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なんだこいつら・・・。
もう一度言おう。
なんなんだこいつらは!
「サンザシ、ナズナ。彼らは今日からこの三番隊に入る、隊員3号と4号だ」
俺らの横に立って、んなアホな説明をした金髪カールのババ・・・オネェさんは、ここに着いた時にオウレンがこの組織で一番偉い奴って言ってたけど、こいつが頭で大丈夫なのか?この組織。
「何すか、その3号4号って・・・正しくは?」
正面に立ってるツンツン頭のにぃちゃんが呆れたように言う。
ホントに良く言ってくれたよ。
「オウレンとシンラだ」
すかさず答えておく。
んで他に気になることと言えば、にぃちゃんの左足に白くてモコモコの何かが巻き着いてることだ。
大きさは丁度俺と同じくらい。
人の足が生えてるから人間だとは思うけど、頭まですっぽりフードに隠れてて顔は見えない。
あまりに不審そうな目でそれを見続ける俺ににぃちゃんは気付いて話かけてきた。
「・・・えっと、オウレンとシンラだったか?」
ツンツンのにぃちゃんは俺達に向き直ると、器用なことに足にモコモコを引っ付けたままこっちに近づいてきた。
そんで俺達の前でしゃがんで笑顔で言う。
「俺はサンザシ。こいつはナズナだ。これからよろしく。分からないことが有ったら俺に聞いてくれ。・・・ほら、ナズナも挨拶!」
ツンツンのにぃちゃん、もといサンザシは足から背中に移動したモコモコの頭を撫でながらさり気なくフードを脱がす。
現れたのは黒い髪と珍しい金の目の女の子だった。
年は俺と同じくらいか?
ナズナは渋々サンザシの背から降りると、サンザシの隣に並んでぺこりと無言で頭を下げた。
頭を上げてからも感情の読めない金の目は俺達をじっ、と見つめてくる。
なんとなく目を逸らしたら負けな気がした。
「オウレンといいます。こちらこそよろしくお願いしますね。サンザシさんに、ナズナ」
俺がナズナと睨めっこをしているうちにオウレンがさっさと挨拶を済ましてしまった。
肘で突かなくても言うって!
「シンラだ・・・よろしく」