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俺と彼女の異世界冒険記   作者: 仲遥悠
04771を求めて…編
260/411

振るえシテロ! 思いのために!!

「うわっ」


 突然上がった悲鳴のような声に、弓弦もつられて声を上げてしまった。


「(今の声は…シテロ?)」


 女性の声だったので彼女のはずだ。

 しかし何故このタイミングで悲鳴を上げたのだろうか。

 考えられるのは、先程逃げて行ったばかりの魔物の名を聞いたことだ。


「ぐ……」


 魔法の効果が切れたようだ。

 弓弦は気絶しそうになる程の虚脱感と、吐気に頭を押さえた。


「師匠っ」


 崩れ落ちそうになる身体をアデウスが支えてくれる。


「すまないな」


 鎌を器用に使うものだ。一歩間違えてしまえば身体が切断されてしまいそうで、苦笑する。


「限界か。だが丁度良い」


「おわっ」


 視界がぐるりと回った。

 具合が悪い様子を見たカザイが見かねたのか、弓弦を担ぎ上げたのだ。


「か、カザイっ。わざわざ担ぎ上げなくても俺は歩けるからなっ」


「……」


 抗議の声は無言のプレッシャーに押し潰される。

 何を言おうと聞く耳を持たない様子だ。抵抗しても敵うはずがないので、大人しく身を任せる。


「…ど、どこへ連れて行くおえっぷ……」


 船酔いに近い感覚だ。

 眠たいような気持ち悪いような、訳の分からない感覚の所為で余計に気持ち悪くなる。


「ここでの目的は達した。安全地帯に戻るだけだ」


「まさか…あの道を戻るぅぇぇぇ…」


 安全地帯というのは恐らく、壁画前のことだろう。中間地点程ではないが、一時間はかかる道程だ。

 『魔力(マナ)過耗症』にならない程度で魔法の効果が終わったので、命を落とすまでには至らないだろうが、身体の虚脱感は中々に酷い。

 ともすれば戻してしまいそうな弓弦は、とうとう口元を手で押さえた。

 カザイに「揺らさないでくれぇ」とお願いしたいのだが、運んでくれるだけありがたいので言い難い。


「師匠大丈夫か?」


 大丈夫な訳がない。


「ど…うぉぇぇぇぇ……」


 「どこに向かうつもりだ?」と訊こうとした結果がこれである。

 カザイが足を向けたのは、入口を南とした場合の東側。赤い光に彩られた景色のため何も見えないが、そちら側に何かがあるのだろうか。


「男、その足はどこに向けられたものだ」


 代わりにアデウスが疑問を代弁した。

 自分が話せない時に代弁をしてくれる。『回路(パス)』が繋がっている彼女達がしてくれると嬉しいことの一つなのだが、考えを覗かれることでの被害の方が多い。圧倒的に。


「(アデウス…弟子よ、お前は良い奴だなぁ)」


 悪魔なのに、良い奴。

 女性陣は、割と悪魔。

 気持ち悪さを忘れようとするあまり、既に思考回路がおかしくなりつつある弓弦だ。


「転移陣を使う」


 カザイの言葉通り、すぐに魔法陣が見付かった。


「片道の転移陣か。起動はしていないみたいだが」


「ゔぇぇ……」


 果てしない落胆の言葉だ。

 溜息と共に、彼の魂まで身体から飛び出してきそうである。


「問題無い。起動は出来る」


 ここに来た時と同じように、カザイは懐から何かを取り出す。


「ゔぇ……」


