報告する者、倒錯する者
二つの月が照らす、夜道の下。
ユリとセティの二人は、続かなそうで意外と続く会話を交わし続けている。
『アークドラグノフ』副隊長であるセリスティーナ・シェロック中佐。
武術もさることながら、その知識量も中々深い部分がある。
あまり口数の多い方ではない彼女と共に、ユリは『ジャポン』城の前にまで戻っていた。
「お〜い!」
「あ、一緒に帰って来た』
先に戻っていたレオンと知影に迎えられ、一行は城内へと入って行く。
「‘さて、歩きながら事前の確認事項といくぞ〜…’」
道すがら、レオンが話を切り出す。
恐らく、四人のみで行動出来るのは今夜が最後。明日からは、この世界の人々と行動を共にし、討伐軍として戦場に臨む。
レオンの声は、周囲三人にようやく聞こえるような大きさのものだった。
「‘隊長殿、その話は……’」
「‘大丈夫。…監視の気配が無いから’」
聞き耳を立てている者が居るかもしれない。
そんなユリの危惧を、周囲の様子を横眼で窺っているセティが否定する。
夜の城内は、嵐の前より静けさにも等しい静寂が支配している。
人の気配は少なく、居るとしても最低限の警備兵のみ。こちらに意識を向ける様子は無く、石像のように直立している。
よくよく見てみれば、寝ている者も居た。
「…ユリちゃんとセティちゃんは分かっていると思うが〜…化物は“奴ら”の可能性も高い。人間が魔法を使えないこの世界の人前で、魔法を使用するのは避けたいが〜…ヤバければ〜使用を許可する」
確認事項は、この世界での魔法の使用に関するものであった。
砂漠や洞窟で使ったのは、発動しているのが側から見れば分からないかつ、人前でなかったから。ついでに命の危険。
今ここに居るのは隊長、副隊長、医療班主任兼実行部隊No.3という、アークドラグノフ内で最強の布陣ではある。しかし、魔法の使用を禁じては【リスクX】レベルの相手に傷一つ付けられないだろう。
武術も実力には入るのだが、やはり魔法の有無は戦力に直結する。
レオンとしては、尽くせる手は尽くして事に当たるべきと考えていた。
「‘ユリちゃんも。いざと言う時は、戦略兵器の使用を許可する’」
「‘うむ、承知したぞ’」
「‘戦略兵器…っ!?’」
物々しい発言に、珍しく知影が狼狽える。
「‘ふ…っ。戦略兵器とは言うが、単なる銃弾だ。女には鋭い棘の一つぐらいあっても良いだろう’」
「‘いやいや、棘って…棘にしては天元突破してるような……’」
「‘…因みに、収納場所は谷間の狭間’」
「‘それなんてパイでズリ…!?’」
セティに誘導された知影の視線は、ユリの胸元へ。
ゴクリと喉を鳴らし、眼を剥き出しにする。
どことなく下心の見え隠れする視線に、ユリは身体を守るように腕組みする。
「‘パイで釣り…?’」
一方セティはキョトンと首を傾げる。
「‘パイじゃ…魚は釣れないと思う……’」
何気無い少女の言葉に、一同の視線が集まった。
セティの背中に、三人は後光を幻視する。
「‘知影殿。未成年の前で変な発言は気を付けてほしい’」
「‘はぁい…’」
その眩しさたるや、知影ですら自らの穢れを自覚する程のものだった。
流石に未成年の前で話すようなことでもないだろう。色々と言いたいことがある彼女であったが、取り敢えずは口を噤むことにした。
「俺的には、知影ちゃんの発言にドキッてくるものがあったな〜」
一方、一行の中で最も未成年からかけ離れた大人が、そのままの調子で不埒な発言を続けた。
内容が内容であったので、声も潜まなくなった。
「「……」」
途端、女性陣二人の視線が険しいものになる。
「隊長さん…その発言は…ちょっと…」
