表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令息の従者に転職しました  作者:   *  ゆるゆ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/92

ぶーいんぐだよ




「いやごめん、来た時みたいな駆け足じゃなくて、もっとゆっくり走るから」


 透夜は皆を励ました!


「トゥヤのゆっくりは爆速なんだよ──!」


 つっこむ藤も泣いてる。


「じぃじを背負って走ると、目立たないか……?」


 セオのつっこみが的確だ!


「ふつーに皆で歩いて行こうよう」


 常葉が泣いてる。


「いや、それだと約束の日に間にあわないんじゃ……」


 心配そうなセオの肩を透夜が叩いた。


「ふつーに歩いたら、三日くらいで着く」


「………………は!? 国の端から端だぞ!?」


 あんぐり口を開けるセオがよく勉強してる。えらい。



「半日で来たから。三日あれば着くんじゃないか?」


 透夜の言葉に紅蓮がうむうむして、藤が首をふる。


「三日はきついなあ。1週間で行こうよ。のんびりゆっくり!」


「そうそう、足腰は大切にしないと。1週間は欲しいよね」


 常葉もうむうむしてる。



「……え、いや……馬でもひと月……」


 真っ青になったセオが、カタカタしてる。

 じぃじと、護衛の皆さんまで、カタカタしてる。



「幌馬車、作ったら?」


 柳が発言した!


「おお、柳! よく喋ったな!」

「えらいよ、柳!」

「よくやった!」

「話せるようになったんだなあ」

「えらいえらい」


 透夜と常葉と藤と紅蓮とロロァ、皆になでなでされた柳の顔が赤く染まる。



「そんで、なんだっけ?」


 聞いた透夜に、ぽこんと藤の猫ぱんちが刺さった。


「幌馬車を作るの! 柳、えらい!」


「疲れたら乗るのか?」


 首をかしげる透夜に、藤が首をふる。


「ちがう! じぃじとセオ、ロロァさまに乗ってもらうんだよ。後はついて来れなくなった護衛さんとか。僕と常葉と柳の休憩とか」


 紅蓮と透夜が入ってない。

 おかしい。


「ふむ」


 首をひねる透夜と一緒に、紅蓮も首をひねってる。


 かわいい。



「食糧を積んだ幌馬車だと誰も警戒しないし、まさか王太子が乗ってると思わないでしょ。柳えらい!」


 常葉に拍手された柳が、赤い頬で照れ照れしてる。


 かわいい。


 ああもう、うちの子みんな、かわいいな!



「えと、そんで、なんだっけ?」


「だから幌馬車を作るんだよ!」


 藤のつっこみぱんちが鋭くなった!



「幌馬車なんて、どうやって作るんだ?」


 素朴な疑問を呈してみた。


「え、トゥヤが精霊さんと作ってくれるんでしょ?」


 藤のつっこみが、おかしい!



「え、俺!?」


 いや、大工さんじゃないよ?

 元暗殺者だよ。前世もたぶん大工さんじゃない!


「お願いしますじゃ、トゥヤさま」


 じぃじの期待の目が痛い。


「材料費はエゥゲ王国から出るぞ! この馬車を売ってもよい!」


 セオが太っ腹だ。


「がんばれ、トゥヤ」


「いや、喋ってくれるのはうれしいけど、柳! 皆で一緒につくろうよ!」


「わかった」


 こくりとうなずいてくれる柳が、やさしい。



「手伝うよー」


 微笑んでくれる常葉も、長い髪を揺らした藤も、白い歯をのぞかせた紅蓮も胸を叩いてくれた。




「精霊さん、精霊さん、幌馬車をつくりたいです、お願いします!」


 透夜のお願いに、精霊さんたちがドン引いてる。


『……うわー……』


『精霊に頼むことじゃ、なさすぎない?』


『間違ってるー!』



 大ぶーいんぐです。


 きもちわかる。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