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俺と彼女の異世界冒険記   作者: 仲遥悠
女二人湯煙客旅編
310/411

湯煙旅と炬燵空間

 夜が明け、人々が姿を見せ始める中。街の様子を眺める人物が居た。

 『ユドコロ』にある建築物の中では中々に高めの部類に入る屋敷の中。街を見詰める瞳は二対。


「…見廻組、随分と遅い到着じゃったの。余程魔物が手強かったと見える」


 見詰める瞳が一対。飯坂は蜜柑を片手に外を睨んでいる。

 見廻組ーーーこの街の守り手。日が変わる少し前に出動させたが、こんな朝方になるまで手間取ったとは。

 いや、何よりも問題なのは街の近くにそれ程までに強大な魔物が出現したということか。

 もう暫くすれば損害の報告に、この屋敷の戸を叩いてくるはず。損害の程度によっては対策を講じなけれならないーーーそんな考えを巡らした。

 だが対策を講じる必要があるのは魔物だけではない。

 飯坂は部屋に居るもう一人の男に視線を遣った。

 老武士といった風情の、眼光鋭い男。少し前に突然ここにやって来た客人だ。

 本来、日中の来訪以外は使用人に対応を任せるのだが、この男の姿が見えた時。何故か自分が対応しなければという感覚に襲われたのだった。


「客人、あの者達が『ユドコロ』の守り人。中々に屈強な戦士達じゃろう?」


 今こうして話していると、その感覚が確かであったことが分かる。


「戦士…か」


 この男の、存在そのものから威厳を感じる。まるで同じ人間とは思えないような、人知を超えた存在が纏う威厳を。


「死を恐れぬ瞳…だが、死にたがりでもない…成程、戦士だな」


 この男の目的は聞き出せていない。

 一番最初に目的を訊いたものの、「若しもの折に証を示す為」と何とも難しい言葉が返ってきただけだった。

 今一度目的を尋ねてみるべきか。口を開こうとすると、男が立ち上がった。


「…ふむ。如何やら、我の出番は無いらしい」


 視線の先。外では、見廻組の二人が一人の女を連れている。

 女の両側を囲み、この屋敷よりも離れた、詰所への道を進んでいることから連行しているのだと分かった。

 事件の参考人か、犯人か。詰所に連れて行かれる一般人はこのどちらかだが、彼女は後者だろう。飯坂にとって、見覚えの新しい人物だった。

 何の事件か、恐らくは今日の未明に起きたという事件だ。聞くところによると、視察に行ったばかりの旅籠屋で起きたらしいが、困ったものである。

 事件が起こったとなれば、まずは暫く旅籠屋を閉鎖しなければならない。これからも街一番を背負ってもらおうと考えていただけに、それが残念でならなかった。


「客人よ、行くのか?」


 もう一つ残念でならないのは、不思議な来客が部屋の戸に触れたことだ。

 立ち上がり、戸に触れる。その行動が意味するのは、部屋をーーー屋敷を後にすること。

 言葉だけでなく、行動が語っていた。「我は往く」、と。


「暫しの時だが邪魔をした。貴様との会談…中々に興の乗るものであったぞ」


 背中より漂すは厳とした風格。

 ともすれば、今にも膝を折り平伏してしまいそうだ。


「(人の死。此れも又、湯煙の華だ。…ク、我は、華を眺めるだけの立場であったか)」


 そう、かの者の背中を喩えるならば、王者の出陣。


「…再び相見える時まで、其の志を違えないことだ」


 飯坂は軽く腰を曲げ、頭を下げた。

 全く恐れ入る。人にここまで畏敬の念を覚えたのは、初めてかもしれない。

