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俺と彼女の異世界冒険記   作者: 仲遥悠
04771を求めて…編
253/411

掴み取れアデウス! 座布団をその手に!!

 瞼を閉じていても差し込んでくる光。

 その光の眩しさに弓弦は眼を開け、身体を起こした。


「…あ、やっと起きたの」


 声がする方を向くと、自分の斜め後ろにシテロの姿が。どうやらまた膝枕をしてくれていたようだ。


「(泉の主にならずに済んだか……)」


 良い歳して溺れるとは情けない話である。

 準備体操の重要性を改めて認識した弓弦は救助者に向き直った。


「助けてくれてありがとな。どれぐらいの時間気絶していた」


「…一時間程度なの」


 溺れて気絶していたにしては、長めの時間だ。

 一時間といえばシテロが昼寝するには十分な時間であろうが、彼女に寝ていた様子は見られない。

 どうやら相当に心配されていたようだ。


「…みっともない姿を見せたな。悪かった」


「別に気にしてなんかいないのっ。‘ちょっと良いことも出来たし…’大丈夫なのっ」


 何が大丈夫なのであろうか。それに、小声で呟いたことに関して訊きたいことが無くはなかったが、そっとしておくことに。


「ん?」


 そういえば服が変わっている。

 着替える予定であった隊員服を着ているし、シテロの服装も変わっていた。

 弓弦が気絶している間に彼女は着替えたようだ。だが、弓弦は誰が着替えさせたのだろうか。

 考えるまでもない。眼の前の人物しか居ないだろう。流石に裸のまま寝かせておくのは不憫だと思い、どこかで洗濯してきた着替えを着せたーーーそんなところだろう。

 とすると、彼女がどうして眠そうではないのも察せられる。一時間の大半を、弓弦の着替えに四苦八苦の末費やしたーーーと、そう考えれば。


「色々とありがとな。大の男を着替えさせるなんて大変だっただろう?」


「ここはユールの精神空間なの。だから望めばすぐに着替えることが出来なくも、ない。ユールが考えるような大変さは…なかったの」


 眼が泳いでいる。


「(絶対に普通に着替えさせただろうに…。どうして誤魔化すんだか)」


 分かり易い態度に苦笑を浮かべながらも彼女の頭を撫でる。

 シャンプーなんてどこでしてくるのか、ほんのりと優しい香りが漂ってきた。


「ま、そう言うことなら良いさ」


「そう言うことでもないし、頭撫でる理由も無いのっ。ぁぁぁぁ眼が回るのぉぉぉ……」


 変な声を上げながら頭を回されるシテロの可愛さといったら、中々のものではあるが程々にしておかないと機嫌を悪くされる。

 なので撫でるのを止めると、彼女はへたり込んで頭を回していた。


「さて、じゃあ時間を元に戻して外に出るか」


「ぁぅぅ……」


「(やり過ぎたか……)」












* * *


 ヴェアルは少し前に戻って来た。

 戻って来るなり紅茶を飲み始めた彼を尻眼に、クロは欠伸を一つした。


「…にゃ? 帰って来たみたいにゃのにゃ」


 もう一度欠伸をして身体を起こす。

 足音のした方へ視線を遣ると、弓弦とシテロの二人が帰って来ていた。


「にゃはは。にゃがいこと二人で席を外して、一体(にゃに)をしていたんだか、にゃ?」


 随分長いこと二人は席を外していた。

 四時間だったか。大して何も無いような空間で、四時間も二人揃って席を外していたのだ。邪推をするなというのが無理な話だろう。

 しかし邪推は邪推。邪な心に由来する推測には一人分の呆れたような視線が向けられた。


「…アデウス、こっちでツッコミの練習でもするか」


 そう言った弓弦が立ったのは、クロの隣。


「何と。見てくれると言うのか」


 驚くアデウスに力強く頷くと、腕組みをする。クロの隣で。


