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俺と彼女の異世界冒険記   作者: 仲遥悠
最初の異世界
19/411

新たなる世界、新たなる出会い

 沈黙が、艦橋ブリッジを支配している。

 本来ならば、勝鬨かちどきを高らかに上げるべきなのに。その静寂は、まるで正反対のものだった。


「……」


 扉を潜って戻って来たセイシュウとリィルの表情は、沈んでいた。

 原因は、つい先程起こってしまった悲劇に由来する。

 突如勃発した激闘。針の穴を的確に通し続けるような死線を掻い潜り、無事に勝利を収めることが出来た。

 しかしその代償とばかりに、アデウスの討伐に行った四人が行方不明になってしまったのである。


「博士…」


 自分達が九死に一生を得たという事は分かっていた。

 だが、一概に喜ばしいことであるとはいえない。

 これが甲板からアデウスの反応が消えた直後ならば、皆して喜んでいたのだが。


「(これも…勝利では…あるか)」


 一人も欠けることなく帰還すると誰もが思った。思ったのだ。思っていたというのに──その数分後、討伐に向かっていた隊員の反応が消えてしまった。それも、四人分。

 誰もが計器の故障だと思った。【リスクX】と呼ばれる悪魔、アデウスを退ける程の戦闘が起きていたのだから。

 ──しかし、計器の故障ではなかった。淡い希望は、刹那にして打ち砕かれた。

 勝利が嬉しくて待ち切れず、迎えに行った数人が絶望し切った表情で戻ってきた時──その闇は、艦橋ブリッジ全体に広がったのだった。


「…副隊長含め隊員三名、帰還しました」


 オペレーターの声が、静かな空間内に響く。

 それ以外に誰も言葉を発しようとしなかった。

 本来、帰還する人数は七名であったはずなのに──たったの三人ではないか。

 ゼロよりはマシ、一より、二よりもマシ。だが、たったの三人ばかりだ。


「…分かった。伝える役目は…僕だね。総員、解散して良いよ」


 沈黙を破ったのはセイシュウだ。

 眼鏡を手で押さえた彼の、艦の照明に反射された瞳の奥は窺えない。


「はぁ…」


 短く言い残して艦橋ブリッジを出て行ったセイシュウは、転送装置がある艦底区画へと足を向ける。


「…どこに行ったんだよ…レオン」


 これからのことを考える彼の足取りは、重かった。











* * *


 微睡む意識の中で。

 

──〜!


 遠くから、誰かの声が聞こえたような気がした。

 呼び掛けるように、遠くから響く声。

 何と言うか…誰かを、呼んでいるような……?


──ねぇ…ねぇ!


 草花が頬を撫で、微かにするのは緑の香り。

 背中が柔らかいな…。強い土の香りもする。土に栄養が満ちているんだろう、フカフカのベッドだ。

 あぁ、良い土地じゃないか。作物を育てたくなってくるぐらいだ。


「…あ」


 取り敢えずくすぐったいので身体を起こしてみる。

 すると、


「…ふぅ」


 傍に座っていたのか、帽子を被った女性と眼が合った。


「やっと起きたわね…大丈夫?」


 ふと、脳裏で何かが弾けたような感覚がした。

 …何だ? 何か妙に落ち着かない。何とも言えないもどかしさと、どこかで聞き覚えがあるような…?


「俺は……」


 俺はこの声を知っているのだろうか…?