 担がれた弓弦の頭はカザイの背中側にあるので、彼が何を取り出したのかは見えない。

 おまけに、気持ち悪くて仕方が無い弓弦はそれどころではなかった。


「それは何だ?」


 代わりにアデウスが訊いてくれた。


「(弟子が…良い奴だぁ…っ)」


 アデウスの株が鰻登りである。


「ここ限定での鍵のようなものだ」


「ガギグォェェェ……」


 人語を介せていない弓弦。

 事態は一刻を争うといったところであろうか。


「(流石に背中で戻すのはアレなんだが…うぐ…しんどい……)」


「もう少しだけ耐えろ」


 青白い光に弓弦の視界は包まれた。








 二人と一悪魔は巨大壁画の前へと戻っていた。

 転移が終わるや否や、一目散に空間の隅に行ってしまった弓弦とアデウスに置いて行かれる形で、カザイは無言で壁画を見上げていた。

 瘴気や赤い光に照らされる形で光源の必要性を感じなかった「向こう側」とは異なり、空間内は暗い。


「……」


 男の手には、洞窟の最深部からこの地点に戻れる片道切符がある。

 金色の芒星が刻印された切符は、暗闇の中であっても今にも輝きを放ちそうだ。


「おぇぇぇ……」


 弟子に背中を摩られている弓弦が、見せられないような状態になっている中。彼はおもむろに視線を帰り道へと向けた。


「師匠、師匠しっかり!」


「…で、弟子よ…うっぷ…俺…ぁどうやら…ここまでぇぇぉぇっ!?!?」


「ししょぉぉぉぉぉッ!!」


 謎の光景に背を向け、無言のまま距離を置いていく。

 決して引いているのではない。必要に迫られているので動かざるを得なくなったのだ。


「開け」


 天井寸前にまで書かれた壁画があるこの空間内にある転移陣は、一つだけではない。

 片道切符を翳したカザイの眼の前に、隠された魔法陣が姿を現す。


「……」


 魔法陣の展開を待たずして片道切符をしまうと、踵を返す。


「…はぁ…気持ち悪い」


 その足が向かう先では、弓弦が立ち直っていた。

 “ライト”の魔法を側に浮遊させながら嘆息する彼の顔は、青い。


「どうやら魔法をその身に宿した効果はあるようだな」


「…?」


 蟷螂かまきりに支えられて立っている弓弦は、怪訝そうに眉を顰めた。


「あれだけに濃い瘴気の中その程度で済んだのは、お前の中に宿った力のお蔭だ」


「中々辛いんだけどな。で、どうして俺にこの本の中の魔法を託してくれたのか…理由を教えてくれるな?」


 隊員服の裏ポケットから取り出された本が、眼の高さにまで持ち上げられる。

 それはカザイが、弓弦をここに呼んだ理由だ。本来ならばもう少し後にするつもりだったのだが、事情により事を前倒しする他無くなってしまったのだ。


「……」


「無言…か?」


「外部者にここの情報が漏洩されたからだ」


 端的に言うと、それが事を早めた最大の理由であった。


「その『封具』に記述された一切の情報…そしてこの地の情報は、『SSS(最重要機密)』の中でも特に秘匿性が高い。『太古の記録書(エルダーレコード)』でも通常は抹消されている程に」


「…『太古の記録書(エルダーレコード)』って…『シリュエージュ城』にあった、あの大きな装置だよな? …あれって、古今東西のありとあらゆる情報が記録されているんじゃないのか? ん、待て。通常ってことは」


