;)←やめんか!!これにどう立ち向かうのか、期待せずお楽しみを。m(_ _)m




