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この世の不条理を全て踏み潰し進んで行く姿を見てください。
ここはセイラン国の近隣の国の王城の一室。
「間者からの報告だ、セイラン国に続き、ローラン国も滅びた、今あの辺で何が起こっている?」
「クヌート国に巨大な壁ができ、それを行ったのが1人の冒険者だと」
「そんな事可能なのか?」
「間者の報告が正しければローラン国の国土全体を覆う程の隕石が落ちて来たようです、間者は何とか難を逃れたようですが、辺りは我が国の初代様が残した書物に書かれている地獄と言われる場所、それがあるならば地獄とはあの光景を言うんだろうと間者からの報告です」
「ああ奴はロンド公爵家の血を引いてるんだったな、書物も読んでいるか、それよりもそれをしたのが1人の男だと信じられるか?」
「あくまでも間者の言う事が正しければですが」
「もう少し情報が欲しいな、もしそいつを我が国に招き入れられれば国勢が変わる」
「危険かも知れませんが、そんな強大な力を持っていればそうですな、しかし簡単には行かないでしょう、1歩間違えれば我が国も同じ運命を辿るかも知れません」
「なぁに、まずは情報だ、それ次第では他の手を考える、敵になるならば他にやりようもあろう」
「そうですな、まずは情報ですな」
(ふふ、面白い事になりそうね)
(彼には話さないのか?)
(話さないわよ、私は貴方と違って人間を必要とは思ってないもの)
(まぁ私もどちらかと言えばそうだが人間は見ていて面白いからな)
(なら尚更話さない方が良いじゃない、敵対した時の人間の行く末、今話したら丸く収めてしまうかもしれないじゃない)
(それなら、それの方が良いだろう?)
(何を言ってるの、私達が誘導したら余計な方向に考えが固まる、彼が彼の思うがままに進むのが神の考えよ)
(確かにそうだな、それにしても神は何故彼に方向を示さなかったのだろうか?)
(さぁ?それは分からないけど、もう何度も何百年もこの様な事を繰り返してる、彼の考えにある、起爆剤のようになればと思っただけかもしれないし)
(起爆剤、それで本当に爆発したらどうなるのだろうな)
(フラグよ、彼の言うフラグを立てたわ)
(いや、そんなつもりで、いややめておこう、最近私達は彼の思考を考え感情的な物も分かるようになってきた、これも神の考えなのかもしれないな)
(そうね、私も彼の領民には少しは好意的な者もあるし、そう大精霊になって忘れていた、小さな精霊達の感覚が戻ってきた、無邪気にエルフを好きになったりしてたあの頃、遠い遠い遥昔の話)
(そうだな我も久しぶりに魔族に会いたいと思っている)
(これも神の考えなのかもしれないわね)
なるべく日を空けずに投稿出来たら良いなと思ってます。
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