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俺と彼女の異世界冒険記   作者: 仲遥悠
動乱の北王国編 後編
226/411

弄られる図書オトメ

 話し始めてどのぐらいの時間が経過したのだろうか。

 そんな取り留めのないことデイルはふと、娘のような彼女の言葉を訊きながら考えていた。


『…そう、ね。なら出会いから…?』


 話し始め。困惑を抑えようとしているのか、歯切れ悪く話していたフィーナは今。


「ユヅルったら、私の水浴びを覗いてね。「すまん」と一言詫びただけでそこを去ろうとしたの。…契り前の乙女の裸身を覗くなんて、大層な趣味していたと思わない? 契り前の乙女よ! もう、信じられないでしょ、もうっ。…確かに魔法で痛め付けたのを今は悪いと思ってる。…えぇ、やり過ぎたわ。生身で無抵抗の人間に“ブリッツオブトール”なんて……」


 楽しそうに思い出話を語っていた。

 デイルは彼女の言葉一つ一つを訊き逃さまいと、頷き、心の中で反芻している。

 ここまで誰かのことを楽しそうに話している彼女を見るのは、久しく無い。

 実際久しく無い訳がないのだが、両親を亡くし、復讐に取り憑かれてしまったあの頃の彼女の姿は、昨日のように覚えている。その頃と比べ今ここで笑っていることの、何と穏やかなことか。


