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宮部隊一同立ち上がれ!  作者: 宮田リカ
第1章 森宮部隊に入隊します!
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1,ユニテイル部隊学校卒業式

今日は待ちに待ったユニテイル部隊学校の卒業式の日である。


「皆さん,ご卒業おめでとうございます。明日からは各部隊で活躍する日々が始まります。今日までに得たこの4年間の学びを是非それぞれの部隊で生かしてください。我々教師一同,皆様のご活躍を期待しております。地の国の人間を倒す日が1日でも早く来るよう,皆で協力し合い,己の力を今以上につけてください。1日でも早く皆様が活躍すること,我々は非常に楽しみにしております。4年間,よく頑張りました。」

学校長の言葉に涙する者もいれば,そうではない者もいる。ここ,ユニテイル部隊学校は将来宮部隊で活躍したい者が入る学校。この学校に通う生徒殆どが宮部隊に入隊希望の者が多い。

卒業できるのは部隊に入隊できた者のみ。あとは留年か自主退学。訓練について行けず,学校を脱走する者。途中で入隊する気がなくなり,退学する者。テストで単位を落とし留年する者。理由は様々。

つまりこの学校は4年間で卒業できる確率は非常に低いということ。勿論,入学することさえ難しい。入学できたとしてもギリギリ合格した者は卒業できないと言われるほど。それくらいユニテイル部隊学校での生活はとても厳しい世界ということだ。卒業できたとしても部隊に入隊できない者も稀にいる。

しかし今回の卒業式は卒業生全員部隊入隊が決まった者たち。全員優秀なのだ。そのため教師陣からは「過去1優秀な学年」と密かに言われている。


「卒業生代表,レン・バーシン。」

「はい!」

名前を呼ばれ,大きな返事と共に立ち上がる1人の少年。彼の名はレン・バーシン。このとき15歳。この物語の主人公である。彼は7年前,レンが8歳のときのある事件で行方不明になった兄を探すため,この学校に入学してきた。


レンの兄も部隊入隊希望でユニテイル部隊学校に通っていた。だがしかし,学校に地の国の人間が現れ,当時3年生だった兄が同級生や後輩を逃すため1人で立ち向かい,巻き込まれてそのまま行方不明になった。そのときの4年生が希望部隊での実習で学校にいなかったことも大きかった。レンの兄以外も生徒を避難させていた教師数人も行方不明になった。

それを聞いたレンはユニテイル部隊学校に入学を決意。しかし両親はそれを止めた。だがレンはもう一度兄に会えることを信じ,両親の反対を押し切り,入学した。そして4年間の厳しい訓練を乗り超え,トップの成績で卒業式を迎えた。


「僕たちはこの4年間,様々なことを経験しました。初めて自分だけの技を習得した瞬間,実習での失敗や成功。厳しかった訓練。仲間と協力し合った悪獣との闘い。その全てを乗り越えたからこそ,今の僕たちがあると信じてます。この4年間でお世話になった先生方,先輩や後輩,そして家族のみなさん。ここまで育ててくれて本当にありがとうございました。みなさんのおかげで僕たちは立派に巣立つことができました。明日からは僕たち皆,違う部隊で活躍する日々が始まります。苦しいことも辛いこともあるでしょう。しかしこのユニテイルでの4年間の学びは決して無駄ではなく,反対に苦しい,辛いことを乗り越える糧となるでしょう。僕たちはここで過ごした宝のような日々を一生忘れません。離れ離れになっても僕たちは一つです。1日でも早く,みなが早く部隊で活躍し,輝く日々が来ますように。卒業生代表 レン・バーシン。」


会場に拍手が響き渡る。中には泣いてる卒業生もいる。自信満々に目を見開いている卒業生もいる。


しっかりと背筋を伸ばし,誇らしげに壇上を降りるレン。


「やるじゃん。レン。」

「ハハハ。どうも。」

席に戻ると1人の女子生徒が話しかけてきた。彼女の名前はリコ・アンリ。レンの相棒である。卒業後も2人は同じ部隊に進むため,再び相棒として活躍する日々が始まる。


この学校では2人ペアで実習することもあり,成績順,もしくは実力のバランスで組まされることが多い。その時に意気投合したペアはそのまま相棒関係になる。そして次の実習以降も同じペアで動く。

全体的にどの闘い方も得意なレンにとって接近戦が得意なリコが自分の相棒に相応しいと感じ誘い,2人は相棒関係になった。そのときまだお互い1年生ということもあり,あまりにも早かったというのでこの学校の伝説にもなっている。基本的に自分にぴったりの相棒が見つかるのは2年生以降だからだ。


そんなことは置いとき,先生の合図で卒業生が退場する。卒業生同士で写真を撮ったり後輩が尊敬してる先輩から制服のリボンやネクタイを貰いに行く。それと稀に卒業生から剣を貰う生徒がいる。自分のがもう一つあり,その方が気に入ってていらなくなったから後輩に上げるという風習だ。

