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俺と彼女の異世界冒険記   作者: 仲遥悠
動乱の北王国編 後編
238/411

笑顔でフッテ

 ガノンフとスートルファは口々に昔話をし、『悪堕ち』の危険性とかつてのフィーナについて語った。

 ーーー話の後半は新たに加わったレティナの独壇場と化していたが、おおよその内容、特に昔のフィーナの性格についてはよくよく弓弦も理解した

 素直じゃなくて、愛情深くて、マゾっ気があってーーー訊いた話の限りでは今のフィーナより幼い部分があるだけで、あまり変わっていないようだ。


「フィーは今も昔もフィーなんだな。で、『闇堕ち』なんだが…」


 話は訊いた。

 フィーナが一度『闇堕ち』を経験し、現在の強さを得るまでに至ったのは興味深い話だが、より興味を持たなければならない予想があった。

 かつて自分が居た世界での創作物内での話で知った経験が、警鐘を鳴らしている。

 信じたくはない話だが、異世界において非日常は日常だ。一度耳にした警鐘を聞かぬフリとはいかない。

 まさかとは思う、思いたいが。ガノンフ達が『闇堕ち』の事実を伝えたことを意味の無いものと思う程の能天気で居られたら、どんなに良かったものか。


「…一度したらその後の後遺症とか、あるのか? …再発し易い…とか」


 良くないことは往々にして連続して訪れ、そして続くものだ。

 癌のように、一度起こしてしまったものは何度も、何度も、起こる毎により起こり易くなる。『闇堕ち』もその例に漏れないような気がした。


「…。あぁ」


「絶望に落ち易くなるのか」


「要するに、そうなるな」


 「だが」と深刻に眉を顰めた表情から一転。明るいものへと変えたガノンフは弓弦の肩を叩く。


「どうだ彦様。姫様との生活は幸せか?」


 フィーナとの生活。

 支え、支えられての生活を幸せじゃないとするのならば、何を幸せとするのか。

 急な話の転換に戸惑いながらも、頷く。


「なら大丈夫だ。彦様が居る限り、姫様が再び『闇堕ち』することはあり得ん」


「そうですね。姫様のあの幸福に満ちた顔…そのままですと、きっと幸せに生涯を終えることが出来ましょう」


 幸せに生涯を終えさせる。

 自分が側に居れば『闇堕ち』することがないのならば、その逆は。


『弓弦。その考え方は駄目だにゃ』


 駄目だとは分かっている。

 しかし考えないで済ませるものではない。

 知影、風音という二つの爆弾。

 以前『ヴァルハラ城』を攻めた時にロソンの前で考えたことだが、現状は「ジリ貧」の状態だ。

 二人の時点でジリ貧だったものが、今三人に増えようとしている。もし何らかの状態で彼女と接する機会が減ってしまったとするのならば、『闇堕ち』の可能性が出現してしまう。

 左手の薬指にはめた指輪が緩和作用を働かしてくれるだろうが、それもどこまで効果があるものか。

 心の不安定が『闇堕ち』をもたらすのならば、それは他の二人と同じ、正に爆弾と呼べる存在だ。

 …俺は…俺のしていることは……いや、だが確かなのは。


「(…死ぬ訳にはいかないな)」


『にゃはは。君が死んだら爆弾が大爆発してしまうから、にゃ』


 クロが話し掛けてくる。

 気遣わし気な様子は弓弦の思考の整理が、簡単になるように手伝うためか。


「(どうにかならないものか?)」


『その答えは自分で見付けにゃいといけにゃいものにゃ。みんにゃが幸せににゃる方法を、手遅れににゃる前に』


「羨ましいもんだ」


「(難しいもんだよ、俺としては)」


 皮肉を言いたかったが、単なる八つ当たりにしかならないので自重する。


『モテる男は辛いのにゃぁ』


「(こんな形でモテたくはなかったな)」


 取り敢えず、これ以上モテることはないようにしたい。

 女性との接触を避けるか。あぁ、それが良いかもしれない。いや、だが女性と接するイコール惚れられるとは方程式として間違いしか無い。第一、接したら、助けたら惚れられると考えるのはとんだ勘違い者ではないだろうか。

 だが、助けを求める者を見捨てることはしたくない。それも、惚れられるかもしれないという理由で見捨てる? そんな馬鹿な理由で見殺しにしようがものなら、夢に鬼と化した姉達が現れそうだ。

