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耳鼻科へ

DAY-8 8月22日(金)

 次男が今日、友達と海へ行くから7時に起きると言っていた。合宿に行く時、いつもゆっくり寝ているのに早起きせねばならず、心配で眠れなかった事から腸閉塞になったので、夕べ私は次男に、

「ちゃんと7時に起こしてあげるから、安心して寝なね。」

と言って、11時半頃に布団に入った。ところが次男が、色々準備があるのがなかなか寝ないで自分の部屋にも行かず、私は気になって眠れやしない。次男がいなくなった1時頃にやっと眠れた。それまでしょっちゅう咳をしていたが、眠ってからも何度も咳で起きた。やっぱりよく眠れないのだった。

 今朝は次男が6時半に起きてきて、眠れたと言っていた。私の方が眠れなかったわ。起こしてあげるから、なんて言ったせいで私にプレッシャーが。だが次男がまた腸閉塞になるよりはマシだ。それでも元々車酔いするたちの次男。友達の運転で、4人で出かけるなんて言っていて、ちょっと心配だった。咳もまだ出ているのに。マスクはしていったけれど。

 私は朝、熱も無く掃除などをした。だが、どうも胸の辺りがムカムカしていた。気になって色々調べると、百日咳だった場合、咳が出始めてから抗生剤を飲んでも咳は良くならないが、抗生剤を飲むことで人に感染させないという事だった。もし抗生剤を飲まない場合、私はあと2週間も人にうつす可能性があるようで、これは医療機関に行った方が良さそうだと考えた。

 近くのかかりつけの内科に行くか、とも考えたが、長男と話して耳鼻科の方がいいという話になり、息子たちのかかりつけの耳鼻科は遠いし混んでいるので、夫のかかりつけの耳鼻科に行く事にした。徒歩10分くらいの所にある。つまり、私は耳鼻科にかかった事がないのだ。子供の頃でさえ耳鼻科に行ったのは「とびひ」になった時の一度だけだと思う。

 しかし、最近はGoogle地図で場所を調べると口コミが表示されるだろう。この耳鼻科、夫が行っているから行く事にしたものの、口コミでは良い事が書かれていない。先生がこちらの話を聞いてくれないとか、独りよがりだ、というような感じで。だが、そう言った悪い口コミを書いているのは全て子供を連れて行った母親だった。夫が言うには、診断が速くて信頼できる先生だそう。今日は金曜日で酒を飲む日だったが、抗生剤を飲んだら酒を飲めないな、とちょっと思ったが、そもそも酒を飲める気がしないくらい気分が悪かった。

 パソコン作業を終え、洗濯物を取り込んでから出かけた。マンションの部屋を出たらお向かいさんとバッタリ会い、

「あら、奥さん細いわねー。食が細いの?」

と言われた。病気のせいでやつれているとは言いづらい。

「運動をけっこうしているので。」

と言っておいた。もちろん不織布のマスクをしていた。マンションを出てさっそうと歩き出したものの、すぐに苦しくなって歩みを緩めた。そんな、スタスタ歩けるほど元気ではないのだ。最寄り駅の近くにある耳鼻科だが、いつもの道がやけに遠く感じた。咳は出るし苦しい。だが、建物に入ったらいつもの癖でエレベーターではなく階段を上ってしまった。3階まで。エレベーターは人と乗り合わせると感染が心配だからというのもある。

 耳鼻科では、予約がないと相当待たされるという話をされたが、分厚い本を出して読もうかと思ったらその前に呼ばれた。たまたまラッキーだったんだねと、後で夫が言っていた。

 問診票に今の症状などを書いて出しておいたので、先生はそれを見た上で、

「多分コロナだと思いますよ。今更検査する必要もないけど。」

と言う。まあ、それを疑われるのは分かるが、違う。次男から私と長男がうつった事、長男が検査をしてコロナではなかった事、次男が耳鼻科へ行ったら百日咳が流行っているからと抗生剤を出してもらい、それで良くなった事を話した。先生はそれで、コロナではない事は分かってくれて、抗生剤を出すと言ってくれた。しかし、

「百日咳、そんなに流行ってないし。」

と言っていて、後で分かったところによると次男と同じ抗生剤ではなく、色々な病気に効くという抗生剤で、次男は3日間だったのに私のは8日間飲み続けなければならない薬だった。8日間酒が飲めないのか。

 そして、いきなりファイバースコープを鼻に突っ込まれ、鼻の中の写真を撮られた。それを見ながら説明をしてくれたのだが、よく分からなかった。

「痰だって言うけど鼻水だから。」

と言われ、咳が出るのは鼻水によるアレルギー反応だという話だった。本当はよく効く薬があるのだが、緑内障の人は使えないから別の薬を出すと言われた。私は緑内障なのだ。

 あっという間に終わった。先生はやはり口コミ通りの人だった。押しが強く、独りよがり。子供も一人見かけたが、巷で百日咳が流行っているという話はニュースでも言っていたのに、そんなに流行っていないと言うのはこの病院にあまり子供が来ないのかなと思った。その代わり、看護師さんはとても優しかった。

 薬局に寄って薬をもらったが、吸入器まで出てきてびっくりした。抗生剤にアレルギーの薬に痰切りの薬、そして気道を広げる吸入器に入った薬。この吸入器、吸い込むのはいいが本当に薬を吸い込めたのかどうか分からない。初めて使った。

 すっかり疲れてしまった。夕飯を作る元気がないので夫と次男の夕飯は作らないと宣言し、熱がある長男の分と自分の分は一品だけ作って、インスタント味噌汁などを使って済ませた。料理はさば缶を使った簡単なもの。その簡単な一品は味がイマイチだった。さば缶料理は難しい。そのまま食べた方が美味しかったかもしれない。

 次男は元気に帰って来た。そして私にプリンを買ってきてくれた。2つも。その気持ちは嬉しいのだが、お腹の調子もイマイチだし、食べるかどうしようか迷った。夜食べたらまたお腹が痛くなりそうだ。明日にするか。


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