「(姫様…爺は誇らしいですぞ……)」


 女性としての幸せを手にした彼女。

 自らの最期の願いを叶えてくれた彼女は、


「ーーーそうそう、今そこで倒れているみたいに…!?」


 固まった。

 ホテルのVIP部屋から、元の宿泊している部屋に移動していた二人だったが、今その部屋に来客があった。


「……」


 部屋の入口部分で弓弦が、俯せで倒れていた。

 楽しそうな表情から一変、悲壮感に溢れる面持ちになった彼女は、魔力マナを見て気付く。

 青白い顔、乱れた呼吸、非常に少なく視える魔力マナ

 それらは一つの事実を瞬時にして彼女に伝えた。


「『魔力(マナ)加耗症』…魔力マナが、殆ど残っていないじゃない!! …こんなになるまでどうして……」


 視線を向けられたのはレティナ。

 彼女を見てまた気付く。彼女も加耗症寸前だ。


「姫様…私の力不足。申し訳無いわ……っ」


 レティナは地下遺跡で起こったことを話す。

 数々の魔物との戦闘と、最奥での激闘。

 無限に等しい命を持つ相手に苦戦を強いられ、撤退を余儀無くされたこと。そして猫が一匹残り、魔物を食い止めていること。

 空間魔法で地上に脱出したが、その後すぐに弓弦が倒れたことーーー起こったこと全てを彼女は話した。


「…ご苦労じゃったな、レティナよ」


「村長…。いえ、私は力及ばずこのザマ。…労われる謂れは無いです」


 「ところで」と、レティナ。

 弓弦のことが気になる彼女だが、現在彼は、契りを結んだ相手の腕の中に収まっていた。

 「女の顔」ーーーまたそう思った。

 いつの間に自分達の姫様は、あのような表情をするようになったのか。訊いてみたい、が、身体の疲労がそれを許さなかった。


「…。少し身体を休めようかしら。姫様、そこの椅子に座っても?」


「……。あ。えぇ、良いわ」


 一拍遅れた返事は感情が篭っていない。

 フィーナの意識は、その全てが弓弦に向けられているようだ。


「…あ。でも、えっと……」


 かと思うと、気不味そうにレティナの方を見てくる。

 頬を赤く染め、視線を左右に彷徨わせる彼女の挙動不審な様を見ていると、どうやら何か要望があるようだ。

 レティナの知る頃の彼女は、基本冷めた性格で、物事をハッキリさせようとしていた。

 そのため当時と比べると、あまり見られない様子ーーーというより、見たことがなかった。

 頬を赤らめる? 視線を左右させる? 当時の彼女がそんなことをしようがものなら、明日は槍が雨のように降ること請け合いだ。


「レティナや、部屋を少し空けようではないか」


 デイルの言葉にアリオールが部屋を出て行く。レガーデスは未だ担がれたままだ。


「…え?」


「パッと浮かばぬのも仕方が無いか。何せ姫様は、魔力マナを分け与えようとしているからの」


魔力マナを…あ。そう…ね」


 魔力マナの受け渡しに必要な行為。当然レティナも知っている。

 身体を密着させることに恥じらいを覚えるのも分からないでもないが、「仕方が無い」の一言に棘を覚えずにはいられない。

 そう考えると、怒りがフツフツと湧いてきた。

 これは一言言ってやらねば気が済まない。


「でも仕方が無いって何よ。あのね、私は、図書館と契りを結んだの! 契りのことぐらい知らない訳ないでしょ!? 村長の馬鹿っ! 唐変木っ!!」


 一言どころか、二言三言、終いには罵声まで飛び出した。

 触れてはいけない逆鱗が、ヒトにはあるのだ。


「ふごっ!?」


 ビンタまでもが飛び出した。

 老人を労わる気持ちはどうやら、彼女には無いようだ。


「ごめんなさいねぇ姫様! 分かってあげられなくて! 村長ですら分かる話を、女の、私が理解出来なくて! えぇ分からなかったわよ! 分からなかったわよ!? どーせ私は図書館と契った女! 行き遅れた女よごめんなさいねぇ、えぇ! ごめんなさいですとも!? もうっ!!」


 哀れと思うことなかれ、誰にでも可能性はあるのだ。

 レティナのようになる可能性、「お一人様」になる可能性が。

 そんな彼女を見てフィーナは感謝した。

 歳若くして自身に運命の出会いがあったこと、彼女のようには絶対にならないことに。


「分かった。分かったからレティナや。部屋を出ようではないか。このままじゃと彦様の生命が危なかろうて」


「姫様…姫様ですら彦様みたいな素敵な人を見付けられたのに私って一体…。大体何よ母親と言い娘と言いどうして男運が良いのか本当訳分かーーー」


 去り際の羨望の眼差し。

 行き遅れた女のその瞳をフィーナは、生涯忘れられないだろう。


「‘…やるわよ、フィーナ’」


 勿論こんな状況でなければの話ではあるが。

 彼女は自分の唇を迷うことなく弓弦の唇に重ねた。

 この旅行中、これで何度唇を重ねただろうか。

 今回ばかりは不可抗力だが、能動的に重ねた回数を他の女性陣に知られたら、ちょっとしたどころではない裁判ものである。

 ーーーある予感があった。

 きっと、これが今回の旅行での最後のキスになると。

 弓弦に関して、帰艦までの期間は延ばせない。

 今回のような何かのトラブルに巻き込まれた場合はその限りではないが、それでもトラブルが解決次第、早めに帰艦しなければ知影を始めとした女性陣の機嫌が宜しくなくなる。

 フィーナとしては構わないのだが、一番被害を被るのは弓弦だ。

 お留守番の間に溜まった女性陣のストレスを発散しなければならず、忙殺されることになるかもしれない。

 それでは今回の旅行の意味が無くなってしまう。

 自分も楽しむためもあるが、疲れさせるために旅行に連れて来た訳ではないのだ。

 そんなことを考えながら魔力マナを分け与えていると、思った以上に自分の魔力マナが減っていくのが分かった。

 弓弦の魔力マナの残量は、本当に致死量手前だったのだ。そこまでの魔力マナを引き出す前に気絶しても良いはずなのだが、必死だったのだろうか。それとも誰かに魔力マナを無理やり引き出されたのだろうか。

