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恋慕譚(二作品)
「邂逅」
小さな箱から流れ出す音色
迷子の音が一つ
体内へ流れたその時
中毒の喜びを知ってしまった
貴女の所為
貴女の音しか許さなくなってしまった
しかしそれで良い
貴女の歌声で 音色で
充分満たされるのだから
見えない蜘蛛の糸に
捕まってしまったのだから
「密かごころ」
どんなに着飾っても
貴方は振り向いてはくれない
見つめる先は
髪の短い 素朴なあの子
私への優しさが
時々胸を締めつける
貴方はいつだって 誰にでも優しいから
「またね」と手を振る君
とびきりの笑顔を向ける君
私の隣を見つめる君
胸に開いた小さな穴に
針をたくさん 注ぎ込まれたような気がした