 特殊な権限を持つ者にしか閲覧が不可能な秘匿ファイルが幾つも存在する。

 だがカザイにそこまで語るつもりはなかった。


「…漏れてはならない情報が外部者に漏れてしまった。ならば俺がやることは一つ」


 男のすべきこと。それは即ち目的の達成。

 本を地面に置いて下がるように言うと、男は直ちに遂行に移った。

 右から響く銃声。銃口から飛び出した銃弾が本を貫いていく。

 続いて懐から取り出された、赤く光る石が親指に弾かれ上に上がる。


「秘めし力、起動せよ」


 石は、光を強めながら銃口の前を目掛けて重力に従う。引鉄が引かれたのは銃口から本へと向かう直線上に、石が重なった時だった。


「情報の抹消…と言うことか」


 着弾から僅かな間を置き炎が噴き出す。

 男達の足下で、『禁忌』をその内に封印していた『宝具』の残り滓は塵となっていく。


「だが、トップシークレットの物をこうも簡単に消してしまって良いのか?」


「……」


 赤々と燃える炎を見詰めるカザイの瞳は、何を思っているのか。濁った鏡のように炎を映す男の眼を見た弓弦に、心中を察させることはない。


「…無言、か?」


「危機となる要素を孕んだ時点で消せる内に外の世界から消しておく。悪用されるよりはマシだ」


 炎が揺れた。


「…蘇生魔法の悪用…か」


 魔力(マナ)は身体を休めれば回復する。それを踏まえればいかに莫大な魔力(マナ)を用いる魔法であっても、簡単に使用出来る者が現れる可能性はある。

 好きな時に好きな者を簡単に蘇生出来るーーーそれが示すのは、生命倫理の崩壊にも等しかった。


「それは…確かに、訊いただけでゾッとするな。俺でも全然魔力(マナ)が足りないような魔法を、どうやって使うのかは分からないが」


「術式さえ知っていれば方法は幾らでもあった」


 炎の灯りが静かに小さくなっていく。


「だが『封具』に書かれた魔法文字ルーン魔力(マナ)が失われた今。通常の方法で術式を知る術もまた失われた。通常ではな」


「普通じゃない方法がある…ってことか。普通じゃない方法…か」


「例えば、師匠の身から魔力(マナ)を奪い去る…とかだ」


 道理としては通っていた。

 外の世界から魔力(マナ)魔法文字ルーンは失われたが、弓弦の体内には宿ってしまっている。

 宿った魔力(マナ)を抜き取るーーー具体的な方法は浮かばないが、可能性を否定することは出来なかった。


「…結局俺の中にあるんじゃ、燃やした意味が無いんじゃないか…いや、まさかそう言うことか?」


 一つ思い浮かぶことがあった。


「そうか、だから俺を呼んだんだな?」


「……」


 男は無言で返す。

 弓弦はそれを肯定と受け取り、苦笑した。


「本来の方法とは異なった手段で『禁忌』を用いる者が現れるかもしれない…俺をそんな、もしもの時のための予防線としたのか。正直、そんな大役が俺に務まるか心配なんだが」


 吸収属性を支えるのは弓弦だけだ。

 だからこそカザイは『禁忌』の託し相手に選んだのであろうが、それだけでは理由として弱いように感じた。

 何故託してくれたのかーーーそれはきっと、吸収属性の使い手でなければならないという理由が全てではない。弓弦でなければならないような理由が、この男にはあるはずーーーそう弓弦は考えた。


