湯煙旅の事前談弐
鼻歌交じり。
弓弦と別れたユリは、自室の机に向き合っていた。
「…♪」
彼女の視線の先にあるのは、ロケットペンダント。例の弓弦との写真が入っている彼女の宝物だ。
「(風呂か……)」
ユリの頭の中で、モワモワと膨らむ想像があった。
その中で思い出すのは、『豊穣の村 ユミル』での出来事だ。
『私は気にしないぞ?』
『…俺が気にするんだが』
『私が気にしていなければそれで良いのだ。だから早く…』
「…ぁぅ」
顔が熱を帯びる。
あの時は大胆だった。まさかタオル一枚を巻いただけの姿で異性と入浴するとは。
あぁ、恥ずかしい。なんととんでもないことをしてしまったものだろうか。気の迷いにしても、本当に大胆だった。
『アークドラグノフ』に新たに出来る風呂でもまさか、似たようなことが起きたりはしないだろうかーーー?
「いやいやいやいやいや…わ、私は何を考えているのだっ。そそそ、そんなまさか…また起きないかなどと…っ」
はしたない。そんなことを考えるのは言語道断だ。
第一弓弦には他の女性達が居るのだ。弓弦と二人切りで入れるとは到底思えない。
いやそもそも、二人切りで入れるとはどんな思考であろうか。艦の乗組員全員という利用者が多い中、余程時間を区切らなければ時間的にも不可能だというのに。
「…いや、だが深夜帯だけでも貸切になるのではないか? 弓弦のことを慕う風音殿のことなのだ。それぐらいしそうだ……」
殆どの時間を男性用、女性用と分けて、夜遅い時間に希望者に限り貸切の時間を設ける。
「…そうすれば弓弦と二人切りで入ることが出来るではないか! 風呂場で弓弦を独占することが…出来る?」
そう、出来てしまうのだ。
弓弦と一緒の入浴が、彼に背中を洗ってもらうことがーーー!!
「ぁぅ…ぁぅぅ…また背中洗いっこされる…ゴシゴシって…背中から攻められる…はっ!? わ、私はそんな不埒なことを考えている訳ではないからな?!」
誰にともなく弁明するユリ。
手をパタパタと振る仕草まで付けての弁明は、見る者によっては可愛いと思えるものかもしれない。
「ぐぅ…私は何をやっているのだろうか。これでは一人芝居ではないか……」
ユリは今、部屋で一人だ。これでなくともどうしようとも、一人芝居である。
「ぅぅぅ……」
ユリ、今度は頬杖を突いて唸り始めた。
「はぁ……」
頬杖を突いてない方の手で握るロケットペンダントを見詰める。
「こんな未来があるのだろうか。私に……」
タキシード姿の弓弦、ウェディングドレス姿の自分。
こんな未来がいつか、現実になってほしい。そう考える自身の心に気付けない程、彼女は馬鹿ではない。
「ふ…夢見がち…だな」
あるかもしれない可能性を夢見る彼女の頭は、少しずつ重力に負けていく。
「…すぅ」
頬杖の支えから外れた頭は、静かに机の上に落ちた。
* * *
「ただいま…?」
自室に戻った弓弦は、まず一度驚いた。
「(…来ない)」
自分が帰って来ると分かっているであろうにも拘らず、知影の姿が近くになかったのだ。