 ならどうすれば良いのだろうか。

 助けたとしても惚れられないようにすれば良いのだろうか。


「(…そうか。女にでもなれば良いか)」


 女性を女性が助けても、惚れられることは少ない。余程のレズビアンならば惚れられるかもしれないが、そんな女性はそうそう居ないだろう。


『…それも一つの方法かもしれにゃいにゃ。おんにゃとして生きる弓弦…ぷっ』


「(生きるんじゃない。いざと言う時にだけ変身するだけだ)」


『美少女救世主伝説にゃ?』


「(訳が分からないからな。何故そんな言葉が出てきた……)」


 これ以上爆弾を抱え込みたくない以上、現実味はある。

 男を助ける時は男で、女を助ける時は女で同性救助を行う。


「…と、羨ましいものか?」


 おざなりになっていた話を続行させる。

 二つの話を同時進行させることは難しいので、どうしても片方の話に集中してしまうともう片方を忘れてしまう。天才達のようにはいかないものだ。


「えぇ、羨ましいです。彦様と姫様、小姫様こひめさまが居る限りハイエルフの未来は明るいですし! このままですと、安泰そのものじゃないでしょうか」


 小姫とは恐らくイヅナのことだろうが、どうして小姫なのだろうか。

 イヅナはフィーナの妹。つまり、ゼルエスとセシリアの娘だ。

 二人は彼等にもイヅナの存在を隠していたのだとしたら、何故そうまでして隠す必要があったのか疑問に感じたが、死人に口無しである。


「是非立派な子どもを沢山産んでほしい。幸せな家庭の母として過ごされる姫様を夫として、俺達の代わりにずっと支え続けてくれ。頼んだぞ彦様」


 「代わりにずっと」とは少しおかしなものだ。

 無責任に感じたのだ。彼等は「生きている」のだから、時々会いに来てもらうことは、会いに行くことは出来るはず。

 微妙な意味合いの違い。彼等の言い方ではまるで、もう二度と会えないようなーーー


「(まさか)」


 クロが何も話さなくなったのか、返ってくる声は無い。

 弓弦の視線は、レティナに向けられた。

 歩いている時に少しぎこちなさを感じていたのだが、次の瞬間その原因が分かった。


「そうだ彦様。これ渡しておくわぁっ!? ど、どうしたの彦様そんないきなりっ」


「…どうして手が透けている」


 レティナが何かを渡そうとした手の反対側の手。

 透けていた。チラリと見えていただけなのだが、自分の視線の高さにまで持っていってみたことで確信した。

 何故透けている。これではまるで。


「視れば分かるわよ」


 フィーナは気付いているのだろうか。この事実に。


「…幽霊?」


 レティナも、ガノンフも、スートルファの身体からも、魔力マナが逐一消滅している。それに従って、身体も微かにだが質量を失っているようだ。


「人聞き悪いわね。私達は、何故か呼び戻されたかつての私達の魔力マナの残滓集合体。夢のような存在よ。決して幽霊なんかじゃないわ」


 二百年余り前に肉体は失われたため、実体が無い。

 不思議な力に喚び戻された魔力マナの残滓が集合した結果、悪魔達のように擬似的な実体を持った存在。それこそがガノンフ達が、何故「生きていたのか」に対する真実だった。


「どんな理由があって仮初めの生を受けたのか分からないけど。…いいえ、きっと今の姫様と彦様に会うために喚び戻されたのね」


「そうですね。きっとそうです」


 明かされた真実。しかし何か、何かが微かに引っ掛かった。

 喚び戻したのが魔法による効果ならば、おそらくその魔法とは、『禁忌』とされる魔法だろう。

 引っ掛かったのはそこではない。

 重大な何か。普通ならば気にしても良いはずなのだが、非日常を受け入れ過ぎるあまり気に留めなかった何かが、その真実に関係している。そんな気がした。


「そろそろ姫様と村長の下へ戻るか。向こうの話も終わっているはずだ」


 一体それは何なのか。

 その答えは、その真実を明らかにすることは、まだ出来そうになかった。


* * *


 訊きたくなかった。

