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翌日
テロル「アグニャ、今いいか?」ピンポン
アグニャ「テロルくん?どうぞ、入って」ガチャ
テロル「こんな朝早くにすまねえな、でも艦長たちに顔会わす前に相談したい事でさ…」
アグニャ「そうなんだ、あたしを頼ってくれて嬉しいよ。何でも話してね」
テロル「ああ…アグニャはさ、昨日艦長の話に出てきたテロ犯ってどう思う?」
アグニャ「え…別に、よくある子供を利用した卑劣なテロなんだなって思うよ。後はゴロさんが死んだ原因の一つかなとしか…」
テロル「そうじゃなくて…えっとな、そこに視点を当てるんじゃなくて…実行犯はさ、間接的にゴロを殺したようなもんじゃないか?」
アグニャ「まあ…そういう風にとることもできるけど」
テロル「もしもさ、その子供が目の前にいたとしたら…艦長やエシャーティさんはそいつをゴロの仇として…見るよな?見るに決まってるよな?」
アグニャ「ま…まって、なんでそんなことを相談してるの?」
テロル「実は俺が…20年前、アステルでテロを実行した子供だからだ。俺はゴロを殺したも…同然なのかもしれねえ…」
アグニャ「え…!?」ミヒラキ
テロル「本当に…本当のことなんだ…」
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アグニャ「そんな…テロルくん、そんな過去があったんだ…」
テロル(元テロリストだし…軽蔑されたかな…いや、最悪このまま艦長たちに突き出されるな…)
アグニャ「えっとね、あたしは…ビックリしたけど、大丈夫。テロルくんをゴロさんの仇だとは思わないよ」
テロル「…」
アグニャ「それに…子供のときに、惑星軍に利用されてやっただけじゃない。あなたは…重荷を背負う義理はないよ…」ギュ
テロル「そうだろうか…でも俺は…とんでもないことをやっちまったんだ…」プルプル
アグニャ「間違いを犯さずに生きる事だけが、正しい事じゃないよ」ヨシヨシ
テロル「う…」ポロポロ
アグニャ「きっと大丈夫…ほら、安心して…」ナデナデ
テロル「ぶふぅ…」グスン
アグニャ「よしよし…」
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アグニャ「落ち着いたかな」
テロル「ありがとう、だいぶ気持ちが整理できた…気がする」
アグニャ「そうだ、あたしが艦長とエシャーティさんにどう思ってるか聞いてみるよ。きっと二人とも大丈夫だろうけど…」
テロル「いいのか?」
アグニャ「うん。このまま隠し事をずっと続けていくの辛いでしょ。友達が辛いのはほっとけないから…」
テロル「面倒をかけてすまないが…頼む」
アグニャ「任せて!それじゃ、ちょっとしてからブリッジに行こうか」
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