それどころか。
「あ、お帰り〜」
窓の外に彼女は居た。
外から風に乗って香ってくる柔軟剤の香りが漂っているのは勤労なことに、朝から洗濯をしているのか。
別にそれは驚くことではないのだが、今日の知影が大人しかったことに弓弦は二回目の驚きを覚えた。
『主よ、何をそこまで驚く必要がある? 別に普通の態度ではないか?』
『…普通ではないのだ、十全に奇妙だ。あぁ、奇妙過ぎる』
バアゼルの言う通りだ。
知影が大人しいなどあってはならない。
弓弦が少しの間でも外出し戻って来た時、彼女は弓弦を離さまいと落ち着かなくなるのに、それがない。
「(まさか…)」
とうとうヤンデレが治りつつあるのだろうか。
あの知影がヤンデレじゃなくなるーーーそう考えると、「ようやくか」といった感想と、どこか寂しいような気持ちになる弓弦だ。
「(まさか、ヤンデレが……)」
ヤンデレではない知影。容姿端麗、文武両道といった非の打ち所がない彼女は正に、『学校のプリンセス』に相応しい。
そう、「自分では決して手の届くことのないような高嶺の花」と思わせるような、完璧さーーーそれがどこか、懐かしかった。
一体、何人の男が彼女に恋心を抱いていたのだろうか。学校に在籍する男の半数が該当していてもおかしくない。
「(神ヶ崎さん…ね)」
「知影」と気安く呼ぶのが躊躇われてしまう。それだけのオーラが彼女より感じられた。
「ふぅ、洗濯物おしまいっと。ごめんね弓弦、ちょっと回す洗濯物が多くなっちゃっててさ。朝の内に回したかったんだ」
その背後に干されている、多くの洗濯物を見るまでは。
「……」
何故、自分の数日分の衣服一式が干されているのであろうか。
「ん? どうしたの弓弦、夢破れたような顔してるけど」
「(破れたんだよっ)」
何故干されているのか。そんなこと考えるまでもない。
女の夢に忠実な彼女に、弓弦の淡い期待は見事打ち砕かれたのだった。
「…いや、何でもない」
「…。ピーンポーン♡」
心を覗かれたらしい。謎の正解音が妙に耳障りだ。
「だって仕方無いじゃん♪ 弓弦が帰って来ない夜は寂しいもん、紛らせないと♪」
「はぁ……」
平常運転に突っ込む気力も起きやしない。
もう少し別の紛らせ方は無いのだろうかーーーいや、あるにはあるのだろう。彼女の妄想は無限大だ。
「フフフ…私のジェノサイダーがデッドな火を噴くよ♪」
「噴かなくて良し」
「じゃあ弓弦が噴いてくれるんだね♪」
「誰が噴くかっ」
「じゃあ注いでくれるんだね♡」
収拾が付かなくなり始めた。
『…莫迦な。我が安堵を覚えさせられている? 何だ此の感覚は…!』
これこそ知影だ。
この変態振りは一周回って清々しくさえ思えてくる。
「注ぎもしないっ。絶対になっ」
バアゼルでさえ混乱し始める始末なので、この辺りで止めさせなければ彼女は止まらなくなる。
知影を止めるためには、アレしかない。
「熱いの頂戴っ、一杯下さぁい♪」
弓弦が“アカシックボックス”で取り出したハリセンが、唸る。
「これで勘弁しろっ!」
バチーーーーンッ!!