「あぁ。たまには良いだろう?」


 悪い笑みだ。


「是が非でも」


 アデウスはその眼を輝かせている。

 彼は弓弦にツッコミの指導をしてもらうことが純粋に嬉しそうだった。


「…心酔だなアデウス…。惚れ込んだか」


 ヴェアルはそんな様子を興味深そうに眺めるためか、反対側の炬燵の前に座る。丁度クロが正面に見えることを確認すると、ティーカップを自身の前にまで移動させた。


「ならここに」


 弓弦が指で示したのは、クロの隣。悪魔猫を挟んで彼の反対側に位置する場所だ。

 そこにアデウスは空かさず移動した。彼の眼にクロは映っていない。

 もう嫌な予感しかない。寧ろ、それ以外に何を覚えろというのか。


「構え!!」


 アデウスがハリセンを振りかざす。


「何でやねん!」


 弓弦の号令に合わせ、


「何でやねん!!」


 ハリセンが振り下ろされる。


「何でやねぇぇんッ!!」


「何でやねぇん!」


「声が小さい!!」


「何でやねぇぇぇんッ!!」


 何だこれは。


「気合も、ハリセンの角度も良し。次は俺の言葉にツッコミを入れてみせろ」


「分かった」


 クロの真上で繰り広げられる謎の教習。

 アデウスによって振り下ろされるハリセンは、悪魔猫の頭に届くか届かないかギリギリの距離まで勢いを保っている。

 ハッキリいって危険だ。このままではいずれ、この空間内に快音が響き渡るであろう。そんな危険な状況の中であるのにも拘らず、クロが逃げようとしないのには当然理由がある。


「にゃっ!?」


 例の如く彼の身体は動けなくされていた。


「……」


 シテロが地属性初級魔法“チェーンプラント”を使用し、足に蔦を絡めたためだ。


「いくぞ、剣で建設、「何でやねん」…盾を立てる、「何でやねん」…兜を被っとる。「何でやねん」帽子で防止、「何でやねん!」」


 何だ、これは。


「よし、良いリズムだ。その調子で次いくぞ!」


「応!」


 弓弦のボケという名のギャグに合わせ、アデウスがツッコミを入れる。

 中々上手くリズムに乗れており、テンポの良い掛け合いは言う側も聞く側も癖になるようなものだ。


「柚子を、譲る、「何でやねん」、弓弦が譲る、「何でやねん」、レイヤーと言えば? 「ユ、ヅナハ」、レイアと言えば? 「アpリコット」」


 弓弦が驚いたように眼を見開く。


「アプリコットをそのまま言わず、アpリコットと『プ』の部分を発音し切らなかった…そうだ。その対応力だ…

…! 良く察したな」


 実に訳が分からない。

 ツッコミの存在とは、往々にして重要なものであると誰もが悟る光景だ。


「…咄嗟だった。…何が…何だか」


 アデウスは振り下ろしたハリセンを見降ろし、首を左右に振る。

 どうして出来たのか。人ならざる悪魔の身でも分からないことのようだ。


「…どうでも良いのにゃ」


 割とどうでも良いように思えるのは確かであろうが、クロの言葉に頷く者はこの場に居ない。


「そこが一番のツッコミ所じゃあにゃいのかにゃぁ…?」


 「間違い無い」と、同意する者も勿論居るはずがない。


「…物事の道理は紙切れ一枚にも左右される…そう言うことさ」


 居るのは精々、紅茶を啜る傍観者ぐらいなものである。


「な、なんでやね~ん。なんでやねん」


 後は辿々しく、小振りに一人と一悪魔の真似をしている小龍ぐらいか。

 マスコット的な可愛さを放っている彼女は、相変わらず可愛い物好きの人物達からすれば垂涎の存在だ。


「じゃあ次は、言葉選択の練習だ。アデウス、お前は何か一つ短めの自慢をしてくれ。そしたら俺が、『へ~、凄いですね』と返すから、そこから更に続けてほしい。案が浮かんだら挙手。良い答えなら座布団をやるが、悪い答えなら取り上げるからな」