 彼との語らいは、その全てが大変有意義な時間だった。もし内容をその場で書き留めることが出来たなら、是非ともそうしていただろう。

 飯坂にそう思わせた会話内容は、この街の特産物である蜜柑について。男は、『湯処蜜柑』をいたく気に入っていたらしく、褒めると同時に改良点の提案をしてくれたのだ。

 男は、もう少しコクが欲しいと言った。甘味と酸味の二本の矢に、コクを合わせ三本の矢とする。全ての調和が成されれば、より高みを目指すことが出来ると。

 同意だった。今の品種だけではやっていけないと、飯坂は考えていたのだから。

 元々温泉以外の特産物を作ろうとして始められたという蜜柑栽培。

 今では街の一大名物として名が売れている大切な作物。『ユドコロ』の長である以上、それを継いで次の世代に繋ぐのは当然の役目だ。

 役目を全うするために飯坂には、ある志があった。その志を作るのは、街の発展への思い。

 街を、もっと賑やかに。多くの人々にこの『ユドコロ』を楽しんでもらえるように。

 さぁ、見廻組の報告を受け次第すぐに取り掛かろうではないか。

 気合は十分。意気込みを簡潔に手帳に書き殴った飯坂は、窓越しに空を仰いだ。

 太陽が眩しい。

 嗚呼、きっとこの街の未来は明るいーーー


* * *


 ーーー『炬燵空間』。


「はぁぁぁぁ…やったっすぅ…」


 弓弦ーーーではなくオルレアは、伸びていた。

 達成感に身も心も浸る彼女は、大の字だ。推理に使った頭を休めるためか、何も考えることが出来ずただ同じ言葉を繰り返している。

 考えることが出来ていない。つまり何かをイメージする力が今現在無く、彼女は惚けたように仰向けになっていだ。

 「弓弦」の姿ではなく、「オルレア」の姿になっているのもそれが理由かもしれない。

 これまで「彼女」が「彼」であったのは、何かしらのイメージを受かべていたためだろう。外の世界では、肉体も心も女。だが心の、本当に遥か奥底では「弓弦」という人格があったために、ここでは本来の姿になっていた。

弓弦が弓弦(・ ・ ・ ・ ・)であると考(・ ・ ・ ・ ・)えていたか(・ ・ ・ ・ ・)らこそ(・ ・ ・)、弓弦の姿だったのに。今ではそんな自我同一性すら考えていない、これ以上に無い空っぽの頭であるがために、外の世界においての姿が適用されているのだろう。


「あ、主よ。僭越ながら申し上げるが」


「…ん〜?」


「服を着てはどうだろうか」


 要は全裸なオルレアが炬燵の近くで大の字だ。


「…。あ〜」


 アスクレピオスは、気の抜けたような返答にガクリと翼を下ろした。

 分かっているのかそうでないのか。微妙な返答から暫く待つも、少女に動く気配は無い。


「…主よ」


 この遣り取り、もう何度目だろうか。

 幾ら待っても動く気配が無いからまた声を掛けるのだが、やはり動かない。


「…あ〜」


 駄目だこれは。アスクレピオスは溜めに溜めた溜息を深々と吐く。

 全裸で大の字とはまったく、自分が今、女性の姿を取っているという意識が無いのであろうか。

 いや、実際無いのだろう。そこまで考える余裕が今の少女にあるはずもない。

 だが余裕があろうが無かろうが、衣類を一切着用していない今の状態はいかがなものか。周りに自分以外の存在が居ないのならまだしも、いや、居ようと居なかろうと関係無い。アスクレピオスにとっては、主がはしたない姿を晒しているということが、到底受け入れがたいものであった。