 引き出した存在が居るのなら、ビンタの一発でも見舞いたいのだが、確証が無いのでどうしようもない。


「…ん…?」


 弓弦の瞼が動く。

 以前に加耗症で倒れた時よりも、明らかに早い復活に胸を撫で下ろす。


「…そうか。クロの奴…根刮ぎ魔力マナ持って行ったのか」


 早い犯人の判明である。

 外に出て行った面々を呼び戻してから、足下が覚束無い弓弦が椅子に腰を下ろすのを手伝う。


「すまないな。出来れば元気に戻って来たかったが……」


「ふふ…手強い相手だったのよね? 無事に帰って来てくれただけでも良いわ。…それで、レティナは敗戦したと言ってたけど、倒せた?」


「クロが封印してくれたみたいだ。俺の魔力マナと…大気中の魔力マナを味方に付けて使用すると言う荒技をやってのけてな」


 流石は悪魔。穢れた魔力マナを相手に、そこまでのことをやれるとはフィーナも考えていなかった。

 しかし封印ーーー悪魔であっても封印するしかないとは、驚くべきことだ。


「(…私もまだまだ実力不足…になるのでしょうね。…何か、悔しいわ)」


 外に出ていた一同が戻って来た。

 身体を起こしている弓弦を見て、デイルとレティナが驚きの表情を見せたのが、少し嬉しい。

 「そう、彼は凄い人なの。尊敬出来て、信頼出来て、愛せて、愛してくれる、そんな人」だと、何となく惚気を少しだけ言ってみたかった。

 デイルに話し始めた当初は恥ずかしい気持ちが勝っていたが、今は知ってもらいたい気持ちが勝っている。

 もっとも場を弁えなければならないので、やはり精々事が終わってからだが。


「…さぁ、まずはこれからの話…と言いたいのだけど。もう私達がすることは無いのよね…そうよね?」


 弓弦は頷く。

 魔物をどうにか出来た以上、そこからはここの街の中での話だ。下手に首を突っ込むとロクなことになるし、身体も重い。もう、何もする気はなかった。


「…謀反騒ぎとか何かは知らないが、これ以上の面倒事は請け負いたくはないな。…まぁ、分かっているよな」


「分かっている! 言われずともこちらで解決させるつもりだ。手を借りるまでもなくな」


 「そうか」と呟いた弓弦は話を変える。

 当人達の問題に対してこれ以上追及しても無意味であり、必要も無いためだ。

 その代わりとして、気になっていたことを訊く。


「アリオール…だったか。お前はここのホテルの所有者なのか?」


 何のことはない。世間話だ。

 気になったことを訊く。気紛れで。


「知らん」


「そうか。分かった」


 世間話終了。

 短い話であるが、それには理由があった。

 アリオールが拍子抜けとばかりに眉を上げるが、弓弦の中には既に一つの確信が生じていたのだ。

 しかし、理由としてはまた別のものがあった。


「…ぅ…ぅぅ…っ」


 アリオールに担がれていたレガーデスが眼覚めたのだ。


「う…こ、ここは…? うわっ」


 床に落下させられ眼を白黒していると、二人分の強い視線を感じてレガーデスは、固まった。


「ほほう、これは……」


「…そっくりね」


 デイルとフィーナだった。

 特にフィーナは、まるで見間違いではないのか自身を疑うように眼を擦ると、もう一度注視した。


「どうしたんだ?」


 まるで幽霊を見ているような瞳だと思い、弓弦も金髪の男を見る。

 ひ弱そうではあるが、特におかしな点はない。

 大剣も背負ってないし、髪の毛もツンツンしていない。異世界では良く居そうな人物だ。


「そっくりなのよ」


「誰と?」


「『レザント・ヴァルクロベルセ』…以前話さなかった? かつてのこの国で起きた戦いについて」


 人名について心当たりは無いが、戦いについてはあった。

 悪魔に魅入られ、各地でハイエルフを殺めるように兵達を動かした者と、フィーナ達の戦いについて。


