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俺と彼女の異世界冒険記   作者: 仲遥悠
動乱の北王国編 前編
208/411

臆病なオウジ

 寝慣れていないベッドとはいえ、不思議と安眠することが出来た。そのためか、眼覚めはそれなりに良いものだった。

 身体を起こして伸びをしてから、自分が置かれた状況を再度確認してみる。

 光源があるとはいえ、室内は薄暗い。初めて見る眼覚めの光景だ。

 雪雲に覆われることが多いとはいえ、日光が全く差し込まなくなる程ではないので、朝はそれなり明るかった城の寝室ーーーこの部屋よりも二、三倍程の広さがあったが、そこよりも今の部屋は、開放感に満ちているような気がした。


「(取り敢えず起きるとしよう…)」


 部屋の出入口に立ち、アリオールの名を呼ぶ。すると数拍置いて、扉が開かれた。


「グッド、モーニング陛下」


「お、おはよう…っ。昨日の内にセンデルケンは来ていないか?」


 頭二つは高い長身から見下ろされたじろぐが、どうにか声を絞り出す。


「奴は来ていない」


「…そ、そうか……」


 「朝食を」との言葉に頷き、アリオールの後に続く。

 通路内が外よりも温かいのは、暖房のお蔭ーーーというよりは、地下にある施設のため熱が篭っているからだろうか。

 道すがら、数十人程の兵士から目礼を受けたが、どうにも敬意というものを感じることが出来なかった。

 だが、嘲りとは違う。どちらかというと心配されているような、そんな視線は良く感じた。

 あまり向け慣れていない視線を向けられ、所在無さ気に視線を彷徨わせていると、いつの間にか目的地に辿り着いたようだ。


「…?」


 しかし辿り着いたと同時にレガーデスの脳内に疑問符が浮かんだ。


「…これは?」


 部屋の実に、半分程を埋め尽くしていたのは見たこともない食物ばかりだ。

 唯一分かるのは、パンぐらいだろうか。後は何か、干からびたような、食材と呼べるのかどうかも怪しい“何か”が、袋詰めにされている。兎に角想像していたものとは色々と、遥かに違った。


「保存食だ。生物は腐るからパン以外は全て、水分を飛ばして乾燥させている。適当にパンの間に挟んで食べると良い」


「(保存食! 確か長期保存が可能な食物のことだったか…見たのは初めてだ)…わ、分かったよ」


 取り敢えずパンを手に取り、乾燥食材を吟味するーーーが、どれがどのような味がするのか見当が付かないので、思わず思い悩んでしまう。


「俺も失礼する」


 すると、アリオールもまた彼と同じようにパンを手に取った。

 ものの数秒で具材をパンに乗せた彼は、それを挟んで口に運んでいく。

 レガーデスもそれに倣い、同じ具材を挟んで一口齧る。


「(薄味だけど噛めば噛む程味が出てくる…が…流石に美味…とは言い難いか)」


 保存食なので城で食べていた食事に比べ、味が劣るということは予感していた。しかし不味過ぎるあまり食べらないということはなく、堪能しつつ完食した。


「問おう、陛下。お前はこれからどうしたい?」


 これからどうするのかと、隣で食事をしている男の様子を窺っていると、突然の問いがもたらされた。抽象的な問いではあるが、訊き返す程馬鹿ではない。

 レガーデスは歯に衣着せずそのまま伝える。


「私は何もしない。何かしようとしても邪魔以外にしかなれないから。それに君達は私を、伯父上の手から逃れさせるために行動してくれているのだろう?」


「……」


「元々私に王の資格は無い故、これはきっと良い機会なのだと思う。国も、国政も伯父上に任せて私は他国で隠遁生活でも送るつもりだ。収まるべき所に収まるべき者が収まり、国を治める…民にとってもそれが良いはずだ」


