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悪役令息の従者に転職しました  作者:   *  ゆるゆ


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36/63

天の声も聞こえるスパダリ




「とーや、すごぃ!」


 拍手してくれたのはロロァだ。期待のきらきらの目で見あげてくれる。天使だ。


 他の皆は期待のキラキラから一転、ものすごく心配そうになってた。

 わかる。

 俺も心配だ。

 しかし、今世の俺はスパダリな、はず──!



 拳をにぎる透夜は、鍋をのぞきこむ。


「なんか、煮えてきた。精霊さん、ありがとう! いー匂いする。あ、塩! 塩買うの忘れた!」


「お、俺、買ってくるよ!」


 空が走っていってくれた。やさしい。


「はい、トゥヤ!」


 爆速だ。空、すごい。


 塩を入れて、お玉でかき回してみる。スープをすくって味見しようとしたら、天の声が降ってきた!


『じゃがいもの芽はとったのかな? 毒だよ!』


 聞こえるなんて、俺ってやっぱスパダリ──!

 そうだよ、俺の料理がびみょーなのは、絶対俺のせいじゃない!!!!!


 のはいいんだけど

 目の前にあるのは、じゃがいもの芽入りすーぷ……?



 …………え、もう煮えてる。


 じゃがいもの芽の毒って、加熱しても6割生きてるらしい、やばい──!


 それに異世界の野菜は調理法がなんか違ったりするのかも!


『あ、人参見っけ! じゃがいも見っけ! 米あったー!(喜)』で何の確認もしなかったァア──!



「精霊さん、精霊さん、人間に毒なものが入ってたら、消してください!」


 困った時の精霊さん(ほんもののスパダリ)頼み!


『んん? 平気そうだよ?』

『市場で、毒な野菜は売ってないよ』


 異世界、意外にやさしかった!


 おそるおそる味見してみる。


「うーん?」


 塩を入れ過ぎると死ぬと聞いた! 控えめでいいだろう。うん、減塩、減塩。



「異世界の米って、研いでから炊くの? 無洗米なの?」


『とぐってなに?』


『むせんまい??』


 精霊さん、米を食べないからな。


「なんかこう、水に入れて、しゃっしゃって力を入れてこすり洗いする?」


『この米は、洗わないほうが栄養とれるよ』

『さっと水に流してゴミだけとれば?』

『洗う人もいるみたい?』

『このみ!』


 すごい!

 情報収集もできる風の精霊さんが、人間の暮らしを検索してくれたらしい。さすがスパダリ!


「なるほど! ロロァさまには栄養をとっていただきたいので、洗わない!」


 が、ゴミはとろう。

 しゃーっと軽く洗い流してみたよ。


「米は、はじめチョロチョロ中パッパ? 赤子泣いても蓋とるな? 呪文か──!」


 心配しかない。どれくらい炊くんだろう?

 蓋とるなって、ひどくない?


 ぐつぐつしてる。


 焦げたらお終いじゃねえ?

 心配だ──!


 蓋、とってみた。


 お粥みたいになってた。

 ぐつぐつしてる。



「ま、まあ、粥をつくったってことで!」


 焦げてなかった、よしとしよう!


 ちょこっと食べてみた。なんか、中が硬い。これ、芯があるっていうのかな? 塩も入れたほうがいいかも。ちょこっとね。



「もちょっと煮よう」


「ほ、ほんとにご飯ができるのか?」


 ユィルが心配を口にした。


「頑張ってる」


「う、うん、ご、ごめんなさい」


 うつむいて謝ってくれるユィルが天使だ!





 ちょこっと食べてみて


「うーん?」


 ちょこっと食べてみて


「おーん?」


 繰り返してたら、皆の顔が、どんどん心配になってる!



 頑張れ、今世の俺のスパダリ──!









 ずっと読んでくださって、ほんとうにありがとうございます!


 もしよかったら、今年も透夜とロロァと皆といっしょに、どうぞよろしくお願い致します!




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