「…いや、フィーからは訊いていないと思う。…内乱じゃないしな」


 思い出す二百年余り前のこと。

 アデウスとの戦いに勝利したが、その後無差別転移の魔法に巻き込まれ、行き着いたのがこの世界。

 後に夢だと分かったのだが、最初にフィーナと会った時、彼女は「内乱が起きた」とのみ語り、話を誤魔化していたのだ。

 夢より覚めてから初めて会った老婆から訊いた、「最後のハイエルフ」についての話で登場したと、彼は記憶していた。


「確かバアゼルとの決戦で生命を落としたんだよな? アイツから切り離されて正気を取り戻した当時の第二王子…。その王子が?」


「えぇ、『レザント・ヴァルクロベルセ』…そこの人に瓜二つのね」


 知影由来の思考力と、知識としてある様々な物語のパターンから、現在内乱が起きている理由を弾き出していく。


「成程な。じゃあ、この国でのそのレザントの評判ってどんな感じだ? やっぱり災いを引き起こした悪い奴って言う感じか? えっと…アリオール」


「知らん」


「じゃあ、諸外国に協力要請をして悪魔を倒す手伝いをした良い人ってことか?」


「知らん」


「そうか」


 一般的にはどうやら曖昧な部分のようだ。悪い部分に着目すれば悪人、良い部分に着目すれば善人と。


「待って。『知らん』からどうやってそこまで判断したの」


「ん? 良い人と言うのも『知らん』、悪い人と言うのも『知らん』だったら、曖昧って意味になる…って受け取ったんだが、違うか?」


「知らん」


「だとさ」


「分からないわよ……」


 男同士だから分かる、言葉要らずの会話なのだろうか。

 良くもまぁ分かるものだと思いたい彼女だが、アリオールの様子を見て察する。察してみせたかったが、無理だった。


「…レティナ分かった?」


 デイルにビンタを見舞った際に手を痛めたのだろうか。

 フィーナは握ったり開いたり、手の感覚を確かめている彼女に訊いてみた。


「…。分かる訳ないじゃない。男性と契りを結んで家庭を持っている姫様とは違うんだから…っ!」


 同じ女同士。

 しかし、同じ女でも立っている場所は違う。

 それは川の対岸。それは月の反対側、または地球の。

 要するに、


「良い!? 姫様っ! 昔何度も言ったけど私、図書館と契り結んでるの! だから他の男の人なんて分かる訳ないでしょうがっ!! 図書館と男は違うからっ! 分からないっ、分からないのよ分かりたくもないっ! 私には男の心と考えも何もかも全て一切丸ごと全部それはもうお見事に凄まじくちんぷんかんぷんで意味不明で怪奇そのもので正しく世闇に跋扈する魑魅魍魎が悪逆非道の限りを疾風怒濤に東奔西走しながら四苦八苦しつつも満身創痍の身ながらも必死に粉骨砕身の覚悟で誠心誠意正々堂々全力投球しているように思えてくるものなのよっ!!!!」


 ものの見事に地雷を踏み抜いたということだ。

 後半はマシンガントークで何を言っているか判然としなかったが、兎に角良く分からないことを言っているのは分かった。


「…姫様。レティナにその系統の話は禁止と以前言ったはずですぞ」


「…ご、ごめんなさい……」


 反省する。

 確かにそんなことがあった。それも、何度も。

 幼き頃。少女フィリアーナはレティナに訊いたものだ。「どうしてレティナは契りを結ばないの?」と。

 その度に「私は図書館と契りを結んだの!」と彼女は返した。

 「図書館と契りを結ぶことって出来るの?」と訊くと、彼女は無言の笑みで返したそうだ。


「(…フィーが何か保護者にやり込められている…と言うか、叱られているを見るのは面白いと言うか…珍しいな。)…‘フィー、夢破れた今も夢を追う独り身のハイエルフにその系統の話を振るのは…な、止めた方が良かったな’」