 何か、始まった。


「分かった」


 魔法に抵抗するのを止め、まだ続けるのかと脱力したクロは遠い眼をした。

 その隣に机に見立てたらしいダンボール箱を置いた弓弦が、炬燵から持って来た一人と一悪魔分の座布団を用意する。そして座布団の上に座るようアデウスに言うと、自身もダンボール箱の後ろに敷いた座布団の上に座った。


「アデウスさん」


 アデウスが鎌を挙げたので当てられる。さん付けするのは何故だろうか。


「この玉、見てくれよ。輝いていないか?」


「へ~、凄いですね」


 空かさず弓弦が言葉を返すと、アデウスは得意気に眼を光らせた。


「俺の金の玉なんだぜ」


 下ネタである。

 実に、くだらない。


 「ぷっ、にゃっはははっ!!」と笑いが下より起こるが、弓弦は眉を顰めた。


 だがくだらない下ネタも、笑いを起こすことが出来れば儲け物だ。


「いきなりの小智…遊びが過ぎたな『空間の断ち手』。それでは、三下さ……」


 アデウスの下にあった座布団が独りでに動き、ヴェアルの下へ。座布団運びは赤い者の役割のようだ。


「にゃはははっ、あ~っ、辛いにゃっ、不意打ち過ぎて腹が捩れるのにゃぁっ」


「…アデウスの答えが良く分からなかったの。ユール、一度お手本を見せた方が良いと思う」


 シテロの言う通り、少々急がせ過ぎたのかもしれない。

 反省しつつも、嫌な予感を覚えずに居られないのは、この妙な流れの所為か。


「私が言葉を返すから続けてほしいの」


 シテロの無邪気な笑みも、癒してくれるはずが心なしかこちらを追い詰めているようだ。

 どうしてだろうか。「自分もやってみたいから」と言う彼女の心の声が、今にも聞こえてきそうである。


「お手並み拝見させて頂こうか」


 引き抜かれた座布団が宙を舞い、ヴェアルの隣へ。


「師匠、お願いする」


 どうやら逃げ道は無いようだ。

 クロも足下から期待の眼差しを向けており、その眼は「大いにスベるのにゃ」と悪意に満ちていた。

 期待のアデウスとアシュテロ。

 見極めのヴェアル。

 悪意のクロル。

 悪魔達による三種類の視線に観念した弓弦は、深呼吸の後におもむろに手を挙げた。


「…んと、ユールさん」


 考え始め、そして自らの答えを出すのにそう時間は要さなかった。


「この車、ピカピカに輝いているように見えるんだがこう見えても中古車なんだぜ?」


 あくまでお手本を見せなければならない。故に用いるのは「ピカピカ」と、同じ題材だ。


「へ~、凄いですね」


「あぁ、車内灯もヘッドライトも馬鹿になっているんだ」


 あまり捻った訳ではないが、中々に会心の出来。その自覚があった。


「…やるな!」


  それを裏付けるように座布団が一枚飛んできたので、ヴェアルを納得させることは出来たようだ。

 しかしシテロはキョトンとしている。

 「車」という物質が分かるか分からないのか、その差が反応となって現れたのであろう。


「…? しゃないとう、へっどらいと……」


 混乱しているシテロに、「俺の世界にある乗り物だ」と教えてあげると納得したのか首を縦に振る。