 いや、それよりも。


「俺は…確か穴に吸い込まれて…」


 思考に靄が掛かった状態で辺りを見回す。

 遠くに明かりが…あぁ、家が一軒あるな。

 その近くには…森、だろうか。何となくだが、深い森な気がする。

 眼に留まるのはそんなものぐらいで、後は普通の草原だ。


「(夜…か)」


 辺りは暗い。

 見上げた空には、それぞれ色の異なった満月が二つ浮かんでいる。

 赤い月と白…というよりは青白い月が静かに光っていた。

 奇麗だ。そんな感想を抱いた。


「穴? そう言えば…確かに不自然な穴が開いていたわね。さっきまで。…それより、大丈夫?」


 同時に、ここも異世界なのだと実感した。


「ん…あぁ、大丈夫だよ。ところで君は?」


 どう声を掛けたものかと、少し悩んだ。

 だが初対面の相手、しかも助けてくれた人に対して斜に構えるのだけは失礼に当たる。

 出来るだけ、優しい言い方を意識して名前を訊いてみた。

 いつもと異なった響きに聞こえるだろうか? なら、成功だな。


「私? …フィーナよ。フィーナ・エル・オープスト。あなたは?」


 少し躊躇ためらった様子を見せた後、「フィーナ」と女性は名乗る。

 本人には失礼だが、思いっ切りファンタジーな名前だ。

 …言葉、通じるんだな。どう聞いても日本語にしか聞こえない。


「俺か? 俺は橘 弓弦だ。じゃあフィーナ、突然だけどここは…どこだ?」


 まずはいかなる時も、焦らず慌てずの情報収集が一番大切(だと思う)。

 自分の置かれた状況をしっかりと理解していなければ、行動しようにも出来ない。迷子が迷々子になりかねない。そこから迷々々子々になりかねない。今思考が迷子になっているように。


「ふぅん…」


 それに…何故だろうか、彼女は信用に足る人物だと俺の直感が告げていた。

 頼りになるか分からないが、何となく…信用出来る。そう気持ちと言うか、心と言うか。そこに根拠は無いが、確信出来るものがあった。

 だが、どうしてこんなにも信用出来そうなのか。


「(容姿か? だとしたら、どこかに秘密があるはず…)」


 彼女の容姿に眼を向ける。

 白いつば広の帽子から溢れるのは金糸のような髪。それを腰の辺りで一括りにした髪型は、まるで金糸の川。広がりを見せ、やがて収束している髪の流れが、美しい。

 バランスの取れたスタイルは、グラビアで表紙を飾ろうがものなら、一躍有名になりそうな程。それが翡翠のような瞳と合わさり、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

 ──そう。美しさは常人離れしていて、一種の神々しさまである。いかにも普通の人ではないような──そんな印象を受けた。

 溜息を吐くあまり、魂まで飛び出てしまいそうな絶世の美人だ。


「‘タチバナユヅル…ね……’」


 それにこの空間…何故か不思議な感覚がする。

 まるで現実の空間じゃないような…いや、そんなことあるのか?

 いや、魔法だってあった。大体こう言うのは、最初の感覚が大事だったりするからな。しかし、この土も、草の香りも、確かにそこにあるような──所謂質量を持っているような感じだ。