 頼むから、服を着てくれ。困り果ててしまった神鳥かむどりは天を仰いだ。


「…?」


 するとその時、炬燵が光った。


「んひゃっ、眩しっす」


 炬燵の中から誰かが出て来る。

 誰かが出て来るといっても、戻って来るであろう存在は一つなので、分り切ったものだが。

 しかしアスクレピオスにとっては、これ以上に無い程頼もしい味方の到着であった。

 彼ならば、何とかしてくれる。どうか、何とかしてくれ。そんな神鳥かむどりの願いが込められる中、


「……」


 『支配の王者』は降臨した。


「…あ。お帰り〜」


 バアゼルは、自身に向けられた気の抜ける声に眉を顰めた。


「…貴様は何をしている?」


 呆れ半分の声。

 それもそうだろう。戻って来たら眼の前に全裸の少女が倒れていたのだ。呆れないはずがない。


「…ん〜」


 気の抜けた返事。

 バアゼルでも駄目なのだろうか。


「…貴様は、何をしている」


「んぇ〜。ぼ〜っとしてるの」


 間延びした声。

 話し方すらどうでも良い程に、何も考えたくないらしい。


「……」


 話し掛けるだけ無駄だと判断したのか、頼みの綱は無言で少女の下より離れた。

 蝙蝠はそのまま机の上に置いてあった湯飲みを電気ポットの下へと運び、茶を淹れていく。

 まさか、緑茶の爽やかな香りによって少女の意識を呼び戻そうとしているのだろうか。神鳥かむどりが期待をして様子を眺めていると、バアゼルは炬燵の上に湯飲みを置き、


「…ズズ」


 茶を啜り始めた。


「ぼ〜〜」


 そして近くに置いてあるダンボールから蜜柑を取り出し、皮を剥き始めた。

 駄目だ。少女を相手にすることなく、このまま蜜柑を食べ続けるつもりに違い無い。

 アスクレピオスの願いは物の見事に打ち砕かれてしまうのだった。


「あ〜〜」


「…美味」


 無性に疲れを覚えているのは何故だろうか。


「…はぁ」


 虚しささえ覚えてしまい、アスクレピオスは参ってしまった。

 このままでは更に疲れてしまう。そう思い、身体を休めることにする。

 瞳を閉じ、微睡みに浸ろうとする。

 暗い視界の中、アスクレピオスの脳裏に前の主達の顔が浮かんだ。


「(…今頃、どうしているのであろうか)」


 世界を飛び回っているであろうことは容易に想像がつく。

 最終的には届け物を届けながら、様々な異世界を見て回っているのだろう。

 いつ、今の主の下を訪ねてくるのかーーーこの問いに対して、「不明だ」と自答する。

 何せ休業時間が長過ぎたのだ。希望という名の配達物は溜まりに溜まっているはず。

 以前、あの双子が遊びに遊び過ぎて配達物が溜まった際は、二人と自分で分担して配達をしていた。その結果何とか運び切ることが出来たのだが、今は状況が違う。配達物は増えたが、自分は居ないのだから。