「お前ならば実力は申し分無い」


 それもあるのかもしれない。だが求めていた答えではなかった。


「…そう言うことにしておくか」


 もし他に隠していることがあったとしても、カザイが口を割ることはない。

 早々に追及を諦めた弓弦の足下で炎が消えた。


「キシャ?」


「どうした?」


 アデウスが上げた不思議そうな声に弓弦が視線を遣った、その時だった。


「にゃっ!?」「ちぃっ!!」「ぬっ」


「どうしたっ!?」


 クロ、ヴェアル、アデウスの三悪魔が弓弦の身体から飛び出して来た。


「絶ち手! 力を貸せ!!」


「了解した!!」


 緊迫した雰囲気を漂わせる悪魔達に弓弦の声は届いていない。


「うぉっ!?」


 そして最後の一悪魔も、姿を現した。


「そこを退くのッ!!」


 あの天然なシテロが、血相を変えたように三悪魔に向かって突撃して行く。

 縦に細いまなこは龍の瞳。

 弓弦の眼の前に飛び出ると共に走るその背には、緑翼が魔力(マナ)で輝いていた。


「させるか!」「止まれ然龍!!」


 ヴェアルの魔力(マナ)を加速して避け、転移を用いたアデウスの急襲は急停止からの跳躍でかわされた。


「アシュテロ落ち着くのにゃッ!!」


 氷の縄が、伸びる。


「退いてって言ってるのッ!! 邪魔なのッ!!」


「にゃぁぁっ!?!?」


 “グレイブランス”。悪魔猫を大地ごと幾重にも穿ち、周りの悪魔までも巻き添えに。

 何が起こっているのか。暴走をしているシテロを四悪魔総出で押さえ込もうとしているように見えるがーーー


「シテロ! 何をしているんだ!!」


 身体が重い。

 五悪魔の顕現と、彼等が個々に使う魔力(マナ)の量が身体に強いる負担は果てしなく大きい。


「(マズい…このままじゃ過耗症に…!!)」


 一度底を付きかけた魔力(マナ)が、底を突き抜けようとしている。

 何が何だか分からないが、考えている時間すら惜しい。四悪魔側かシテロ側か、どちらかに加勢してこの不毛な争いを終わらせなければ。


「くっ!! 止まれ然龍!!」


 シテロが目指す先にあるのは、光の魔法陣。外への転移陣だ。

 彼女は何故か、外を目指しているようだ。


「シテロ!!」


 魔法陣とシテロの間に立つ存在は、既にアデウスだけだ。

 シテロに顕現を許さないようずっと『炬燵空間』で争っていたのだろう。魔法の直撃を一撃貰っただけで他の悪魔はダウンしていた。


「それだけの魔力(マナ)の酷使、師匠を殺したいのか!!」


「アデウス…ゥッ! 行かせてェッ!!」


 滑空するように突撃するシテロに対し、アデウスは鎌を構えるだけだ。

 空間魔法を使えばシテロの暴走を止める術があるのだろうが、アデウスは魔法を用いなかった。

 空間魔法は消費魔力(マナ)が多いため、使うことが出来なかったのだ。


「ぐぅ…っ」


 勝敗は、正常な判断力があるか否か。

 弓弦が脱力感を覚えた瞬間。シテロの腕が、龍形態のものへと変化していた。


「シテロ! 止めろッ!!」


「ギシャァッ!?」


 龍の爪がアデウスの身体を容赦無く切り刻んだ。


「こ、ここまでか…!!」


 アデウスの姿が、消えた。


「…にゃ、はは」


「…情が…仇となったか」


「アデウスッ!? クロ! ヴェアルっ!!」


 それを皮切りに二体の悪魔も消えた。


「ッ!!」


 シテロを阻む者は居なくなった。

 同胞が顕現するだけの魔力(マナ)すら失い消えていく中、シテロの眼に映るのは出口だけだ。

 虚脱感の魔手を気力で振り切り地を蹴るが、このタイミングではシテロに追い付けない。


「思い繋ぎて、誘え!!」


 魔法陣は展開しない。

 シテロに追い付く術は、既に弓弦の下には存在しなかった。


「くそッ! シテロッ!!」


 彼女の足は、止まらない。


「(っ…一体どうしてしまったんだよあの天然娘はッ!!)」


 だがその足が、魔法陣を踏むことはなかった。


「!?」


 彼女の首元に何かが吸い込まれたように見えた。

 その身体が傾き、(魔法陣)へと向けられようとしていた足は、大きく隣を踏み締めた。

 頭を抱えながらも、なおも前に進もうとする彼女。


「(銃弾…カザイか! だが間に合うかどうか…!)」


『動くなッ!!』