「隊長殿〜それは治療が必要な不整脈だろう。薬を処方しないとな」
呆れた様子の知影に対し、ユリ至っては懐から得物の銃口を覗かせていた。
「な、なぁユリちゃん…注射にしては〜ゴツくないか、な、ユリちゃん?」
レオンの背中に当てられたのは銃口。
当然、注射針のように細いものではない。内腔に指が入る程に極太だ。
「心配するな。…‘単なる鉛弾だ’」
薬剤投与にしては、随分と物騒なものである。
冗談か──否。ユリの抑揚の無い声は、至って本気の感情が込められている。
変態に容赦は無し。
女の敵、死すべし。
ユリが引鉄に指を掛けた直後に、レオンの背が離れる。
「よ〜し!? 今日はとっとと寝るぞ〜!!」
一同のリーダーである三十路の男は、生命の危機を感じて慌ただしい様子で逃げ出すのだった。
「…了解だ」「…了解です」「…了解」
三人もまた、来客用にあてがわれた部屋へと向かう。
「(願わくば…私のこの予感が外れていてほしいものだが……)」
「(弓弦君…森に居るんだよね……?)」
慣れない環境ではあったが、一日振りの整えられた寝床と洞窟内での疲労とが合わさり、ユリと知影は夢の中へと引き込まれていった。
「‘…私’」
布団に入った二人を横眼に、セティはインカムを耳に当てていた。
『やぁ、連絡待ってたよ副隊長。…クアシエトール中佐と合流出来たみたいだね』
「‘ユリだけじゃない。レオンも、知影も居る’」
『そうなんだね。それは…良かった』
通信相手は、『アークドラグノフ』にて待機しているセイシュウだった。
飄々とした声音の男であったが、言葉の裏に強い安堵の感情があることが察せられた。
『状況は?』
「‘…順に話す’」
セティはレオンとの共有事項をセイシュウに報告した。
無作為転移者の間に起こった時差や、その中でレオン達が合流した経緯、今何の目的で行動しているのかを話していく。
『ふむ…楔が打ち込まれてなかったとはいえ、弓弦君と他の面々で二百年近い時差が生じたか。…少し、いやかなり予想外だ』
セイシュウはそう前置きした上で、一人考察を深めていく。
『四人が魔法陣の中に吸い込まれた際のタイムラグを考慮しても…クアシエトール中佐達を基準日として、四ヶ月と二百年の関係を導き出す乗算に該当する係数が見出だせない。実は弓弦君は、クアシエトール中佐達よりも後の時間軸に転移していて、そこから改めて二百年以上の時を遡ったとか…それなら納得出来るけど。それか、何らかの力が作用した可能性も否めないけど…でも…生きているんだね』
怒涛の推論に、セティは瞬きする。
セイシュウの頭脳は、他者の追随を許さないものであることは彼女とて知っている。
しかしいざ口にされると、頭の処理が追い付かない。
「‘よく分からないけど…。今、知影の直感を頼りに足取りを追っている’」
『ふむ。一時的に肉体を共にしたことによって存在同士に生じた回路…繋がりが第六感に作用しているんだね。彼女の直感を当てにすることが、弓弦君を発見する最大の近道になると思う。流石はレオン、良い判断だ』
「‘…よく分からないけど。明日行く森が、当面の目的地’」
『森に入る見返りとして、現地人に協力するって話だったね。王を殺めた化物か…レオンやクアシエトール中佐は、二百年前の悪魔の再来を予測しているんだろうけど…何か、引っ掛かるね』
「‘引っ掛かる…?’」
『…いや。考え過ぎ、かな。二百年前の悪魔のことで、他に何か分かっていることは?』
セティは自らの記憶を手繰った。
二百年前の悪魔。名前も、属性も不明な存在。
討伐されたという資料が残っているが、果たして。
「‘…二百年前に討たれた以外に詳細不明’」
『…弓弦君が、ハイエルフの女性と二人で討伐した…か。『リスク』と言い、果たしてどんな存在だったのか…』
