200文字詩篇 桜月夜(200文字) 作者: 竹井閑山 掲載日:2016/03/12 四条大橋のたもとから 河原の桟敷を眺めやれば 十五、六歳の少女がひとり 長い黒髪をふり乱しながら ひわいな踊りをおどっている やんやと囃したてる群衆 ぼんぼりに映える桜吹雪 都の鬼門の方角には 大文字山の送り火が 狂ったように燃えさかっている 私は猫にせきたてられて 私の行くべき先を急ぐ さて次は何に生まれ変わらせてもらえるのか 円山公園の花見客を尻目に 防災道路を登ってゆくと ただそこだけが静けさに 法然廟と知って飽かなかった