 沈黙を肯定と受け取り、言葉を続けた。

 それは彼の心からの意志であり、また彼なりの精一杯の考えであった。


「臆病者めが」


 だがアリオールは、それを一蹴するかの如く吐き捨てると、踵を返してどこかへと行ってしまった。

 何故自分が臆病者と言われたのか、それが分からない。事が荒立ってしまうのを防ごうとしているのに。

 自分か伯父、どちらに王の資格があるのかは明確であるし、それを裏付けるかのように大多数の兵は向こうに付いている。

 一方、王家に忠義を誓っている者達はこうして自分の下に付いてくれているが、このままでは無為に生命を散らさせてしまうだけ。そうなってしまうと、幾ら何でもこの国の万民に示しが付かなくなってしまうのだ。

 無論、レガーデスは死にたいとは思っていない。生への固執は彼の心の片隅で燃えているのだ。

 それには、「お逃げを」と彼を逃したセンデルケンを報う気持ちが強い。彼は、自身が最も信頼を置く忠臣があの場で討たれるとは、万に一つも思っていないためだった。

 死んでしまえば、逃がしてくれたセンデルケンの行為が無駄になるーーーそれが分からないレガーデスではない。

 故に、自分以外の人間のことを思って考え出した結論を、臆病と称されてしまったのは不本意だった。もっとも、直接口に出してしまおうがものなら、捻り潰されてしまいそうなので、彼は敢えて口を開かなかったのだ。


「あれは完全に怒らせてしまったな。おぉ…怖い怖い」


 することが無くなってしまい、散策ついでに来た道を戻ろうとした時、食料庫の出入口に腕組みをしたラモダが立っていた。

 肩を軽く竦ませ、大仰な態度を取っている彼に、「怒らせた?」とレガーデスは訊き返す。


「あぁ完全に」


「私が、か?」


「どう見ても聞いても完全に」


 開いた口が塞がらない。

 言われてみれば圧迫感が強まっていたような気がするが、完全にと言われてしまう程に怒らせていたとは。


「(終わった……)」


 顔から血の気が引いていくのが感じられる。

 寒気もした。

 きっと次に顔を合わせようがものなら、抹殺される予感以外感じられない。

 鋼鉄のような腕で捻り潰す抹殺者の恐ろしさを想像して膝を、両手を付く。


「その顔…どうしてアリオールの奴が怒ったのか、分からない顔をしているな」


 中腰になり、顔を覗き込んだラモダは言葉を付け足す。


「良くもまぁ、あんなことが言えたものだ。きっと将軍も同じことで激怒するだろう。それぐらいに陛下は、馬鹿なことをアリオールに向けて仰ったんだ」


「…センデルケンが…い、いや、私は…思ったことを言ったまでだ。それがどうして、激怒までされなければならない? 伯父上が私より優れている事実。あの人のお蔭で国が発展しているのも、事実。この世に生を受けてからずっと、私は何もしていないし何も、出来ていない。だから私よりも伯父上が王の座に就くのは至極当然のことではないのか?」