「‘…どうせ、見当は付けてる’」
『そりゃあ、ね』
「‘『リスク』は?’」
『僕の見立てが正しければ…“X”かな。もっとも、転移装置を介して大気中に漂う魔力を解析した上での過程だけど……』
「‘【リスクX】…! 属性は?’」
『そこまでは。楔を打ち込んだのが先日である以上、それ以前の記録を『組織』で拾うことは出来ない。…それに魔力なんてものは、特殊属性であっても数十もの種類が極微量で漂っている場合が多い。大気中の成分を解析しても、特に活性化していなければ…ね』
「‘でも…見当を付けているとセイシュウは明言した。属性ぐらい絞れているはず’」
セイシュウが返答するまでに、少し時間が空いた。
どう返答するべきか、まるで逡巡しているかのように。
『支配、空間…複数の特殊属性魔力が、一般的な値よりも高い値を示しているね。誤差の範囲内とも取れるけど…』
「‘『空間の絶ち手』?’」
『二つ名、よく知ってるね。でも空間の悪魔は消滅を確認している』
「‘支配か…別の悪魔?’」
『『組織』の文献に…『支配の王者』と言う二つ名の記載があったね。顕現は久しく確認されていないけど…。可能性はあり得る』
「‘他に考えられる可能性は?’」
『…随分と気にしてるね。どの悪魔の名が出ることを危惧しているんだい』
セティの眼が、鋭く細められる。
彼女の脳裏には、とある悪魔の姿が浮かんでいた。
確かにセティの中には、危惧すべきことがあった。しかしいきなり踏み込んだ質問に、反射的に気配を尖らせてしまう。
『あ、いや。ごめん、これは悪い質問だ。ただ可能性を追求し始めたら、この場合はキリが無いし、対応策も戦力も限られている。最悪の可能性さえ防げたら、後はおおよそ問題無いよ』
勘が良いのか、セイシュウもセティの変化に気付いた。
すぐに伝えられた謝罪の言葉に、セティの瞳は元の状態に戻る。
ここで臍を曲げても意味は無い。何かしら必要な情報を引き出さなければ。セティの思考は冷静に回っていた。
「‘最悪の可能性…? セイシュウの頭には、何が浮かんでるの?’」
『君達の敗北、全滅さ』
「‘…誤魔化さないで。その過程がある。…セイシュウが心配なのは、その一つ前’」
『…珍しいね。君がそこまで感情的になっているの』
「‘はぁ…’」
セティは小さな溜息を吐いた。
冷静な思考が導き出す、結論。
どうやらセイシュウは、今伝えた以上のことを伝えるつもりはないようだ。
「‘…答えるつもりがないのなら、もう良い’」
『まぁ、確証無いから。それよりも、我等が隊長はどうして連絡の一つも寄越さないんだい?』
「‘…コク。全員揃うまで…帰らないって’」
『…アイツらしいな。分かった。支援が必要なら、適時連絡してくれ。支援物資の準備はしてあるから』
「‘…分かった’」
『明日もまた定時報告をお願いするよ。じゃ』
通信は、そこで切れた。
基本はこちらが情報を提供する通信であったが、セイシュウもさり気無く必要な情報を教えてくれた。
セイシュウは空間の悪魔を否定し、支配の悪魔の可能性を提示したところで話を切り替えようとした。つまり二百年前の悪魔は、彼の中で支配の悪魔として結び付いているのだ。
「(支配の…悪魔)」
支配属性も、それを司る悪魔についての知識も、セティの中に数多くはない。
分かるのは精々、大なり小なり森羅万象を操ることが可能な属性であること、悪魔は蝙蝠型の姿をしていること──ぐらいである。
こんなことになるのなら、もう少し文献に眼を通しても良かったと思うセティであった。
「…私も…寝ないと」
情報を整理しながら、セティは布団で眠る二人を見遣る。