 そのため二人の頑張り次第でもあるが、当分合流は不可能とみて間違い無い。


「(だから主達の分まで、主の力にならなければ…)」


 何事にも尽力。ひたすら力になるよう努める。

 そんな考えの下、今回の旅に赴いたのだがーーー


「(私は、主の力になれているのだろうか…?)」


 癒しを司る存在であったのに、医学の知識を失ってしまったこと。それは、事件の解決が長引いてしまった原因の一つだ。

 もし自分にかつての知恵と、力があれば。死者を一時的に彼方より呼び戻し、真実を訊くことも出来たはずだ。なのに、今の自分にはそれが出来ない。

 折角の旅行という時間を無駄にしてしまったようで、自分が情けなかった。


「…『流離の双子風』代理、貴様は何を考えあぐねている」


 いつかのネガティブに、とうとうバアゼルが動いた。

 このまま一人、落ち込まれては堪らないし、何より茶が不味くなる。是非も無しとばかりの行動だ。


「よもや己の力不足で時を無為にしたと、気落ちしているのではないだろうな?」


「な、何故それをっ」


 分かり易過ぎである。

 バアゼル炬燵の向こう側で小さく笑うと、湯飲みを傾けた。


「…。此度の件、悪戯に時間を費やし過ぎたのは、其処で寝ている空けの驕りが招いた結果だ。貴様の所為ではない」


 それは一体、どういうことなのだろうか。

 アスクレピオスは顔を上げると疑問を打つける。


「主の所為…だと?」


「此の戯け、死体を一見しただけで死因を見抜いていた。数珠繋ぎの如く、考えられる殺害方法までな」


「…な、何と」


 「弓弦」は、死体の発見時に数種類程、殺害のトリックを考えていたという。

 そのトリックの中には塩素系漂白剤と硫化鉄を用いたものもあり、正に今回の事件の一部を的中させていたらしい。

 アスクレピオスは固まる。

 俄かには信じ難い。確かに、死斑という明らかな特徴はあったが死体を一見しただけで殺害方法まで解るとは。

 だがそこが解ったとしても、どうやっても説明の難しい部分がある。


「し、しかし時間操作のトリックまでは……」


 今回の事件の重要なポイントは、いつ気付いたのだろうか。


「…彼奴は、板に付いた磁石を見た折に仮定し、猫との話の中で断定した。…粗方の全貌とやらは、態々舌戦を繰り広げる前より奴の頭に在った……」


「あ、主は天才か…っ!? だ、だが何故なにゆえそれを我等や他の者に語らなかったのだっ」


「…だから奴は空けなのだ」


 茶を啜る蝙蝠に、「説明を求める」と続きを促す。


「…我は悪魔だ。貴様の問いに答える気は無い。貴様自身の頭を回せ」


 呆気無く躱されてしまった。

 自分の頭で考えても答えが出そうにないため、訊いたのだがーーー仕方が無い。

 アスクレピオスは唸りながら、理由を考え始める。


「…解らん」


 そして十秒と経たずに諦めた。

 即答よりはマシだがーーーまるで考えようとしていないのは明白である。


「…………」


 バアゼル、蜜柑を剥く。


「教授願えないだろうか」


 バアゼル、蜜柑を食べる。


「…支配の者よ」


 バアゼル、蜜柑を食べ終えた。

 速い。皮を剥いてから食べるまで、瞬きの刹那も無い。

 一瞬の内に蜜柑は消え、新たな蜜柑が悪魔の手に握られる。

 速い。もう無くなってしまった。相変わらずの速さである。

 一個、二個と蜜柑が消えていくバアゼルの口元を凝視してみる神鳥かむどりだったが、幾ら見つめても教えてもらえそうになかった。

 答えの出ない疑問を諦めて眼を閉じようとしたその時、ポツリと声が聞こえた。


「…動機が」


 惚けていたはずの少女が身体を起こした。


「…動機が、知りたかったんだ」


 しかしその瞳は虚ろ。

 まるで寝惚けているように、少女の声はボソボソとしたものだった。


「手口を考えても、犯人を炙り出しても、本当に自分の考えが合っているのかまでは確信が無い。だから、動機を本人の口から聞く必要があった…っす」


 目指していたのは、動機の自白。

 だからそのために、色々と遠回りをした。話を訊く中でどうやって動機を訊き出すのか、それだけを考えていた。

 アスクレピオスは軽く眼を見張った。

 主の口振りはまるで、相手の反応がどう返ってくるのか見越していたように聞こえる。

 やはり、主は聡明な人物ということなのかーーーそんなことを勝手に誇りに思いつつ。


「でももしもの時の場合。ボクが動機を訊き出せなかったり、持っていた物の数々が犯行の確かな証拠とならなかった時の保険として、バアゼルには別行動を取らそうと思ったんすけど、いつの間にか居なかったっすねぇ」


