表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令息の従者に転職しました  作者:   *  ゆるゆ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/54

断固!




 そうだ、暗殺人形だった頃は、ちいさな表情の変化も、微塵もなかった。


 照れたり、赤くなったり、笑ったりする皆を見てると、涙腺が崩壊する……!


「皆、よかったな……!」


「トゥヤも」


 手をにぎってくれる皆の目が、うるうるしてる。


 固く手をにぎり合う透夜と皆に不思議そうに首をかしげたメメは、にこりと笑った。


「仲良し子ども団の皆に、いいのが1個あるよ」


「1個?」


 11件って言ったのにー。


 不服顔の透夜に、メメの唇がにやりに変わる。


「11件分の報酬があるんだよ」


「やります!」


 手を挙げた透夜に、皆がうなずいてくれた。


 メメは掲示板に目をくれることなく後ろの部屋に入り、書類をかき回して戻ってきた。


「今度、帝太子殿下の伴侶候補を決めるお茶会が開かれるんだ。誰が出席していて、誰が最有力なのか、調べて報告してくれって、隣国エゥゲ王国の宰相からの依頼だ。報酬は破格」


 きらきらしく装飾された羊皮紙に目をむいた透夜は叫ぶ。


「断固、お断りします!」


 攻略対象に近づいたら、ダメ、絶対!




「えー、やってよー。『よい子の隠密団』なんでしょ? バハから話を聞いた支部長も、子どもだから疑われなさそうだし、腕も良さそうだし、是非お願いしろって!」


「警護が厳重そうだし、俺たち、子どもなんで!」


 はい拒否──!


「優秀なんでしょー?」


「優秀だけど、いや!」


 断固拒否!


 ぷんぷんする透夜のそでが、くいくい後ろから引かれる。


 仲間の皆を振り返ったら、心配そうな皆の瞳と目が合った。


 心配まで会得してる!

 すごい!



「トゥヤ、いやなら、俺らで行ってくる?」


 紅蓮の言葉に、空もうなずく。


「報酬、いいんだろ?」


「だめだめだめ! 仲間が近づくと、そこから芋づる式に被害が及んで、ロロァが惨殺されるなんてことになるんだから、絶対だめ!」


 断固反対!


「という訳で、聞かなかったことに。犬探しとか、そーゆーのやります。帝都から出られないんで、薬草摘みとかは無理です!」


「えー!」


 ぶすくれたメメは、声をひそめた。


「……さっきロロァって聞こえたんだけど、ギビェ家の?」


「聞き間違いじゃないですか」


 ぐはあ──!

 失言した! わがきみ、ごめんなさいー!


 内心わたわたな透夜に、メメは更に声をひそめる。



「お茶会にはギビェ家が出てくるってさ。次男だっけ? 後釜のほうの子ども。彼を知り己を知れば百戦あやうからず。情報は持ってると強いよ?」


「……そんなことわざ、ありましたっけ?」


 まさか転生者か!

 ビビる透夜に、メメが胸を張る。


「知らないの? いにしえのカヒ王国の高名な軍師の言葉だよ!」


「……へぇえ」


 さすがBLゲームの世界だ。

 ビビった。

 あちこちに転生者がゴロゴロしてるとか、危険すぎて、こわい。


「しばらく帝都にいるんでしょ。敵がどう動くのか、知っておくのは大切だよ。きみたち、優秀なんでしょう? 前に出るなんて、無様な真似しないよね? なら、近づかないのと一緒だよ」


 片目をつぶってくれるメメは大変愛らしいが、スパダリな俺は、ほだされないぜ!


 腐った屋根裏を踏み抜いて、無様に死にかけた男だからな!


「いや、どんな危険があるかわからないから──」


 断固、拒否る!








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