「…流石は弓弦にゃ。おにゃじ題材を使っているのに『空間の絶ち手』とは、捻りが違うのにゃ」


「…師匠…!!」


 アデウスの瞳が輝きを強める。

 心からの尊敬の念に戸惑いながらも、場を仕切り直そうと眼の前の弟子(?)に次の考えを思案し始めるよう促す。


「…キシャ……」


 時が流れていく。

 ハードルを上げ過ぎたかと握り拳を作りかけるが、後悔するにはまだ早いと考えたのは、アデウスの瞳を見たからだ。


「…!!」


 やがて、鎌が挙がった。

 鎌は震えている。緊張しているのだろう。

 弟子が緊張しているのなら、自分が予測不能な結末に怯える訳にはいかない。

 生唾を飲み込み、努めて冷静に弓弦は蟷螂悪魔の名を呼んだ。


「アデウスさん」


 声が硬くなっているのが分かった。

 期待がそうさせているのか。興奮を隠し切ることが出来ない。

 その時を、ただ待つ。


「こんな言葉があります。 “夕焼けに鎌を砥げ”、と。なので綺麗な夕焼けが確認出来る日は、鎌を研ぐなどして、安心して翌日の農業に備えたりしたんです」


「へ~、凄いですね。…(さぁ、見せてみろ。お前の…全力を!!)」


 出だしは快調。後はその次に、どう続けるかだ。

 所謂、オチ。これを欠いては良い答えは生まれない。座布団を取るだけだ。


「ですが、政治の金の流れすら隠れさせる厚い雲に覆われた日本の空で、いつ夕焼けは見えるのでしょうか」


 オチどころか、突き抜けた。


「ーーーッ!?」


「風刺を用いたか…!」


 上手く時代を皮肉った風刺。そしてそれを用いる発想。

 アデウスの答えは、ある意味理想系に近いものがあった。笑いを取るという意味では方向性が異なってしまうが、話に深みがあるという点では中々に上手い回答だ。

 ツッコミ所が大いにあるが、気にしてはいけないのが一つのマナーである。


「これは上手いな。ヴェアル君、座布団を二枚持って来て」


「師匠…!」


 自分の下へと運ばれた座布団を見、アデウスが喜びに声を上げる。そろそろ師匠呼びが定着しそうだ。


「…十分だ。そこまでに言葉を選べるのなら、合格と言うしかないな」


「なの。アデウス合格なの。明日が晴れだと分かっているのなら鎌を研いで備えないと、駄目。良く分かるの」


「二度目の正直とか言うヤツかにゃ? 中々(にゃかにゃか)に上手かったのにゃ」


 シテロとクロも、アデウスが出した渾身の回答を絶賛した。


「良くやった…アデウス、お前は俺の自慢の…弟子だっ!」


「師匠…っ」


 特別訓練の甲斐があったというものだ。惚れ惚れする成長っ振りに弓弦は、一頻り頷く。


「良く、訊け。リズムと、的確な言葉選択…この二つのどちらかでも欠くようなことがあれば、ネタは必ずと言って良い程スベる。その点、歌等を用いてこの二つを満たそうとするのは、理に適っていると言えるだろう。良いか、今はどちらかと言うと、リズムで笑いを取る時代だが、リズムだけでは駄目だ。斬新さが売りのネタは、一年程度で消え人々の間から忘れ去られる…それが世の常となっている今、栄枯盛衰が世の理だがアデウス、お前はそれに抗わなければならない。全面抗争だ! 時代に従うことなかれ、お前はお前だけの時代を作るんだ!」