 気の所為…とするか。


「‘タチバナユヅル…タチバナ…ユヅル…?’ あぁごめんなさい。不思議な響きがする名前ね。‘…それに、魔力(マナ)も…感じるわね’」


 見定めるような瞳を向けられる。

 少し思案する様子を見せ、言葉を続けた。


「外れていたら悪いのだけど…。…えっと、旅人さん? と呼ぼうかしら。あなたは、この世界の人ではないわね?」


 思いっ切りな大正解。

 別に名前で読んでくれても構わないのだが、無理強いするつもりもない。


「これは驚いた。その通り…だとは思うんだが。多分俺は……こことは違う世界から、跳ばされて来たんだと思う」


「そう…それは災難ね」


「異世界人だと理解してくれたのなら話は早いな。出来る限りで良いからこの世界のこと教えてくれないか?」


 見た姿の通り中々賢い人だと見た。知影と同等か、それ以上の才人。

 まったくどいつもこいつも頭が賢くて困るな。…これだから異世界と言うヤツは。


「そう、ね」


 フィーナは腕組みをして、再び思案した。

 何をそう悩む必要があるのだろうか。人の心は分からない。


「…ま、良いかしら。あそこにある私の家まで行きましょう。書物も色々あるから、あなたの要望にも答えられるかもしれないわね」


 突然のご招待。

 女性の家に上がるなんて知影とか“あの人達に”に聞かれでもしたら…あぁ、へそを曲げそうだ。

 だが…まぁ、不可抗力だな。と言う自己解決を胸に。


「あぁ、頼む」


 しかしなぁ…見知らぬ世界に跳ばされてなんだか冒険気分だ。悪魔も存在したし、『陰』色の怪物達も居た。…この分だと、ありがち魔物も居るのかもな。

 異世界だとしても言葉も通じたし、まるでゲームの中に入ったみたいだ。


「…とと、待たせるのも悪いな」


 怪訝そうな面持ちで女性が待っている小屋へと走って行く。

 取り敢えず情報源と、冒険のための拠点は何とかなりそうだ。

 だが…知影達はどうしているんだろうな。

 無事で居ると良いんだが──











* * *


 知影とユリの姿は、とある国の王宮にあった。

 王宮。ここがまず大事である。王宮とういうのは、文字通り王の住まう宮殿。即ち、とある国で一番偉い人の住む場所だ。

 じゃあ次の疑問である。何故彼女達が王宮に居るのか。

 では語ろう。遡ろう。

 ──遡ること一ヶ月前。彼女達は、突然王宮の広間に空から落ちて来た。俗にいう、「空から女の子達が」、状態である。

 最初は賊かと疑われたものの、「こんな歪みのない瞳をした美しい女性達が賊の訳がない」と言う、謎の鶴の一声があった。

 誰が言ったか。王を始めとした大臣達である。大丈夫かこの国は。

 彼等の手によってあれよあれよの間に事は進み、いつの間にか賓客として扱われるようになっていた。

 空から降って来た女性二人が、突然賓客に。

 国が平和なのも頷ける長閑のどかさである。

 そのあまりのご都合主義な状況は、ユリも知影を困惑させた。しかし慣れとは恐ろしいもの。時の流れの癒やしは素晴らしきもの。「時の流れに〜何ちゃら」は名曲。

 それはそれとして。今ではすっかり、城内に居る人との関係を深めてしまった。


「このままで良いのだろうか…?」


 客室の豪華な椅子(座り心地はとても快適)に座り、物憂げに外を眺めていたユリが、不意にそんなことを呟いた。

 幸いユリは知影と一緒なのと、跳ばされた場所に恵まれたこともあり、暫くはこのまま平和に過ごせそうであった。

 平和なのは良いが──兵士に協力してもらってから一ヶ月経つ今でも、弓弦とレオンの行方が掴めなかった。

 また、これまた不幸なことが起こっていた。

 頼みの綱が一つ、インカムも壊れてしまい、『アークドラグノフ』との通信も不可能になってしまっていた。


「むぅ…。参ったな」


 「待っていれば弓弦が助けに来てくれるよ」とは知影の弁だが、ユリは知っている。

 知影が夜な夜な、「弓弦…合いたいよ弓弦…弓弦…弓弦弓弦弓弦…弓弦弓弦弓弦弓弦…んくっ!! …ふぅ…」と、わざわざ持参していたのか。弓弦の服の匂いを嗅ぎながら(?)、それはそれは寂しそうにしている彼女が、一日でも早く弓弦に会いたがっていることを知っている。