 ラモダになら分かってもらえるかもしれないと、思ったことをそのまま伝える。

 激怒されるような気もした。だが、他に自分の考えを伝える話術は無いので、そのまま話したのだ。


「‘…あぁそうか、“何も”……’」


 ラモダがそう小さく呟いたように思った。しかし本当に小さな声だったので、聞き間違えだろうか。


「…事実。至極当然。そう言ってしまうから色々と問題になるんだ。どうして当然になるのか、それが俺には分からない」


 理由と一緒に説明したはずなのに、「分からない」と言われ、レガーデスは困惑する。

 しかし、何故か怒られているような気がして非常に居心地が悪い。


「っ」


 何を言っても理解してもらえないような気がして、レガーデスはラモダに背を向けた。


「あ、おいっ」


 自身の正面に繋がる通路がどこに繋がっているか、それすら思案することなく走り出す。ラモダには脇眼も振らずに。

 誰にも分かってもらえないーーーそのことが心に重く、枷を嵌めようとしてくる。

 ラモダが背後で何事か呟いたようだった。だが、一度目と違い今度は一文字すらも聞き取ることが出来なかった。


「(ここにも…味方は居ないのかっ!)」


 走る最中、すぐに上がっている息を必死に整えながら、ただ走る。


「(センデルケン…センデルケン、お前はどこに居るんだ…)」


 通路の先に広がる薄暗い闇。その先にあるはずのないセンデルケンの姿を求め、鉄の床を踏み締めて行った。











「…やれやれ、箱入り坊があそこまでの人物とはな…思わなかった」


 レガーデスが背を向け走り出す前、ラモダは想定以上の彼の様子に、知人に向けて愚痴を零していた。

 「刺客から身を守るために半ば軟禁状態にしてしまった」と、以前知人から訊いていたのだが、軟禁どころか監禁さながらと思った。

 軽く彼をそうせざるを得なかったであろう人物に、恨み言を言いたかったが、きっとそれは今別の人物が散々言っているので自重した。


「はぁ…」


 レガーデスの言っていたことには仕方無いとの結論を出せる。

 彼は、“何も知らない”。

 正確には、“何も知らされていない”が正しいので、その部分については大目に見ることも出来た。

 ラモダが遣り切れない気持ちに、そしてアリオールが怒りと憤りを覚えたのは、別の部分だ。

 彼の言い分は、自己卑下が見え隠れしていた。現在の立場を考えると分からなくもないが、些か度が過ぎている。もう少し自身を持っても良いと思うラモダだが、どうやら一種のコンプレックス化しているようだった。


「…全く嘆かわしい限りだ」


 背後から声が聞こえたので振り返ると、そこにアノンが立っていた。

 どうやら彼は先程の遣り取りを一部、または全部訊いていたみたいだ。


「アノン、聞いていたのか」


「通り掛かった時に偶然耳にしてしまったのでな。悪く思うな」


 別に気にしていないのでその意思を伝えると、白髪の男は破顔し顎を摩る。


「将軍の過保護振りにはほとほと困ったものだと、改めて実感した。火種を蒔きたくなかったのは共感出来るが、まさか一切伝えられていないとはな…俺でも思わなかった……」


 その言葉は確かに言えていた。

 レガーデスのあの態度は、明らかに“真実”を知らない者が取る態度だ。

 もしそれを知っていたのならば、きっとレガーデスの態度は変わるだろう。もしそれでも変わらなければーーーそうならば、彼がどうしてその態度を取るのか、真意を探る必要性が生じてくる。

 もっとも、彼は腹で奸計をめぐらすようなタイプでは無さそうなので、その必要性は無さそうだ。


「おっ始める前に陛下に伝えるべきだと思うか、アノン?」


「…陛下の御心次第と言ったところか。あの方が旗を掲げるか、掲げずおめおめと生恥を晒すのか、そのどちらかでな」


 掲げるのならば全てが終わってから伝え、掲げないのならばそもそも伝えない。そんなアノンの意思は、理由を言葉にしなくともラモダに伝わった。


「同感だ。それで、無事に設置したか?」


 ラモダが昨日伝えた作戦の準備状況を訊くと、「そんなことが本当に出来るのか?」と逆に彼に訊き返した。


「一応隙を突いてやってはきたが、トンデモな罰当たり行為だ。天罰が俺に下りでもしたらどうする? それにかの場所の存在は現状、実しやかに囁かれている程度。公にすると面倒なことになると思うがな」