『主一体何をっ?!』
快音が響いた。
「いたぁいっ♡」
何故か嬉しそうな声を上げて知影は床に沈む。叩かれた衝撃で一瞬に上に上がった表情は、蕩けたように緩んでいたーーーような気がしたが、見間違いだと思いたい。
「(…良い音だったなぁ……)」
弓弦も弓弦で、どこかやり切ったような達成感に浸っていた。
このお決まりの遣り取りが、何となくではあるが懐かしいものに思えてしまったのだ。
誰かに突っ込むって、楽しい。
だがそう思えてしまうのが、何故か寂しくて空しい。
『あああ主よっ! まさか暴力を振るうとはとんでもない!! すぐに謝罪すべきだ!』
感慨に耽る弓弦にアスクレピオスが抗議する。
生真面目な彼の眼には、突っ込みが酷い行為に映ったようだ。
『主よ、他者に対して乱雑な扱いをしていると、いずれ己の身に危機が及ぶぞ。さぁ早く、謝るべきだ』
『…『流離の双子風』代理。ヒトには各々の接し方が有るのだ。我等が其れに口出しする謂れは無い』
バアゼルが諌めに回ったのは、アスクレピオスが騒がしいためか。
知影に対する悟りを開いているらしい蝙蝠悪魔は、どこか投げ遣り気味だ。
悪魔を呆れさせる程に病んでいるのが、知影という少女なのだ。
『しかし……』
『見るが善い。彼の娘を』
「ふぇへ…つっこみいたぁい…♡」
『ーーーッ!? 喜んで…いる、だとッ?!』
その反応は至極当然のもの。
涎を垂らしていてもおかしくない口の緩ませ方をしている彼女を見て、どうして狼狽えずにいられようか。
『…私は数多の異世界を旅して来たが、このような者を見たのは初めてだ』
『我も同感だ。熟ヒトの多様性には驚愕させられる。…弓弦、
惚けるのも其処までにしておけ』
「…はっ」
突っ込みの爽快感に浸っていた男、ここで帰還した。
行き過ぎた突っ込み。それは最早ボケなのだが、バアゼルは続きの言葉を控えた。
地獄の前に爽快感を出来るだけ覚えさせたのは、彼の中に住まう悪魔なりの餞別だ。無論後の要求を通し易くするための布石ではあるが。
『時間を無駄にするな。待人は未だ居るのだからな』
「(あぁ、分かってるつもりだ)」
「弓弦の突っ込みが激しかったので布団に入ります」と敬礼と共に謎の申告をしてきた知影を放置し、弓弦は足を外に向けた。
その足は、空間を少し捻じ曲げることによって本来よりもスペースが広くなったベランダへ。
『おぉ、これは素晴らしい! 実に美しき空間ではないか!!』
香る緑に誘われたのか、掌サイズのアスクレピオスが肩に顕現した。
「この香りは正しく生命の香り。希望の香りだ。何と瑞々しい……」
温室となっているこの空間は、作物達の楽園だ。
眼にも優しい色の花を咲かせた作物の数々を伝う雫が、時折地面に吸い込まれているのが美しさを際立たせている。
瑞々しさと栄養に溢れていそうな作物を見ていると、一日も欠かさず世話されているのが良く分かった。
「さぞ心の美しい者が彼等を育てているのだな。私は感動した。是非とも直接言葉を交わしてみたいと思い、顕現した。主よ、差し支えなかっただろうか」
「あぁ、好きにしてくれ。作物を褒めてやると、アイツも喜ぶだろう」
「彼女」はどこに居るのだろうか。
眼に見える所には居ないが、この空間に居るのは間違無い。
魔力を探ってはいないので、ちょっとしたかくれんぼをしている気分だ。高貴なる森の妖精は、一体どこに隠れているのだろうか。
「感謝する。しかしこの空間…理を捻じ曲げているのか。主の魔法によるものか?」
「そうだな。空間属性魔法のちょっとした応用的なヤツだ」
「このような規模の魔法を常駐で……」
とんでもない人物に仕えるようになってしまったものだと、アスクレピオスは眼を細めた。
短時間ならば、分かる。しかし、常に効果を発揮させているとなると並みの生物に出来るものではない。
「主は底が知れない男だ」
