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悪役令息の従者に転職しました  作者:   *  ゆるゆ


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45/55

ぎゃー!




 ロロァを家に連れて帰った透夜と退却した皆を、柳と藤とユィルが駆け寄って迎えてくれた。


「おかえり!」


「よかった、無事だね」


「ただいま」


『おかえり』迎えてくれるしあわせ、『ただいま』言えるしあわせをかみしめた透夜は、抱っこしていたロロァを下ろした。


 藍の瞳をのぞきこむ。


「常葉の言うことを、ちゃんと聞くこと! さみしくても、お留守番! できますか?」


 きゅうっと唇をかんだロロァが、透夜の服のすそをにぎる。



「……とーや、うわき、する、から……」


 人聞きがわるい!


 それはスパダリ道から、大変に逸脱しているのでは!



「俺は、わがきみの従者です」


「ユィルのこと、かわいーって言った!」


 ぷくりとふくれて糾弾するロロァに、首をかしげた透夜は、こくりとうなずく。


「かわいーから」


「ふぇえええ!」


 泣かした!


「あ、あの、あの、私は、うれしー」


 真っ赤な頬で、ぽそぽそつぶやくユィルが天使だ。


「その、私も行こうとしたのだが、帝宮は危険だと、常葉に止められて──」


 ユィルの言葉にうなずいた。


「真剣に殺される。いくら俺らでも13人しかいないんだから。よく思い止まった、えらいぞ、ユィル!」


 ちっちゃなユィルの背中をぽふぽふしてから、常葉に向き直る。


「よくやった、常葉!」


 肩を叩いたら、緑の瞳がへにゃりと緩んだ。


「でもロロァさま、だめだった。ごめんよ、トゥヤ」


「常葉は頑張ってくれたよ、ありがとう」


 緑の髪をわしゃわしゃなでたら、照れくさそうに常葉が笑った。


「えへへ」


 常葉と透夜をかわるがわる見つめたロロァの頬が、ぷくりとふくれる。



「とーやは、僕の、なのに!」


 うりゅうりゅの目で見あげてくれるロロァが、天使だ。



「はい、透夜は、わがきみのものです」


 ちいさく笑って、ロロァを抱きあげる。

 頭をやさしくなでて、ふくれたほっぺをふにふにしたら、真っ赤になったロロァがうつむいた。



「……僕、きょーしょー?」


「おお、狭小? 難しい言葉をご存知ですね、さすがロロァさま」


 ちいさな頭をなでなでした透夜は、こつんとおでこをくっつけた。



「ロロァさまが、やきもちをやいてくださったら、俺は、うれしいです」


 耳まで真っ赤になったロロァが、透夜を見あげる。



「……ほんと?」


「透夜は今まで、嘘をつきましたか?」


 ロロァはふるふる首を振った。



「……とーや、僕の……?」


「はい、わがきみ」


 ふうわり、笑う。



 俺の命を救ってくれたのは、きみだから


 俺の感情をよみがえらせてくれたのは、きみだから



 忘れたりなんてしない



 いつもきみの傍で


 きみを守る



 悪役令息の惨殺の未来なんて、俺が、叩き壊してみせる


 あの真っ暗な日々は喉を塞ぐけど、きみを守る力を得たことを、うれしいと思うんだ。






 ロロァを抱っこする透夜の顔が溶けているのに、ユィルがふくれて、皆が笑う。


「はー、ユィルを止めるの大変だったよ。で、任務は成功したの?」


 藤の突っこみに、たらりと透夜の背を冷たい汗が伝った。



 報酬を先払いしてもらったのに、ロロァの筆頭伴侶候補決定が怖くて、お茶会の途中で退却したことに気づきました!


 お茶会に出席した子息の名前と帝太子の反応が書けたのは、2名だ。




 だだらんだっだっだー


『よい子の隠密団』は任務失敗した!


 ぎゃ──!







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