寝ないといけないのは分かっていたが、何故だかまだ眠る気にはなれない。
座りっ放しであったためにその場から動き、少しだけ外がよく見える場所にまで移動した。
「(……赤い月が、輝きを増している)」
二人の寝息を聞きながら。
セティは一人、二つの月の輝く空を見上げていた。
* * *
暗闇だ。
その空間では、闇が嗤っていた。
「僕は…僕は……勝たないと……勝たなければ……ならない……」
音弥は一人、作戦室で化物をどう倒すべきか策を練っていた。
眉間には青筋が浮かび、冷汗が伝っている。
瞳孔は開き切っており、さながら極限状態を思わせた。
その様子は、人前での姿とは大きく乖離しており──どこか狂気的にも見えた。
「…明日だ…明日僕は英雄に…この剣があれば…!」
音弥の血走った眼が壁に立て掛けてあるカースソードを映す。
ハイエルフの魔法を封じることが出来る宝剣の力を用いれば──玉座の間でやったことと同じことをすれば、今度こそ必ず討つことが出来る。
「…ヒヒッ」
そう、音弥にはその自信があった。
自らが英雄だという絶対足る自信が。
選ばれた者故に成すべきことを成す理由があるのだという、確固たる自負が。
「英雄…英雄だぁ…古い賢人の時代が終わり、新しい英雄の時代…僕の手で作るんだ…」
音弥の脳裏に、浮かぶ光景があった。
力が無くて無様に死んだ友人。
心というよく分からないものに縋り、今頃どこかにおめおめと逃げた女。
そのどちらにも無いもの、全てを従える力を彼は与えてもらった。
──誰に? そう、天使にだ。
剣を与えてくれた天使はあの時以来姿が見えないが、恐らく自分に剣を授けるためだけに降臨したのだろうと都合良く考え、彼は机上に広げられた森の地図を見る。
今日一日をかけて兵に書かせた地図だ。
数人帰還した兵達以外の商速は掴めないが、それはどうでも良い。
入口から目的地──森の最奥部にある村までの道は地図上で可視化した。
『迷いの森』が何だ。こうして地図さえ作ってしまえば、簡単に目的地へと向かえる。
「…最悪僕だけが生き残れば良い。先遣隊の連中は全滅しても問題無いメンバーを揃えた。…あの妙な四人組は使えそうだから生き残ったら直属の部下にしてやるが、英雄の部下だ…さぞかし光栄だろう…。まぁ…生き残ることが出来たら…だけどねぇ…ククッ」
後は兵を差し向けるだけ。
都合良く旅人の協力も得られ、戦力は十分だ。
後は場を整え、自分が古き者共の時代を終わらせる。
彼の中で、準備は万端なものとなっていた。
彼はこの時、信じて疑わなかった。
自らが正義だということを。
「考えるだけで…ゾクゾクするねぇ。待ってろ…僕が殺してやるよ……! ユヅル・ルフ・オープスト・タチバナとフィーナ・エル・オープスト・タチバナ…ククク…ッ!!」
ここは、光の中で生きる英雄とは真逆の世界。
英雄に憧れるも、渇望するも、掴み取った手段は闇の手段。
英雄を殺めることで、英雄に取って代わる。
誰も居ない空間。それはまるで、彼自身のこれからを暗示しているようでもある。
その道の先にある結末は、何なのか。
己が欲望のために、今は突き進む。
立ち塞がる者には須らく死を願い──英雄からはあまりにもかけ離れた残忍さを思わせる、歪められた力によって壊れた人間の高笑いが、夜の作戦室に響いていた。
「…クスッ。可愛い御顔…♪ 可愛い御口……」
「…。風音、何をやっているのかしら…!!」
「あらあら…うふふ、少々御顔を拝見していただけですよ」
「嘘を言わないで。…さっきのあなた、飢えた女の眼をしていたわよ。この人を、性的に食べたいと言う女の眼にね」