「主よ、何を頼もうとしていたのだ?」


「時間の説明に一番必要な話が出来る人っす」


「……」


 茶を啜るバアゼル。


「うーん…ふぁぁ」


 小さく茶を啜る音に、少女の耳がピクリと反応する。

 意識がハッキリしてきたのだろうか。オルレアは大きな欠伸を一つして、「よいしょ」と立ち上がった。


「頭がボーッとするっす。お茶でも飲もっかな」


 どうやら解説は終わりのようだ。

 バアゼルの向かい側に腰を下ろした少女の背中を、神鳥かむどりはウットリと見詰めた。

 決して背中のラインに見惚れている訳ではない。ただ、主は凄い人物だと一羽感動していただけだ。


「はぁ…美味しいっす。それで?」


 そんな視線を背中側より感じながら、オルレアは意味深な視線をバアゼルに向ける。

 いきなり「それで?」と訊かれても、何を言えば良いのか分かるはずもない。聞いてる素振りすら見せないバアゼルの顔は、机から少しだけ身を乗り出した少女によって覗き込まれる。


魔力(マナ)をあんなに沢山も使って、何してたんすか?」


 舌戦前に覚えた眩暈。あれは魔力(マナ)が大きく使われた証だ。

 それがバアゼルによって使われたのを、オルレアは知っていた。

 彼しか居ないのが実際のところではあるが。


「…気味の悪い。顔を我から離せ」


 バアゼル、顔を近付けてきたオルレアに対して心の底からの言葉である。

 こいつ、酔っているのか。そう言わんばかりに表情を歪める。


「分かってるんすよ♪ 色々と」


「解せているなら善いだろう。離れろ」


「ふっふっふ…照れてるっすね? 照れてる照れてるぅ♪」


「貴様…」


 口で言っても分からないのなら。

 バアゼルが蜜柑の皮を掴む。


「‘ありがとね♡’」


 超至近距離。そこでウィンクと、囁き。

 バアゼルは、凄まじい勢いで全身に鳥肌が立つ感覚を覚えた。


「ッ!?!?!?!?!?!?」


 思わず飛び退き、更に後退る。

 気味の悪いどころではない。何とも形容し難いこの感覚は、恐怖によるもの。

 悪魔を恐怖させて、一体何を考えているのか。


「ううん…やっぱりまだまだっすね」


 何がまだまだなのか。訳が分からない。


「‘ごめんね☆’」


「ごはぁっ!?」


 可愛らしく謝るオルレアに、バアゼルは尋常ではないダメージを受けた。

 これは、間違い無い。精神的攻撃だ。


「(何と恐ろしい…)」


 傍観鳥アスクレピオス、一羽テレビを点けて視聴を始める。


ーーー3年(ピー)組〜!


「(おぉ…)」


 面白そうな番組がやっていた。

 他の番組はどうだろうか。


ーーーお前ら! 夕日に向かって走るぞ〜ッ!


「(おぉぉ…!)」


 こちらも、良い。

 アスクレピオスは少し悩んだ末に、最初の番組を選択するのであった。


「うぅん…何かしっくりこないっすね」


「貴様は、今疲れているのだッ! 落ち着けッ!! 我に返った折の傷も今なら浅いぞッ!!」


「…あ、そうっす!」


「…や、止めろ…!」


「てへっ♪」


「ぐぁぁぁッ!?!?」


 今日の『炬燵空間』も、平和である。


「…フィーナ…凄くしつこかった。…私の反応…そんなに気になる…?」




「…フィーナは凄く…気になっていた。…私の反応…おかしかった…?」




「…でも、自分の感覚に嘘は吐けない。…良い匂いだな…って思ったのは…本当」




「…私の鼻…おかしくなった…? …くん…くん。…ん、石鹸はいつもの匂い。じゃあ…おかしくない…? 本当に…彼の匂いが……?」




「…嘘。そんなこと…ない。だって私はそもそも……」




「…予告。『弓弦だ。今回の俺は、違うからな! 俺じゃないからな! …よし。例の如くアイツに呼ばれたみたいなんだが、俺の眼はどうもおかしくなってしまったみたいだ。…おいロソン、どうしてそんな青くてプルプルしたコスプレなんかしているんだ。色々とヤバいと思うんだがーーー次回、湯煙旅の終わり』」




「…次回、十四章最後のお話。…お楽しみに」




「…あ。お話、一日遅れてごめんなさい…って、誰かが言ってた」

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