これで剣を貰った後輩は実力トップ層の先輩から認められたということで更なる自信と実力が着く。


「レン先輩!リコ先輩!ご卒業おめでとうございます!」

「ありがとう。ユーシン。」

2人に話しかけてるこの少年の名はユーシン・サリバン。レンとリコの2つ下の後輩でユニテイル部隊学校2年生。一見穏やかで普通の少年に見えるが意外と情に厚く,背中にはいつも大きな剣を背負ってるだけあってかなりの実力主義者。

「あんたも入学当初よりずいぶん強くなったね。今じゃ学年トップなんじゃない?」

「ハハハ…そっすかね。なんかリコ先輩に言われると照れますね。」

「何それ〜。」


「リコ先輩〜!リボンください!」

「私にも!」

「ちょっと私が先言ったんだけど?」

「何よ!私が貰ったっていいじゃない!」

後輩女子が揉めだす。これもこれで卒業式にはよくある光景。


「レン先輩。じゃあ俺にはネクタイのブローチください。」

「お!ユーシン。いいぞ!」

「やったー!あざす!」

「ちょっとなんでユーシンがレン先輩からブローチ貰うの?」

「ちょっと図々しくない?普通は配慮で男子はネクタイ程度で抑えるでしょう?」

「そうよそうよ。私たちだってリコ先輩からリボンのブローチ頂きたいのに。」

「まあまあまあ。落ち着けよお前ら。俺はただユーシンにあげたいからあげるだけだ。何もそこまで言う必要ないじゃないか。」

「そうだよ。逆に喧嘩されるとあげる気失せちゃうよ。」

「「は〜〜い。」」


卒業生から貰える物は基本制服のボタン,ネクタイ,リボンが多い。1番稀なのがさっき言ったように剣。そしてその次がネクタイやリボンにつけるブローチ。これも成績トップの先輩から貰えるのは名誉でもあるためユニテイルの卒業式は喧嘩が発生しやすい。


「レン先輩〜!リコ先輩〜!」

誰かが急に後ろから飛びついてくる。振り向くともう1人の女子の後輩がいた。

「シオン!どうしたの?」

リコが嬉しそうに問いかける。シオンはレンとリコの1つ下の後輩。つまり3年生。フルネームはシオン・ミューラ。

 そしてリコとシオンはたまに行われる相棒以外の人とペアを組まなければいけない実習でよくペアを組んでいた。ハキハキとしたリコに反し,おっとりで可愛らしいシオンのためか,2人は意気投合だった。


「えへへ〜,お2人とも!リボンとネクタイと…あとそれぞれのブローチください!」

「おっとそう来たかぁ…。いやぁごめんシオン。俺のはユーシンにあげるんだ。申し訳ないけどリコのだけで勘弁してくれ。」

「え〜。まあユーシンだからいっか!」

「すんませんシオン先輩〜。」

「いいの!せっかくモテモテのレン先輩から貰えるんだから有り難く受け取りなさい!」

「はい!」


「ちょいちょいちょいちょい!お前ら,俺から貰うという選択肢はねぇのかよ!ま,この最高な実力を誇る俺から貰うなんてことは名誉すぎて逆に無いか!」

そして偉そうな態度で現れたもう1人の卒業生。彼はレンとリコの同級生であるサンス・ナタリア。非常にプライドが高く,実力もあるため,よくレンとリコと喧嘩しては3人仲良くお説教コースによく連れて行かれていた。これは3人にとっても苦い思い出でありつつ良い思い出でもある。


「ようサンス!お前結局俺に最後負けたな!」

「いやいやいや,勘違いしてもらっては困る。負けたんじゃねぇ。勝たせてあげたんだ。俺は優しいからな!」

「どこがだよ。お前なんて偉そうな要素しかないじゃないか。」

「はぁ?どこが偉そうなんだよ!お前が入隊する部隊,俺が入隊する部隊よりレベル低いじゃねえかよ!俺は星宮,そしてお前は森宮。そもそものレベルが違うっての!」

「ちょっとその言い方なくない?私だって森宮なんだけど?レンも私も星宮からスカウト来てたし,でも現場の雰囲気で決めたから実力も何も関係なくない?」

「ブハ!お2人仲良く底辺部隊ってか!流石は相棒だな!まあ底辺は底辺らしくちまちまと活動しとけばいいんじゃないか?その間に俺はとっとと進級して今以上に強い存在になってやる。」

「だーかーらー。さっきから言ってるだろ?俺とリコは星宮からもスカウト来てたって。話の伝んねぇー奴だなぁ。だからお前は馬鹿なんだよ!せっかく実力あんのに頭が馬鹿だからどうしようもねぇなコイツ。」

「なんだと?やんのかコラ。」

「そっちこそやんのかよ?」

「流石に今回は頭に来た。サンス,今日こそ締める!いいよね,レン?」

「おうおういいぞ!やってやんよ!」

そして3人の喧嘩が発生する。


「シオン先輩…また喧嘩始まっちゃいましたね。」

「そーだねぇ〜。このまま見守っとくか。」

「そっすね。」

そして先輩を容赦なく見捨てる後輩2人。


その後レン,リコ,そしてサンスの3人は卒業式の日にも関わらずまた先生に怒られた。というか呆れられていた。


そしてレン,リコは森宮部隊に。サンスは星宮部隊へとそれぞれの道をこれから歩んでいくのだった。


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