「先に利用したのは向こうだ。きっとお許しくださるだろう…そう、願いたい…。ま、まぁ罰が当たるのは実行犯だけだ…きっと」


「おい…っ!!」


 後半になるにつれて顔が青褪めていくラモダに、低くドスの効いた抗議の声を上げるアノン。

 彼は作戦決行の日に、後もう一度同じ場所に潜入しなければならないので、罰当たりとされるのならば、それ以外の方法があるのならば、潜入なぞ願い下げたいのだ。

 しかし、代替案の提示が不可能なので従うしかないのが実態だ。


「…まさかとは思うが、あまりの怒りっ振りで『エルフの島』で眠っているとされる賢人様が、眼の前に現れたりしてな」


「おい止めろっ! 縁起でも無い!」


 実は幽霊が嫌いなアノンである。

 昔はこの弱点を周りに笑われた彼だが、それは別の話かもしれない。


「ハハハハっ、お前まだ幽霊嫌い治っていないのかよ! 賢人様は幽霊じゃないが、ビビリ過ぎだろ?」


「…う、五月蝿いっ! こちとら直接仏様に触って来てるようなものだからそれぐらいの反応当然だろうがっ!! それも四つ、四つもなんだぞ!?」


「数の話だとゼンの方が多いだろう。あいつは確か八ヶ所に道具を設置して来たはずだから……」


 煽りに対して声を荒げたアノンは息を整えると、仕切り直しとばかりにもう一人、策のために閉鎖令が敷かれた街へと出て行った人物のことを訊く。

 八箇所に設置したというのは初めて訊いた話であり、大変だったなと思う彼だったが、やはり自分のやったことに比べるとーーーと、そんな感想を抱く。


「あいつと比べるのはまた違うだろう。大体警備に関してはあそこと街全体じゃ比較にならないだろうがっ」


「人数だけで見れば変わりはない。それに加えゼンの場合、目印が無いんだぞ? お前と違ってどこに設置すれば良いのか、地図とその都度照らし合わせる必要性がある。加えて数も多いのだから、失敗しないだろうかとビクビクとするのは立場上、奴じゃないか」


 そんな会話をしていると、


「俺を呼んだか。アノン・ローゼン、ラモダ・グノーチェス」


 雪塗れのゼンが現れた。

 その姿を見る限り、外から帰って来たばかりのようだ。


「呼んだと言うか、話をしていたんだ。お前かアノン、どっちが大変だったかのな」


「そう言う話じゃなかったんだが……で、ところでゼン、その姿は何だ?」


「少し野暮用を済ませて来ただけだ。それよりも、陛下はどうしている?」


 レガーデスの話から脱線してアノンの話が続いていたのだが、ゼンの言葉で元通りになる。


「陛下か。陛下は今何と言うか…荒れている」


「荒れている?」


「荒れてはないな。迷っているはずではあるが」


 アノンの言をラモダが訂正して伝えると、ゼンは得心がいったように頷く。


「まだ作戦を伝えていないのか。それとも、まだ作戦に参加する意思を窺えていないのか……」


「後者だな。陛下の性格なら間違い無いだろう」


「その通りだ。それでなーーー」


 ラモダはレガーデスとの会話や、アノンとの会話で出たセンデルケンへの愚痴を交えてゼンに話した。


「…そうか。将軍はやはり話してなかったか。陛下の様子も頷ける」


 話を全て訊き終えたゼンは腕組みをする。

 低く唸った彼の額には薄く汗が滲んだ。


「何も知らないとはな…それも将軍なりの配慮か」


「そうだな。今の陛下の人となりは、良くも悪くも全部将軍のお蔭だ」


「だが俺は…陛下に伝えるべきだと思う。将軍が居ない現状、言葉だけでは伝えられぬことばかりだ」


 反対意見。レガーデスに伝えるという意見が、ここで初めて登場した。


「何を言い出す? 陛下は臆病だ。臆病者に縋る理由を与えても意味が無いだろう」


「御自身で理由を探し、見付け出してもらわないと本人のためにならないと言うことか。らしい意見だ、アノン・ローゼン」


「…そうとも言えるかもしれないな」


 眼を細め、視線を横に向かせたアノンは早口気味にそう言った。顔を背けた彼の表情は、良く窺えない。


「兎も角、陛下に余計なことは吹き込まない方が良いだろう。王の者、あくまで自身で決断してもらわなければな」


「決断が最終的に王であれば良いだけのこと。王は孤独ではない、何かあれば臣下に助言を求めることぐらいあるはずだ」


「だが頼り切れば王の権威は失墜するだろう。肝要な場で決められないような王になるのならば別に、その王は陛下でなくとも良い。無理にでも他の生き方を模索してもらうだけだ」