五体もの悪魔の魔力をその身に宿す男。このような男のこともやはり、アスクレピオスは見たことがなかった。
「まさか。俺の底なんてたかが知れているさ…ん?」
歩きながら弓弦が肩を竦めていると、足音が聞こえた。
少女が走って来る。
「お、姿が見えないと思ったらこっちに居たのか。ただいま、セティ」
小走りで寄って来た少女は弓弦の下にまで辿り着くと、下から弓弦を見上げた。
「…おかえりなさい」
「この小さき娘は?」
「…小さくない」
ボソボソとした声で反論するセティの頭を撫で、弓弦は辺りから金色を探した。
近くに居そうなものだが、もう少し奥の方に居るのだろうか。
「俺の妹だ」
「成る程。確かに髪と言い、気高き眼差しと言い、主に似ているな」
「いや、血は繋がっていない」
「…また、血は繋がっていない姉妹か。今度は妹代わりと言う訳なのだな」
溜息を吐くアスクレピオス。
何か言外に言いたいことがありそうだ。
『ク…ッ』
「(おい笑うな…ッ。)…妹代わりじゃなくて、義妹だ。…『契り』を結んだ相手の妹だ」
「『契り』か。それはまた懐かしい…? 主は結婚していたのか!?」
人が結婚していたら悪いのか。
何も驚く必要は無いはずだが、失礼なものである。
「何か文句があるのか」
「…主は罪深き男だな」
「…はは、否定はしない」
結婚していたから悪いという訳ではない。しかし、数人の女性と親し気にしておいて本命が居る。
当人達が不満に思っていなくとも、他者からはふしだらな関係に見えていてもおかしくはない。
「…弓弦…罪深い?」
故に、罪深いと言われてしまえばお終いなのである。
「…うぐ」
「娘、善くぞ云った」
弓弦達はセティを伴って奥へと進む。
その最中、空いた方の肩に蝙蝠が顕現した。
「おい…揃って人の肩に乗るな。と言うかバアゼル、お前何故出て来た」
「我は悪魔。悪魔は気紛れよ」
何を思っての行動なのか。
気紛れにも困ったものである。
「そうですか。んじゃ、乗ってても良いが翼は広げるなよ。前見えなくなるから」
「主よ、私はもしや、邪魔なのか?」
言った側から困ったように、アスクレピオス、翼を広げる。視界の半分が塞がり先が見えなくなった。
「邪魔じゃない。邪魔じゃないんだが言ってる側から翼を広げないでくれ」
「つまり邪魔なのか?」
邪魔である。
しかしそれを言ってしまうと彼は落ち込んでしまうため、言うことが出来ない。
「邪魔じゃないが、取り敢えず翼は広げないでくれ。視界が塞がる」
視界の半分を覆う隼の翼。物の見事に邪魔でしかない。
「ならば邪魔なのだな? 私がここに居ることが邪魔だと言うのだな、主は」
「肩に乗せることが嫌な訳ないだろうっ。首元暖かくなるしな」
「なっ、私の羽を抜き取ってマフラーとすると言ったか、主よっ」
「どんな聞き間違えだっ!? マフラーの『マ』の字も言ってないからな!! ついでに言うんなら、羽根の『は』の字も言っていない!」
一言も言っていない言葉と聞き間違えられるのは、まるで滑舌が悪いと言われているようで甚だ遺憾である。
「…弓弦、今『マ』の付くこと言っていなかった」
弓弦の滑舌は悪くない。彼の言葉は、聞き取り易い部類に入る方だ。
「神鳥は心根が狭い。己が受け止めた事こそが全てよ」
そのためセティもバアゼルも、難無く聞き取ることが出来ている。
皮肉の込められて悪魔の言葉は、何故か弓弦の顔を挟んで向かい側に居る神鳥に聞こえてはいないようだ。
「主よっ! 私をそこらの鳥と同じにしないでもらいたい!!」
「一緒にするかっ。と言うかだから、羽広げるなっ」
「鳥に対して羽を広げるな、とはあんまりではないか! 飛べない鳥に何の意味があろうか!」
「…はいはい」
さり気に多くの鳥を貶しているが、深くは追求しない。
もうこの際、視界の半分程度は塞がっていても良い。後半分が見えれば歩きようはあるのだから。
「おい」
視界が両方塞がる。