 でも、訊かなければきっと後悔していた。

 動揺が、心を捉えて離さない。

 疑いはあったけど、どうしての疑問はあったけど、やっぱりとは思ったが、それを否定することを心のどこかで期待していた。


「爺は幸せでしたぞ。成長された姫様が、かくも幸せな生活を健やかに過ごされていて。本当に、夢のような時間を過ごせましたわい」


 身体が、消え掛かっているように視える。

 ついさっきまで、あんなに昔のように話を訊いてくれたのに。楽しそうに笑ってくれていたのに、今は、寂しそうに笑っていた。


「…嫌よ、嫌。…そんなこと言わないでよ…デイル……」


 雫が溢れ落ちる。

 突然訊かされた、「還らねばならない」という夢を終わらせる話は衝撃だった。


「…皆が来ましたな」


 弓弦とハイエルフ達が戻って来た。

 反射的に、視てしまうと。


「…っ」


 やはり、魔力マナが乖離し始めていた。


「…四人共…消えてしまうのね」


 弓弦以外の三人がフィーナの下に歩み寄ると、彼女を囲む四人の身体が眼に見えて薄れ始めた。


「…消えて…しまうのね」


 弓弦が震える背中にそっと手を置こうとしたが、思い留まる。

 一連の遣り取りを彼は傍観することに決めたのだ。


「…どうして。また会えたのに、どうして消えるのよ皆…。ぬか喜びさせるのは大概にしてほしかった! どうして疑うのを止めて信じ始めたような段階で叩き落とすのよ! …趣味…悪いわ…っ」


「…我々は、かつての我々の残滓が見ている、見せている夢。夢は、覚めなければなりますまい。悪いものであれ善いものであれ、夢である以上」


 覚めてほしくなんかない。

 悪い夢ならば、覚めろと願う。だがこれは善い夢だ。夢である以上覚めないといけないかもしれないが、永遠に夢見ていても良いではないか。

 まして、覚めると眼の前に居る大切な人達が消えてしまうの夢なんて、覚めない方が良いとフィーナは考えていた。

 ーーーいや、元々そうは考えていないのだ。本来の彼女の考えはデイルのものに等しく、もし彼女の立場に他の者が立ち、その者に彼女が助言をするのならば彼女はデイルと同じことを言っただろう。

 夢は見ても良い。見ても良いが、夢に囚われるとはつまり、過去に囚われるということ。

 囚われることなく今を、未来を見なければ。


「…趣味の悪い夢! ならどうして夢見させたのよ! …こんな夢を……」


「…姫様が願ったのか俺達が願ったのか。それとも、偶然の産物なのか。確かなのは、姫様が俺達と言う夢を見ていてそれが今覚めようとしているだけだ」


「私達からすれば素敵な夢だと思います。…そう、叶うものならばこのまま夢を見させてあげたいと思えるぐらいには。…ですが、私達は所詮過去の人物。既に肉体無き死人しびと。死人の役目はそう、未練を無くして静かに天に還ることですよ」


 行うのは一つの過去とのさよなら。

 過去の人物である死人達は、彼女の心が過去じぶんに縛られることを拒否した。

 偶然の再会がもたらすのは必然の別れ。


「未練はもう本当に無い? 思い残すことはもう…無いの?」


 彼等は自分達のことよりも、フィーナの話を訊いてくれた。

 伝えなければならないことを除いてではあるが、ただ彼等は聞き手に徹していた。

 大切な姫を、「フィリアーナ」を見守ることが出来なかった彼等にとってその話は新鮮で、幸せそうに話す彼女が愛おしかった。

 未練があるといえば、無いはずがない。

 願うのならば、叶うのならば。そんなものを彼等も抱いているはず。


「あるに決まっているじゃない。私なんて結局男性と『契り』を交わせなかったんだもの」


 「あー! 子ども欲しかったなぁ!」と、レティナ。

 一個人としての未練と姫のお目付役としての未練。そのどちらも彼等は抱いていながら、なお「還らねば」と言うのだ。


「姫様、私の分まで子どもは後一人か二人は作りなさい! 絶対に作りなさい! 彦様は素敵な人。もし姫様のものじゃなくてフリーだったら、女として奪いに行ったかもしれないぐらいにね」