「ならば王の座は誰が座る。このままみすみすと明け渡し、この国を戦火で包み込ませるのか?」


「そうは言っていないが……」


「そこまでにしてくれ。見っともないから」


 口調が荒くなりつつある二人を、頭を掻きながらラモダは制すると、通路の向こうを指で示した。


「…?」


 その方向にはアリオールの姿が、どうやら誰かを探しているようだ。

 「まさか」と思った三人は彼の下へ急いで行く。

 そして程無くして、走ってどこかへと行ってしまったレガーデスの捜索が始まるのであった。

「…ここに出るのも久し振りだな」


「…主人公は忙しい」


「主人公? 良く分からないが…ふぅ」


「…弓弦…お疲れ?」


「ん…? 一話休みだとしても、休みと言うのは中々に嬉しいものだからな。身体を休めているだけだ」


「…お疲れだ…。…カレー食べたい」


「…話の繋がりが見えてこない。どうやったらカレーに繋がるんだ?」


「…私はカレーが食べたい。ピリッとしたスパイスによる一斉攻撃はさながら秋の嵐。一口一口で感じる香味は恋の電流トカ」


「…待て、恋の電流…? 彼とカレーが食べたいと言う二段構えの洒落と言うのか? 彼…イヅナお前まさか好きな人が…!?」


「…居ないことも…ない」


「な…っ!? …そ、そうか好きな人が…。まぁ女の子だもんな…好きな人の一人や二人居ても不思議じゃない。…んで、どんな男だ?」


「…?」


「義妹は義妹でも立派な家族だ。その相手、気にならない俺じゃあないだろう? ほら、教えてみろ」


「…秘密」


「良いじゃないか。な?」


「…駄目」


「…そうか。あ、フィーの奴はこのことを知っているのか?」


「…ううん、弓弦にだけ教えた」


「ははっ、そうかそうか! じゃあこれはイヅナと俺だけの秘密になるのか。中々、嬉しいものだな」


「…二人だけの秘密って…素敵」


「秘密…そうだな。素敵な響きだ」


「…フラグ?」


「立ったら困るだろう。それに、立てたくて立てるものじゃないからな、アレは。…と言うのか、ごめんだ。それにこれ以上増えたら色々と問題がなぁ……」


「…責任…取れない?」


「…。そうだな。もし何かあったら責任が取り切れない。全部取れると言い切れればどんなに嬉しいことか。…知影も大概黙っていないだろし」


「…ハーレム…嫌?」


「…ハーレムって…良くそんな言葉知っているな。まぁ…俺も男だ。嫌と言えるのかどうかは怪しいところだな」


「…私は…早く妹か弟が欲しいな」


「ぶっ!? な、何を突然言い出すんだ…!」


「…駄目?」


「…ぐ…甥と姪が…欲しいのか?」


「…欲しい」


「…分かった。考えておくことにはする。…さ、予告コールだ。『否定に次ぐ否定…私はどうすれば良いのか、分からない。…生きることもまた…戦うことではないのか? …何故否定されなければならない…それも、ああも頑なに。…はぁ、心落ち着く場所でも見つけ、そこで休むとするか。だが可能ならば誰にも見付かりたくはない…ん? 丁度良い物、あるではないかーーー次回、暗闇にヒトリ』…あぁ…落ち着く……」


「…落ち着く場所…? 弓弦にもある?」


「あぁ勿論。あるに決まってる。もっとも…秘密だがな」


「…狡い」


「さて、帰るぞ。フィーが待ってる」


「…。…コク」

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