「主よ、私には引き下がれない理由があるのだ」
どんな理由なのだろうか。
しかしアスクレピオスはより大きく翼を広げ、威嚇の体勢を取った。
「見えない、見えないから」
視界が完全に羽で埋まる。
探し人どころではない。これでは自分があらぬ場所に向かってしまうではないか。
だが「邪魔」と言うことだけは避けたい。ネガティヴになられると余計に面倒になるためだ。
複雑な思いが表情に表れたかのように弓弦は遠い眼をした。
「クク……」
面白い。
端から見ているバアゼルとしては、苦笑する弓弦がおかしなものに見えて仕方が無い。
騒がしいのは勘弁願いたいのだが、他者が被害を被っている光景を眺めていると、ニヤリと来るものがあった。
「八十一」
「……」
次の瞬間には渋面になったのだが。
「…バアゼル…突然笑い出して気持ち悪い。…変態?」
「…娘、一つ戒めておこう。棘の有る言葉を無自覚に他者へと投げ掛けるな。時として傷付く者が現れる故に」
それは悪魔の言葉としていかがなものなのだろうか。
少なくとも「お前が言うな」であることには間違い無い。
「…ごめんなさい。…バアゼル、傷付いた?」
セティはしゅんと落ち込んでしまった。
黒髪から覗く犬耳が、彼女の感情を投影したように髪に隠れる。
「我は悪魔だ。傷付く様な繊細な心は持ち得ていない」
蜜柑の喪失に我を忘れかけそうになる程の衝撃を受けた者が、何を言う。
だが、慰めの言葉としては良かったようだ。
「…良かった」
セティは安堵したように、バアゼルを横眼で見上げることを止めた。
「…本当にそろそろ止めてくれないか? いつ作物に突っ込むか分からなくてヒヤヒヤしてるんだが」
弓弦はまだ眼隠し状態だ。
「私には退けない理由がある。主よ、鳥に対して言い放った侮辱を撤回してもらおうか」
「悪かった。悪かったから閉じてくれ」
「撤回するか?」
「翼閉じてくれるのならな」
「ならば先に撤回宣言をお願いしたい。よろしいか、主よ」
これ以上実力行使に出られては堪ったものではない。
ここは自分から折れる他に、神鳥の大変ありがたい言葉から逃げることは出来ないためだ。
とんでもなく面倒な鳥を引き下がらせるためとはいえ、こちらはこちらで大変面倒である。
漫画ならば、今自分のこめかみの辺りに怒りマークが付いているだろう。自分が怒りっぽい性格だとは思いたくない弓弦だが、間違い無く今は怒れてしまう。
「平常心」と意識して、憤りを飲み込めるように弓弦は眼を一度強く閉じた。
「あ」
その次の瞬間、セティから声が上がった。
「駄目よ、そこで折れちゃ」
続いて聞こえる、別の人物の声。
弓弦が探していた人物の声がすぐそばで聞こえたのはその時であった。
「は~……」
「隊長、まだまだ業務はありますわよ♪」
「お~、分かってる分かってる」
「こちらの書類は」
「終わってとるぞ~」
「……」
「…………。お~し、こっちの書類も持って行ってくれ~」
「はい……」
「…。リィルちゃん、どうかしたか~?」
「…これは、夢ですわね」
「?」
「隊長が業務を真面目にされているだなんて、絶対に夢ですわぁぁぁっ」
「お~っ!? ど、どうしたんだリィルちゃん!?」
「悪くないゆめですわっ、でも、どこか物足りないのは何故っ?! 分かりませんわぁっ!?」
「落ち着け落ち着け~! 書類が落ちるぞ~!」
「あ…も、申し訳ありませんわっ、すぐに提出して行きますっ」
「お~お~、よろしくな~!! …ん~、そんなにおかしなものか~? 俺が真面目にやっているの~…。ま~、良いか! うっし、予告だ~!! 『フィリアーナよ。ふふ、久々の出番ね。暫く…かなり長くお話に加われなかったから、ちょっと張り切ってしまうわね。だけど…あれは想定外。暫く見ない間にあの人があんなに…。っ、落ち着きなさい。平常心よ、平常心ーーー次回、湯煙旅の事前談参』…弓弦何か変わっていたか~?」