ぎゃー!
ロロァを家に連れて帰った透夜と退却した皆を、柳と藤とユィルが駆け寄って迎えてくれた。
「おかえり!」
「よかった、無事だね」
「ただいま」
『おかえり』迎えてくれるしあわせ、『ただいま』言えるしあわせをかみしめた透夜は、抱っこしていたロロァを下ろした。
藍の瞳をのぞきこむ。
「常葉の言うことを、ちゃんと聞くこと! さみしくても、お留守番! できますか?」
きゅうっと唇をかんだロロァが、透夜の服のすそをにぎる。
「……とーや、うわき、する、から……」
人聞きがわるい!
それはスパダリ道から、大変に逸脱しているのでは!
「俺は、わがきみの従者です」
「ユィルのこと、かわいーって言った!」
ぷくりとふくれて糾弾するロロァに、首をかしげた透夜は、こくりとうなずく。
「かわいーから」
「ふぇえええ!」
泣かした!
「あ、あの、あの、私は、うれしー」
真っ赤な頬で、ぽそぽそつぶやくユィルが天使だ。
「その、私も行こうとしたのだが、帝宮は危険だと、常葉に止められて──」
ユィルの言葉にうなずいた。
「真剣に殺される。いくら俺らでも13人しかいないんだから。よく思い止まった、えらいぞ、ユィル!」
ちっちゃなユィルの背中をぽふぽふしてから、常葉に向き直る。
「よくやった、常葉!」
肩を叩いたら、緑の瞳がへにゃりと緩んだ。
「でもロロァさま、だめだった。ごめんよ、トゥヤ」
「常葉は頑張ってくれたよ、ありがとう」
緑の髪をわしゃわしゃなでたら、照れくさそうに常葉が笑った。
「えへへ」
常葉と透夜をかわるがわる見つめたロロァの頬が、ぷくりとふくれる。
「とーやは、僕の、なのに!」
うりゅうりゅの目で見あげてくれるロロァが、天使だ。
「はい、透夜は、わがきみのものです」
ちいさく笑って、ロロァを抱きあげる。
頭をやさしくなでて、ふくれたほっぺをふにふにしたら、真っ赤になったロロァがうつむいた。
「……僕、きょーしょー?」
「おお、狭小? 難しい言葉をご存知ですね、さすがロロァさま」
ちいさな頭をなでなでした透夜は、こつんとおでこをくっつけた。
「ロロァさまが、やきもちをやいてくださったら、俺は、うれしいです」
耳まで真っ赤になったロロァが、透夜を見あげる。
「……ほんと?」
「透夜は今まで、嘘をつきましたか?」
ロロァはふるふる首を振った。
「……とーや、僕の……?」
「はい、わがきみ」
ふうわり、笑う。
俺の命を救ってくれたのは、きみだから
俺の感情をよみがえらせてくれたのは、きみだから
忘れたりなんてしない
いつもきみの傍で
きみを守る
悪役令息の惨殺の未来なんて、俺が、叩き壊してみせる
あの真っ暗な日々は喉を塞ぐけど、きみを守る力を得たことを、うれしいと思うんだ。
ロロァを抱っこする透夜の顔が溶けているのに、ユィルがふくれて、皆が笑う。
「はー、ユィルを止めるの大変だったよ。で、任務は成功したの?」
藤の突っこみに、たらりと透夜の背を冷たい汗が伝った。
報酬を先払いしてもらったのに、ロロァの筆頭伴侶候補決定が怖くて、お茶会の途中で退却したことに気づきました!
お茶会に出席した子息の名前と帝太子の反応が書けたのは、2名だ。
だだらんだっだっだー
『よい子の隠密団』は任務失敗した!
ぎゃ──!




