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百日咳に罹った話  作者: 夏目 碧央


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13/43

内科へ

DAY-20 9月3日(水)

 12時に寝て1時までは眠れたのだが、その後お腹が痛くなり、2,3回トイレに行って少し下った。軟便というやつか。それで、トイレに行った後に足が冷たくなって寒くなった。その後寒くなくなったので熱を測ったら37度だった。これは、内科に行くべきだと思った。近くにかかりつけの内科がある。それで、先生に何と言えばいいかと考え出したら眠れなくなった。4時半頃まで眠れず、その後眠ったら朝になってもしばらく起きられなかった。

 8時に熱を測るとやはり37度ちょうどだった。それから起きて洗濯をし、お腹が空いたのでパンを食べた。けれど、あまり美味しいと思えなかった。

 それから、ひたすら内科の先生に話す事を便箋に書いた。これまでの経緯があまりにも色々あって、空で言える気がしなかったのだ。子供たちの症状、私の症状、飲んだ抗生剤やその他の薬、更には今困っている事、疑問などなど。あの漢方薬の副作用という事はないか、とか。

 洗濯物を干し、10時になったので、実は今日予約が入っていた歯医者に電話をし、キャンセルをした。風邪をひいてしまったのでと言って。2週間後に予約を取り直してもらった。そして内科へ。苦しいのでブラなしでタンクトップとTシャツを着たらまだ透けるので、長袖のパーカーを上から着た。日焼け防止にもなるし、冷房対策にもなる。

 内科へ行くと、待合室に2人くらい待っている人がいたが、患者ではないようだった。受付で症状を聞かれた。風邪症状があるかとか。あると言えばある。単純に風邪症状ではないけれど、咳と熱があるかと聞かれてあると答えたら、先生が出てきて、

「こちらへ来てください。」

と言って、玄関を出て行く。私もスリッパから靴にまた履き替えて付いて行った。

すると……ああ、あそこか。コロナ禍の時、発熱があるとPCR検査をしてくれた場所。外から建物沿いにぐるりと回って、扉を開けると扇風機がたくさんあり、ビニールで部屋が仕切られた部屋に入るように言われた。

 中に入るとビニールの向こうから、ガチガチに防護服で固めた先生が現れた。先生がどうしましたか、と聞くが、ビニールが阻む上、先生はフェイスシールドもしていて、更に私の近くで扇風機がいくつも回っていて、その音で話しにくい。そもそも声がしゃがれていて話しにくいのだ。という事で、書いてきた便箋を渡した。

 先生はそれを読み、その上で、息子たちがけっこう元気だが、百日咳だったらそんなにすぐに良くならない。私がまた熱が出たので、前の病気とは別にまた新たにコロナに罹った可能性もある。だからコロナの検査をした方がいいと言った。

 まあ、検査をするのは構わないが、未だにこんな事をしているのかと呆れた。今他の病院で、コロナに対してこんなに過剰に怖がっているところはない。耳鼻科だって「コロナだと思いますよ」なんて言って、別に防護服も着ないし他の患者さんと隔離したりもしなかった。息子たちだって、耳鼻科に行って検査をした時も、隔離されたりはしなかったと聞いている。

 コロナの検査は、針金みたいなのを鼻の中に突っ込まれた。PCR検査ではなくて良かった。私はあれが大の苦手。唾液が出ないから。そして、しばらく丸椅子に座って待たされた。扇風機の風で咳が出てしまう。目も乾く。どうしてこんな所にいなければならないのかと悲しくなった。丸椅子なので寄りかかれないし。

 10分ほど待たされて、先生がやっと現れた。検査の結果、コロナもインフルエンザも陰性だったと言われた。先生は、

「コロナじゃなかったかどうかは確かではないけれど、もう感染の恐れはないでしょう。」

と言った。そして、中の診察室に入るようにと言われた。やっとここからスタートだ。

 再び靴を脱いで病院の中へ入ると、受付の女性が、

「良かったですねー。」

と私に言った。私は曖昧に笑った。あまり良くない。コロナでなかったら何なのか、という問題がある。百日咳の方がよっぽど重い。ここは本当に時代遅れだ。他の患者さんにも全員、風邪症状がないかどうかを最初に聞いているようだが、コロナばかりを恐れて気にしているなんて、おかしい。百日咳の方がよっぽど感染したくない病気だし、昔はインフルエンザの可能性があると中から別室に移されただけだった。あんなに扇風機を何台も回して防護服を着るなんて、何年遅れているのだか。だから、看護師さんも「コロナに罹ったら大変!」だという意識が染みついている。お年寄りや持病のある人ではければ、さほど怖い病気ではなくなったのに。

 診察は、胸の音を聞き、背中の音を聞き、血中酸素濃度を測り、のどを見て、血液を抜かれた。この先生は、本当に注射が上手い。針を刺されたのにちっとも痛くなかった。うちの子どもたちは予防接種をこの先生にいつも打ってもらっていたが、毎回「痛くなかった」と言っていた。本当にチクリともしないのだな。

 お子さんは何歳ですか、と聞かれた。23と20だと答えたら、三種混合は接種しましたかと聞かれた。まあ、定期接種は全て打ったはずだから、しただろう。そう答えた。そして先生は、