「…そっ、れは…この人次第だけど……」


 チラリと自身のハイエルフとしての夫に視線を遣ると、眼を逸らされた。恥ずかしがっているようだ。


「…努力するわ」


 同じ女の本音を訊いたためか、フィーナの中で心の整理がついていく。

 夫になら兎も角、我儘を言うような歳じゃないのだ。「還りたい」とした彼等の意思を尊重し、笑顔で送ってやらねば。

 浮かべた笑顔に四人は顔を見合わせ頷いた。


「…さて、彦様や」


 話は妻から夫へ。


「人の身からハイエルフへの変化…。長老様はきっと、彦様のことを見越して力を残されていたのじゃろうな。その力、大事になされよ」


 大事にしなければならない。

 ハイエルフとしての力が無ければ、乗り越えられなかったであろう戦いがあるのだから。


「そしてどうか末永く姫様を大切にされよ。彦様にはそれが出来ると信じておる」


「あぁ。大切にする」


 言われるまでもなかった。

 支えてくれる人を大切にしなくてどうするというのか。


「……っ」


 フィーナが伸ばした手がデイルの身体を通り抜ける。

 もう時間だ。


ーーー。


 風が吹いてきた。

 その声に乗って、ぶっきらぼうな男の声が聞こえたような。

 迎えに来たのだろうか。彼の孫が。


「…さて。この老いぼれもそろそろ、長老様の後を追わなければ。…さらばじゃ」


 デイルは最期にフィーナに破顔すると、還っていった。

 すると、今度はレティナの身体が急速に薄れ始めた。


「彦様、渡した物くれぐれも無くさないようにね。他に代わりがない物だから」


 「何のこと?」と訊きたいフィーナだったが、今は抑える。


「時々で良いの。綺麗にしてあげてほしいわ。きっとあそこの物が役に立つ時が来るはずだから」


 一度行ってみなければならない。この国を出たら、『アークドラグノフ』に帰る前に。

 何千冊もの書物が蔵書されている以上、その知識にお世話になる日がくるのだから。


「姫様にはもう言いたいことは言ったし、私も還るわね。…向こうで素敵な出会いでもあると良いけど……」


 レティナの姿が、消えた。


「…逆順…と言う訳か」


 次はガノンフだった。

 どうやら生を終えたハイエルフから順に還るようだ。


「レティナも何かを渡したし俺からも一つ、餞別を贈る。これを受け取れ」


 ガノンフの身体から乖離していく魔力マナの一部が、弓弦の周囲を巡った。


「“エクスプロージョン”の魔法だ。本当はもう一段階上を贈りたかったが、俺の実力不足だ」


 極限にまで威力を落とされた“エクスプロージョン”を受けたことによって、弓弦はその魔法を使えるようになった。


「…姫様はいつの間にか本当に成長された。一時期はレティナの再来かと思ったが、こんな立派な姿を見れて安心だし、命を投げ出した甲斐もある。…幸せにな」


 ガノンフも還っていった。


「…私が最後と言うことは、私が最初に死んだ…と言うことですか。…では私もこれを教えましょう」


 スートルファは餞別に、風の魔力マナを用いて弓弦に技を授けた。

 鋭く放てばある程度離れた物を切り裂け、動作も勢い良く指を突き付けるという簡単なものだった。


「…最期の瞬間、姫様には一言もお話し出来なかったのを今言います。生きて下さい。生きてさえいれば、何かが出来ます」


「…何って…何?」


「分かりません。ですがどんな向かい風でも、絶望の黒い風が吹き付けていても、希望の西風が吹く時は来ます。…どうか一時の感情には溺れないで下さい。特に、怒りや妬み、負の感情には」


 『闇堕ち』のことを言っているだと弓弦は分かった。フィーナは今一つ掴みあぐねているが。

 一瞬向けてきたスートルファの視線には、「頼みますよ、それが彦様のためになります」と言葉が聞こえてきそうな力強さがある。

 いや、実際にそのようなメッセージが視線に込められていたのか定かではない。寧ろ弓弦自身の思い込みが多分に混じっているのだろう。


「では、お別れです。きっとそのままですと、姫様も彦様にも、幸せな毎日が約束されます。…私も、先に還った人達も、見守っていますね……」


 視線で何を伝えたかったのか。それを確かめる前にスートルファは還っていった。

 四人分の不思議な夢が、静かに覚めたのだ。


「…っ」


 抱き付いて来たフィーナの身体が震える。

 弓弦が背中を優しく叩くと、背中に回された彼女の腕が力を増した。

 そして、静かに時が流れていく。


「…こんな姿、イヅナには見せられないわね……」


 暫くしてフィーナの手が離れた。眦を擦るようにして拭った彼女の身体を弓弦も離すと、入口の扉が開かれた。


「…ただいま」


 イヅナ、遅い帰宅。

 夕食の時間には、ギリギリ間に合っている。本当にギリギリではあるものの。


「よし、じゃあ時間ギリギリだし晩ご飯に行くか」


「えぇ!」「コク!」


 急がないと夕食の時間が終わってしまう。それまでに食べに行かなくては。

 急ぎ気味に夕食券を人数分手に持った弓弦。同じく部屋の鍵を急いで持ったフィーナ。二人は少し疲れたように見えるイヅナと共に、下の会場に急ぐのだった。

「は~い♡ 今回もボクがお届けするっす! まず最初は…レイアさん!