「何を仰いますか。そのようなことはありませんよ、まったく御座いませんよ、思っていませんので安心して下さいませ」
「…本当に?」
「はい。そもそも、何故私がこの御方に想いを寄せねばならないのでしょう」
「…そう言われたら言われたらで、無性に腹立たしくなるのは何故かしら」
「それはほら、揶揄われていることに気付かれているからだと」
「…あなた、本当に良い性格しているわね」
「御褒めに預かり光栄に御座います」
「全く褒めていないのだけど」
「勿論存じ上げておりますとも」
「……」
「うふふ」
「…。そう…ほら、予告行くわよ」
「畏まりました」
「『想いは同じ、されど打つかり合う』
「『想いは同じ、故に打つかり合う』」
「『何故火花を散らすのか。それは、存在が違うものだから』」
「『何故火花を散らすのか。それは、互いに譲れないものがあるが故』」
「『知影達一行の前に立ち塞がったのは、神秘的な雰囲気を持った美女と、温和な雰囲気を持った美女』」
「『人に持ち上げられ、人に捨てられた英雄と』」
「『瞳の奥に青白い焔を宿した復讐者』」
「『両者が愚者たる者と、知影達に牙を剥く』」
「『負けられない理由を、胸に秘め──』」
「「『次回、迷いの森、迷い無き者達』」」
「…どうして今回に限って、二人交互に読むなんてオーダーがあるのかしら」
「そう仰られましても…。気分か…偶然では?」
「…偶然…か。そうね、そうかもしれない」
「そう言うことで、何か一言御願いします」
「どう言うことなのよ。…前回、あんなことがあったのよ? 次の出番まで休んでいても良いじゃない。…気分じゃないわ。風音、お願い」
「私もそのような気分では御座いません。先のような出来事はこう…肝を冷やす勢いでしたので」
「…最初は呑気に予告を言おうとしていたじゃない。今回も言ってくれて構わないのよ?」
「いえいえ、今回は御譲り致します。前回譲って頂いたので」
「…なら今回も譲るわよ? 遠慮しないで、さぁ」
「いえいえ。どうぞ?」
「さぁ」
「どうぞ」
「さぁ…!」
「どうぞ?」
「重なる想いが、話譚となる」
「「ッ!?」」
「って、こう言うの言ってみたかったんだよなぁ」
「ご、ごごごご主人様!? 起きて…!?」
「ん? 起きてちゃ駄目なのか?」
「いえ、駄目と言う訳ではありませんが…。弓弦様は今、深い傷を負って眠られているはずでは……」
「そうよ、風音の言う通り。びっくりしたじゃない……」
「…ほら、本編じゃないんだろ? じゃあ起きても良いよな?」
「まるで寝る演技をしていたような言い方は置いといて…良かった……」
「寝ていた…と言うより、まだ寝ているのかもな。予告ってやりたい放題な夢の世界だし。本編の俺は、きっと気絶しているんだろう。…と言う訳で、今の俺は幽霊みたいなものなんだ。だからフィー、その抱き着く準備も止めてくれよ…な? って、おわっ!?」
「コホン…例え本編じゃなくても、こうして動いている姿が見れるだけで十分抱き付く価値はあると思わない? 心配してたんだから…」
「っ、フィー…」
「少しくらい良いじゃない…ね♪ コホン、ご主人様♡ あなたを…身体の隅々で堪能させてください…」
「…。まぁ少しだけならな。ほら、夢だし? ははは…こんなに想ってくれている妻が居るなんて! 俺はなんて幸せな男なんだろう!」
「そんな…ご主人様♪」
「…フィーナ」
「あなた♡」
「フィー…」
「……。あらあら…うふふ、人前であるにも拘らず、大変御熱いですね。心なしか御二方共、箍が外れていらっしゃいます。あくまで予告と言うことで、憂さ晴らしとばかりに戴いた機会を満喫しているので御座いましょう。…まぁ、あんなに熱い抱擁を…。本当に、御熱いことで……」