(精神衛生上悪い)ので弓弦を早く見つけ出したいのだが、これ災いとばかりに世の中上手くいかない。

 ──といっても、この快適過ぎる生活から離れられないのも本音ではあった。


「…弓弦、どこに居るの…?」


「うむ…弓弦殿は今、どこに居るのだろうか…?」


 二人は今日も、それぞれ弓弦の安否を気にしていた。

 気にしながら王宮に弓弦が訪れるその時を待ち、時をのんびりと過ごしていた。


* * * 


 俺は、フィーナと名乗る女性の家に上がっていた。


「(良いのかレオン…!)」


 誰か一人について全く語られなかったが、それを気にしてはいけない。いけない気がする。

 そんなことを考えながら、フィーナの背中を見ていた。

 彼女は今、本棚を探っていた。


「えーと…あった。よいしょ…っと。ユヅル、どうかしたの?」


 そして、本棚から古ぼけた一枚の紙を取り出した。


「? 俺、何か言ったか?」


「……。いいえ、きっと私の空耳だわ。で、これがこの世界の地図よ」


 何か言ったつもりは無いはず。

 だがまぁ、人間聞き間違いや空耳なんてよくあることなので置いといて。


「…どれどれ」


 フィーナが広げた地図を覗き込む。

 何か不思議な素材で作られた地図なのだろうか。それとも錯覚のか。


「へぇ……」


 その地図は、地図にしては立体的に見えていた。

 立体的に見える地図。あぁ、感心したとも。何か良いよな、こう言うの。


「地図の中央にある小さな島がここ、『名無し島』と呼ばれている、まぁ自然以外に何も無い島。…どう? 見る限り何も無いでしょ。小さな島だもの」


 地図の中央を示しながら、フィーナは言う。


「それで、ほら。大きな大陸が四つあるわ。特に名前という名前は無いけど。それぞれの大陸に一つずつ大きな人間の国があるわ」


「人間の国? そんな他人行儀な言い方をしなくても良いじゃないか。君も人間だろう?」


 何気ない一言だった。

 しかし彼女は暫しの瞬きの後、声を上擦らせた。


「…え? えぇ!! それもそうね!」


 コホンと咳払い。


「…私はこの島から出たことがないから詳しくは知らないのだけど。ここ最近になって…『ベルクノース』と言う所で内乱が起きたみたいね」


 場を仕切り直すかのように、地図の上側を指で示す。


「地図だとここ…北大陸の中央にある大きな国よ」


「内乱…か。それは随分と穏やかな話じゃないな。因みに他の国は?」


 急に話を逸らしたフィーナ。

 彼女が一瞬悲しそうな顔をしたのは──気の所為じゃない。

 だがそれについては、変に触れない方が彼女のためだろう。 家を出されたら困るし。

 なので俺も今は情報収集に専念することにした。


「ごめんなさい…。北の国と言うのも風の噂だから…それですら本当かどうか」


「…いや、なら少なくとも北の国に向かうという選択肢は無くなるからそういった情報だけでも助かる」


 恐らく他の三人もこの世界のどこかに飛ばされているだろう。と言うかそう願いたい。頼むから北の国に居るんじゃないぞ……っ。


「そうか…」


 他の国の情報は無し。…銭も、無し。

 さてどう旅したものか。

 せめて今の内に、ある程度の計画を立てておかないと…な。


「…ぐ」


 考えていたその時、「ぐぅ〜」と俺の腹が鳴った。

 意外にも大きな音だ。驚いたらしいフィーナだったが、噴き出すようにクスリと笑った。


「ふふっ…お腹が空いていたのなら、そう言いなさい。何か簡単なもので良かったら作るわよ?」


「…あぁ、頼む」


 情報収集。そのためにまずは腹(ごしら)えをしなくてはいけないようだ。

 朝から何も食べてなかったとは言え、人前でここまでの大きな音…我ながら情けないものだ。


「……じゃあ、少しだけ待ってて」


 そう言い残し、パタパタと音を立てながら部屋を出て行く。

 恐らく、別の部屋の窓側に置かれた調理台で何かを作ってくれるのだろう。


「…ふむ」


 そうそう、この小屋だが…。入口から入ってすぐそこはリビング。リビングには三ケ所扉があって、それぞれ別の部屋に続いているみたいだ。

 そんな部屋の一つで、さっきまで地図を見ていた。

 部屋の中にあるのは、多くの本棚。様々な書物が並んでおり、フィーナが本好きである可能性を浮上させる。

 本が好きで、賢くて、スタイル抜群の美人…大分欠点が無いようだが…。

 異世界に跳ばされて早々、素敵な巡り合わせもあったものだ。

 感謝しつつ、暇潰しに本棚を物色することに。


「(これは…歴史書か? こっちは……草? あぁ薬学本か)」


 挿入されている絵から大体予想が出来ないこともないのだが、流石は異世界。見たことのない文字で書かれていて、俺には読むことが出来なかった。

 この意味不明さ。これこそ、知らない世界に来た感じがする。

 不安な気持ちが無い訳でもないが、不思議とワクワクする気持ちの方が強い。

 これは後でフィーナに教えてもらわないといけないな…ははっ、こう言うの、何か良いな。

 他にも色々気になったものを流し読みしていくと、本棚の一角に不自然な箇所を見付けた。

 几帳面な性格らしく、これまで本の分類や大きさで区別され、丁寧に並べられてい本棚だったのだが一箇所──不自然な隙間を見つけた。

 経験上こう言った箇所には何かしら仕掛けがあったりするものだが…。

 眼を凝らして隙間の奥を見ると、何かのスイッチらしきものがあった。


「(…流石は異世界(二度目)…期待を裏切らないな…!!)」


 スイッチ…スイッチだ!