「百日咳の可能性もありますね。」

と言った。おいおい、さっきは違うと言ったじゃないか。あれだな、コロナの検査はして欲しいから、ああ言ったのだな。分るけどさ、おかしいでしょ。プロの医者がそれじゃあさ。

 でも、私の望み通り、次男が出されたのと同じ、百日咳に効く抗生剤を出してくれる事になった。それから、漢方薬の副作用云々の質問を読んだ先生は、

「あなた方(私と夫)の態度が良くないですよね。」

と言った。

「ああ、他人が処方された薬を勝手に飲んだからですか?」

と、私は言った。確かに良くなかった。先生は更に、

「内々で何かしようとして、医療機関への相談が少な過ぎますよね。自分で勝手な判断をするから、余計に不安になってしまう。」

と言った。痛い所を突かれ、私は言い訳をした。ここは近いからいいけれど、耳鼻科は遠かったり、すごく混んでいたりして、具合が悪い時には行かれない、などと。それでも、確かに勝手に他の人が処方された薬を飲み漁り、勝手に副作用かも、などと不安になっているのも確かだ。いつもはこんなに長引く事がなく、一度病院に行けばそれで解決するのだ。今回耳鼻科に行って、もらった薬は飲み終えたのだ。その後でもっとひどい事になっている。異例中の異例だ。

 また、私が今一番困っている事、寝ている時に痰が鼻とのどを塞いで呼吸が出来なくなる事について、先生は、

「それで窒息はしません。苦しいですけど、とても苦しくてパニックになってしまうんですけどね。だって、水を飲めば通るって事は、気管じゃなく食道なわけでしょ。のどの問題なんですよ。」

と、言った。そう言われて、確かに、と思った。いや、鼻でも吸えないと思った気がするけれど、パニックになっていただけだろうか。とにかく、窒息はしないと言われてだいぶ安心した。この先生が言い切る事は珍しい。まあ、安心させれば大丈夫な事だから言い切って安心させようとするのだろう。いやあ、来て良かった。また、頭を高くして寝ると少し楽だとも言われた。これは、ぜんそく持ちのお友達も言っていた事だ。私はてっきり、咳がひどい時に頭を高くするべきだと思って、今は咳はそれ程でもないから関係ないと思っていたが、痰の問題においても同じだったようだ。

 心配な事として、週末に旅行がある、という事も書いておいたが、それについての言及はなかった。だが、

「ご心配でしょうから、あさっての金曜日にまた来てください。」

と言ってくれて、正直ありがたかった。これで、旅行前に血液検査の結果が聞けると思ったし、旅行に関して心配な事が聞けると思った。ここの先生は、水曜日の午後に大学病院で診察をしているそうなので、きっと今日私の検体を持って行って、検査に回してくれるのだろうと思った。普通町医者で検査をすると郵送するのか知らないが、結果が出るまでに1週間くらいかかるが、大学病院で検査をすると1時間くらいで結果が出るからね。

 薬局に寄って家に帰り、早速抗生剤を飲んだ。食後には痰を出しやすくする薬や、腰の痛み止めを飲んだ。腰の痛み止めは以前整形外科で処方されたもので、今日薬剤師さんが、もし頭が痛かったら解熱剤を飲んでもいいと言っていたから腰の薬の事を聞いたら、一緒に飲んでも大丈夫だと言ってくれたのだ。そうしたら、その後腰の痛みはすっかり治った。

 次男がなかなか起きず、やっと3時頃に起きてきた。全く昼夜逆転じゃないか、と思ったら、夜中に咳で眠れなかったのだそうだ。やっぱり百日咳だよな。そして、まだ1週間は私も治らないという事を示されたようで落ち込むのだった。

 座布団2枚で調節して、枕を高くして寝てみた。夕方少し眠れた。しかしそれから37.8度まで熱が上がった。一体何なのだ。やっぱり百日咳菌をやっつけ切れていないのだろうか。

 次男が熱で寝ている私に、

「何か買って来て欲しいものある?」

と声を掛けてくれた。なので、

「単4電池。」

と答えたらびっくりしていた。そりゃね、普通食べ物だと思うよね。昨日、電池がなくて、という話をしたら、次男は早速買ってきてくれて、しかもパルスオキシメーターの電池も交換してくれたのだった。この先何度測るか分からないけれど、苦しい時に測って、今日病院で先生が、

「大丈夫ですね。」

と言った97%だったら、私はまだ大丈夫だと思えるから。

 4日後に万博に行くので、シャトルバスを調べたらもう8時台のバスがなかった。あまり前もって予約してしまうと、万が一病気のせいで行かれなくなったら困るので、どうしてもギリギリまで予約できない。シャトルバスは辞めようか、それとも9時台の予約をするか、悩ましい。しかし、私はこんな体調で本当に行かれるのだろうか。酒は飲めないかもしれない。それでもいいか。別に酒が目的ではない。美味しく食べられなくても、名物は買ってくればいい。

 今日は食べると下るという腹具合だったので、夕飯はドリンクゼリーだけで済ませた。


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