 そして、持論を展開し始めた。

 自信満々に、饒舌に語っている姿は普段よりも輝いているようだ。

 いつこの男の中にツッコミの美学が生まれたのだろうか。それにしてもこの男、随分とノリノリなものである。


「師匠…っ、あぁ!!」


 抱き合う師弟。

 当人達は覚えた感動を共有しているのだろう。アデウスに至っては感極まったのか、今にも涙を流しそうであった。


「…揃いも揃い、貴様等は何をしている?」


 そして弓弦は、別の意味で涙を流す羽目になりそうだ。


「…。いや、別に何もしていないが…な? シテロ、クロ」


 同意を求め、視線を猫と小龍へ。

 二悪魔に向けられた視線には、「合わせろ」と必死な彼の意思が込められていた。


「皆でお笑いの特訓をしてたの。面白かった~♪」


 天然シテロ、意思は伝わらず。


「にゃ、はっはー? アシュテロ?」


 こちらは伝わったらしいクロ。即座に爆弾を投下してしまったシテロの声を誤魔化そうとするも、誤魔化しになっていない。


「『紅念の賢狼』からもにゃにか言ってほしいのにゃ。…にゃ?」


 クロが炬燵の方を見るも、その方向には誰も居ない。


「『紅念の賢狼』ならば我の代わりに番を担っている。…弓弦、貴様は此処で何をしていた」


「(…逃げたのにゃぁっ)」


 ヴェアル、逃亡。


「…いや、俺は…だから、何もしていないが」


「…何もしていない? 我は貴様に、『休息を摂れ』と云った筈。…講釈を垂れさせる時間を与えたのではないと記憶している。何もしていないとはどう云うつもりだ」


 バアゼルはどうやら怒っているらしい。詰問口調の端々には怒気が込められており、視線を向けられていると分かっただけで、その者が肩を竦ませる。


「別にここだったらにゃにをしてようが良さそうにゃ気がするのにゃ。…そう目くじら立てるようにゃことじゃぁ…にゃぁ?」


 頼もしいクロ。シテロは突然の剣幕に困惑しているのか固まっているので、彼だけが頼りだった。

 だがーーー


「貴様等此処に、直れ!!」


 その言葉を訊いた瞬間。

 三人の身体は意思に反して動き始め、一斉にバアゼルの前で正座することになった。


「何だあの寸劇は? 我が居ないのを善いことに、随分と興が乗りそうな事をしていた様。仔細に訊きたいものだな」


 身体が動かない。

 否、動くことを許されていないのだ。弓弦達の身体は現在、バアゼルによって「支配」されているのだから。


「…いや、別にそんなことは…していない、よな?」


「にゃはは…弓弦…もう無理にゃ」


「往生するの。ユール」


「…し、師匠……」


 諦めムードが漂う。

 蝙蝠悪魔の剣幕から逃げられる方法は、無いようだ。


「ク…寸劇。そう云えば劇には、『オチ』が必要と風の噂に聞いたな。ならば我が手ずから用意してやろう。…我からの有難い言葉と云うオチをな」


 ギョッとする一人と三悪魔に見詰められ、バアゼルは嗜虐的な笑みを浮かべた。

 夢のような笑いの劇は終わり、その後に始まるのは、地獄のような悪夢。

 そう、悪夢が、始まったーーー

「ぺったんこ…ぺったんこ……」


「隊長様、昼食を御持ち致しました」


「おおおおお!!!! 待ってたぞ風音ちゃ~ん♪」


「クス…業務の進捗状況は如何でしょうか?」


「順調に片付いていっている感じだな~。風音ちゃんが持って来るご飯のお蔭でパワーを貰えるし、このペースならいつか終わりそうだ~」


「それは良う御座いました。御口に合っているようで何よりです」


「もう美味いのなんのってヤツだな~! 毎日食べているが本当に飽きないぞ~!」


「あらあら…御上手ですね。乗せられてしまいそうです」


「毎日作ってもらいたいところだが~…無理だよな~」


「申し訳御座いませんが、毎日と言う訳には参りません」


「ぐ…そこはハッキリ言ってほしくなかったな~っ。食堂の飯も美味いんだが、やっぱり風音ちゃんみたいな別嬪さんに作ってもらった料理の方がな~?」


「クス…持ち上げられても無理なものは無理に御座います。私にも私事…と言うものが御座いますので」


「そうか~、それは残念だ~」


「では此方の御盆は持ち帰らせて頂きますね」


「お~お~、朝飯ご馳走さんだ~」


「うふふ、御粗末様です♪ では、失礼致しました」


「…お~」




「さて予告だ~! 『この洞窟に入ってから大分経ったよな。降りて進んで降りて進んで…馬鹿みたいに続く道を進み続けて…ここに、ようやく辿り着けた。…この先に、きっとーーー次回、与えろクロ、副属性の知識!!』…このメッセージの、銃弾の送り主はやっぱりお前だったんだな。…だ~! んじゃ、風音ちゃんの昼飯平らげるとするか~!!」



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