 つまり、知的好奇心が唆られるという訳だ。

 なので、 ポチッと。


「…おわっ」


 押してしまった。

 すると、まるでからくり扉のようにその列が回転──中から先程とは全く違った雰囲気の書物が出てきた。


「…ゴクリ」


 読んで良いものなのだろうか。

 開いてはいけない書物だったら、どうしようか──そんなことを考えはしたが、知的好奇心が勝った。


「(どれどれ…)」


 手に取って読んでみる。

 相変わらず文字は全く読めないが、挿絵があった。

 柔らかいタッチで描かれたその絵は…そうだな、ライトノベルに近い感じがするな。

 いや、だがこれはなんと言うか…。そう、大人向け(?)書物だった。

 どこにでもいる人間の男性と、可愛らしい妖精による恋愛物語のシリーズ本のようで、それが…ざっと見て二十冊はある。

 どうして大人向けだと思ったのか、その理由は挿絵の内容だ。

 元居た世界世界でいう同人誌の、そう言った絵に近いかもしれない。


「(清楚そうな印象を受けたが、こんな可愛らしい(?)一面もあるんだな)」


 納得しながら、先へ先へと読み進める。

 思春期男児の知的好奇心(・・・・・)の所為か、パラパラと本をめくる手が止まらなかった。


「ちょっとあなた…何を読んでいるのかしら…?」


 だから、フィーナに見付かる訳だ。


「……」


 本を捲る手が、止まる。

 静止した額を、一筋の雫が伝っていった。

 背後から感じる気迫に、足を縫い付けられた。

 薄暗い小屋の中、本棚の間にて。

 俺が開いていたのはどうやら、パンドラの本であったようだ。 

「…何か本当に、今後は出番が無くなりそうな気配がしますね」


「…確かにそうですわね…ルクセント少尉今回出番ありませんし…」


「…僕、どうすれば良いのかな…。弓弦の奴、何か新しい人に出会ったみたいだし…」


「美人…ですわね。それも、かなりのレベルでの」


「僕も可愛い女性の友人が欲しいな…ほんの少しだけ」


「…どうでも良いですわ」


「…そうですか。良いですよ? 別に僕だってその内メインの章が始まって、そこから一気に出番が増えて誰かとくっ付きそうになったり、新しい力を入手するとかの成長イベントがあったりして皆に慕われてウハウハウハウハ「はい、そこまで~」」


「あ、隊長ではありませんの。こんな所に居てもよろしいのですか?」


「ん? ま~良くはないのだろうが~ほら、今回地~味に俺も本編名前しか出てないから良いだろ~?」


「あぁ…弓弦ツッコミ入れてましたね」


「確かに言われてみればそうですわね」


「「……」」


「な、何ですの? 二人揃って静かになって…」


「セイシュウ…俺~、今本気でお前に同情したぞ…」


「隊長、今日は博士お休みです」


「う~ん…あいつ今別の意味でお休みしてそうだがな~」


「しっ…! 言っては駄目です」


「まさか…マジかよ~。ディオ、医務室へ運んでやるか~」


「…はい」


「? …二人ともゴミを持ってどこかへ行ってしまったようなので、これを読んでから失礼しますわ。え~コホンですわ。『一時の安らぎに心を癒やし、一時の諍いに肝を冷やす。何気無さの中には、当たり前への確信があり、確信があるからこそ強い喪失感に繋がる。夢は覚めるもの、しかし今は続くもの。在りし日の呼び声が、弓弦を呼んでいた──次回、垣間見た“夢”、そこにある“今”』見ないと暴れますわ、おーっほっほ!」

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