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悪役令息の従者に転職しました  作者:   *  ゆるゆ


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42/54

お昼なのに




 確かキァナは帝太子の側近になるはずだ。


 帝都学院での3年間がゲームの舞台で、メイン攻略キャラは勿論帝太子だ。

 その側近たちやクラスメイトが攻略対象として、学院の先生や隣国エゥゲ王国の王子が隠しキャラとして登場する。

 主人公が奇跡の治癒魔法使いとして、平民として初めて帝都学院に入学してきて、恋がはじまるという鉄板の展開だ。


 治癒魔法士は大変貴重な奇跡の子なので、どの貴族も欲しがる。

 逆ハーし放題な環境がかんぺきの『どき☆ワク☆イケメンパラダイス♡』

『一度に何人落とせるか、BLゲームマスターとしては是非とも挑戦せねばならぬ!』とか言ってプレイしてる時はウハウハで大変楽しかった。


「はー、ちっちゃいキァナ、かわいーな。おっきくなっても細くて色っぽいんだよなー」


 じゅるり。

 お、涎が。

 やばいやばい。12歳の反応じゃなかった。

 さらにお仕事中だった。

 

 透夜はあわてて口元を拭う。

 お仕事モードに切り替えだ。


「なるほど、伴侶候補でもあり、側近候補でもある訳か」


 となると、やはりここは、攻略対象が勢ぞろいの場か……?

 いや、学院の教師や隣国の王子は流石に来ないだろう。

 隠しキャラだしな。

 隠れててもらわないと。


 透夜がうむうむしている間にも、眼下はどんどん、にぎやかになった。

 次々に馬車がやってきて、めかしこんだ令息たちが降りてくる。


『帝太子の伴侶になるんだ!』意気込んで可愛く着飾っている子もいれば、親に無理矢理連れてこられたのだろう、ふてくされている子もいる。


 側近候補を狙っているのだろう、帯剣している騎士見習いっぽい子もいて

「お預かりします」

 騎士に剣を取りあげられてた。

 お茶会だからな。


「く──!」


 くやしがっている赤毛は、見覚えがあるような? 攻略対象?


 従僕が次々に呼んでくれる名と、帝太子の対応を書き留めていた時だった。



 殺気が、香る。


 影が、跳んだ。



 その瞬間、透夜は屋根から飛び降りていた。


 騎士は、間にあわない。

 敵が、速すぎる。


 あれは、暗殺者だ。


 精霊さんに頼むより早く、意を汲んで透夜の願いに応えてくれる。


 ドォン──!


 風魔法の衝撃を背に加速、飛んだ透夜は振り下ろされた剣を止めた。


 ガキィ──!


「な、にィ──!?」


 闇衣の暗殺者が、目をむいた。



 いや、昼間に闇衣とか、なくない?


 同業者として突っこんでしまいながら


 ガァン──!


 暗殺者の剣を弾き飛ばし、返す柄でこめかみを横から思いきり殴りつける。


「が、は──!」


 昏倒する暗殺者を転がし、透夜に続いて降りてこようとしてくれた紅蓮と木蓮を、目だけで制した。


『暗殺者が他にもいるかも。そっちの捜索を頼む』


 言わなくても、唇を動かさなくても、視線だけで思考を読んでくれる。

 今までずっと、そうしてきたから。


 うなずいた紅蓮と木蓮が散る。

 後方に展開していた仲間たちが、援護と他の暗殺者の探索に前に出てきてくれる。



「……ぁ、トゥヤ……?」


 ちいさな声がした。


 陽の髪が、ふるえてる。

 見開かれた緑の瞳が、透夜を見あげた。



 ちいさな頭のうえには、ちっちゃな王冠が、ちょこんと載っていた。








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