 フォローになるのかならないのか。内心考えていることを察されない限りは、前者である。

 察されなければ、だが。


「(…眼は口程に物を言う、よ。ご主人様。もぅっ)」


 爛々とした瞳で見詰められて心の内分からなければ、それはそれで相当なもの。

 正に眼は口程にものを言っていた。


「…ひ、こ、さ、ま? 『夢破れた今も夢を追う可哀想なお一人様』とはどう言うこと?」


 ハイエルフは人より眼や耳が良い。

 ひそひそ話、抑えた声はある程度の距離があっても十分に聞こえるのだ。

 ーーー口だからこそ口程にものを言えるのは、最早いうまでもない。


「…それはそれとして、だ。災禍を引き起こしてしまった人物と瓜二つな人物が王の代に、内乱が起こる。随分な見世物だが…何か理由があるのか?」


 鍛え上げたスルースキル、発動。

 まるでレティナの恨み言が、聞こえていなかったかのようだ。


「…それを言って何になる? 内乱の理由は主謀者にしか分からないに決まっている!」


「(話を戻したの)」「(最もらしいこと言って話、逸らしたわね)」「(彦様…その話が終わったら覚えておきなさい…!)」


 眼は口程にものを言う。

 そんな三人の内心が今にも聞こえてきそうだ。

 実際誤魔化したのはあるが、弓弦としては遣り取りを傍観している人物が自身とフィーナに向けている視線の意味が気になっていた。

 弓弦が前回彼を目撃した場所は、このホテルのラウンジだ。

 その時に読んでいた本の見出しは、幾ら忘れようと思っても忘れることが出来ない。


「(…はぁ。どうやら要らない肩書き程、無駄に付いてくるみたいだ…な。さて)…確証は無くても推論ぐらい言えるんじゃないのか? こう言っては何だが、問題が無いと断言出来るような人格者ではないと思える」


「陛下を愚弄するか」


「…まぁ、聖人君子なんて早々居て堪るものかって話さ。事実、殺し合いが起こっていた。濡れ衣を着せられたかどうかは別として、兵士を戦わせて自分は自殺願望抱いているなんて、どうだろうな?」


 鋭い視線を向けると、レガーデスは開き掛けた口を閉じてしまう。


「…ヒーロー、お前には関係無い話だろう。抹殺されたくなければその口を噤め」


 代わりに口を開いたアリオールから、殺気が発せられ始めた。


「…そうだな。すまない、出過ぎたことを言った」


 臆病者に言いたいことは、アリオールの方があるはずなのだ。

 これ以上は無意味。余計なことで事を荒立てるよりも、何処かへと向かう二人を見送るのが図らずして手助けとなる。

 何だかんだいって余計な世話を焼こうとしてしまった自身の夫を見、フィーナは小さく噴き出す。


「っ!!」「…逃げてばかりじゃ、何も始まらないからな」


 彼女に拗ねたような視線を向け、他の面々には察されないように机の下で太腿を摘む。それから弓弦はレガーデスに、やっぱり何か一言言ってしまうのであった。

「…これが…こうか。それを…こうして。…これは…要らないか? …要らない…か。だったらこの辺りに置いておく…と。…まだ反撃されるか? …いや……あれで勝ったと思いたいには思いたいが…まだ先が読めない。ならば…このチップ…。取り敢えずこの証拠品だけはファイリングして持ち歩いたおくか。後は……ふむ。たかだか一つの事実を証明するのにここまでの物が必要だったとはな。…査問会の連中はまったく、性格が悪い。…フン、どこぞの誰かもそうだな。…私が『アークドラグノフ』に赴いたとの描写があってから、一体どれだけの時間が経過している。…異世界毎の時間の流れの違いは分かるし、そもそも実際にあの男達の一日が長いだけなんだが…この出番待ちはいつになったら終わるんだ。『…私には、やらないといけないことが出来た…。…それは、とても大切なお願い事。…だから…守らないといけない。…絶対ーーー次回、街を駆けるショウジョ』…必ず連れて行く…。…これを読めば取り敢えず、次の話にはなるが。…大体、一つの章が長い!! …この章が終わってからすることはまず、章全体の二分割だな。まったく…さっさと章を終わらせて次章に移れッ!!!!」

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