 背後から眩い光が弓弦の傍を通り抜け、シテロの身体を包み込む。


「うぅっ!!」


 シテロの足が止まった。


「シテロ!!」


 追い付けないと思っていた背中に、手が届いた。


「嫌…行かなきゃいけないの…っ」


 譫言うわごとのように繰り返す彼女の周囲を、魔力(マナ)が包み込んでいる。

 バアゼルによる支配魔法が発動している証だった。


「フ……」


 背後から感じていたバアゼルの魔力(マナ)が消えた。


「(お前がくれたチャンスか…! 活かしてみせるさ!)」


 何故こうなったのか、まずは理由を問わなければならない。


「嫌っ嫌っ!!」


「く…っ、シテロ!!」


 拘束魔法から解放された彼女は、悪魔らしい馬鹿力で振り払おうとしてくるが、そこで振り払われてしまっては男が廃る。


「行かなきゃいけないの! ずっと会いたくて、会わなきゃ駄目な人がきっと近くに居るから!」


「こんのッ!!」


 背中から羽交い締めにした弓弦は、前に押し倒すように一気に組み伏せた。


「落ち着けシテロッ! 誰に会いたいのかは知らんが、理由も言わずに暴走するなッ!!」


 力が入らない身体に鞭を打つ。

 気を失うのは簡単だ。だがここで気を失ってしまえば、眼の前の女性を失ってしまうーーーそんな不安な予測が彼を奮い立たせた。


「バアゼルもアデウスもクロルもヴェアルも大嫌いなの馬鹿ぁッ!!」


「落ち着けッ! 取り敢えず俺に言ってみろッ!! 話はそれからだッ!!!!」


 腹の底から叫ぶ。

 喉が痛い。声を張り過ぎたようだ。


「…ユール?」


 その甲斐があったのか、シテロと眼が合った。

 自分が組み合っているのが弓弦だと、本当に気付いていなかったようだ。

 思い込みを激しくしてしまったのは、天然さが災いしたのか。

 彼女らしい暴走振りを微笑ましいものを覚えたながらも、


「やっと落ち着いてくれた…かぁっ」


 弓弦は、シテロの身体から離れるように仰向けになった。


「ユール、ユール」


「…んー?」


 弓弦の意識は既に朦朧としていた。

 身体は重く、寒気が。一切力が入る感覚の無い肢体が動くことは、ない。

 完全に過耗症だった。

 二度目だろうか。辛うじて暫しの間だけ意識を保てているだけでも、自身の成長を感じることが出来た。


「ユールに訊いてほしいことがあるのっ」


「何だ…?」


「あのねっ、私と一緒に『ダスクレピオス』を追ってほしいのっ」


 どうやら身体を起こして弓弦の方に向き直ったらしい。彼女の豊満な胸が彼の視界の半分を埋めていた。


「…あぁ…一休み…してからな」


「本当に!? 良いの!?」


 シテロの喜ぶ姿に破顔した弓弦の意識は、そこで途絶えた。

「…わーい、クリスマスイブイブだー」


「イブイブ…? クリスマスには別のクリスマスがあるのですか?」


「あ、風音さんもクリスマス知ってたんだね。クリスマスイブイブって言うのは、クリスマスの前の前の日ってことで、十二月二十三日のことだよー。一般的なのは天皇誕生日なんだけど」


「天皇…?」


「…あ、これは知らないんだ。んー…帝? かな」


「あぁ、帝で御座いますか」


「そうそう。帝。帝の誕生日だから祝日なんだ。今年は金曜日だから、土曜日、日曜日と三連休やんだよ~」


「三日も御休みなのですか? …凄いですね」


「無かったの?」


「女将に休みは御座いません。数時間程休息をすることはありましたが……」


「…ブラックだ」


「クスクス…他の皆様に『休め』と言われて仕方が無く…と言うことは御座いましたね」


「へー、そっかー」


「ですので休みを戴いてもどのように活用すれば良いのか…困ってしまいましたね」


「…予告いこっか」


「はい、参りましょう」


「『…人は古来より孤独だと訊く。如何に群れようとも、所詮は「個」…一人だ。故に縋る。何かに頼る。…然し、我等に其の選択肢は無い。ならば、窮地に立った折に如何すれば良いのか。決まっているーーー次回、笑うバアゼル! 悪魔の思案は炬燵の中で!!』…ク、興が乗るわ。…だってさ。お楽しみに~♪」


「風の音が紡ぐ、焔の如き想いを貴方様に……」

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