「えへへ…オルレアちゃんよろしくね♪」


「よろしくっす♪」


「私が出たのももう一年とちょっと前かぁ。あっと言う間だったね」


「そうっすね。まだあの頃は三日に一話更新だったから話のスピードも早かったっす」


「でも確か…その頃から一日一日の話を掘り下げていく傾向はあったんだよね? 一週間のお話だったけど、色々詰められていたから」


「そうだね~、ね~ね~」


「わっ、フレイさんは次なのに出て来ちゃ駄目っすよ」


「良いよ良いよ。一応私とフレイは最初双子巫女として登場したんだから」


「フレイとレイア。名前の由来は分かり易いよね」


「村にもわざわざ豊穣って付けちゃうからね。分かり易かったと思う。それに、章全体が、土に関するテーマがあったからね。タインとか」


「へ~。そうなんすか。でも、サマルさんの由来は……?」


「いや~探しま「フレイ、めっ」」


「……?」


「いっそのことデモンでも良かったような。だって笑い方でキャラクターの印象付けちゃったし」


「…フレイ」


「ドゥハハハハッ!!」


「ほらね、濃いよ」


「お、お祖父ちゃんっ、村はどうしたのっ」


「リアルでは一年経っても、『豊穣祭』の季節ではないからな。何、儂が居なくともどうにかなる!」


「あ、おにーさんとの結婚はまだ? 呼んでくれないの?」


「…サマルさんまで来ちゃったっす。…ぅぅ、滅茶苦茶っす……」


「…。二人共、帰るように」


「あ、レイちゃんが~はぐらかした」


「おろ、そう言う訳じゃないよ。結構時間を使っちゃったから私達の出番はおしまい」


「えー」


「…儂の出番は…ここまでか」


「じゃあねオルレアちゃん。ユ~君によろしくっす♪」


「分かったっす♪」


「なの~♪」


「きゃっほ~っす♪」


「きゃっほーきゃっほー。ユール、きゃっほ~なの♪」


「ううんと…人違いっす」


「…む~」


「ひゃあっ!? し、シテロっ!?」


「…胸があるの。む~」


「ひゃぁぅっ!?」


「…付いてないの」


「し、シテロっ」


「…ユ~ル探してくるの。ばいばいなの」


「…。行っちゃったっす」


「…っ、ロダンのヤツ…警備だからってこの僕に買い物に行かせるとは…。バッドだよ…っ!?」


「レンブラントさん! 初めましてっす」


「こんなとこにキュートなプリンセスが♪」


「わわっ、押しが強いっす」


「プリンセス、名前は?」


「ボクはオルレアっす」


「プリンセスオルレア。君の物を一つくれないかい? マイフレンドに自慢したいんだ」


「押しが強いっすぅ……っ」


「…ヤハク、何をしている」


「…ロダン、どうしてここに」


「巫女に言われて来てみれば。お前と言う男は……?」


「初めましてっす」


「…。あぁ、ロダンだ」


「立派な騎士さんって感じがするっす…カッコいい」


「…すまないが。警備がある。これを連れ帰っても問題無いか?」


「えっと…お好きに」


「ぐぇっ」


「帰るぞ」


「以上、警備兵の二人でしたっす。次はディーさん!」


「ほ~いほい。(ひ~さ)し振りだねオルレア嬢ちゃん。元気(げ~んき)だね~」


「元気もボクの取り柄の一つっす♪ さてさて、どうっすか? 二周年について何かコメントをどうぞっす♪」


「そ~うだね。ま~、良~いことなんじゃないかな。(ぼ~く)はまだまだ新参者だから(よ~)く分かっていないけど。これからも続くと嬉しいよね~」


「そ~っすよね~。以上ディーさんでした~」


(は~や)いね。じゃ~一つ。(は~や)く学校に来てほしいんだな。待~ってるから」


「次は、この人達! ハンさんとジェシカさんっす!」


「…久し振りだ、オルレア」


「ハンさん…何か生き生きとしてるっすね」


「うふふ。今日はオルレアちゃんに会えると訊いて、お弁当を作ってきたんです。どうします? もうお昼ですし、食べませんか?」


「…構わん」


「んん…そうっすね。じゃあ予告やってからっす」


「…『次回、意志を継いだオイ』」


「あっ、ハンさん駄目っすよ飛ばしちゃ。『…私のやりたいことは見えた。様々な人のお蔭だが、成長することが出来たと感じている。…私の意思を訊いていてくれ、ウェンドロ叔父さんーーー次回、意志を継いだオイ』…私は誓おう! …っす」


「さて行くか」


「急ぎ過ぎですよ? ご飯は逃げませんから」


「そうっすよ」


「……」


「ハンさん、ジェシカさん。手を繋ぎたいっす」


「良いですよ♪」


「構わん」


「わーいっす♪」

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